黒猫マスクの情け無用!!第24回中編

こんばんわ黒猫マスクです。前回はちょっとしんみりしてしまう展開になってしまった「黒猫マスクの情け無用!!」今回はちゃんと作品を振り返ります。聞くも涙、語るも涙の生き別れ~ぃ…

…なんで、そんな浪曲調なんですか?アシスタントの原田いずみです。

まぁまぁいずみちゃん、お席にどうぞ。

…どうしたんですか、気持ち悪い。というか、いつもは黒猫さんの隣に座るのに、今日は対面なんですか?

いやぁ、今日はいずみちゃんが事実上ゲストです。

ああ、そういうことですか。あまりなかった扱い…かな?

どうだろうねぇ…あまり本気で過去のオンエア振り返ったことないけど。ま、今日はインタビュー形式で作品を振り返ります。

ふぅん…面白い趣向ですね。

さて、今回はまじめに作品振り返らないとね。あらすじをざっとまとめると…

わたしが女子更衣室で千春とリンダのパンティを盗み出す菊丸くんを目撃したですけど、その深夜に今度はわたしの部屋に潜入し、寝ているわたしのパンティを脱がせようとしたんです…

(原作より)

…今の解説だけだとかなりヤバい流れだよね。ガチの夜這いじゃん。

でも昼間の件もあって警戒していたから、なんとか脱がされないよう身構えていると、菊丸くんが当初の目的を見失い、わたしの胸にローソクを立てて遊びだし、その上胸にパックを塗ってかたどりまで始めちゃって…最後は溶けたロウが…その…

(原作より)

おっぱいの先っちょに垂れてものすごい顔で絶叫しちゃったよね「あっつーい!!」って。

(原作より)

う…そ、そんな恥ずかしいカットをわざわざお見せしなくていいですぅ。で、たまたま泊りで遊びに来ていた千春とリンダが異変に気づいちゃって…仕方なく詰問したんだけど、結局菊丸くんが大した言い訳もしないまま引き上げちゃってその場は終わっちゃったんです。

ん…?

どうかしましたか?

あ、いいや、ここまでで。

え、まだあらすじは途中ですけど…

ここでいったん振り返りしようか。いくつか確認したい点があるんだ。

はぁ…

じゃあ聞くけど…いずみちゃんは、菊丸くんが潜入してくることは、ある程度見越していたんだ?

見越していたというか予感ですけど…別に見越してたわけじゃあ…

いやいやいや、ちゃんと見越してなかったらパンティ隠しておくなんて布石は打たないって。ちなみにどこに隠してたの?

う…お、おとうさんのタンス…

な、なるほど…そりゃ探せないわ(考えたな…)。千春ちゃんやリンダが泊ったのは偶然なんでしょ?

え?ええ…

ご両親は不在だったわけだし…もしもだよ、千春ちゃんたちが泊っていなくて、いずみちゃん一人で夜を明かすってなってたらどうだった?リンダっていう居候がいるけど、今回はそれは考慮しないで…考えても見てよ、年頃の女の子が一人で過ごすところに菊丸くんが潜入してくるんだよ。そんな状態で狸寝入りとはいえ、ランジェリー姿で寝ていて挑発するなんて危険だと思わなかったの?

(ぎくっ…)そ、そうですね、言われてみると…

もっとツッコむよ。菊丸くんは、ぬいぐるみに潜んでたから、手が塞がってやむなく口で脱がすという効率の悪いことして、それがいずみちゃんの抵抗…寝返りキックでの防衛に成功したんだけど、あれがもし素手で脱がされたらどうなってたと思う?

え…(どき)ど、どういうことですか?

元々小器用な菊丸くんだよ?それくらい容易く成し遂げたと思うけどな。

そ、そうでしょうか…

想像してみてよ。まぁ千春ちゃんとリンダは原作どおりいるってことでいいや。菊丸くんはパンティに手をかけるとベッドのスプリングに絶妙な圧力を加える。わずかに沈んだ一瞬を見計らって最初にして最大の難関であるおしりを通過し、パンティはふとももに到達。

あ…やだぁ…

今度は力よりスピードが勝負。あっというまにパンティはいずみちゃんの白い太ももをすり抜け…

(ぞくっ)…ちょ、ちょっと変な言い回ししないでぇ…

形のいい足首をスルリと抜けとおす…いずみちゃんが抵抗しようとしてもこの間わずか数秒…もし本当に寝ていたら脱がされたということにすら気付かなかったかもしれない。

や、やぁ…ん…で、でも菊丸くんならやりかねないかもですぅ…

菊丸くんは脱げたてホカホカのパンティを手に入れる…いずみちゃんの温もりはもちろん、その体臭もたっぷり…

ちょっ!!黒猫さん、いい加減に…

パンティを失ったいずみちゃんは、女の子の大切な部分…が丸見え…ふと菊丸くんが部屋を見渡すと、いずみちゃんのローソクコレクションを発見。菊丸くんはその神秘的な小さな炎でいずみちゃんのそこを照らす…

ああ…

異変に気づきながらもいずみちゃんは、恐怖と緊張と恥ずかしさから身動きがとれない。菊丸くんが照らしたいずみちゃんの部位は、キラキラと奇妙な反射を見せ、そんないずみちゃんの性癖をそのままに表す…

わ、わたしそこまでされたら黙っていません!!例え間に合わなくてもパンティを脱がされた時点で起き上って取り返します!!

そう来ると思ったよ…でもねぇ…菊丸くんは悪びれることもなくこう言うんだ。「しーっ…いずみちゃん、騒いだらダメ。千春ちゃんたちが起きちゃうよ?」

そ、そんなの、ずるぅい!!

菊丸くんは続けるよ。「大丈夫、静かにしてたら千春ちゃんたちに気づかれないように終わらせるから…」

(ごくっ)…で?

え?終わりだよ。

ちょ、ちょっとぉ!!なんですか、その生殺しはぁ!!

何を期待してたの?

べ、別に…

じゃあ一言だけ付け加えようか?「明け方…菊丸くんはいずみちゃんのパンティと大切なものを奪って去っていきました。菊丸くんが転校したと知ったのは、その後登校してからでした」

な、何を奪っていったのよぉ!?黒猫さんのエッチ!!

こーゆーカット挟むだけでかなり印象変わるよね~


(イメージ)

こらこらこらぁ!!一晩共にしちゃったみたいに思えちゃうでしょ!?

…ん~でもさ、いずみちゃん、案外こーゆー展開期待してたんじゃないの?

ななななな…なんでですか!?

だって…さっき言ってたじゃない。原作で千春ちゃんたちが気づいた時、「仕方なく詰問した」って…

え!?あ、あれはいわゆる言葉のアヤというやつで…

ふ~ん。

な、なんですか、その下衆い眼差しはぁ!!

顔真っ赤にしてモジモジしちゃって…いずみちゃんってやっぱり面白いなぁって思ってね…ま、これ以上やったらいずみちゃん泣いちゃうだろうから、インタビューはここでおしまい。

え、まだ続くんですか?

うん、あ、そうそう、連絡事項だけど次回はお休みします。でもオンエアは通常どおりね。

え?

MCは後で臨時で来てもらいます。

臨時MC?ああ、千春かリンダか…
そんなところ。まぁよろしくね。

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。本文で触れていますが、次回はオンエアはしますが、黒猫マスク自身はお休みです。代理MCは決まってますが、それはソノ時までのお楽しみで…(引っ張るほどのもんじゃないんだけど)。

原田いずみ
現役女子高生の17歳。このエピソードの面白いのはいずみの根底にある自爆体質。場合によっては菊丸を上回るドジっ娘ぶり。自縄自縛に陥るところを黒猫にチクチクといびらせました。
公式データ
第55話 最後のパンティー
単行本収録
講談社版 第9巻第3話
フランス書院版 なし
英知出版版 第2集(キャッチ編)第24話
本ブログ紹介 こちら
黒猫マスクの情け無用!!第24回

はい、こんばんわ黒猫マスクです。「黒猫マスクの情け無用!!」始まりましけれども…

どうしたんですか?黒猫さん、アシスタントの原田いずみです。

…どうしたってどういうこと?

あ~なんというか、妙にしめやかというか…うまく言えないけど、ちょっとだけ厳かというか…

ん~普通にしてたけど分かっちゃうもんだねぇ…実は今回最終回なんです。

ええっ!?この「情け無用!!」がぁ!?

違う違う、今回は「最後のパンティー」つまり「ハートキャッチいずみちゃん」原作の最終回ってことです。

なんだぁ…てっきりこのお仕事が終わっちゃうのかと思いましたよ。まだ半分くらいしか紹介してないし、まだまだ続くんなら
安心しました。

良くないよ。連載が終わったせいで、どれほど街の男性読者を落ち込ませたか…

ま、まぁ「ハートキャッチいずみちゃん」は月マガ掲載だったですけど、そのあと遠山先生は週マガに移って「胸キュン刑事」を始めてますよね。まぁ盛大に討ち死にしちゃったんだけど。

こらこら、そんなこと言わない。

月刊から週刊に移ったこともあり、なんというか画風の変化が急速でしたよね。

まぁそれはあるかな。

ヒロインのくるみさんだって初期のころこそわたしたちと同じ雰囲気の丸みのあるキャラクターだったけど、後半であっという間に…えーと…あ~スレンダァになってますよね。

随分言葉選んでるね。その変な間とアクセントがかえってトゲトゲしいけど。

それに現実世界での環境の問題もあったと思います。

環境?いわゆる「有害コミック騒動」時と「いずみちゃん」の連載が終わったのが重なるってこと?

はい、時期的なものもそうだと思うし、加えて土壌そのものが相性悪かったと思うんです。なんというか…

ふむ?

これは持論なんですけど…遠山先生の基本路線、つまり少年誌における「お色気コメディ」とか「お色気サスペンス」って「お色気○○」って週刊誌には向かないと思うんです。

というと?

ちゃんと調べたわけじゃないけど、週刊誌のほうが売れてるし、その分耳目を集めやすいってのはあったと思うんです。

まぁそうだろうね、何となくだけどメジャーのは週刊、ちょっと一歩下がったのが月刊ってイメージがあるかな。もちろん一概にそうとは言えないけど。つまりそれで世間…というより思春期の少年の最大の敵「母親」の目に留まる確率があがり、実際見つかって叩かれた、また叩かれやすい環境に陥ったってこと?

そうですね。「まー菊ちゃんたらこんないかがわしいの読んで!?あらやだ」って感じ?

…な、なんでそこで「菊ちゃん」なんだよ。だいたいそんな呼ばれ方はしてない…(ぶつぶつ)

とにかく、こうして発行部数による発見率上昇の問題もありますけど、別の問題もあります。

別の問題?

単純に考えて週刊誌は月4冊、月刊誌は当然月1冊が思春期の男の子の部屋に置かれるわけです。

まぁそりゃそうだ。

母親が部屋に掃除に来て拾い上げて「ハートキャッチ」にせよ、「胸キュン」にせよ目に留まる確率は冊数レベルでだと…

あ、そうか見つかる確率は跳ね上がるってことかぁ…いいところに目を着けたね。なるほど…

ふふ~ん、面白い考察でしょ。

いやぁ~でもさ、まず有害コミック騒動とは時期が偶然重なっただけだってあったよ。Wikiソースだけど。

え…?そ、そうなんですか?

それにさぁ、騒動で叩かれた作品は、上村純子先生の「ルナ先生」シリーズが筆頭格だったじゃない。あれ月刊誌掲載だよ。

ぐっ…

男の子の部屋における週刊と月刊の残留率はいい着眼点だったと思うけどね…真相はわからないけど、遠山先生が週刊へ移籍したのと、有害コミック騒動は偶然同時期だった。ただ「いずみちゃん」はその煽りを喰らって増刷できないまま世間から置いていかれた…そんなところじゃないかなぁ…

でもでも…それだって根拠はないじゃないですか。

そんな必死にならんでも…根拠ねぇ…傍証なら…なくもないよ。

?

有害コミック騒動時に、敵方のリストに遠山先生の作品ってリストアップされてないんだ。あまり対象の作品として語られることもない。筆頭格は先述の上村先生や遊人先生の作品だったけど、遠山先生の名前ってほとんど見ないんだよね。

あ…そういえばそうかも…

ま、すべて憶測の域を出ないから何とも言えないけどね。おや、これだけで結構時間すぎちゃった。肝心の作品紹介全くしてないね。

このノリで作品紹介もしづらいし…次回にしましょうか?

そうだね、ま、たまにはこんなのもいいよね。しかし本当に珍しい展開だね。

やっぱり最終回ってのが大きいですかね。

そうかもね。

…(しんみり)

…(しんみり)

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。珍しくこんな展開になってしまったのは、本文にもあるように最終回ゆえか…と思わせて時代背景の考察書いてるうちに長文になってしまったので、次回に繰り越したというのが真相。
でも最終回だからこそ触れられるテーマでもあるし、まぁいいか。

原田いずみ
現役女子高生の17歳。「情け無用!!」は別に最終回ではないのに妙にしんみりしてしまうちょっと複雑な心持ち。
「月刊、週刊の差による発見率の高さ」は思い付きで黒猫が語る設定で書いてるうち、「あ『ルナ先生』月刊誌じゃん」と気づいたのであえなく撃沈してしまったが、いずみが論破されて涙目になるのが面白いからまぁいいか、とそのままいずみの唱える説に置き換えて流用した。
公式データ
第55話 最後のパンティー
単行本収録
講談社版 第9巻第3話
フランス書院版 なし
英知出版版 第2集(キャッチ編)第24話
本ブログ紹介 こちら
黒猫マスクの情け無用!!第23回後編

はいはーい、こんばんわ、「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクでーす!!前回、前々回につづき、ロケスタイルでのお届けでーす!!そしてわたしは臨時アシスタントの中野千春でーす!!今回は、黒猫さんと司会を交代してお送りするんでちょっと緊張してまーす!!

ちょっとぉ!!どうせ交代するならモデルのわたしと交代してよぉ!!原田いずみです!!

前回は司会進行でしたが、今回司会は千春ちゃんにお任せして、別行動をとる黒猫マスクです、ささ、いずみちゃん。時間がないから原作クライマックス…電球ランジェリーを速やかに装着して!!

ほらほら、いずみ、わたしが手伝ってあげるからぁ…

じゃ、千春ちゃん電球ランジェリー装着までよろしくね。そこで司会交代だよ。

あ、あれ?黒猫さんはどこにいくんですか?

店長さんのところ。

て、店長もいらっしゃるんですか?

うん、解説席にいるから、これから二人で実況するんだ。今いずみちゃんが準備しているうちにこれまでの状況を店長と振り返って取材しておくんだよ。じゃ、あとよろしくね、千春ちゃん。

(ぴっ)ラジャです!!

…さてお待たせしました。解説席に移りまして本日は特別ゲスト。ランジェリーショップ「ラブリー」の店長さんにご参加いただいております。店長、よろしくお願いいたします。

こんばんわ、よろしくお願いします。

どうですか?前回の2点振り返ってみて批評いただけますか?

一言でいうと…完敗だわ。

か、完敗!?

原作と順番を入れ替えて星飾りランジェリーが出てきたときはただの焼き直しって少したかを括ってたんだけど…アレンジしたモールランジェリーで度肝を抜かれたわ。まさかあんなのが出てくるとは思わなかった…黒猫さん、あの発想はあなたなの?

え、ええまあ…

素晴らしいわ、続く大ネタ、「電球ランジェリー」が楽しみよ。

恐縮です。原作ではほぼ非公開だったからそのまま登場させますけどね。

それで充分よ。あんな恰好でステージ歩かされたら、彼女…いずみさんだって相当にボルテージあがるはずよ…客席を満足させるには十分だわ。ふぅ…それにしても…

ん?どうかしました?

む、むさ苦しい…

は?

あ、いえ…客席にあんなに男どもがいるなんて初めてで…

ああ、そうか、ランジェリーショップ併設のライブスタジオだから、普段は男性客なんて入らないんですね?

そうね…ただ…実入りがすごくいいのよ。実際問題ライブ会場作ったのはいいけど、どうやって維持管理するか悩みどころだったの。毎月々のメンテナンス費用だとか、固定資産税だとか法人住民税だとか…

考えてなかったんですか!!

でも、こうやって男性限定「夜の部」を催せば充分ペイできるのよ。ね、黒猫さん。ちょっと組んでやってみない?あ、そうだ!!あなたもレスラーとしてキャットファイトなんてどう!?黒猫だけに!!

おぃおぃ…

きゃあん!!な、何よこれぇ!!

おや、ちょっと舞台袖でトラブルのようですね。いったん失礼します。

あ…ちょっと!!

どうしたの?いずみちゃん!?

ち、千春が…

てへ、ごめんなさい。黒猫さん。電球のコードがこんがらがって…

わ、こ、これ…上下逆じゃないかぁ!!

そ、そうなんですぅ!!本来首を通す部分が股間に来ちゃってるから…これだと…

ああ~ん!!ま、丸見えじゃなぁい!!千春何とかしてよぉ!!

うう~ん、だけどお客さんかなり待たせてるからねぇ…
(がやがや…)

かなり混線しちゃってて…解いてたらさらに待たせちゃいますよ?

そうだ、千春ちゃん。こうしてくれる?(ごにょごにょ…)

あ、はい、わかりましたぁ!!

…すいませんお待たせしました。間もなく再開しますよ、店長。

大丈夫なの?

ええ、災い転じてなんとやら。どうやらただの焼き直しにならずに済みそうです。

…?

えーお待たせしましたぁ!!ランジェリーショーを再開しまーす!!

あ、始まったわね。

明智菊丸さんデザイン、黒猫マスクさんとわたし、中野千春アレンジのスーパーランジェリーの登場です…ほらいずみ、早く早く!!

あ…ああ~ん!!や、やっぱり恥ずかしいよぉ~!!

おおおお~!!

モデルは原田いずみさん!!恥じらいながらの登場が殿方の心をくすぐります!!

な、なんつぅ色気だべ。

本人の色香もだが、ほとんど線と点の下穿きが色っぺぇべ!!

うう~ん…だが、あの前を両手で隠しとるのがいかんばい!!

そ、そうじゃあ!!下穿きの上から手で隠したら「作品」が見えねえでねぇか!!

だ、だってぇ…手を放したら…見えちゃうんだもぉん!!

さぁ、店長いかがですか?

…!!ちょ、ちょっと何よあれぇ!!あんな股間を抑えてモジモジしてたらショーにならないじゃない!!というか、いずみさんが言ったことはホントなの!?

…というと?

手を放したら丸見えになっちゃうって…

ああ、実は誤って大切な部分を避けて配線…あ、いや着用してしまってるんです。

だめじゃない、それじゃ。お客さんがランジェリー鑑賞できないでしょ!!

大丈夫、そのために急遽打開策を講じました。さ、いずみちゃん、前を隠したままでいいから、花道を通ってお客さまに接近して。このままじゃショーの幕が下ろせないよ!!

あ、あぅ…もぅ…こうなったら、ヤケよ!!

よーし、躊躇いながらも前に来たね…さ、千春ちゃん、ナレーションを!!

あ…はい。皆さま…これよりご紹介するのは、原作からのリミックス電球ランジェリー…ステージ中央に現れました彼女が身にまとうのは、ほとんど線で構成されたという、殿方の心をくすぐる過激なデザイン。それゆえさすがのモデルも恥じらいから身を固くしております。

そうじゃー!!

その手が邪魔じゃあ!!しゃがみこむなぁ!!


お怒りはごもっとも…それでは、モデルにその手を離させて、皆さまに新作ランジェリーをご披露しましょう。

あぅ…千春!!できるわけないでしょ、こ、こんな大勢の前で…

でもご披露しないと、ショーが終わらないわよ?

え…そ、そんなぁ…

いずみちゃん、ショーを滞りなく進めるためにも、早く!!オンエアも終わっちゃう!!

黒猫さんが大丈夫って言ってたんだから…ね?

~!!(すっ)

おおっ手…手がわずかに離れたど!!

そう、そのまま手の位置を変えて…隠してた部分を露わにするんだ!!

…はぁはぁ…(すす…)

も、もうちょっとだべぇ!!

か、完全に離れ…ちゃ…ぅ…

いまだっ!!
(フッ)

な、なんだべぇ!?

急に真っ暗になったど!!

な、何!?停電!?…いえこれは違うわね…黒猫さん、あなたの演出ね?

ええ、ここに隠し持ったリモコンで全体の照明を落としました。さぁいずみちゃん、心配いらない!!この真っ暗闇なら大丈夫でしょ!?

あ…はい…(スッ…)

こるぁ!!これじゃさっきと変わらんでねぇかぁ!!

ちょ、ちょっと黒猫さん…客席が暴動おこしそうな雰囲気になってるけど…

心配ご無用!!お客さん、静粛に!!ここからが本番です。
(カチッ)

ひゃあ!?で、電球ランジェリーが…点灯し始めたぁ!!

おお!!人体の形に沿ってキラキラ光っとる!!

し、神秘的だべ…

んだんだ、し、しかし…豆電球の光では…

ん、んだ!!光が弱すぎるうえ点滅しとるから、おなごのまたぐらをぐるりと囲んでても肝心の真ん中がよく見えねぇっぺ!!

く、くそぉ~見えそうで見えねぇ~

さ、店長、電球ランジェリーいかがですか?

これは…究極だわ、大切な部分を守りつつ、殿方を誘惑する…粋な演出ね。

ふふ、ではもう一点演出をお見せしましょう。

ま、まだあるの!?
(カチッ…パッ)

…ん?

さあどうです!!足元からのライトアップ!!

きゃあん!!そ、そんな…照明点けられたら…み、見えちゃう!!

お、おおおお~!!あ、明かりが花道に点いたべ!!

これで見えるっぺ!!

や、やぁ~ん!!

いずみちゃん、落ち着いて!!そのままじっとしてるんだ!!下手に動くとかえってお披露目しちゃうよ!!

…え?

ん…こ、これは…!!

ひ、光が強すぎて…見えねぇだぁ!!

(イメージ)

そうか、強烈な光を照射させ、蒸発現象を起こしたのね!!さっきまでは闇が守っていた箇所を今度は強く放たれた光が守る…素晴らしい演出だわ!!

ああん、ホ、ホントに見えてないのぉ!?

ぬぬぬ…悔しいが白くぼやけてまったく見えん…完敗じゃ…

す、すごい…わ、わたし…見せてるのに…見られてないなんて…(ぞくっ)

さぁいずみちゃん、光が満ちた花道をゆっくり引き返すんだ!!

は、はい…(ああん…こ、この開放感…)

千春ちゃん、いずみちゃんが引いたところで、いったん幕だ!!店長さん、ちょっと舞台袖にまた行ってきます!!

あ、はい!!以上電球ランジェリーでしたぁ!!

素晴らしい!!

感動じゃあ!!

黒猫さん、客席が騒然となってますよ。

これがホントのスタンデングオベーション…なんてね。

え?拍手はしてるけど、全員座ってますよ。

はは、千春ちゃんにはちょっと難しかったかな。

?

…そうよ、わたしはただモデルの仕事をしただけ…見えてないんだから見せたわけじゃない…そうよ、それに自分から見せたわけじゃないんだし…(ぶつぶつ)

いずみちゃん…舞台から引き上げると同時に自己嫌悪に陥ってるみたいだけど…大丈夫?

はっ!!だ、大丈夫です!!

どうだったの?いずみ。

それが…見せたいけど見せられない、見せてるのに見えてない、見られてるのに見られてない…いろいろごっちゃになってもどかしくて…ああんもう…

要は結構気に入ったってことだよね?

そんなこと言えませぇん!!

それだけ元気があれば大丈夫だね。

何がですか?

フィナーレの一品だよ。

え、ま、まだあるの!?

まぁまぁ…今度はちゃんと覆い隠してるから…さ、千春ちゃん、最後の紹介いくよ!!

は~い!!

じゃ、いずみちゃん、これよろしくね。

ええっ!?こ、これ…

皆さま…お待たせしました!!本日のフィナーレ!!明智菊丸、黒猫マスク合作のこちら!!

(イメージ)

ああ~ん!!こ、これリンダが着けてたアレじゃなぁい!!

あ…あれは…

ワラジパンティで本日のショーを締めくくります!!

な、なんてこと…日本の伝統工芸品をあんな風に…!!

ああん!!これ…隠してはいるけど…ちょっと動くだけで…こ、こすれるぅ!!そ、それにおしりにロープが食い込むぅ…

おほほ~くねくねしてまた色っぺぇべ!!

しかしどこがリミックスなんだっぺ?

はい、実はほつれも人為的に再現!!かるーく引っ張るだけで、簡単にハラリ仕様!!

きゃああ!!み、見えちゃ~うぅぅ~!!


おおお~!!こ、こんどこそ…!!

黒猫マスク…恐ろしい子…

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。天才的なランジェリーデザインを生みだす才能の持ち主。え?オチのワラジパンティを含め、原作のデザインは菊丸作では?いやいや、黒猫マスクは菊丸氏との思考のシンクロ率が尋常でなく、決してお互いに模倣と非難することはないので、問題ないのです。なんでなのかは不明。

原田いずみ
現役女子高生兼、ランジェリーショーモデル。「究極の電球ランジェリー」の仕様に驚愕させられながらも、結局は好奇心を捨てきれず着用し多くのお客様の前で披露。恥ずかしさでいっぱいだったらしいが、後悔はしてないらしい。
…まだまだ開発の余地はありそうです。あ、ランジェリーがですよ。

中野千春
いずみの親友兼、追い込み役。今回はショーの司会進行役で登場し天然パワーでいずみを追い込む。別のエピソードになるが、ワラがこすれる刺激は彼女も原作で体験済み。

ランジェリーショップ「ラブリー」店長
前回と呼び名をちょっとだけ変えました。まぁ経営感覚がけっこう豪傑なのは以前の紹介文と本文で指摘したとおり。今回のことがヒントとなり、男性客専用のショータイムを設けることを思いついて経営が無事軌道に乗ったとかそうでないとか…
最後の一言は元ネタの人に何となく風貌が似てるので取り入れました。


ショー第二部客席のみなさん
前回に引き続きギャラリーの皆さん。一番おいしい思いをした方々
失敗したなぁと思うのは、顔のチョイスをどっちも同じ角度にしてしまったところ。実際必ずセットで発言するので、立て続けに向かって左に傾いたアイコンが続くことになってしまった。変な訛りになってしまってるのはご愛敬…
公式データ
第40話 菊丸特製ドッキリ下着
単行本収録
講談社版 第6巻第5話
フランス書院版 なし
英知出版版 第2集(キャッチ編)第9話
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黒猫マスクの情け無用!!第23回中編

はい、こんばんわ、「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクでーす!!今回は予告どおりロケスタイルでお伝えしまーす!!

アシスタントの原田いずみです!!ランジェリーショップ「ラブリー」さんの全面協力のもと、ステージをお借りしての中継です!!

はい、というわけで現在舞台袖からお伝えしてるんですが…

舞台は随分にぎやかですね。

うん、今前座のショーが進んでます。いずみちゃんは第二部担当。

そ、そうなんだ…

もうすぐ終わるからすぐ出番だよ。いずみちゃん、準備はいい?

あ、あとは着替えるだけですぅ…ちょっと緊張してきました。

その割には口調は結構冷静じゃない?

まぁひとつは客層かなぁ…

客層?

ランジェリーショーって女性客ばかりじゃないですか。ほら、そこの隙間から見えますけど、今日もそうだし…だから同性同士ならまぁ気楽な部分もありますし…

ああ、今はね。

?

ただいまぁ!!

お、千春ちゃん、出演お疲れ様。

千春?なんでまた…

えへへ、今日はショーのモデルを兼ねて出演でーす。

あ、あれ?わたしの出番は…?

心配ご無用!!ここでいったん第一部終了ということで幕引きして、いずみちゃんにバトンタッチってわけ。
(がやがや…)

あれ、その割にはお客さん引き上げてません?

うん、総入れ替え。前半と後半はお客さんが違います。ここから先は黒猫マスクのコネでお招きした正体客です。

そっか、女子プロレスラー仲間ってことですか?

え…ちがうちがう、招待客はほぼすべて男性です。

ええっ!?ちょ、ちょっと待ってください!!なんでそうなるんですか!?

だってリミックスだもん。その辺は手を加えてますよ。

ちょ、ちょっと客席見せてください!!(ちらっ)

(イメージ)

ちょ、ちょ、ちょっとぉ!!あれ「ドッキン!!はらおどり」の吾作さんを中心とする温泉宿の宿泊客じゃないですか!!

あっちには「危険な温泉旅行」の泊り客もいるよ。

や、やぁ~ん!!か、帰るぅ!!

ダメよ、いずみ。なんのために会場温めたと思ってんの。

きゃ、客層変えたら、温まるも何もないでしょお!?

まぁまぁ、せっかくいずみちゃんのファンが募ったんだから、楽しませてあげようよ。

ファ、ファン!?

いずみちゃんの体が忘れられないんだって。会報誌に案内載せたらものすごい倍率で勝ち抜いた人たちだよ。

誤解を招くようなセリフはやめてください!!…って会報誌ってなんですかぁ!?

ま、お仕事しっかり務めてくれたら、いつかお見せしますよ。

あーん!!

愚痴ってる場合じゃないわよ、いずみ。ほらほら着替えて着替えて…

きゃっ!!ち、千春何すんのよ!!

言ったでしょ、今日はモデルを兼ねての出演だって…わたしは今日は黒猫さんのアシスタントもやるんです。厳密にはいずみの衣装係ね。

じゃ、千春ちゃん、さっそく装着よろしくね。こっちは司会しないといけないから。

はーい。

いずみちゃん、今日はすべてのモデルをこなしてもらうから、着替えは手早くちゃっちゃとね。

だ、だからぁわたしはまだやるなんて…きゃあああ!!
(がやがや…)

さてお待たせしました。これより「黒猫マスクの情け無用!!」スペシャル企画「黒猫マスクランジェリーショー」を開催いたします!!モデルは皆さんのアイドル、原田いずみちゃんでーす!!
(パチパチパチ…)

いいわねぇいずみ、大歓迎じゃない。こういう地道な活動がファンを育てるのよ。

だ、だけど何か年齢層が妙に高いんですけどぉ!?

では、本日の一品目…原作でもいずみちゃんが愛用…あいや、着用しました「ハレーすい星」です!!

あ、あれ?そっちからなの?あれって原作じゃ2番目だったわよね。

うん、こっちは今回手が入ってないから…前座としてはちょうどいいんだと思う。はい、じゃあ着けたからいってらっしゃいいずみ。

きゃっ!!千春、お、押さないでぇ!!

(原作より)

おおー!!いずみちゃんじゃあ!!

うう~ん、ありがたや、ありがたや…

ああぅ…み、見られてるぅ…

さぁさぁ、本日の「ハレーすい星」は、最初からウメボシを装着済み!!星の中点をご覧ください!!

おおっホントじゃあ!!

ピクピク動いとる!!

(原作より)

あっ…あぅ…恥ずかしいよぉ…

いずみちゃん、何じっとしてるの!!ほらほら歩いて!!ショーが進まないよ!!

あ、そ、そうか…ステージを周回すれば、いったんは舞台袖に逃げられる!!よ、よーし…さっさと一周しちゃお!!
(ささっ)

はーい、というわけで掴みとしては、充分だったと思います。続いての作品発表に参りますのでしばらくお待ちください!!

おつかれ、いずみ。じゃあ次はこれね。

え…ちょ、ちょっと待ってよ。これ…

原作と仕様が違うのは当然でしょ、リミックスって言ったじゃない。

だ、だけど…

何?着け方知らないの?しょうがないわねぇ…手伝ってあげる。

い、いやそうじゃなくて…きゃああ…

おーい、いずみちゃん!!何してんの、早く早く!!千春ちゃん進めていい?

OKでーす!!

よーしでは…お待たせしました。次の作品…「春を呼ぶ鐘のしらべRemix」!!

(原作より)

おおっな、なんだべありゃあ!!

ああっ…

「雪割草のツボミに直に鐘を装着!!これにより、鐘が受けるわずかな風でもいずみちゃんを大胆に刺激します!!」
(チリン…チリリン…)

や、やぁん!!本当に振動がきちゃ~う!!

おお、さすがいずみちゃんだ、顔を赤らめて悶えちょる!!

なんつぅええ表情じゃあ!!乳おどりの達人だけあるべぇ!!

(はぅ~ん、し、視線を感じちゃう…)

しかしこれだけでは春のしらべにはなりません!!実はこの「春を呼ぶ鐘のしらべRemix」は、前回と設定が少し違うんです。

ほほぉ、そのココロは?

実は設定上なんですが季節を少しさかのぼってるんです。つまりまだまだ雪深いころ…

ふむふむ…

つまり…草はほとんどまだ生えてないんです…しかし…極寒の厚い雪の層を打ち破り…つまりいずみちゃんの雪のような白い肌にわずかに顔を出した草がこれなんです。

おおっ!!

これはそういうことかぁ!!

ちょ、ちょっとぉ!!このモールパンティ…股間の部分しかないじゃないってのは、そういうことだったんですかぁ!?

腰は細めのひもで結わえ、モールは股間のみを覆っています。いずみちゃん、着け心地はどう?

ち、ちくちくして…擦れちゃいますぅ…

そ、そうか、これはいずみちゃんに「生えた」というのを引っかけているんだな!!

お察しのとおり!!いずみちゃんがオトナの階段を上る様子も表しているんです。

あ…ああ~ん!!気にしてるのにぃ!!は、早く一周して逃げ込まないと…これ…あん…あ、歩こうとしたら刺激されて…早く歩めなぁい!!

おほほ~腰振ってますぞ!!

よく見ると後ろ姿も過激じゃのぅ…さっきの「ハレーすい星」もそうだが、後ろは、ほっそい紐がおしりに食い込んどるだけじゃないか…

や、やだぁ!!ジロジロ見ないでくださぁい!!

さて、ふらふらしながらもいずみちゃん引っ込んだところで、ショーもいよいよ佳境!!休憩を挟んでもう一回だけ続きます!!

ま、まだ続くのぉ!?

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。今回のランジェリーショーの仕掛け人。原作とは違い、用意する余裕があったせいか、制作ランジェリーはさらにヒートアップした代物に。

原田いずみ
現役女子高生兼、今回はショーモデル。文句を言いながらも黒猫がデザインしたと称する新作ランジェリーをすべて身に着けるなど、興味を捨てきれぬ故に言動不一致になってしまう残念な子。性癖どおり自縄自縛のケ強し。毛はないけど。

中野千春
こちらも現役女子高生兼、ショーモデル(ただし第一部)。客は女性、しかも店長考案の無難なデザインのランジェリー着用に限られたため、特段不測の事態もなく、良い小遣い稼ぎになったと本人はご満悦。本領発揮はそのそのあとのショーの裏方であり、いずみに黒猫デザインのランジェリーを押し着せるという難題をど天然パワーであっさりしてのけた。悪意が(たぶん)ない分、ある意味いずみの天敵。


ショー第二部客席のみなさん
「ドッキン!!はらどおり」「危険な温泉旅行」に登場した中高年の皆々さま。詳細は不明だが、黒猫が運営するいずみを対象にした地下ファンクラブの会員たちらしい。ちなみに「ほぼ」全員男性だが、なぜか桂木先生も会員らしい。「情け無用!!」の運営が潤沢なのは、こちらの会員さんから会費を徴収しているかららしいとか、そうでないとか…
公式データ
第40話 菊丸特製ドッキリ下着
単行本収録
講談社版 第6巻第5話
フランス書院版 なし
英知出版版 第2集(キャッチ編)第9話
本ブログ紹介 こちら
黒猫マスクの情け無用!!第23回

はーい、「黒猫マスクの情け無用!!」今回も始まりましたよ!!

あれ、今日はご機嫌ですね。ということは、完成度の高いエピなのかな?あ、アシスタントの原田いずみでーす。

おおっそのあたり、わかってきたみたいだね。うん、そうだよ~

ということは…未発表のエピは「ドッキン!!はらおどり」「夏の海には危険がいっぱい!!」「ダイエットはお灸が一番!?」あたりかなぁ…ああそれとも思い切って「人質大脱出!!」や「おもち騒動!!」の再リミックスとか!?

…全部自分がターゲットになってるやつじゃない。いやいや、確かにいずみちゃんがいじられるだけでお気に入りのアドバンテージが高いのは確かだけど、今回はどちらかというとシチュエーションが秀逸で、展開が惜しいなと感じてるエピです。

あ~そういうパターンですか。確かにそれはつくり甲斐ありますもんね。そーゆーエピソードって大抵わたしが不在で評価が低くなるってことが多いですよね。で、どのエピソードなんですか?

…さりげなく、毒づいてるねぇ。というわけで今回は「菊丸特製ドッキリ下着」です。

あ、わかる、わかりますよ!!黒猫さん!!これって非常に惜しい構成なんですよ。

ほぉ、というと?

まず、菊丸くんが考案する変態的ランジェリーが意外とあっさり扱われてるんです。

変態的って…それを着用したのは、いずみちゃんでしょ、あと千春ちゃんもだけど。クリスマスの飾りを使っての急場しのぎだから、まぁかなりマニアックな代物ができたのは確かだね。

モールランジェリー、星飾りランジェリーって続くんですけど、ショータイムという性質上どんどん流れちゃうんですよね。掘り下げればいいのにもったいないというか…

まぁ確かに、いまの二つだけでいつもなら誌面の8割引っ張れるよね。

そして…せっかく登場した電球ランジェリーは、お客さんに披露することなく終わってるんです!!

あ、そういえばそうだね。電気系統が故障したから、レギュラーメンバーは急きょステージ下に潜り込んでメンテナンスに向かってるから、お客さんにはオチの小コマでしか披露してないんだった。ふむふむ…確かにこうしてみると、いずみちゃんの言わんとしていることも分かるねえ。

モデルという性質上、千春と入れ代わり立ち代わりでお話が進むから、ターゲットも安定しないんですよ。ホント惜しいエピソードです。

んん~ちょっとまった。ということは、いずみちゃんが惜しいと思ってるポイントをまとめると…
①ランジェリーをたっぷりじっくり掘り下げたい。
②お客さまに存分に披露したい。
③そしてモデル役を独占したい。
ということでいいのかな?

え、あ、いや…そ、そんな露骨に言えるわけないでしょ!!

うん、でもいずみちゃんの願望は叶えられると思うよ。

リ、リミックスするんですか?(どきどき…)

会場をお借りして、次回はショー形式でお届けしまーす。

…え?次回?今回はもう終わりですか?

うん。ここから移動もあるしね。

え~

なんか不満そうだね。そうだ、代わりというわけではないけど…ゲストをお呼びしましょう。どうぞ!!

…こんばんわ。

あっ!!て、店長!?

そう、ランジェリーショップの店長さんです。

な、なんで店長がゲストなんです?あ、まさか黒猫さんって店長クラスまでストライクゾーンが広いとか?

そんなわけあるかぁ!!

…なんですって!?

あ、て、店長そうじゃなくてですね…う、うぉっほん!!今回は作品の紹介にお越しいただいたんです。

ああ、つまりバーターですね。

くぉら~いずみちゃん!!失礼なこと言わない!!せっかくご提供いただいたんだから!!

…ン?紹介?提供?

そう、今回はロケでお伝えできない代わりに店長提供の作品でプチランジェリーショーを行います。!!

ちょ、ちょっと待ってください!!その…モデルって…

いずみちゃんしかいないじゃない。

ええっ!!わ、わたしですかぁ!?

ご不満?だってさっきはリミックス楽しみにしてたじゃない。

そ、そんなことないですよ…そもそも見慣れたスタジオじゃ臨場感がないというか…お客さんもいないし…

あら、失礼ねぇ、わたしのランジェリーじゃ原作の「ドッキリ下着」には及ばないってことかしら?

あ、い、いえ決してそういうわけじゃ…

はぁ…でも実際そうなのよね。黒猫さんはプチショーって言ってくれたけど、今回はショーというよりは企画会議に近いのよ。

おや、悩みは深刻なようですね。

原作での騒動の後、あの少年が作ったランジェリーを見たわ。限られた素材と時間でまたたく間にあれだけの代物を用意した力量は驚嘆に値するの。

いやぁ~はっはっ…

(…何で黒猫さんが誇らしげなんだろう)て、店長の作品だって立派なデザインですよぉ。

そうかしら?その辺の検証…わたしのランジェリーが殿方を引き寄せるか、そして改良の余地があるか検証したいのよ。

な、なるほど…

ほらほら、いずみちゃん。着替えて着替えて…店長にぜひ協力して差し上げるんだ!!

う、うん…

さーて店長が用意した自信作!!いずみちゃん、し、試着できたかな?

ちょ、ちょっと待ってください!!こ、これ着けるのぉ!?

早く!!オンエア終わっちゃう!!

…

おおっ!!こ、これは…

(原作より)

先っちょに穴の開いたブラでご登場!!ブラの先端からいずみちゃんのさくらんぼがピクピクと蠢いてます!!

(原作より)

…原作じゃ梅干し呼ばわりされてるんですけどね。

あ、そういえばそうだったね。まぁまぁさくらんぼのほうが聞こえはいいでしょ。

…

どうしたの?

まって、いずみさん、言わずとも判るわ。あなた、物足りないんでしょ?

よ、よくわからないですけど…い、いえ決して店長の作品ができが悪いとかではないんですぅ…着け心地はむしろいい方だし…

着け心地は良くても、解放感が及ばないのねきっと。

か、解放感~?

きっとあの少年は、ブラを着ける息苦しさから解放するためにあんなデザインにしたんだわ…わたしの作品はとても敵わない…

そ、そこまで考えてはなかったと思いますがねぇ…そうだ、いずみちゃん、解放感といえば、これだよ、これ!!

ええっ!?こ、これは…これを着けるんですかぁ!?

早く!!このままじゃ店長が思考のドツボにはまっちゃう!!

…わ、わかりましたよぉ…ちょっと待っててください…こ、これでいいですか?

で、出たぁ!!千春ちゃん曰く「ここんとこ透けちゃってるパンティ」だぁ!!
(原作より)

あ…ああん…あ、網目越しに…み、見えちゃってるぅ!!

殿方を誘惑するわたしの自信作よ!!どうかしら、お二方?

いやぁ、ナイスデザイン!!網目からむっちりハムのようにはみ出たお肉がまたそそりますねぇ!!

じ、実際履いてみてわかりましたけど…お、お肉が網にこすれちゃ~う!!

いい悶え方ね、よし、こっちはイケるわ!!あとはバリエーションね!!

バリエーション?

これはピンクを基調としてるけど、ほかの色も作りたいの。ライトグリーンとか

なるほど…それなら少しデザインを変えてみては?

デザインを?

ほら、これは網目がハートをかたどってるけど、グリーンならハートである意義が弱いでしょ?

確かにそうね…

こ、こら黒猫さん、どさくさに紛れて網の上から触らないでぇ!!

ですので、グリーン系統で作るなら、ここを葉っぱ風にしてみてはどうです?

葉っぱ!?

アダムとイブのように股間を葉っぱ一枚で隠すイメージです。あ、そうだいっそ網目は葉脈風にしてみてはどうです?

よ、葉脈風!?な、なるほどそうすると網目はもっと粗くなって…

ほぼ丸出しです。

ゴクッ…

ほら、いずみちゃんも興味津々のようで…

え…い、いや、ちが…

いいわね、それ。

あ、そうだ、白も作ってみてはどうです?

白も葉っぱにするの?

いやいやいや…これは丸に網目です。

あら、今度は打って変わってシンプルねぇ…

うふふ、これはもち焼き網をイメージするんです。ほら、いずみちゃんみたいにもち肌の女の子にぴったり…網目からおもちが膨らむイメージで…

あん…

黒猫マスクさん、あなたすごいわ!!あの少年に比肩する素晴らしさよ!!

いやぁ~はっはっは…

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。服飾に詳しいわけではないが、柔軟な発想で斬新なランジェリーデザインを次々と生み出す異才の持ち主。後日談になるが、店長とアドバイザー契約を結びました。

原田いずみ
現役女子高生。最近のランジェリーの選定基準は機能云々より「いかに魅せるか」。菊丸が去って以来その相手がいないのがちょっとご不満。

ランジェリーショップ店長
いずみたちが新作ショーのバイトをしていたランジェリーショップの店長さん。デザイナーもしているので、ただの小売店ではなく、ブランド持ちということになる。自前のステージまで持ってるというツワモノ。コスト感覚のないすっぽこ経営者か、実は意外に業界では有名人なのかは不明だが、後者であることを願う。
かつては美女であったであろうと想像させる中年女性キャラは珍しい。
本名は不明だが、店の名前は「ラブリー」であることは作中の花輪から察せられる。
公式データ
第40話 菊丸特製ドッキリ下着
単行本収録
講談社版 第6巻第5話
フランス書院版 なし
英知出版版 第2集(キャッチ編)第9話
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黒猫マスクの情け無用!!特別編 創作ストーリー大反省会

どうも、黒猫マスクの情け無用!!出張版!!司会の黒猫マスクです!!

アシスタントの原田いずみです。今日は特別編ということで、先日お披露目した創作ストーリーの大反省会です!!

今回はいずみちゃんが日を指定したけど…そもそもなんで今日なの?

やだなぁ…今日は『鏡開き』ですもん。

あ…なるほどねぇ…いずみちゃんがお供えもちだっただけにね…なるほど。

で、反省会って何するんです?

まぁ、総括というか補足というか…要はただの裏話、福袋処分みたいなもんで。

はぁ…福袋処分ねぇ…バーゲンのバーゲンって感じですねぇ…

結果的に三分割したとはいえ、こんな長編にするつもりはなかったんだよ。思いついたのが12月のはじめ。

へぇ…

そもそもやりたかったのは第三夜だけだったんだよね。なんだかんだ理由つけて、いずみちゃんのおしりお供えもち再来って展開を描いてみたかったんだ。

ほぉ…

当初のオチは、そのお供えもちバトルの末、最後に「くぱぁ」しちゃって「初日の出だぁ!!」ってことでオトす話だったんだよ。

…く、「くぱぁ」ですか…つ、つまり見せオチだったんですね?

でも、初日の出って単語を使うなら、これもお正月ネタだしまだ広がりようあるなって思い直して…

それで第二夜の「初日の出攻防戦」が生まれたんですね?順番が逆だったんだ…ということは第一夜の「福笑い勝負」は?

うん、では第一夜の話題が出たところで、個別に具体的に振り返りましょうか。
【第一夜・菊丸特製の福笑い!?】

実は第一夜は前座です。

ぜ、前座ぁ!?

常々分析してるでしょ「ハートキャッチワールドは大体二つの場面で構成されてるって」その前半部分だったんだよ。ところが後半の展開が二つできちゃったんで、無理に使う必要はなくなった…でも捨てるには惜しいから無理やり独立させたんだ。いずみちゃんも直後の出張版のオンエアで指摘したとおり、妙に扱いが軽いのはそのせいなんだ。

なるほど…

まぁそうなると敢えて激しい展開は避け、第一夜はおっぱい巡る展開のみに専念し、それ以外はお話の全体像をお伝えする序章のように扱えたから、それはそれでよかったけどね。

菊丸くんが実は病気だったり、わたしの服装のガードが固めだとか…ですね?

あとは続きの話に繋げるため、いずみちゃんの縛って自由を奪う理由づけかな…それと、なんだかんだでいずみちゃんは、菊丸くんが気になって仕方ないところとか…

そ、そんなの本人に言わないでくださいよ!!調子に乗るから!!

はいはい…
【第二夜・昼下がりの初日の出!?】

「初日の出」という単語一つから独立させたネタですが、いずみちゃんの菊丸化はちょっとおもしろかったな~ただいずみちゃんが菊丸くんを剥いていく展開となると…中々難しい…理由分かる?

う~ん…な、なんでしょう?

いつもと真逆ってことは「いずみちゃん着衣のまま」「菊丸くんどんどん露わに」…てわけで…

あ~そりゃこのブログにお越しになる最大分母のお客様にはおもしろくないですね。わたし個人はそれでも全然オッケーなんですが。

一周回っておもしろいかもしれないけどね。だからいずみちゃんはある程度身を犠牲にして、菊丸くんを誘惑しなきゃならなくなる…そうなるとさらに話がこじれやすくなって、難しいけど作り手としてはおもしろい。

わ、わたしは必ず体を張らないといけないんですね?確かに菊丸くんが率先して脱いで…なんて展開はないですからね。

そういうこと。ただ、度が過ぎるのも痴女化しちゃうから、さじ加減が難しい。どこかの影武者アイドルやシスターみたいになってみたい?

(ぶんぶんぶん!!)

でしょ?オチはパンティがハラリと落ちてご開帳でも良かったんだけど、せっかくお互いがお互いの大切な部分を巡って天丼コント状態になったので、相討ちで決着させました。

体調の悪い菊丸くんが使ってた氷嚢で、パンティ透かすって伏線がえげつないですよね。

あれは実は付け足しです「初日の出」完璧には拝ませない、でもほぼ丸見えな状態にしたいなと思ってたんだけど、「危機一髪忍者修行」のこのシーンからヒントを得ました。あ、これだ。


ちょ、ちょっとわざわざカット用意しなくていいですってば!!

完璧には見えない代わりにはみ出させたりとか…こうするとかえってやらしいってシチュエーションが伝わってればうれしいです。

それにしても…わ、わたしだって原作でご開帳しちゃったんだから、菊丸くんのだってもっとこう露骨に…

何か言った?

いえ、何も!!
【第三夜・いずみ特製ドッキンおもち!!】

さてさて、きっかけはこれがやりたかっただけなんだよね。いずみちゃんのおしりでお供えもち再来。

前回オンエアでもそう言ってましたよね。だったらこれだけやればよかったじゃないですか。

それじゃだめだよ。場面は簡単に作れても、曲がりなりにもストーリーなんだから、そこに至る過程を作りこみたかったんだ。なんだかんだで一番難産だったんだよ、これ。

どう難産だったんです?

まず、いずみちゃんを「おもち化」する必然性。いずみちゃんがおしりを露出しておもちに化けることにいずみちゃんをどう巻き込むか。そのきっかけとそのものと、いずみちゃんに「おもち止む無し」と思わせるだけの事件が必要だったんだ。

原作では「おもちを食べちゃったから」でしたけど、本文では「迷惑をかけてしまったお年寄り夫婦に、お詫びがてらお正月気分を演出したい」ということになってますね。

そう、そして、披露する相手は菊丸くんではなく「事情を知らない第三者」にしたかったんだ。

まぁ確かに対象がご夫婦ですから、確かに第三者ですね。

もう一つ重要なのは「おもちの正体に気づかない」こと。例えば極端に視力が弱いまたはボケてる、あるいは幼い…など冷静な判断力が低い人にしたかったんだ。

「見立てプレイ」の基本ですね。原作でもほとんどの相手が今黒猫さんが挙げた条件を満たしますね。でもそれなら竹丸くんじゃだめなんですか?小学生だけど幼いのカテゴリで…

うん、その名残はオチに残してます。

ああ…気づかずにわたしを食べようとしてましたし、記念撮影までしましたもんね…ってあの写真処分してくださいよ!!

本人に言ってよ…本筋に戻すけど、ただ竹丸…あいや、竹丸くんだとちょっと次がネックになるんだ。

次?

「おもち化」にあたり、必要な小道具の用意…これが難しい。

小道具?ああ…おしり露出用の穴開きテーブルですね?

そう!!これが必須アイテムのくせに穴の開いたテーブルなんて、日常まったく使い道がないから、どう登場させるか悩みどころだったんだよ。

な、なるほど…

ということでまずこのアイテムの課題を解決、次にターゲットを絞って、もっともらしい事件を起こす…こうして色々要素を掛け合わせて出来上がったんだよ。

ふ~ん…んん!?

どうかした?

ということは、没ネタもあるんですか?

あるよ~ただ場面が繋がらなかったり、キャラに無理があったり、あとあまりに話が冗長になったりしたからカットしたものがあります。

も、もしかしてそれが冒頭の「福袋処分」ですか?

そゆこと、没ネタだから状況説明だけになったりするものもあるけど…まぁ出がらしだと思って。では反省会含め「黒猫マスクの情け無用!!」出張版は終了です!!また機会がありましたらごきげん…

ちょ、ちょっと待って!!

な、何?

またこういう場って設けてくれるんですか?その…創作ストーリー…

気が向いたらね(あと需要も)。お正月は非日常のアイテムが非常に多いから使い甲斐があるんだ。他の月だとこうはいかないかな…とにかくこのオンエア上では、時間ないからまたすり合わせましょ?

はいっ💛

では、ここで我々本家「黒猫マスクの情け無用!!」組の出番は終了です。またよろしくねー!!

ありがとうございましたぁ!!
没ネタ集
【老夫婦が実はアグレッシブ①】
冒頭のいずみが部屋を間違うところまでは一緒だったんだけど、慌てたあまり老夫婦の奥の部屋に逃げ込んだいずみ。
原作では結構血気にはやるじいさんだったので嚇怒したじいさんに怯えたいずみは、ドアをロックして籠城したけど、じいさん今にもドアを叩き破って乱入しかねない。
脱出不可能になってしまったいずみを、上の階からカーテンのロープで降りてきた菊丸がその場しのぎでいずみのおしりにカーテンを巻き付けておもちにメークアップ…でもさすがに台座がないと無茶だと思い没にしました。菊丸がじいさん宅に入り込む正当性もあまりないし…
【老夫婦が実はアグレッシブ②】
強盗と間違えたいずみを追いかけ、いずみは明智家に逃げ込み、身を潜めるためにおもちに…
でも明智家でそんなことする意味がないからやっぱり没。
ちなみに①②とも最終脱出手段は「菊丸扮する獅子舞に紛れて…」でした。菊丸のお獅子はその名残りです。
【おもちで潜入捜査!!】
菊丸が竹丸のお年玉を使い込んでるらしいと気に病む竹丸。
義憤に駆られたいずみが「わたしが調べたげる!!」と無人の明智家でおもちに扮したところ、あっさりバレて菊丸の逆襲に…
でも菊丸って金には淡泊だと思ってましたので没にしました。わざわざおもちに化ける理由もないし。
【おもちで潜入捜査!!のさらに元ネタ】
実はお年玉の使い道は美奈子さんを…はい、没。でも本編でちょっとだけばあさんのセリフに…
【老夫婦の外出先】
本文では「初詣」ですが、当初は「老人グループの新年会」でした。オチでたくさんのおじいちゃんの前でもご披露…と考えたのですが、場面が多すぎるなと思って没。でもこれは本文のさらに後日ネタに使えるので、再利用するかも。
【おもちの演出】
①いずみがおしりを露出し、まだ上段のおもちや橙を乗せてない状態
②いずみの純白紐パンを開ききった状態でいずみのおしりドームのトップに斜め状に被せる(◇←真上から見るとこんな感じ)
③菊丸が用意した赤紐パンをやはり開ききった状態で斜め状に被せ(◆←この下に◇がある)、その上に上段おもちと橙をセット
④はみ出てる四隅の紐を編み、紅白組み紐を演出。
おもしろいんだけどイメージが伝わるか自信なかったんでやめました。
【大オチ】
実はこんな大オチがあったんですが、あまりに本文が長くなったので、カットする羽目になりました。もったいないのでおまけエピソードとして最後にご紹介します。
おもち大騒動のあった翌日、菊丸宛てにいずみから速達が届いた。ご丁寧に「年賀」と朱書きしているので、元日を過ぎたとはいえ年賀状は年賀状なのだろうが、特異なのは、はがきではなく、封書だったことだ。

へ、封書で年賀状?
封筒の中身はそれほど厚みはない。首をかしげながら封を切ると、可愛らしい便箋が一枚出てきた。

菊丸くんへ
まさかまた、おしりを露出しておもちに扮しちゃうなんて思ってもみなかったわ。お正月早々あんな恥ずかしい目にあったのは忘れられない思い出になりそうです。もうバカ!!
でも、一応だけど、あのご夫婦の追及から助けてくれたのは、素直にうれしかった。
お礼を言えなかったので、この手紙でお礼します。ありがとう。
そうそう、今度の11日は鏡開き。よかったらうちに来てください。
わたしの特製おもち料理をたっぷりごちそうしてあげちゃうんだから💛
原田いずみ

こ、これどう解釈したらいいんだぁ!?
手紙の真意を推し量りかね、煩悶する菊丸。

(単純に鏡餅を振る舞って食欲を満たしてくれるのか、それとも…?)
下手に実力行使しようものなら、絶交されてしまうかもしれない…
そして迎えた新学期…
教室では、いずみの顔色を窺いながらため息をつく菊丸がいた。

(うふ、悩んでる悩んでる…💛もうちょっと苦しみなさい、ふーんだ!!)
そんな菊丸を眺めてニヤつくのが、いずみのせめてもの仕返しなのだった。
おしまい
黒猫マスクの情け無用!!【号外】

はーい、黒猫マスクの情け無用!!今日は号外でお届けです!!

いったいどうしたんですか?アシスタントの原田いずみです。ってか、これ、先日の創作ストーリーのアイコン使いまわしじゃないですか!!

だから号外なんだって。実は週刊SPA!の特集記事「2015年このエロ漫画がすごい!!」にて「ハートキャッチいずみちゃん」が紹介されてます!!

ああっホ、ホントだ!!


記事そのものは2015年の話なんだけど、現在に至るまでの経緯が紹介されていて、みやすのんき先生の「やるっきゃ騎士」といっしょに80年代を代表する作品として紹介されてます。

でも…不思議ですね、この記事。

というと?

「やるっきゃ騎士」は、最近実写映画化された(されてたんだ…)というのもあってまぁわからなくもないんですが、わたしたちって大きな動きも特になかったないですか。最近復刊ドットコムでまた英知出版版が復刻されましたけど、それは大きな動きじゃないし…だいたいこういう記事って何かタイアップ的な意味合いがあったりするのが普通でしょ?

そりゃ深読みしすぎだよ。そもそも記事のメインは「2015年」の作品であって、我々はその歴史の通過点でしかない。

でもでもぉ、大体こういう時に紹介されるのって普通は「ルナ先生」が多いんですよねぇ~わざわざわたしがお呼ばれするって何かあるんじゃあ…

随分卑屈だねぇ…そこまでネガティブにならんでも…

ちがいますよ、逆に2016年には期待してるんです。

え?

つまり、これから何か起こるとか…アニメ化とか、実写ドラマ化とか、映画化とか!!

…ないない。あってVシネマ。

あ…そ、そうだ…新作、新作ですよ!!復刊版では遠山御大が書き下ろしイラストを追加してくださってるとか!!まだ入手してないから知らないけど、当時の雰囲気にだいぶ戻ってますし、アリかも!!

何気にひどいな!!

そう、そして新作が積み重なって、旧作含めアニメ化とか、実写ドラマ化とか、映画化とか!!

だからその発想から離れなさいって!!だいたい新作への期待はともかく、そんな映像化しちゃったら、いずみちゃんこれに耐えられるの!?こんなあられもないいずみちゃんのご開帳姿が全国の「いずみちゃん」を知らない世代に広まっちゃうんだよ!!

(原作より)

…う…

ね?我々は所詮日陰、アングラワールドの住人…ん、いずみちゃん?

こ、これが全国にさらされる…わ、悪くないかもぉ💛

…だめだこりゃ。

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。ホントに号外みたいなもんなので、本文のテキストは適当です。今回の記事は「書いてあるらしい」と聞きおよび、慌てて購入しました。書店に行ったらもうなかったので、バックナンバー取り寄せる羽目になっちゃいました。

原田いずみ
現役女子高生の17歳。無理やり漫談調にしようとしたら、いずみの変な性癖を前面に押し出す展開になってしまいました。ごめんね。
記事リンク先
扶桑社SPA!12月29日、1月5日合併号 外部リンク
新春特別企画創作ストーリーⅢ
いずみ特製ドッキンおもち!!
明智家の菊丸の部屋で、いずみと菊丸が失神している。

う…うう~ん…
先に起き上ったのはいずみだった。

あ、あれ?わたし…いったい…なんで倒れて…?
体を動かそうとすると、自由が利かない。よく見ると、後ろ手に縛られている。


あ…そ、そうだ…わたし…菊丸くんに…は、『初日の出』見られかけて…咄嗟にパンティで菊丸くんの目鼻を塞いで…あ、あれ?
そこまでは記憶があるのだが、自分が失神してた理由が思い出せないらしい。

そ、それより、これ…菊丸くんが目覚める前に何とかしなくちゃ…また余計なイタズラされちゃう…!!
机からハサミを見つけ出したいずみは、自力で戒めを切り離し、ようやく自由を得た。
その直後、菊丸も遅れて意識を取り戻した。

う…

あ…起きた…(ほっ…な、なんとか間に合ったぁ~)
起き上った菊丸のジャージの下は、中から何かが突き破ったかのような穴が開いていた。だが今は穴のみでそこには何も窺えない。いずみには死角になっていて、中身はもちろん、穴の存在すら気付かなかった。

(あ…あれ?なんでこんなところに穴が…)え…ええと…な、何してたんだっけ?ぼくら…
菊丸もまた失神前後の記憶がないらしい。

菊丸くんも覚えてないの?わたしたち二人して失神してたみたいなんだけど…

『いずみちゃん初日の出』をしてたのは覚えてるんだけど…パンティからはみ出てた日の出を拝んだとこまでは…

バカっ!!思い出さなくていいわよそこは!!

ねぇ、続きは?

だめっ!!パンティに触れない約束だったでしょ!!パンティがあんたの顔に触れたのは、忘れてるとは言わせないわよ!!

ちっ、忘れてなかったかぁ…いいじゃん、あんなのいずみちゃんが約束の穴を突いて、罠をしかけたようなもんじゃん。

ダメ!!絶対!!
いずみが捨て身の覚悟で脱いだ紐パンを投げつけて決着させたことは菊丸も記憶しているらしい。

ちぇ…
菊丸が照れ隠しに頭を掻いている合間に、これ以上いても恥ずかしい体験が増えるばかりだと考えたいずみは、急ぎ乱れた服を直し、コートを抱えて立ち上がった。

じゃあね、わたし帰る!!お大事に!!ふんだ!!

あ…
菊丸の返事も待たず、いずみは外に飛び出した。
一人取り残された菊丸は、頭を掻きながら「続きに取りかかるか…」と腰を上げた。

(でも…なんでわたしったら気絶してたんだろう…)
疑問に思いながら階段を下り、マンションの出口に向かう。階下にはマンションの管理者が設置したと思われる共用の門松が据え付けられていた。

わぁ、頬ずりしたいくらい立派な門松…💛(ん…?あ、あれ?わたしったらなんで門松見て、こんな変なリアクションしてんの?)
意識を回復して以来、いずみはずっと頭の整理がつかないままで敷地の外に出た。
ピゥと冷たい風がいずみを襲う。

さむっ…!!
反射的に身を竦めた瞬間、いずみはあることに気づいた…

え…?
スカートの前後を手で押さえる。スカート、パンストの感触はわかる。だが…

(な…ない…?まさか…や、やっぱり…)パ、パンティ…が…なぁい!!
あまりに慌てた結果、いずみは自分がノーパンのまま明智家を飛び出したことにようやく気付いた。

し、しまったぁ!!パンティ履くの忘れてたぁ!!
慌てて踵を返し、階段を駆け上る。

(とにかく、パンティ取り戻さないと…ノーパンで帰るなんて…たまには悪くな…いやいやいや、それよりも菊丸くんがあのパンティでどんな悪さするかしれたもんじゃないし!!)
混乱に拍車をかけながら、ノックもせず、いずみは玄関の戸を開けた。

動かないで!!今すぐパンテ…ィ…きく…ま?
予想外の光景にいずみは絶句した。
眼下では今まさにでかけようと、玄関で腰をかがめていた老夫婦が、唖然とした顔で仁王立ちしたいずみを見上げていた。

え…ええっ!?
驚いたのは老夫婦も同じだった。

な、何じゃ!?お主…

じいさん、まだあんた、上の若い娘に…

ち、ちがう、よく見んかぃ!!この娘っ子は別人じゃろ!!

じゃ…じゃあ…強盗!?ひぇっおたすけぇ!!
言うが早いか老婆は自分の言葉でいずみを一方的に強盗と誤解し、恐怖で卒倒してしまった。

ち、ちがう!!わたし強盗なんかじゃ…

(そ、そうか考え事しながら階段上ったから…一階分間違えちゃったんだぁ!!)
パニックになりながらも、いずみはこの事態に陥った原因について一つの結論に達した。
老人は卒倒した老婆の介抱にとりかかる。

おい、お嬢ちゃん、話は後だ!!ばあさんを床に運んでやってくれ!!

あ…はい!!
菊丸と同じ間取りのその部屋は、老婆の寝室となっているらしい。明智家とはまるで違う陰鬱な雰囲気を醸し出しているその部屋にいずみと老人は老婆を抱え込んだ。
部屋にはすでに布団が敷かれているが、今敷かれたものではなく万年床らしい。枕元には薬や水差しの乗ったお盆が置かれている。

ありがとうな、お嬢ちゃん…
老婆が寝入ったのを確認すると、老人が力なく微笑んだ。

わたしの方こそ、驚かせてごめんなさい…どうやら階を間違えて入っちゃったみたいで…

おお、じゃああんたは明智さんとこの…兄貴の方の彼女かの?

ええ!?い、いやあの…
いずみが言葉に詰まったちょうどそのとき、チャイムが鳴ったので、老人はいずみの答えを聞かないまま玄関に向かう。

おい、お嬢ちゃん。その彼氏じゃぞい。

き、菊丸くん!?い、いえ、だから彼氏なんかじゃあ…そ、それより、どうしたの、菊丸くん!?

いやあベランダからいずみちゃん見送ろうとしたら全然姿見えないし、あれっ?って思ってたら、下からちょっと騒ぎが聞こえたからさ、気になって来てみたんだ。
これでいずみが明智家と間違えて入ったことだけは証明できた。

(おじいちゃんには、恋人同士って誤解されちゃったままのようだけど…改めて自分から話題にするのもアレだし…ま、まぁ悪い気はしないからいいか…あとはよくお詫びして退散しちゃお…)
無論部屋を間違えた自分が悪いのは重々承知しているのだが、何となく若さがなく、沈鬱なこの部屋から早く出たいのが本音だった。

こりゃあ何とかなるかと思うておったが…やっぱり出かけるのは無理じゃのう…
老人が気落ちしたように呟いた。

そういえば…何かお出かけされるようでしたね…
鉢合わせになったのが玄関だったといずみも思い出した。

この年になると新年の準備なんぞ、手間も…そして金もかけられんでなぁ…
言われてみれば、この家に正月を感じさせるものが一切ないことに気づいた。凧、羽根突きといった子供向けのアイテムはもちろん、注連飾り、破魔矢といった装飾品、おせち料理やお酒の気配もない。

子や孫が来るわけでもないし、ばあさんも見てのとおり伏せがちだから、せめて初詣くらいはと思ってでかけようとしておったんじゃ…

そうだったんですか…本当にごめんなさい…

ああすまんな、つい愚痴っぽくなって…
ふと見るといつの間にか菊丸が消えている…かと思うと今度は何かを抱えて戻ってきた。
自宅からおせち料理を取り分けて持ってきたらしい。脇には一升瓶まで抱えている。

おじいさん!!よかったらこれ…!!

あ…いやこんなにたくさん…そんな…これじゃわしらが催促したみたいで…

いやいや、これじゃ全然足りないくらいです。
本来なら菊丸は全く関係ないのだが、いずみに代わって懸命に詫びている。

(き、菊丸くん…)
めったに見せないその真摯な態度にいずみの胸がキュンとする。

あ…あの…本当にごめんなさい。わたしが言うのもなんですけど、せっかく菊丸くんが持ってきたんだから召し上がってください。

そ、そうかい…すまんの…
遠慮がちではあったが、結局老人は迷うことなく菊丸から料理や酒を受け取った。

さ、いずみちゃん、ぼくらはいったん失礼しよう!!

あ…うん…
菊丸に促されていずみは外に出た。
玄関を閉めたとたん、菊丸は振り返ってこう切り出した。

さ、いずみちゃんは上に戻って準備してて!!ぼくもすぐ戻るから!!

え…?帰っちゃダメなの?

当たり前でしょ、ぼくが言ったじゃない『いったん失礼します』って!!あの老夫婦にお正月の雰囲気だけでもできることはして差し上げないと…

ま、まぁそうだけど…確かにわたしが悪いんだし…でも菊丸くんはどこに行くの?

ぼくは下の自治会事務所の倉庫から獅子舞のグッズを借りてくる。踊り手がいないからって今年は使ってないはずだ。

そ、それはいいけど…わたしは、な、何を準備するの?あ、おせちの追加?

ちがうよ!!おせち以外にも、お正月のお楽しみを提供しなきゃ!!

お、お正月お楽しみ…?

ぼくは獅子舞であの老夫婦を見舞う。いずみちゃんはいずみちゃんにしかできないお正月に関することを準備するんだ!!
菊丸がそう言い残してさっさと下に行ってしまったので、いずみは仕方なく明智家に戻る。
菊丸の部屋に入ったいずみは唖然とした。

な、なにこれ…
そこには半畳敷きくらいの奇妙な手製のテーブルが置かれていた。天板の中央に丸い穴が開いている。
その脇には幔幕のような布切れとたくさんの画鋲が置かれていた。
これらをすべて組み合わせると…

ぐるりと幔幕に囲まれた穴あきテーブルができる…?
呟くいずみに菊丸の「いずみちゃんにしかできないお正月に関することを準備するんだ」の言葉が甦った。

き、菊丸くんたら…ま、まさか…またわたしの…
いずみは無意識におしりを手で押さえていた。
15分後…

いずみちゃん、やっと見つけたよ!!
菊丸が獅子舞の道具一式を台車に乗せて戻ってきた。

…いずみちゃん?あれ?いない?
自室に戻った菊丸は、ある一点に目を奪われた。
いずみの姿はどこにもなく、代わりに幔幕に囲まれたテーブルがあった。
そのテーブルの中央に橙と上下二段のおもちで成す、見事なお供えもちが鎮座していた。

特に下の土台となっているおもちは、中央頂点から下に向けて大きなヒビが入っているが、その貫禄は素晴らしいものがある。

…
時折何か羞恥に耐えるかのように、おもちはプルップルッと震え、艶めかしさを醸し出す。

い、いずみちゃん!?
菊丸がおもちの正体に気づき、抱えていた獅子舞を放り投げて駆け寄ると、それに応えるかのようにおもちがまたプルッと揺れた。

す、すばらしいよいずみちゃん!!、自らおしりをおもちに見立てて、あの老夫婦を喜ばせようというその心意気!!

だ…だってぇ…

ぼくは前から思ってたんだよ、いずみちゃんはおしりがとっても色っぽくて、特にその魅力は、丸みを強調したときに一番発揮されるって…

へ、変な褒め方しないでよぉ…きゃっ!?
菊丸はいずみのおしりを両手で優しく抱きしめた。

千春ちゃんやリンダには絶対できない究極のおしり…ああ、そんないずみちゃんのおしりを正月早々抱きかかえられるなんて…

バ、バカァ…エ、エッチィ!!

うう~ん、しかし…確かにあの老夫婦に提供するお正月ネタとしては最高なんだけど…前回の失敗は教訓にしないとね。

し、失敗?

お年寄りは頑固でこだわりがあるからね『ヒビがはいっとる!!』なんて言われないようにしないと…

あ…!!
ずっぷりと指を突き立てられたのをいずみは思い出した…

※こんなです

今回は、ちゃんと隠していこう!!ちょっと待ってて!!
おもち姿のいずみをそのままに菊丸は台所に行くと、おもち(本物)をレンジで温めて戻ってきた。

この熱さなら多分大丈夫だと思うけど…
指で器用に仮の形を作り、おもちの『ヒビ』にぐいぐいと指で押し付け始めた。

※いずみには一番敏感なツボです

あ…やぁん…
おもちの心地よい温かさと柔らかさ、そして菊丸の程よい指圧がいずみの骨盤にまで届く。
ある程度おもちでヒビが埋まると、今度は指でぐいぐいとおしりの肉におもちの端々を伸ばして接合していく。

んんっ…んふ~ぅ💛
思わず甘い吐息が漏れる。これまでは羞恥に耐えてのだった痙攣が、甘美に浸った喜悦へと表現の意味合いが変わってきた…

よし…できた!!
それは器用な菊丸ならではの見事な技術だった。パテ材代わりのおもちとおしりの接合部分がまるでそんな痕跡がないかのようにきれいに一体化し、本物のおもちになりきっている。

うん、いずみちゃんのおしりは本当に色白だから、全く違和感ないよ!!

…やん…
その賛辞に応えるかのようにおしりがプルッとまた揺れた。

んん!?
その途端、くっつけたおもちはペロリと剥がれ落ちた。

んん~む…水分が足りなかったようだね。こうなるとやっぱり…

(ま、まさか!?)
今度は水をたっぷり含ませた筆を取り出すと菊丸はいずみの窄めたヒビに強引に筆先を押し込んだ。


あっ…やぁん、や、やっぱりぃ!!つ、つめたぁい!!

ガマンして、いずみちゃん!!
菊丸は突っ込んだ筆を上下左右にくねらせた。

あっああん!!ふ、筆の毛先がぁ~💛
温泉宿のときと違い、声を押し殺す必要がないので、いずみは遠慮なく絶叫する。
にちゃり、にちょり、ちゅぽん、にゅるん…
筆が淫靡な音を立てる。

もういいかな?…あ、あれ?

筆を引き抜くと、筆は作業前よりもしっとりと重みを増している気がしたので、菊丸は首を傾げた。
とりあえずその疑問を棚上げし、表情は窺えないが、あきらかにぐったりしている様子のいずみのおしりに菊丸は再び、今度はより丁寧かつ慎重におもちのパテ埋めを施した。

※今回は「寿」のお習字はありません

で、できたの?菊丸くん…

いやいやここからが総仕上げ。

し、仕上げ!?

いずみちゃんのおしりはおもちとして最高の素材!!だけどそれだけじゃだめなんだ!!

…?

いくら最高の肉でも、そのままじゃ生肉のまま!!厳選して加工して、演出してこそ最高の料理に仕上がるんだよ。ぼくに任せて!!
そのころ階下の一室では、例の老夫婦が沈んだ面持ちで過ごしていた。

ばあさんや、せっかく意識が戻ったのはいいが、何か食わんと回復できんぞ。ほれ、せっかくおせちもいただいたことだし…

すいませんねぇ…おじいさん、わたしが卒倒なんてしなけりゃ今頃はのんびり初詣でしたのに…
そんなしみじみ嘆息する夫妻の前に、和装に着替えた菊丸がお獅子を抱えてけたたましく現れた。

あらためまして、あけましておめでと~ございます!!お正月名物、獅子舞でございます!!

おお…!!

お、おじいさん…わたしゃ…獅子舞が見れるなんて思ってもいませんでしたよ。

さらにさらに…移動式鏡もちを持参しました!!ご笑納ください!!
ガラガラと菊丸が押して現れたキャスターには、件のお供え餅が鎮座していた。

※真打登場

こ、これは…!!

な、なんてりっぱなおもちでしょう!!もち肌そのものみたい!!なんまんだぶ、なんまんだぶ…

プルンと丸く…艶やかで官能的ですらあるわい!!
お供えもちがいずみのおしりだなどと思いもせず、しかし二人はまるで正体を知っているかのような賛辞を惜しまない。

(や、やぁ~ん!!この二人…わかって言ってるんじゃないのぉ!?)

もちの色形もみごとじゃが…このわずかに見せる粉の乱反射がまた美しいのぉ…

キラキラしてますねぇ…おじいさん…

(あ…それが菊丸くんが言ってた『演出』ね…)
いずみのおしりには菊丸によって片栗粉がうっすらとしかし満遍なくまぶされていた。それがより本物のおもちらしいリアリティと片栗粉の粒子が見せる乱反射の演出を醸し出していた。

あいにく後日他でも飾りますので、お召し上がりいただくわけにはいきませんが…しばらくは目でご堪能ください!!

おや、そりゃ残念、まぁしかたないのう…

ま、このおもちはお獅子さまへのお供えということで…
獅子のカシラがおしりに軽く噛みついた。

(~!!)
もちろんいずみは動けない。
そのまま菊丸は、獅子舞を演じはじめたが、その後もちょくちょく音曲に合わせてカシラを噛ませた。
こうしていずみを刺激しつつ、かつ老夫婦がおもちに触れないよう、絶妙の距離感を維持しながら、二人を慰問したのだった。

いやぁ、じょうでき、じょうでき!!あの二人もすっかりご機嫌だったし…いずみちゃんもよくがんばったよね~お疲れさん!!ぼくも病み上がりの体には疲れちゃったよ。
ようやく老夫婦の部屋を辞去した二人は、明智家の菊丸の部屋に戻っていた。


もぅ!!あれのどこが舞よ!!おしりに噛みついてばっかりだったじゃない!!

まぁまぁ…いずみちゃんも結構愉しんでたでしょ?最後はおしりがほんのり色づいて紅もちになってたしねぇ…

う、うるさいわね、そんなわけないでしょ!!そ、それより早く外してよぉ!!こ、この体勢…結構きついんだからぁ!!

はいはい…
成り行きでいずみのお供えもちまで堪能し、すっかり満足した菊丸だったが、ふと怪訝な面持ちで訪ねた。

そういえば今更だけど…

な、なに?

いずみちゃん、なんでおしりでおもちに成りすましたの?
不意を突かれる質問を受け、いずみは動揺した。

え…そりゃ…だってぇ!!こんなテーブルが置かれた部屋で、わたしにできるお正月のお手伝いって言われたら…おしりでお供えもちを演じるくらいしかないじゃなぁい!!
幔幕に隠れたまま、いずみはヤケクソ気味に答える。

へ?べつにぼくそんなこと要求してないけど?だいたい部屋にこの特殊テーブルあるなんて言わなかったでしょ?

え…?
おもち…おしりから一気に血の気が引いた。

ぼくはただ、この部屋にあるすごろくや福笑いやコマといった小道具類を持っていけるようにしておいてほしかっただけなんだけど。

そ…そんなぁ!!じゃ、じゃあ、この変なテーブルは何なのよぉ!?

あ、これ?ほら、こんどまた年明けに幼稚園に慰問にいくじゃない?その時の出し物で使う手品用のテーブルだよ。年末体調崩して準備ができてないから、少しでもやっておこうと思って、いずみちゃんが帰った直後に作業し始めたところだったんだよ。

…
一瞬の静寂。
ちゅどーん!!
直後に、テーブルわずかに宙に浮き、直後に落下。同時にテーブルの内部からぶわっと爆風が起き、幔幕が軽く捲れ上がった。

わ、な、なんだぁ!?
どうやらいずみがテーブルの中でおもちの体勢のまま、ずっこけたものらしい。

き、器用にずっこけるねぇ…いずみちゃん…
結局、いずみが覚悟を決めて露出した『おしりお供えもち』は、確認不足による自爆にすぎなかった。

や…やぁ~ん!!そ、そんなぁ~!!わたしの早とちりだったのぉ~!?
ずっこけ爆風の驚きから立ち直った菊丸は、再び目線をおもちに向けて、固まってしまった。

お…おお~!!
(くぱぁ…💛)
感嘆の呻きをもらした。いずみがずっこけた際、そのはずみで股間に貼りつけたおもちが音もなく剥がれ落ちてしまっていた。

剥がれ落ちたおもちの奥から艶やかに光るピンク色の…先刻まで菊丸が『初日の出』と呼んでいた部分が惜しげもなく露わになっていた。

い、いずみちゃんの初日の出…ま、まさかリベンジなるとは!!
パックリ開いた中央部分が、夕日を浴びてキラキラと照り輝く。

※逆光です、逆光…

や、やぁ~ん!!み、見ないでぇ!!だめぇ恥ずかしい!!やだぁ!!板の穴に食い込んで…ふ、太ももが閉じれなぁい!!うっうう~ん!!わぁ~ん!!お、お嫁に行けなぁい!!

いずみちゃん、ゆっくり落ち着いて、リラックスするんだ!!

う、うん…
(くぱぁ…くぱぁ…)
まるでそこが深呼吸しているかのようにパクパクと開閉する。

な、なんて神秘的なんだ、いずみちゃん!!

バ、バカァ!!エッチィ!!覗きこまないでってばぁ!!お、奥まで見えちゃ~う!!
その様子を恍惚の表情で眺めていた菊丸だったが、興奮のあまり、頭に血が上って倒れそうになった。

(う…めまいが…いかん、いかん!!丸見えなのはありがたいけど、これじゃあ刺激が強すぎて、吾作どんや温泉宿の社長みたいに卒倒してしまう!!)

あ、兄ちゃん!!ただいま!!もう起きて大丈夫なの?
不意にドアを開けて現れたのは、菊丸の実弟竹丸だった。

あ、あれ、竹丸?お前だけ帰ってきたの?

うん、父さんたち、訪問先で上がり込んでお酒のご相伴になって酒盛りはじまちゃってさぁ…つまんないから戻ってきちゃった。

そ、そうか…

わ、何これ!?お供えもち!?

い、いやこれは…

珍しいねぇ…アワビが埋め込んであるんだ…

(ち、ちがぁう!!それは…)
菊丸が躊躇った隙に竹丸はおもちを撫でまわしながら菊丸に問うた。無邪気に撫でまわして貼るが、菊丸の血統。無自覚ながらもその手のテクニックはいずみを存分に刺激する。

(あ…そこ…さわっちゃだめぇ!!)

へぇ~つきたてなんだ、柔らかいなぁ💛そういえば兄ちゃん…いずみおねえちゃんは?

え、な、なんでいずみちゃんが来てるって知ってるの?

だって、玄関に女物の靴があったし、部屋におねえちゃんのコートがあったよ。あれ見覚えあるもん。

(ぐっ…す、するどいな)ちょ、ちょっと出かけてるんだよ。

ふ~ん…あ、そうだ、兄ちゃんぼくお腹すいたからこのおもち食べていい?

そ、それは…だめだ!!これは兄ちゃんの大切なおもちなんだ!!例え肉親でも他にはやれん!!

な、なんだよ、けちくさいなぁ…いいじゃないか…
竹丸は強引におもちを取り上げようとしたが、菊丸が先手を打った。

だめだだめだぁ!!このおし…おもちは、ぼくのもんだぁ!!
菊丸の歯がいずみのおしりに噛みついた。お獅子のカシラと違い、鋭い歯が肉に食い込む。

(い…いたぁい!!)
声を立てずにいずみは必死で耐える。
菊丸がおしりから離れると口元からおしりまでヨダレが糸を引いていた。そしてその後には菊丸の歯型がきっちり残っていた。

わ、汚いなぁ…わかったよ、もういいよ。
竹丸が眉を顰めながら諦めた。

そうだ、兄ちゃん記念写真撮ろうよ。

…え?

だって兄ちゃん体調崩して寝込んでただろ?なんでか知らないけど今は和装だし、ちょうどいいじゃん。お正月写真一枚くらい撮っておこうよ。

あ…そ、そぉ?

(ちょ、ちょっとぉ!!)

あ、そのお供えもちの前にそのお獅子と一緒に正座して…そうそう、じゃ撮るよ~
(パシャ)
のちに現像された写真にはお獅子を抱え、正座した和装の菊丸。そしてその隣には見事なおもちが丸出しの状態で写っていた。
だが、そのおもちの幔幕から、一房束ねた髪がはみ出ていたので、竹丸は「なんだこれ…?」と首をかしげるのだった。。
おしまい!!

はーい!!出張版「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクでーす!!

アシスタントの原田いずみです!!

いやぁホント疲れたわぁ…

…ってあれ?なんで黒猫さんがそんなにバテてるんです?わたしはともかく、黒猫さんは本編に関わってないじゃないですか。

そ、そりゃあ巡業の直後にこの出張版のオンエアだからねえ。

な、なるほど…

さて、三が日にかけてお送りした新春特別企画、大反省会はまた日を改めて行います。

あ、そうなんですか?じゃあ今日わざわざオンエアしなくていいじゃないですか。

いやいや、今日はまだ三が日。スタジオに華が欲しくてさ…

あ、つまりわたしってことですかぁ?

…意外と図々しいねいずみちゃん。まぁある意味正解。

ある意味?

よいせっ!!

きゃあ!?


いたた…な、なにするんですかぁ!?

いやぁ本編で見せた大活躍をこっちのスタジオでもと思って…

そ、それってまさか…

こっちでもお供えもちになってもらうよ!!

きゃああ!!やっぱりぃ~!!

さぁさぁ…パンティは膝まで下ろしちゃおうね~


きゃぁん!!

後は例の特製テーブルに据え付けて…完成!!


ああ~ん!!またアイコンがおもちに変えられちゃったぁ!!

さて大反省会の日程だけど…

8日後で!!

な、なんでそんな半端な日?ま、まぁいいけど…じゃあまた大反省会で!!ごきげんよう!!

ご、ごきげんよぉ~

こらこらおもちがしゃべっちゃダメでしょ!!…おしおきっ!!


ああ~ん💛ご、ごめんなさぁい💛
明智家の菊丸の部屋で、いずみと菊丸が失神している。

う…うう~ん…
先に起き上ったのはいずみだった。

あ、あれ?わたし…いったい…なんで倒れて…?
体を動かそうとすると、自由が利かない。よく見ると、後ろ手に縛られている。


あ…そ、そうだ…わたし…菊丸くんに…は、『初日の出』見られかけて…咄嗟にパンティで菊丸くんの目鼻を塞いで…あ、あれ?
そこまでは記憶があるのだが、自分が失神してた理由が思い出せないらしい。

そ、それより、これ…菊丸くんが目覚める前に何とかしなくちゃ…また余計なイタズラされちゃう…!!
机からハサミを見つけ出したいずみは、自力で戒めを切り離し、ようやく自由を得た。
その直後、菊丸も遅れて意識を取り戻した。

う…

あ…起きた…(ほっ…な、なんとか間に合ったぁ~)
起き上った菊丸のジャージの下は、中から何かが突き破ったかのような穴が開いていた。だが今は穴のみでそこには何も窺えない。いずみには死角になっていて、中身はもちろん、穴の存在すら気付かなかった。

(あ…あれ?なんでこんなところに穴が…)え…ええと…な、何してたんだっけ?ぼくら…
菊丸もまた失神前後の記憶がないらしい。

菊丸くんも覚えてないの?わたしたち二人して失神してたみたいなんだけど…

『いずみちゃん初日の出』をしてたのは覚えてるんだけど…パンティからはみ出てた日の出を拝んだとこまでは…

バカっ!!思い出さなくていいわよそこは!!

ねぇ、続きは?

だめっ!!パンティに触れない約束だったでしょ!!パンティがあんたの顔に触れたのは、忘れてるとは言わせないわよ!!

ちっ、忘れてなかったかぁ…いいじゃん、あんなのいずみちゃんが約束の穴を突いて、罠をしかけたようなもんじゃん。

ダメ!!絶対!!
いずみが捨て身の覚悟で脱いだ紐パンを投げつけて決着させたことは菊丸も記憶しているらしい。

ちぇ…
菊丸が照れ隠しに頭を掻いている合間に、これ以上いても恥ずかしい体験が増えるばかりだと考えたいずみは、急ぎ乱れた服を直し、コートを抱えて立ち上がった。

じゃあね、わたし帰る!!お大事に!!ふんだ!!

あ…
菊丸の返事も待たず、いずみは外に飛び出した。
一人取り残された菊丸は、頭を掻きながら「続きに取りかかるか…」と腰を上げた。

(でも…なんでわたしったら気絶してたんだろう…)
疑問に思いながら階段を下り、マンションの出口に向かう。階下にはマンションの管理者が設置したと思われる共用の門松が据え付けられていた。

わぁ、頬ずりしたいくらい立派な門松…💛(ん…?あ、あれ?わたしったらなんで門松見て、こんな変なリアクションしてんの?)
意識を回復して以来、いずみはずっと頭の整理がつかないままで敷地の外に出た。
ピゥと冷たい風がいずみを襲う。

さむっ…!!
反射的に身を竦めた瞬間、いずみはあることに気づいた…

え…?
スカートの前後を手で押さえる。スカート、パンストの感触はわかる。だが…

(な…ない…?まさか…や、やっぱり…)パ、パンティ…が…なぁい!!
あまりに慌てた結果、いずみは自分がノーパンのまま明智家を飛び出したことにようやく気付いた。

し、しまったぁ!!パンティ履くの忘れてたぁ!!
慌てて踵を返し、階段を駆け上る。

(とにかく、パンティ取り戻さないと…ノーパンで帰るなんて…たまには悪くな…いやいやいや、それよりも菊丸くんがあのパンティでどんな悪さするかしれたもんじゃないし!!)
混乱に拍車をかけながら、ノックもせず、いずみは玄関の戸を開けた。

動かないで!!今すぐパンテ…ィ…きく…ま?
予想外の光景にいずみは絶句した。
眼下では今まさにでかけようと、玄関で腰をかがめていた老夫婦が、唖然とした顔で仁王立ちしたいずみを見上げていた。

え…ええっ!?
驚いたのは老夫婦も同じだった。

な、何じゃ!?お主…

じいさん、まだあんた、上の若い娘に…

ち、ちがう、よく見んかぃ!!この娘っ子は別人じゃろ!!

じゃ…じゃあ…強盗!?ひぇっおたすけぇ!!
言うが早いか老婆は自分の言葉でいずみを一方的に強盗と誤解し、恐怖で卒倒してしまった。

ち、ちがう!!わたし強盗なんかじゃ…

(そ、そうか考え事しながら階段上ったから…一階分間違えちゃったんだぁ!!)
パニックになりながらも、いずみはこの事態に陥った原因について一つの結論に達した。
老人は卒倒した老婆の介抱にとりかかる。

おい、お嬢ちゃん、話は後だ!!ばあさんを床に運んでやってくれ!!

あ…はい!!
菊丸と同じ間取りのその部屋は、老婆の寝室となっているらしい。明智家とはまるで違う陰鬱な雰囲気を醸し出しているその部屋にいずみと老人は老婆を抱え込んだ。
部屋にはすでに布団が敷かれているが、今敷かれたものではなく万年床らしい。枕元には薬や水差しの乗ったお盆が置かれている。

ありがとうな、お嬢ちゃん…
老婆が寝入ったのを確認すると、老人が力なく微笑んだ。

わたしの方こそ、驚かせてごめんなさい…どうやら階を間違えて入っちゃったみたいで…

おお、じゃああんたは明智さんとこの…兄貴の方の彼女かの?

ええ!?い、いやあの…
いずみが言葉に詰まったちょうどそのとき、チャイムが鳴ったので、老人はいずみの答えを聞かないまま玄関に向かう。

おい、お嬢ちゃん。その彼氏じゃぞい。

き、菊丸くん!?い、いえ、だから彼氏なんかじゃあ…そ、それより、どうしたの、菊丸くん!?

いやあベランダからいずみちゃん見送ろうとしたら全然姿見えないし、あれっ?って思ってたら、下からちょっと騒ぎが聞こえたからさ、気になって来てみたんだ。
これでいずみが明智家と間違えて入ったことだけは証明できた。

(おじいちゃんには、恋人同士って誤解されちゃったままのようだけど…改めて自分から話題にするのもアレだし…ま、まぁ悪い気はしないからいいか…あとはよくお詫びして退散しちゃお…)
無論部屋を間違えた自分が悪いのは重々承知しているのだが、何となく若さがなく、沈鬱なこの部屋から早く出たいのが本音だった。

こりゃあ何とかなるかと思うておったが…やっぱり出かけるのは無理じゃのう…
老人が気落ちしたように呟いた。

そういえば…何かお出かけされるようでしたね…
鉢合わせになったのが玄関だったといずみも思い出した。

この年になると新年の準備なんぞ、手間も…そして金もかけられんでなぁ…
言われてみれば、この家に正月を感じさせるものが一切ないことに気づいた。凧、羽根突きといった子供向けのアイテムはもちろん、注連飾り、破魔矢といった装飾品、おせち料理やお酒の気配もない。

子や孫が来るわけでもないし、ばあさんも見てのとおり伏せがちだから、せめて初詣くらいはと思ってでかけようとしておったんじゃ…

そうだったんですか…本当にごめんなさい…

ああすまんな、つい愚痴っぽくなって…
ふと見るといつの間にか菊丸が消えている…かと思うと今度は何かを抱えて戻ってきた。
自宅からおせち料理を取り分けて持ってきたらしい。脇には一升瓶まで抱えている。

おじいさん!!よかったらこれ…!!

あ…いやこんなにたくさん…そんな…これじゃわしらが催促したみたいで…

いやいや、これじゃ全然足りないくらいです。
本来なら菊丸は全く関係ないのだが、いずみに代わって懸命に詫びている。

(き、菊丸くん…)
めったに見せないその真摯な態度にいずみの胸がキュンとする。

あ…あの…本当にごめんなさい。わたしが言うのもなんですけど、せっかく菊丸くんが持ってきたんだから召し上がってください。

そ、そうかい…すまんの…
遠慮がちではあったが、結局老人は迷うことなく菊丸から料理や酒を受け取った。

さ、いずみちゃん、ぼくらはいったん失礼しよう!!

あ…うん…
菊丸に促されていずみは外に出た。
玄関を閉めたとたん、菊丸は振り返ってこう切り出した。

さ、いずみちゃんは上に戻って準備してて!!ぼくもすぐ戻るから!!

え…?帰っちゃダメなの?

当たり前でしょ、ぼくが言ったじゃない『いったん失礼します』って!!あの老夫婦にお正月の雰囲気だけでもできることはして差し上げないと…

ま、まぁそうだけど…確かにわたしが悪いんだし…でも菊丸くんはどこに行くの?

ぼくは下の自治会事務所の倉庫から獅子舞のグッズを借りてくる。踊り手がいないからって今年は使ってないはずだ。

そ、それはいいけど…わたしは、な、何を準備するの?あ、おせちの追加?

ちがうよ!!おせち以外にも、お正月のお楽しみを提供しなきゃ!!

お、お正月お楽しみ…?

ぼくは獅子舞であの老夫婦を見舞う。いずみちゃんはいずみちゃんにしかできないお正月に関することを準備するんだ!!
菊丸がそう言い残してさっさと下に行ってしまったので、いずみは仕方なく明智家に戻る。
菊丸の部屋に入ったいずみは唖然とした。

な、なにこれ…
そこには半畳敷きくらいの奇妙な手製のテーブルが置かれていた。天板の中央に丸い穴が開いている。
その脇には幔幕のような布切れとたくさんの画鋲が置かれていた。
これらをすべて組み合わせると…

ぐるりと幔幕に囲まれた穴あきテーブルができる…?
呟くいずみに菊丸の「いずみちゃんにしかできないお正月に関することを準備するんだ」の言葉が甦った。

き、菊丸くんたら…ま、まさか…またわたしの…
いずみは無意識におしりを手で押さえていた。
15分後…

いずみちゃん、やっと見つけたよ!!
菊丸が獅子舞の道具一式を台車に乗せて戻ってきた。

…いずみちゃん?あれ?いない?
自室に戻った菊丸は、ある一点に目を奪われた。
いずみの姿はどこにもなく、代わりに幔幕に囲まれたテーブルがあった。
そのテーブルの中央に橙と上下二段のおもちで成す、見事なお供えもちが鎮座していた。

特に下の土台となっているおもちは、中央頂点から下に向けて大きなヒビが入っているが、その貫禄は素晴らしいものがある。

…
時折何か羞恥に耐えるかのように、おもちはプルップルッと震え、艶めかしさを醸し出す。

い、いずみちゃん!?
菊丸がおもちの正体に気づき、抱えていた獅子舞を放り投げて駆け寄ると、それに応えるかのようにおもちがまたプルッと揺れた。

す、すばらしいよいずみちゃん!!、自らおしりをおもちに見立てて、あの老夫婦を喜ばせようというその心意気!!

だ…だってぇ…

ぼくは前から思ってたんだよ、いずみちゃんはおしりがとっても色っぽくて、特にその魅力は、丸みを強調したときに一番発揮されるって…

へ、変な褒め方しないでよぉ…きゃっ!?
菊丸はいずみのおしりを両手で優しく抱きしめた。

千春ちゃんやリンダには絶対できない究極のおしり…ああ、そんないずみちゃんのおしりを正月早々抱きかかえられるなんて…

バ、バカァ…エ、エッチィ!!

うう~ん、しかし…確かにあの老夫婦に提供するお正月ネタとしては最高なんだけど…前回の失敗は教訓にしないとね。

し、失敗?

お年寄りは頑固でこだわりがあるからね『ヒビがはいっとる!!』なんて言われないようにしないと…

あ…!!
ずっぷりと指を突き立てられたのをいずみは思い出した…

※こんなです

今回は、ちゃんと隠していこう!!ちょっと待ってて!!
おもち姿のいずみをそのままに菊丸は台所に行くと、おもち(本物)をレンジで温めて戻ってきた。

この熱さなら多分大丈夫だと思うけど…
指で器用に仮の形を作り、おもちの『ヒビ』にぐいぐいと指で押し付け始めた。

※いずみには一番敏感なツボです

あ…やぁん…
おもちの心地よい温かさと柔らかさ、そして菊丸の程よい指圧がいずみの骨盤にまで届く。
ある程度おもちでヒビが埋まると、今度は指でぐいぐいとおしりの肉におもちの端々を伸ばして接合していく。

んんっ…んふ~ぅ💛
思わず甘い吐息が漏れる。これまでは羞恥に耐えてのだった痙攣が、甘美に浸った喜悦へと表現の意味合いが変わってきた…

よし…できた!!
それは器用な菊丸ならではの見事な技術だった。パテ材代わりのおもちとおしりの接合部分がまるでそんな痕跡がないかのようにきれいに一体化し、本物のおもちになりきっている。

うん、いずみちゃんのおしりは本当に色白だから、全く違和感ないよ!!

…やん…
その賛辞に応えるかのようにおしりがプルッとまた揺れた。

んん!?
その途端、くっつけたおもちはペロリと剥がれ落ちた。

んん~む…水分が足りなかったようだね。こうなるとやっぱり…

(ま、まさか!?)
今度は水をたっぷり含ませた筆を取り出すと菊丸はいずみの窄めたヒビに強引に筆先を押し込んだ。


あっ…やぁん、や、やっぱりぃ!!つ、つめたぁい!!

ガマンして、いずみちゃん!!
菊丸は突っ込んだ筆を上下左右にくねらせた。

あっああん!!ふ、筆の毛先がぁ~💛
温泉宿のときと違い、声を押し殺す必要がないので、いずみは遠慮なく絶叫する。
にちゃり、にちょり、ちゅぽん、にゅるん…
筆が淫靡な音を立てる。

もういいかな?…あ、あれ?

筆を引き抜くと、筆は作業前よりもしっとりと重みを増している気がしたので、菊丸は首を傾げた。
とりあえずその疑問を棚上げし、表情は窺えないが、あきらかにぐったりしている様子のいずみのおしりに菊丸は再び、今度はより丁寧かつ慎重におもちのパテ埋めを施した。

※今回は「寿」のお習字はありません

で、できたの?菊丸くん…

いやいやここからが総仕上げ。

し、仕上げ!?

いずみちゃんのおしりはおもちとして最高の素材!!だけどそれだけじゃだめなんだ!!

…?

いくら最高の肉でも、そのままじゃ生肉のまま!!厳選して加工して、演出してこそ最高の料理に仕上がるんだよ。ぼくに任せて!!
そのころ階下の一室では、例の老夫婦が沈んだ面持ちで過ごしていた。

ばあさんや、せっかく意識が戻ったのはいいが、何か食わんと回復できんぞ。ほれ、せっかくおせちもいただいたことだし…

すいませんねぇ…おじいさん、わたしが卒倒なんてしなけりゃ今頃はのんびり初詣でしたのに…
そんなしみじみ嘆息する夫妻の前に、和装に着替えた菊丸がお獅子を抱えてけたたましく現れた。

あらためまして、あけましておめでと~ございます!!お正月名物、獅子舞でございます!!

おお…!!

お、おじいさん…わたしゃ…獅子舞が見れるなんて思ってもいませんでしたよ。

さらにさらに…移動式鏡もちを持参しました!!ご笑納ください!!
ガラガラと菊丸が押して現れたキャスターには、件のお供え餅が鎮座していた。

※真打登場

こ、これは…!!

な、なんてりっぱなおもちでしょう!!もち肌そのものみたい!!なんまんだぶ、なんまんだぶ…

プルンと丸く…艶やかで官能的ですらあるわい!!
お供えもちがいずみのおしりだなどと思いもせず、しかし二人はまるで正体を知っているかのような賛辞を惜しまない。

(や、やぁ~ん!!この二人…わかって言ってるんじゃないのぉ!?)

もちの色形もみごとじゃが…このわずかに見せる粉の乱反射がまた美しいのぉ…

キラキラしてますねぇ…おじいさん…

(あ…それが菊丸くんが言ってた『演出』ね…)
いずみのおしりには菊丸によって片栗粉がうっすらとしかし満遍なくまぶされていた。それがより本物のおもちらしいリアリティと片栗粉の粒子が見せる乱反射の演出を醸し出していた。

あいにく後日他でも飾りますので、お召し上がりいただくわけにはいきませんが…しばらくは目でご堪能ください!!

おや、そりゃ残念、まぁしかたないのう…

ま、このおもちはお獅子さまへのお供えということで…
獅子のカシラがおしりに軽く噛みついた。

(~!!)
もちろんいずみは動けない。
そのまま菊丸は、獅子舞を演じはじめたが、その後もちょくちょく音曲に合わせてカシラを噛ませた。
こうしていずみを刺激しつつ、かつ老夫婦がおもちに触れないよう、絶妙の距離感を維持しながら、二人を慰問したのだった。

いやぁ、じょうでき、じょうでき!!あの二人もすっかりご機嫌だったし…いずみちゃんもよくがんばったよね~お疲れさん!!ぼくも病み上がりの体には疲れちゃったよ。
ようやく老夫婦の部屋を辞去した二人は、明智家の菊丸の部屋に戻っていた。


もぅ!!あれのどこが舞よ!!おしりに噛みついてばっかりだったじゃない!!

まぁまぁ…いずみちゃんも結構愉しんでたでしょ?最後はおしりがほんのり色づいて紅もちになってたしねぇ…

う、うるさいわね、そんなわけないでしょ!!そ、それより早く外してよぉ!!こ、この体勢…結構きついんだからぁ!!

はいはい…
成り行きでいずみのお供えもちまで堪能し、すっかり満足した菊丸だったが、ふと怪訝な面持ちで訪ねた。

そういえば今更だけど…

な、なに?

いずみちゃん、なんでおしりでおもちに成りすましたの?
不意を突かれる質問を受け、いずみは動揺した。

え…そりゃ…だってぇ!!こんなテーブルが置かれた部屋で、わたしにできるお正月のお手伝いって言われたら…おしりでお供えもちを演じるくらいしかないじゃなぁい!!
幔幕に隠れたまま、いずみはヤケクソ気味に答える。

へ?べつにぼくそんなこと要求してないけど?だいたい部屋にこの特殊テーブルあるなんて言わなかったでしょ?

え…?
おもち…おしりから一気に血の気が引いた。

ぼくはただ、この部屋にあるすごろくや福笑いやコマといった小道具類を持っていけるようにしておいてほしかっただけなんだけど。

そ…そんなぁ!!じゃ、じゃあ、この変なテーブルは何なのよぉ!?

あ、これ?ほら、こんどまた年明けに幼稚園に慰問にいくじゃない?その時の出し物で使う手品用のテーブルだよ。年末体調崩して準備ができてないから、少しでもやっておこうと思って、いずみちゃんが帰った直後に作業し始めたところだったんだよ。

…
一瞬の静寂。
ちゅどーん!!
直後に、テーブルわずかに宙に浮き、直後に落下。同時にテーブルの内部からぶわっと爆風が起き、幔幕が軽く捲れ上がった。

わ、な、なんだぁ!?
どうやらいずみがテーブルの中でおもちの体勢のまま、ずっこけたものらしい。

き、器用にずっこけるねぇ…いずみちゃん…
結局、いずみが覚悟を決めて露出した『おしりお供えもち』は、確認不足による自爆にすぎなかった。

や…やぁ~ん!!そ、そんなぁ~!!わたしの早とちりだったのぉ~!?
ずっこけ爆風の驚きから立ち直った菊丸は、再び目線をおもちに向けて、固まってしまった。

お…おお~!!
(くぱぁ…💛)
感嘆の呻きをもらした。いずみがずっこけた際、そのはずみで股間に貼りつけたおもちが音もなく剥がれ落ちてしまっていた。

剥がれ落ちたおもちの奥から艶やかに光るピンク色の…先刻まで菊丸が『初日の出』と呼んでいた部分が惜しげもなく露わになっていた。

い、いずみちゃんの初日の出…ま、まさかリベンジなるとは!!
パックリ開いた中央部分が、夕日を浴びてキラキラと照り輝く。

※逆光です、逆光…

や、やぁ~ん!!み、見ないでぇ!!だめぇ恥ずかしい!!やだぁ!!板の穴に食い込んで…ふ、太ももが閉じれなぁい!!うっうう~ん!!わぁ~ん!!お、お嫁に行けなぁい!!

いずみちゃん、ゆっくり落ち着いて、リラックスするんだ!!

う、うん…
(くぱぁ…くぱぁ…)
まるでそこが深呼吸しているかのようにパクパクと開閉する。

な、なんて神秘的なんだ、いずみちゃん!!

バ、バカァ!!エッチィ!!覗きこまないでってばぁ!!お、奥まで見えちゃ~う!!
その様子を恍惚の表情で眺めていた菊丸だったが、興奮のあまり、頭に血が上って倒れそうになった。

(う…めまいが…いかん、いかん!!丸見えなのはありがたいけど、これじゃあ刺激が強すぎて、吾作どんや温泉宿の社長みたいに卒倒してしまう!!)

あ、兄ちゃん!!ただいま!!もう起きて大丈夫なの?
不意にドアを開けて現れたのは、菊丸の実弟竹丸だった。

あ、あれ、竹丸?お前だけ帰ってきたの?

うん、父さんたち、訪問先で上がり込んでお酒のご相伴になって酒盛りはじまちゃってさぁ…つまんないから戻ってきちゃった。

そ、そうか…

わ、何これ!?お供えもち!?

い、いやこれは…

珍しいねぇ…アワビが埋め込んであるんだ…

(ち、ちがぁう!!それは…)
菊丸が躊躇った隙に竹丸はおもちを撫でまわしながら菊丸に問うた。無邪気に撫でまわして貼るが、菊丸の血統。無自覚ながらもその手のテクニックはいずみを存分に刺激する。

(あ…そこ…さわっちゃだめぇ!!)

へぇ~つきたてなんだ、柔らかいなぁ💛そういえば兄ちゃん…いずみおねえちゃんは?

え、な、なんでいずみちゃんが来てるって知ってるの?

だって、玄関に女物の靴があったし、部屋におねえちゃんのコートがあったよ。あれ見覚えあるもん。

(ぐっ…す、するどいな)ちょ、ちょっと出かけてるんだよ。

ふ~ん…あ、そうだ、兄ちゃんぼくお腹すいたからこのおもち食べていい?

そ、それは…だめだ!!これは兄ちゃんの大切なおもちなんだ!!例え肉親でも他にはやれん!!

な、なんだよ、けちくさいなぁ…いいじゃないか…
竹丸は強引におもちを取り上げようとしたが、菊丸が先手を打った。

だめだだめだぁ!!このおし…おもちは、ぼくのもんだぁ!!
菊丸の歯がいずみのおしりに噛みついた。お獅子のカシラと違い、鋭い歯が肉に食い込む。

(い…いたぁい!!)
声を立てずにいずみは必死で耐える。
菊丸がおしりから離れると口元からおしりまでヨダレが糸を引いていた。そしてその後には菊丸の歯型がきっちり残っていた。

わ、汚いなぁ…わかったよ、もういいよ。
竹丸が眉を顰めながら諦めた。

そうだ、兄ちゃん記念写真撮ろうよ。

…え?

だって兄ちゃん体調崩して寝込んでただろ?なんでか知らないけど今は和装だし、ちょうどいいじゃん。お正月写真一枚くらい撮っておこうよ。

あ…そ、そぉ?

(ちょ、ちょっとぉ!!)

あ、そのお供えもちの前にそのお獅子と一緒に正座して…そうそう、じゃ撮るよ~
(パシャ)
のちに現像された写真にはお獅子を抱え、正座した和装の菊丸。そしてその隣には見事なおもちが丸出しの状態で写っていた。
だが、そのおもちの幔幕から、一房束ねた髪がはみ出ていたので、竹丸は「なんだこれ…?」と首をかしげるのだった。。
おしまい!!

はーい!!出張版「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクでーす!!

アシスタントの原田いずみです!!

いやぁホント疲れたわぁ…

…ってあれ?なんで黒猫さんがそんなにバテてるんです?わたしはともかく、黒猫さんは本編に関わってないじゃないですか。

そ、そりゃあ巡業の直後にこの出張版のオンエアだからねえ。

な、なるほど…

さて、三が日にかけてお送りした新春特別企画、大反省会はまた日を改めて行います。

あ、そうなんですか?じゃあ今日わざわざオンエアしなくていいじゃないですか。

いやいや、今日はまだ三が日。スタジオに華が欲しくてさ…

あ、つまりわたしってことですかぁ?

…意外と図々しいねいずみちゃん。まぁある意味正解。

ある意味?

よいせっ!!

きゃあ!?


いたた…な、なにするんですかぁ!?

いやぁ本編で見せた大活躍をこっちのスタジオでもと思って…

そ、それってまさか…

こっちでもお供えもちになってもらうよ!!

きゃああ!!やっぱりぃ~!!

さぁさぁ…パンティは膝まで下ろしちゃおうね~


きゃぁん!!

後は例の特製テーブルに据え付けて…完成!!


ああ~ん!!またアイコンがおもちに変えられちゃったぁ!!

さて大反省会の日程だけど…

8日後で!!

な、なんでそんな半端な日?ま、まぁいいけど…じゃあまた大反省会で!!ごきげんよう!!

ご、ごきげんよぉ~

こらこらおもちがしゃべっちゃダメでしょ!!…おしおきっ!!


ああ~ん💛ご、ごめんなさぁい💛
新春特別企画創作ストーリーⅡ
昼下がりの初日の出!?
ここは菊丸の自室。いずみがベッドの上で奇妙な動きをしている…
服こそ着ているが、後ろ手に縛られたいずみは菊丸にまたがり、時に大胆にかつ妖しげに腰を振る。


んぅ…んんっ…
一方でまたがれている菊丸は、無言で何の反応も示さない。なおも艶めかしく腰をクイクイと動かし、やがてその動きを止め、菊丸の顔面にスカート越しとはいえ、おしりを乗っけた状態で落ち着いた。

や、やっとベッドまで引き上げたぁ…
実は菊丸、新年のあいさつで明智家に来たいずみを縛って弄んでいたのだが、元々悪かった体調を悪化させて倒れこんだのだった。
最初はこの隙に帰ろうとしたいずみだったが、さすがに病人をそのままに放置するわけにもいかず、そもそも帰りたくともこの縛られた状態を何とかしなければ帰るに帰れない。
仕方なく当座の処置として、いずみは失神した菊丸をベッドに引き上げることにした。
引き上げる際、手の自由が利かず、やむなく太ももで菊丸の脇を抱え込んだため、自然と熱を帯びた菊丸の頭部がいずみのスカートの中に突っ込まれる。

(やぁん…あ、熱ぅい…)
どうにかこうにか菊丸を引き上げ、微調整で体をベッドの中央に寄せたのだが、それが冒頭の一見男女の秘め事のごとき光景だったのだった。

あ…やっぱり具合悪かったんだ…
ベッドの壁側に何か倒れている。縛られた手でどうにか引き起こすと、それは氷嚢だった。まだ氷が残っているのか薄っすらと水滴がまとわりついている。
振り返りつつ、どうにか氷嚢を菊丸の額に乗せてやると、菊丸の表情がわずかに緩んだ。冷たさが心地よいらしい。

さて…と…これからどうしよう…
意識を失ったままの菊丸の胸にまたがり、後ろ手に縛られたままいずみは思案する。

と、とにかく…この縛られた手を何とかしないと…
その時、不意にいずみのおしりがムニュンと鷲掴みされた。

きゃあ!?
振り返ると、いつの間にか意識を取り戻した菊丸が、いずみのおしりを撫で愛でている。

や、やだぁ!!菊丸くんのエッチぃ!!
思わず体が反応し、反射的に菊丸の顔をおしりが押しつぶした。

うぷぷっ!!い、いずみちゃん…く、苦しい…
スカートの下で菊丸がもがいている。

もう…いつの間に目覚めてたのよ!?油断も隙もないんだから!!

ついさっきだよ…
実はいずみは全くの無自覚だったが、菊丸をおしりの下に敷いて腰を小さく前後に振っていた。
その微振動が菊丸を揺さぶり起こしたのだった。

いずみちゃん、ベッドに引き上げてくれたんだね。ありがとう、助かったよ。
手でおしりを押し退けながら、菊丸は改めて感謝の言葉を口にした。その妙に素直なところがいずみには憎めない。

ずっと具合悪かったの?なんだか悪かったわね、そんなときに押しかけちゃって…

いやいや、こんな眼福にあずかれたんだから満更でもないよ…

もう…バカね…
おしりをぺちゃぺちゃと触ってはくるが、病人への遠慮もあり、いずみも強い反発は差し控えて、とりあえずそのままで会話に応じる。

年末から具合悪かったの?

30日頃からかな…ずっと熱が引かなくてね…これでも少し楽になった方なんだ。

大変だったのね。わたしったら何も知らずにいきなり訪ねちゃって…ほんとごめん。

いずみちゃんが謝ることじゃないよ。あ~あ…まだ正月らしいことなにもやってないんだよなぁ…

あの福笑いや諸々のボードゲームがあるじゃない。

あれは全部竹丸が使ってたんだよ。あいつがぼくに付き添ってて暇つぶしにね…

ほかにお正月らしいことって…?羽つきとか、コマ回しとか?

まさか、いくらなんでもそんな子供っぽいことはしないよ。お年玉稼ぎとか、年越しイベントの参加とかさ…

まぁしょうがないわね。お年玉は竹丸くんにおすそ分けしてもらいなさい。

まだ雑煮も食べてないし…結局餅つきも…あ、でも今これでできてるかぁ!!

んあ…?
むにむにと今度は遠慮なくおしりを掴まれ、さすがにいずみも抵抗感が出てきた。

も…もう!!病人だからって、いつまでも好き勝手しないでよぉ!!
これまで無自覚に前後に動かしていたおしりがビクンと縦に反応した。一瞬ふわりとスカートが舞い広がり、どすんとまた菊丸をプレスする。

ぐほっ…け、けっこう来るなぁ…

だ、だってぇ…菊丸くんが触るから反射的に…
その時、いずみはようやくこの縛られてる状況を打開しなければならないことを思い出した。

ちょっと、菊丸くんこれいいかげんに…
そう切り出してベッドから降りようとした矢先、菊丸がいずみがすべて発言し終える前に割って入ってきた。

そうだ…お正月にやり損ねたといえば…今年は初日の出見られなかったんだよね…

そんな体調じゃ当たり前でしょ。そもそも今年は関東一円曇ってたから、わたしだって初日の出も何も見えなかったし…
いずみもまた初日の出に関しては、やや残念そうな表情を見せる。

いやいや…今日は午後になったとはいえ、まだ元日。そうだ、まだ間に合うよいずみちゃん!!

はぁ?

よっと!!
不意に菊丸は寝そべったまま、自分にまたがっているいずみの背中をドンとついた。

きゃあ!?
いずみの上半身は突き飛ばされた勢いで前に突っ伏し、菊丸の腹の上にいずみの体が重なった。さらに余った勢いで後ろ手に縛られた手が肩が外れそうなほど背中から後頭部の先へ放物線を描く。

いたたた!!な、何するのよぉ!!
いずみの丸みを帯びた豊かなおしりが腰を折ることでさらに丸まり、菊丸の鼻先に迫る。

いずみちゃんで『初日の出』を拝めばいいんだ!!

ええ!?それってまさか…

いずみちゃんの母なる太陽だよ!!

バカァ!!な、なんであんたにわたしのぉ…そんな大切な部分見せなきゃならないのよぉ!?

お願い、いずみちゃん!!これもぼくへの『お年玉』だと思って!!

なんでもかんでもお正月に結び付けるなぁ!!だ、だいたいあんた、いつの間にそこまで元気になったのよぉ!?

いずみちゃんがおせち食べてる間に飲んだ薬が効いてきたんだね…体力こそ落ちてるけど、頭はすっきりだよ。
いずみにしてみれば、状況は最悪だった。立ち上がろうにも手が使えないいずみは、体を起こすこともできず抵抗もままならない。

や、やだぁ!!
それでも抵抗を試み、肩を支点に起き上ろうとした矢先…いずみは視線の外から何かが動く気配に気づいた。

(ん…?)
倒れたいずみの眼先にあったのは、少し饐えた臭いを放つ菊丸のジャージだった。その中央がこんもりと盛り上がり、芋虫のような何かが僅かではあるが蠢いている。

…
いずみは一瞬抵抗を緩め、その奇妙な代物に目を奪われた。

(こ…これって…)
その隙を菊丸は逃さなかった。いずみのスカートを捲り上げ、ストッキングに覆われたおしりをむき出しにする。

あ…!!
目の前の何かがまたぶるんと反応した。

(や、やだぁ…う、蠢きだしたぁ…)
いずみはある可能性に気づいた。この菊丸の興味深い動きをする体の部位は、自分が菊丸を誘惑すれば、さらに大きく反応するのではないか、と…
菊丸がいずみたちの大切な部分に固執するように、いずみもまた、殿方のその部位に関心が深まっていた。
その目標が今、目の前にある…
ジャージはウェストのゴムがもう少しで菊丸の腹から離れそうなほど突っ張っている。。

(く、工夫次第で…あの奥がさらに覗けるのかな…?)
それならば不本意ではあるが、少しだけ菊丸に餌を与えばもう少し変化が現れるであろう。それをもってこの眼前の光景の移ろいを確認してみたい…
ある意味でいずみの研究心に火が点いた、もっといえばいずみが菊丸化したといえる。

(…そ、そう、これは研究よ!!わたしは高校生という学究の徒。興味を持ったことはしっかり学ばなくちゃ!!)
いずみは必死に自分の考えを正当化し、抵抗をわずかながら弱めた。

ちゃ、ちゃんと約束守れない子に『お年玉』はあげられないわ!!

や、約束!?
妙な切り替えしに菊丸が少し動揺した。いずみはその間に必死に言葉を選ぶ。
多少の餌…すなわちいずみからお色気を提供しなければ、菊丸のジャージの中の蠢きは変わらない。

(だからといって、ま、丸出しなんて、はしたないマネは避けなきゃ…)
要はギリギリまで引き付けて、自分の最後の砦は守り抜きたい…

(そ、そうか、逆に言えば最後の砦が崩れなければ大丈夫!!)
いずみは意を決して条件を突きつけた。

ぜ、絶対パンティは脱がさないで!!これが約束よ!!

そ、そんなぁ!!それじゃ『いずみちゃんで初日の出』が見れないじゃん!!

う、うるさいわね!!現実の元旦が曇りだったから、こっちも雲がかかってると思えばいいのよ!!それが嫌ならわたし、帰る!!

そ、そんなぁ~
いずみが結論付けたギリギリの歩み寄りだった。
失望したかのような様子を見せてはいるが、菊丸もまた逡巡した。目の前にあるストッキングとスカートという鎧に包まれたいずみのおしり。条件付きとはいえ、これを公然と弄べるのはまたとない機会であるのは間違いない。不足するなら付け足す隙を見せれば付け入る創意工夫を最大発揮…まるで会社の社是のような菊丸のモットーが脳裏を掠める。

(…『いずみちゃん初日の出』…拝める可能性がないわけでもなさそうだ…まさしく天候と同じく成り行き次第。まずはリングに上がらないと勝負にならない…よし!!)
もとよりいずみの条件案で、既に負け…怒って帰られたり、おしおきを受ける事態だけは避けられる。まだ具体策は見い出せてないが、展開の可能性に菊丸は賭けることにした。

わ、わかったよ…ぼくがパンティ脱がさなければいいんだね?

う…うん…
首だけ振り返りいずみがコクンと頷いた。振り向き際に羞恥に悶える面持がまた菊丸を刺激する。

いやいやそれなら…ぼくはいずみちゃんのパンティに触れない!!約束しよう!!
ここでただで引かないのが菊丸だった。自分からさらに譲歩してきた。いずみにしてみれば、パンティを脱がさない約束より、パンティに触れない約束の方が有利なのは言うまでもない。

え…?ま、まぁ菊丸くんがそれでいいなら…で、でも約束したからには変更は認めないわよ!!
菊丸が敢えて不利な条件変更を提示したのは、状況に応じて発揮する並外れた観察眼が、いずみのストッキングの左右の腰部分の特徴を見逃さなかったからだった。結局いずみは菊丸の案を受け入れることにした。

(ぐふ、ぼくの勘に間違いなければ…)
だがまずは、公然といずみを引ん剝ける喜びに集中する。

さてさて…え~オホン。大晦日の深夜、除夜の鐘も撞き終えて、今は闇夜が支配する…
菊丸の太く厚みのある掌が太ももからおしりに向けて撫でまわされた。

あっ…
ぞくっとした感覚がいずみに走る。口が波打った形に歪み、笑顔とも困惑ともとれる。

さて明智菊丸が中継しますは、霊峰富士にはおよばないものの、ごく一部の通には聖峰とも崇め奉られている『しりもち山』でございます!!
どうやら菊丸の中である程度ストーリーができているらしい。いずみにというよりは自分に言い聞かせ、それに陶酔しながら話を続ける。いずみのおしりを山にたとえ始める。

ちょ、ちょっと…何勝手に変なお話はじめてるのよ!!大体『しりもち山』って千春が鉄道模型展で露出したおしりにつけてもらった名前じゃない!!

え…『つけてもらった?』

あ…と、とにかくぅ何なのよ、そのお山のストーリー仕立ては!?

うふふ…いずみちゃんのおしりを山に見立て…そしてパンストは夜の闇ってことだよん💛
よくもまぁ、わずかな共通点でそこまで話をつなげられるものだと、いずみは呆れつつも感心した。

(あ…ちょっと変化してきてる…)
ジャージに目を移すと、おしりを撫でまわされ始めたころ、例の膨らみは、これまではたまにピクンと動いていたが、常にモゴモゴと微動する動きに変わった。

さて続き続き…やがて神聖なる朝日が徐々に闇を取り払う…
ゆっくりと少しずつ、しかしそれを確実に菊丸はパンストを下ろし始めた。特にパンティ周りは例の約束もあってか、パンストをやや過剰に引っ張って、生地に触れないよう、丁寧に脱がしていく。
パンストはいずみの膝まで下ろしたところで止められた。手繰り寄せられた黒いパンストが、アコーディオンのように折り重なり、四つん這いの膝でピンと張られている…

あん…は、恥ずかしぃ…
屋内とはいえ、不意に外気に触れたせいか、一瞬いずみのおしり全体がブルッと揺れた。そのおしりはまだスカートに護られている…
やがて『しりもち山』の山際に日輪が映し出される…
どうやらスカートのことは日輪という設定らしい。確かに濃いオレンジのスカートはそう言われればそう見立てられなくもない…

(…ん?ということは…いよいよ…)
いずみの予想どおり、菊丸はスカートの端をつまむと、ストッキング同様に丁寧にひっくり返した。
ふわりと微風が起き、捲れ上がったスカートの奥からいずみの白いおしりが露わになる。もちろんパンティによって大切な部分は隠されたままだが…

あっ…💛
いずみは思わず吐息を漏らす。


ぐふふ…やっぱり~!!
菊丸は自分の読みが当たりほくそ笑んだ。

な、なにがやっぱりなのよ!?
不安に駆られたいずみが我に返って振り返る。スカートがまくれ、突きあがったおしりがゆらゆらと揺れている。身体が突っ張っているせいか、小さなパンティはおしりの割れ目に食い込まんばかりに皺が寄っており、その光景は改めていずみに羞恥の感情を湧きあがらせた。

あ…
同時にいずみは自身の不覚を痛感した。そのパンティは腰で結わえる『紐パン』だったのだ。

(ま、まずい…すっかり忘れてたぁ…今日は紐パンじゃない!!)
ようやく菊丸が「パンティに触れない」などと譲歩する宣言の理由を察したいずみ。

あ…あのぉ…菊丸くん?

だめだよん、いずみちゃん~今さらなかったことになんて…
いずみの心中を見透かしたかのように菊丸が警告する。

わ、わかってたの!?今日わたしが紐パンだって…!!

もちろん、ストッキングの結び目の膨らみで察しがつきましたよ。

ずるぅい!!

いやいや、別に罠を仕掛けたりはしてないんだから、そんなこと言われる筋合いはないでしょ。別に約束を破ったりしてるわけでもないんだからさぁ~
正論を突きつけれられ、いずみは返す言葉もない。
ほらほら、もっとおしりをこっちに寄せて!!
ここまでくると、いずみももはや抗う術はない。せめて菊丸と取り交わした約定が守られるのを祈り、またそれが破棄された時にしか反撃できないといずみはあきらめざるを得なかった。
気持ち程度だがおしりを菊丸に寄せると、おしりは一層丸みを帯び、また小さなパンティからは包み隠しきれないおしりの割れ目が半分飛び出している。

パ、パンティ絶対触らないでよ!!約束だからね!!菊丸くんが言い出したんだから、絶対よ!!

はいはい…
いずみは意を決して身体を折り、菊丸におしりを突き出した。

新年を迎えるに当たり、明智菊丸は初日の出を浴び、心身を清めようと思う次第であります!!あいにく本日は白い雲に覆われたうす曇りですが…
どうやら菊丸は約束は守ろうとしているらしく、パンティには指一本触れてこない。その点だけはいずみも安堵し思わず安堵の息を漏らす。

(ほっ…)
だが次の瞬間、菊丸は両手をおしりの肉に押し当てると、そのままグイッと左右に開いくという、いずみの予想を上回る行為におよんだ。

きゃああ!!な、なにするのよぉ!!

パンティに触れなけりゃいいんでしょ?約束は守ってるよ。おしりに触れちゃいけないなんて約束してないし…

ず、ずるぅい!!そ、そんなに押し広げちゃ…だめ~ぇ!!お、おにく…くぱぁってなっちゃ~う!!
元々パンティの股間の部分は生地がそう太くない。菊丸が器用に指で左右の限界まで手繰ると、白いパンティの縁からピンク色のおにくがわずかながら顔を見せる。

おほ、いい色💛

だ、だめぇ…ひ、広げて…み、見ないでぇ~!!

しかしまぁ…その奥はさすがに見えないかぁ…

あ、当たり前でしょ!!それだけは絶対許さないんだから!!

まぁいいかぁ…いずみちゃんのおしりをこんなド間近なアングルで堪能できるなんて中々ないからねぇ…
ぴちゃぴちゃとおしりを菊丸が満足げにはたく。

や…やぁ~ん!!わたしのおしりはスイカじゃなぁい!!

うんわかってる、これはスイカというよりはおもちだもんね~

そ、そうじゃなくて…え?
いずみの目線が再びジャージに注がれた。先ほどより膨らみが大きくなり、明らかに天井に向かって盛り上がっている。
ジャージのゴムは生地の突っ張りに追いつかないのか、僅かだが菊丸の腹から離れだしている。
太い筒状の肉塊とそれに沿って脈打つ血管がほんの僅かにだが窺えた。

…
いずみが目を奪われた直後、いずみは体の奥底から込み上げてくる感覚に襲われた。

あ…!!
それはいずみを大いに焦らせる事態だった。

(ま…まずぅい!!こ、このままじゃあ…パンティが内側から…そして菊丸くんにばれちゃう!!)
いずみの焦りをよそに、菊丸は菊丸でさらに策を練り、実行に移していた。

よーしそれなら…

ひゃああ!?な、何ぃ!?
突如凍てつくような感覚がいずみを襲った。菊丸が氷嚢の表面に付いた水滴を、パンティの中央に押し付けたのだった。

霧が白い雲を払っていくよ…雲の濃度がどんどん薄れて…
濡れたパンティはいずみの肌にぴったり貼り付き、その影響で奥が不完全ながら透けてきた。

や、やぁ~ん!!パンティ透けて貼りついて…お、おにくの中までみ、見えてる~ぅ!!
自分の置かれた状況を直接視認できずとも、パンティがじっとり貼りついた感触でいずみは、何がどう見えているか察していた。
だが、これはいずみにしてみれば九死に一生を得たような状況だった。安堵を体現しているのか、はみ出たおにくがピルピルと痙攣する。

(た、助かったぁ…こ、これで水滴のせいにできるぅ~)
菊丸は再度いずみのおしりをグイッと押し広げる。パンティの奥の透けたものもそれに釣られてひし形のような形に歪む。

うほほ~これぞ、いずみちゃん初日の出!!母なる太陽!!確かにいただきましたぞ!!開けましておめでとう!!

ああん…でもやっぱり…見ちゃだめぇ!!ってうか…『開けまして』じゃなくて『明けまして』でしょぉ!!
その時暴れたのがまずかったのか、パンティの左型の結び目が解けてしまった。

きゃああ!!
湿気が及ばず摩擦抵抗の少ない結び目は簡単に解け、腰骨から離れていった。
おしりを辛うじて隠しているのは右半分の結び目のみだった。これが解けることをいずみは恐れた。

あ…ああ~ん!!き、菊丸くぅん!!パ…パンティの紐…結んでぇ!!
だが菊丸の反応は冷ややかなものだった。

だめだめ…ぼくはパンティに触れない約束だからね!!
これこそ菊丸の狙い目だった。パンティに触れられない縛りは、パンティが脱げそうになってもいずみを助ける義務を負わなくなる。そしてそんな状況を産み出せると確信していたのは、今日は紐パンらしいと察したためでもあった。

そ、そんなぁ~!!
パンティはいずみのおしりを斜めに突っ切って垂れ下がっている。菊丸がパンティに触れられるなら指でつまんで少しずらすだけで、斜めになったパンティの奥が大公開となる…

ほぼ9割がた透けて丸見えなのに、直視されるのは嫌がるんだねぇ…
いずみもまた自身が抱える矛盾した感情を持て余していた。

(ま、丸見えにする方が恥ずかしいはずなのに…わ、わたしったら、この見え切れないギリギリの感覚を…た、楽しんでるぅ!?)

で…でも…やっぱりだめぇ!!
縛られた両手首で垂れかけたパンティをグイッと掴みあげる。パンティは多少位置を戻したが、引いた勢いで前側の生地が太ももの間から垂れ下がり、菊丸の眼前に迫る。

おおっとぉ!!顔にパンティが触れたら約束違反!!これはいけませんぞ!!回避しなくては!!
顔に迫るパンティを避けようと口を尖らせてふうっと息を吹きかけると、湿気を含んだパンティがやや重々しく舞い上がった。
(ふわっ…)

きゃああ!!やだっ…み、見えちゃう!!
実際に見えてるかどうかは定かでない、ただ菊丸の血走った視線が注がれているのは充分感じていた。
さすがに乾いた時と比べて少々重いのか、パンティはすぐに元に戻り、その都度ジタリとした触感がいずみの股間を包み込む。
(ぴちゃっ…)
すると今度は密着して丸々透けたパンティの奥が見えてしまう。

ああ~ん!!こ、これじゃあどっちもピンチのままじゃない!!
進むも退くもならず、いずみの苦悩は収まらない。

(ああん…これじゃあ…いくらパンティに触らないって約束しても…無意味じゃなぁい…ん?)
ふといずみは、自身の述懐の中に現状打開のヒントがあるような気がした。

あ…そ、そうかぁ!!

どうしたのいずみちゃん?

あ…う、ううん、何でもない!!
いずみは意を決して、小指をそっと結わえが残っている右の紐に引っかけた。
僅かな動作で結び目は簡単に解けた。菊丸はまだその仕草に気づいていない。

1…2…3!!えいっ!!
いずみは掴んでいたパンティを菊丸の顔面めがけて放り投げた。

うぷぁっ!?
べっちゃりと湿ったパンティが菊丸の顔面を覆った。含んだ水気が邪魔をして空気を通さないため、たちまち菊丸は呼吸困難に陥った。

ぶぶぶ…息が…く、苦しい!!
間髪入れずいずみが丸出しのおしりで強烈なヒップアタックを仕掛け、同時に太ももで菊丸の腕を抑え込む。
菊丸の体がブリッジを描いて苦しさを体現している。その頂点はこれでもかというほどジャージの中で怒張していて、今にも突き破らんばかりとなっている。

…!!
いずみのおしりの下で不意に菊丸の体から力が抜けるのがわかった。どうやらとうとう失神したらしい。

た、助かったぁ…
菊丸の顔面におしりを乗せたまま、安堵のため息を漏らすいずみ。
次の瞬間…
(ビリビリッ…バリッ!!)

え…?
そこには隆々たる立派な…小柄な菊丸の体に似つかわしくない巨大な『門松』がそそり立っていた。はち切れたあまり、ついにジャージを突き破ってしまったらしい。
※門松です

…うっ!!
菊丸の『門松』を凝視したいずみだったが、うら若き女子高生には刺激が強すぎたのか、直後にキュンと頭に血が上ってしまい、縛られたままベッドから転げ落ち、失神してしまった。
菊丸もまたいずみのしけったパンティを覆い被されたまま気絶しており、二人はこの間意識と記憶を失ってしまうのだった。

はーい、出張版「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクでーす!!キャラの切り替えが大変でーす!!

アシスタントの原田いずみです!!なんですか?切り替えって…

あ、いやいや、こっちの話…はい、ということで第二夜も無事終了!!

どこが無事ですか、わたしいいように弄ばれてるんですけど!!

第一夜は刺激が足りないって文句言ってたくせに…

だ、だからって何ですか、あのわたしが菊丸化したって扱い!!わ、わたしあんなこと…

考えてない?興味ない?

う…ノ、ノーコメントで…

今回はあんまり露骨には扱ってないけど、そういう興味の部分から、先導しているつもりがかえって菊丸につけ込まれ泥沼化…ってのが面白いかなと思いまして。

菊丸くんが「見たい!!」って願望を露骨に表すのに対し、わたしは「見たいけど、そんなはしたないこと言えない」って立場の違いがありますからね。

その分いずみちゃんの方が明らかに不利なんだよね。ま、結局いずみちゃんもそこまで免疫がなくて失神しちゃうってオチにしましたが…で、いずみちゃん、ガン見してどうだった?

そそそ、それより菊丸くんの側は原作にあった「ギリギリ見せない」を維持しましたね。

見せてオチつけてもいいかなぁとも思ったんだけど、双方痛み分けで終わる方法練ってるうちにこうなっちゃったんだよ。

どうしてそんな展開に?

そりゃあ…さすがに丸出しの男女ってなると収拾つかなくなるし…あとはあらゆる角度から「ギリギリ」、つまり寸止め演出が抽出できるなお思ったし。

ギリギリが他にも?

結局菊丸くんは「パンティには触れない」という約束をギリギリのところで守ってたし、9割透けてるけど一応完全には見せない透けたパンティだとか、いずみちゃんが菊丸くんから解放される手段もギリギリ状況下で生まれたし、パンティがいずみちゃんの体から離れるギリギリで一気にオチに突入するし…

なるほど…そんなもんですかね。

さて、残すは第三夜!!

ま、まだ続くんですね…

もちろんだよ、ではまた明日!!
ここは菊丸の自室。いずみがベッドの上で奇妙な動きをしている…
服こそ着ているが、後ろ手に縛られたいずみは菊丸にまたがり、時に大胆にかつ妖しげに腰を振る。


んぅ…んんっ…
一方でまたがれている菊丸は、無言で何の反応も示さない。なおも艶めかしく腰をクイクイと動かし、やがてその動きを止め、菊丸の顔面にスカート越しとはいえ、おしりを乗っけた状態で落ち着いた。

や、やっとベッドまで引き上げたぁ…
実は菊丸、新年のあいさつで明智家に来たいずみを縛って弄んでいたのだが、元々悪かった体調を悪化させて倒れこんだのだった。
最初はこの隙に帰ろうとしたいずみだったが、さすがに病人をそのままに放置するわけにもいかず、そもそも帰りたくともこの縛られた状態を何とかしなければ帰るに帰れない。
仕方なく当座の処置として、いずみは失神した菊丸をベッドに引き上げることにした。
引き上げる際、手の自由が利かず、やむなく太ももで菊丸の脇を抱え込んだため、自然と熱を帯びた菊丸の頭部がいずみのスカートの中に突っ込まれる。

(やぁん…あ、熱ぅい…)
どうにかこうにか菊丸を引き上げ、微調整で体をベッドの中央に寄せたのだが、それが冒頭の一見男女の秘め事のごとき光景だったのだった。

あ…やっぱり具合悪かったんだ…
ベッドの壁側に何か倒れている。縛られた手でどうにか引き起こすと、それは氷嚢だった。まだ氷が残っているのか薄っすらと水滴がまとわりついている。
振り返りつつ、どうにか氷嚢を菊丸の額に乗せてやると、菊丸の表情がわずかに緩んだ。冷たさが心地よいらしい。

さて…と…これからどうしよう…
意識を失ったままの菊丸の胸にまたがり、後ろ手に縛られたままいずみは思案する。

と、とにかく…この縛られた手を何とかしないと…
その時、不意にいずみのおしりがムニュンと鷲掴みされた。

きゃあ!?
振り返ると、いつの間にか意識を取り戻した菊丸が、いずみのおしりを撫で愛でている。

や、やだぁ!!菊丸くんのエッチぃ!!
思わず体が反応し、反射的に菊丸の顔をおしりが押しつぶした。

うぷぷっ!!い、いずみちゃん…く、苦しい…
スカートの下で菊丸がもがいている。

もう…いつの間に目覚めてたのよ!?油断も隙もないんだから!!

ついさっきだよ…
実はいずみは全くの無自覚だったが、菊丸をおしりの下に敷いて腰を小さく前後に振っていた。
その微振動が菊丸を揺さぶり起こしたのだった。

いずみちゃん、ベッドに引き上げてくれたんだね。ありがとう、助かったよ。
手でおしりを押し退けながら、菊丸は改めて感謝の言葉を口にした。その妙に素直なところがいずみには憎めない。

ずっと具合悪かったの?なんだか悪かったわね、そんなときに押しかけちゃって…

いやいや、こんな眼福にあずかれたんだから満更でもないよ…

もう…バカね…
おしりをぺちゃぺちゃと触ってはくるが、病人への遠慮もあり、いずみも強い反発は差し控えて、とりあえずそのままで会話に応じる。

年末から具合悪かったの?

30日頃からかな…ずっと熱が引かなくてね…これでも少し楽になった方なんだ。

大変だったのね。わたしったら何も知らずにいきなり訪ねちゃって…ほんとごめん。

いずみちゃんが謝ることじゃないよ。あ~あ…まだ正月らしいことなにもやってないんだよなぁ…

あの福笑いや諸々のボードゲームがあるじゃない。

あれは全部竹丸が使ってたんだよ。あいつがぼくに付き添ってて暇つぶしにね…

ほかにお正月らしいことって…?羽つきとか、コマ回しとか?

まさか、いくらなんでもそんな子供っぽいことはしないよ。お年玉稼ぎとか、年越しイベントの参加とかさ…

まぁしょうがないわね。お年玉は竹丸くんにおすそ分けしてもらいなさい。

まだ雑煮も食べてないし…結局餅つきも…あ、でも今これでできてるかぁ!!

んあ…?
むにむにと今度は遠慮なくおしりを掴まれ、さすがにいずみも抵抗感が出てきた。

も…もう!!病人だからって、いつまでも好き勝手しないでよぉ!!
これまで無自覚に前後に動かしていたおしりがビクンと縦に反応した。一瞬ふわりとスカートが舞い広がり、どすんとまた菊丸をプレスする。

ぐほっ…け、けっこう来るなぁ…

だ、だってぇ…菊丸くんが触るから反射的に…
その時、いずみはようやくこの縛られてる状況を打開しなければならないことを思い出した。

ちょっと、菊丸くんこれいいかげんに…
そう切り出してベッドから降りようとした矢先、菊丸がいずみがすべて発言し終える前に割って入ってきた。

そうだ…お正月にやり損ねたといえば…今年は初日の出見られなかったんだよね…

そんな体調じゃ当たり前でしょ。そもそも今年は関東一円曇ってたから、わたしだって初日の出も何も見えなかったし…
いずみもまた初日の出に関しては、やや残念そうな表情を見せる。

いやいや…今日は午後になったとはいえ、まだ元日。そうだ、まだ間に合うよいずみちゃん!!

はぁ?

よっと!!
不意に菊丸は寝そべったまま、自分にまたがっているいずみの背中をドンとついた。

きゃあ!?
いずみの上半身は突き飛ばされた勢いで前に突っ伏し、菊丸の腹の上にいずみの体が重なった。さらに余った勢いで後ろ手に縛られた手が肩が外れそうなほど背中から後頭部の先へ放物線を描く。

いたたた!!な、何するのよぉ!!
いずみの丸みを帯びた豊かなおしりが腰を折ることでさらに丸まり、菊丸の鼻先に迫る。

いずみちゃんで『初日の出』を拝めばいいんだ!!

ええ!?それってまさか…

いずみちゃんの母なる太陽だよ!!

バカァ!!な、なんであんたにわたしのぉ…そんな大切な部分見せなきゃならないのよぉ!?

お願い、いずみちゃん!!これもぼくへの『お年玉』だと思って!!

なんでもかんでもお正月に結び付けるなぁ!!だ、だいたいあんた、いつの間にそこまで元気になったのよぉ!?

いずみちゃんがおせち食べてる間に飲んだ薬が効いてきたんだね…体力こそ落ちてるけど、頭はすっきりだよ。
いずみにしてみれば、状況は最悪だった。立ち上がろうにも手が使えないいずみは、体を起こすこともできず抵抗もままならない。

や、やだぁ!!
それでも抵抗を試み、肩を支点に起き上ろうとした矢先…いずみは視線の外から何かが動く気配に気づいた。

(ん…?)
倒れたいずみの眼先にあったのは、少し饐えた臭いを放つ菊丸のジャージだった。その中央がこんもりと盛り上がり、芋虫のような何かが僅かではあるが蠢いている。

…
いずみは一瞬抵抗を緩め、その奇妙な代物に目を奪われた。

(こ…これって…)
その隙を菊丸は逃さなかった。いずみのスカートを捲り上げ、ストッキングに覆われたおしりをむき出しにする。

あ…!!
目の前の何かがまたぶるんと反応した。

(や、やだぁ…う、蠢きだしたぁ…)
いずみはある可能性に気づいた。この菊丸の興味深い動きをする体の部位は、自分が菊丸を誘惑すれば、さらに大きく反応するのではないか、と…
菊丸がいずみたちの大切な部分に固執するように、いずみもまた、殿方のその部位に関心が深まっていた。
その目標が今、目の前にある…
ジャージはウェストのゴムがもう少しで菊丸の腹から離れそうなほど突っ張っている。。

(く、工夫次第で…あの奥がさらに覗けるのかな…?)
それならば不本意ではあるが、少しだけ菊丸に餌を与えばもう少し変化が現れるであろう。それをもってこの眼前の光景の移ろいを確認してみたい…
ある意味でいずみの研究心に火が点いた、もっといえばいずみが菊丸化したといえる。

(…そ、そう、これは研究よ!!わたしは高校生という学究の徒。興味を持ったことはしっかり学ばなくちゃ!!)
いずみは必死に自分の考えを正当化し、抵抗をわずかながら弱めた。

ちゃ、ちゃんと約束守れない子に『お年玉』はあげられないわ!!

や、約束!?
妙な切り替えしに菊丸が少し動揺した。いずみはその間に必死に言葉を選ぶ。
多少の餌…すなわちいずみからお色気を提供しなければ、菊丸のジャージの中の蠢きは変わらない。

(だからといって、ま、丸出しなんて、はしたないマネは避けなきゃ…)
要はギリギリまで引き付けて、自分の最後の砦は守り抜きたい…

(そ、そうか、逆に言えば最後の砦が崩れなければ大丈夫!!)
いずみは意を決して条件を突きつけた。

ぜ、絶対パンティは脱がさないで!!これが約束よ!!

そ、そんなぁ!!それじゃ『いずみちゃんで初日の出』が見れないじゃん!!

う、うるさいわね!!現実の元旦が曇りだったから、こっちも雲がかかってると思えばいいのよ!!それが嫌ならわたし、帰る!!

そ、そんなぁ~
いずみが結論付けたギリギリの歩み寄りだった。
失望したかのような様子を見せてはいるが、菊丸もまた逡巡した。目の前にあるストッキングとスカートという鎧に包まれたいずみのおしり。条件付きとはいえ、これを公然と弄べるのはまたとない機会であるのは間違いない。不足するなら付け足す隙を見せれば付け入る創意工夫を最大発揮…まるで会社の社是のような菊丸のモットーが脳裏を掠める。

(…『いずみちゃん初日の出』…拝める可能性がないわけでもなさそうだ…まさしく天候と同じく成り行き次第。まずはリングに上がらないと勝負にならない…よし!!)
もとよりいずみの条件案で、既に負け…怒って帰られたり、おしおきを受ける事態だけは避けられる。まだ具体策は見い出せてないが、展開の可能性に菊丸は賭けることにした。

わ、わかったよ…ぼくがパンティ脱がさなければいいんだね?

う…うん…
首だけ振り返りいずみがコクンと頷いた。振り向き際に羞恥に悶える面持がまた菊丸を刺激する。

いやいやそれなら…ぼくはいずみちゃんのパンティに触れない!!約束しよう!!
ここでただで引かないのが菊丸だった。自分からさらに譲歩してきた。いずみにしてみれば、パンティを脱がさない約束より、パンティに触れない約束の方が有利なのは言うまでもない。

え…?ま、まぁ菊丸くんがそれでいいなら…で、でも約束したからには変更は認めないわよ!!
菊丸が敢えて不利な条件変更を提示したのは、状況に応じて発揮する並外れた観察眼が、いずみのストッキングの左右の腰部分の特徴を見逃さなかったからだった。結局いずみは菊丸の案を受け入れることにした。

(ぐふ、ぼくの勘に間違いなければ…)
だがまずは、公然といずみを引ん剝ける喜びに集中する。

さてさて…え~オホン。大晦日の深夜、除夜の鐘も撞き終えて、今は闇夜が支配する…
菊丸の太く厚みのある掌が太ももからおしりに向けて撫でまわされた。

あっ…
ぞくっとした感覚がいずみに走る。口が波打った形に歪み、笑顔とも困惑ともとれる。

さて明智菊丸が中継しますは、霊峰富士にはおよばないものの、ごく一部の通には聖峰とも崇め奉られている『しりもち山』でございます!!
どうやら菊丸の中である程度ストーリーができているらしい。いずみにというよりは自分に言い聞かせ、それに陶酔しながら話を続ける。いずみのおしりを山にたとえ始める。

ちょ、ちょっと…何勝手に変なお話はじめてるのよ!!大体『しりもち山』って千春が鉄道模型展で露出したおしりにつけてもらった名前じゃない!!

え…『つけてもらった?』

あ…と、とにかくぅ何なのよ、そのお山のストーリー仕立ては!?

うふふ…いずみちゃんのおしりを山に見立て…そしてパンストは夜の闇ってことだよん💛
よくもまぁ、わずかな共通点でそこまで話をつなげられるものだと、いずみは呆れつつも感心した。

(あ…ちょっと変化してきてる…)
ジャージに目を移すと、おしりを撫でまわされ始めたころ、例の膨らみは、これまではたまにピクンと動いていたが、常にモゴモゴと微動する動きに変わった。

さて続き続き…やがて神聖なる朝日が徐々に闇を取り払う…
ゆっくりと少しずつ、しかしそれを確実に菊丸はパンストを下ろし始めた。特にパンティ周りは例の約束もあってか、パンストをやや過剰に引っ張って、生地に触れないよう、丁寧に脱がしていく。
パンストはいずみの膝まで下ろしたところで止められた。手繰り寄せられた黒いパンストが、アコーディオンのように折り重なり、四つん這いの膝でピンと張られている…

あん…は、恥ずかしぃ…
屋内とはいえ、不意に外気に触れたせいか、一瞬いずみのおしり全体がブルッと揺れた。そのおしりはまだスカートに護られている…
やがて『しりもち山』の山際に日輪が映し出される…
どうやらスカートのことは日輪という設定らしい。確かに濃いオレンジのスカートはそう言われればそう見立てられなくもない…

(…ん?ということは…いよいよ…)
いずみの予想どおり、菊丸はスカートの端をつまむと、ストッキング同様に丁寧にひっくり返した。
ふわりと微風が起き、捲れ上がったスカートの奥からいずみの白いおしりが露わになる。もちろんパンティによって大切な部分は隠されたままだが…

あっ…💛
いずみは思わず吐息を漏らす。


ぐふふ…やっぱり~!!
菊丸は自分の読みが当たりほくそ笑んだ。

な、なにがやっぱりなのよ!?
不安に駆られたいずみが我に返って振り返る。スカートがまくれ、突きあがったおしりがゆらゆらと揺れている。身体が突っ張っているせいか、小さなパンティはおしりの割れ目に食い込まんばかりに皺が寄っており、その光景は改めていずみに羞恥の感情を湧きあがらせた。

あ…
同時にいずみは自身の不覚を痛感した。そのパンティは腰で結わえる『紐パン』だったのだ。

(ま、まずい…すっかり忘れてたぁ…今日は紐パンじゃない!!)
ようやく菊丸が「パンティに触れない」などと譲歩する宣言の理由を察したいずみ。

あ…あのぉ…菊丸くん?

だめだよん、いずみちゃん~今さらなかったことになんて…
いずみの心中を見透かしたかのように菊丸が警告する。

わ、わかってたの!?今日わたしが紐パンだって…!!

もちろん、ストッキングの結び目の膨らみで察しがつきましたよ。

ずるぅい!!

いやいや、別に罠を仕掛けたりはしてないんだから、そんなこと言われる筋合いはないでしょ。別に約束を破ったりしてるわけでもないんだからさぁ~
正論を突きつけれられ、いずみは返す言葉もない。
ほらほら、もっとおしりをこっちに寄せて!!
ここまでくると、いずみももはや抗う術はない。せめて菊丸と取り交わした約定が守られるのを祈り、またそれが破棄された時にしか反撃できないといずみはあきらめざるを得なかった。
気持ち程度だがおしりを菊丸に寄せると、おしりは一層丸みを帯び、また小さなパンティからは包み隠しきれないおしりの割れ目が半分飛び出している。

パ、パンティ絶対触らないでよ!!約束だからね!!菊丸くんが言い出したんだから、絶対よ!!

はいはい…
いずみは意を決して身体を折り、菊丸におしりを突き出した。

新年を迎えるに当たり、明智菊丸は初日の出を浴び、心身を清めようと思う次第であります!!あいにく本日は白い雲に覆われたうす曇りですが…
どうやら菊丸は約束は守ろうとしているらしく、パンティには指一本触れてこない。その点だけはいずみも安堵し思わず安堵の息を漏らす。

(ほっ…)
だが次の瞬間、菊丸は両手をおしりの肉に押し当てると、そのままグイッと左右に開いくという、いずみの予想を上回る行為におよんだ。

きゃああ!!な、なにするのよぉ!!

パンティに触れなけりゃいいんでしょ?約束は守ってるよ。おしりに触れちゃいけないなんて約束してないし…

ず、ずるぅい!!そ、そんなに押し広げちゃ…だめ~ぇ!!お、おにく…くぱぁってなっちゃ~う!!
元々パンティの股間の部分は生地がそう太くない。菊丸が器用に指で左右の限界まで手繰ると、白いパンティの縁からピンク色のおにくがわずかながら顔を見せる。

おほ、いい色💛

だ、だめぇ…ひ、広げて…み、見ないでぇ~!!

しかしまぁ…その奥はさすがに見えないかぁ…

あ、当たり前でしょ!!それだけは絶対許さないんだから!!

まぁいいかぁ…いずみちゃんのおしりをこんなド間近なアングルで堪能できるなんて中々ないからねぇ…
ぴちゃぴちゃとおしりを菊丸が満足げにはたく。

や…やぁ~ん!!わたしのおしりはスイカじゃなぁい!!

うんわかってる、これはスイカというよりはおもちだもんね~

そ、そうじゃなくて…え?
いずみの目線が再びジャージに注がれた。先ほどより膨らみが大きくなり、明らかに天井に向かって盛り上がっている。
ジャージのゴムは生地の突っ張りに追いつかないのか、僅かだが菊丸の腹から離れだしている。
太い筒状の肉塊とそれに沿って脈打つ血管がほんの僅かにだが窺えた。

…
いずみが目を奪われた直後、いずみは体の奥底から込み上げてくる感覚に襲われた。

あ…!!
それはいずみを大いに焦らせる事態だった。

(ま…まずぅい!!こ、このままじゃあ…パンティが内側から…そして菊丸くんにばれちゃう!!)
いずみの焦りをよそに、菊丸は菊丸でさらに策を練り、実行に移していた。

よーしそれなら…

ひゃああ!?な、何ぃ!?
突如凍てつくような感覚がいずみを襲った。菊丸が氷嚢の表面に付いた水滴を、パンティの中央に押し付けたのだった。

霧が白い雲を払っていくよ…雲の濃度がどんどん薄れて…
濡れたパンティはいずみの肌にぴったり貼り付き、その影響で奥が不完全ながら透けてきた。

や、やぁ~ん!!パンティ透けて貼りついて…お、おにくの中までみ、見えてる~ぅ!!
自分の置かれた状況を直接視認できずとも、パンティがじっとり貼りついた感触でいずみは、何がどう見えているか察していた。
だが、これはいずみにしてみれば九死に一生を得たような状況だった。安堵を体現しているのか、はみ出たおにくがピルピルと痙攣する。

(た、助かったぁ…こ、これで水滴のせいにできるぅ~)
菊丸は再度いずみのおしりをグイッと押し広げる。パンティの奥の透けたものもそれに釣られてひし形のような形に歪む。

うほほ~これぞ、いずみちゃん初日の出!!母なる太陽!!確かにいただきましたぞ!!開けましておめでとう!!

ああん…でもやっぱり…見ちゃだめぇ!!ってうか…『開けまして』じゃなくて『明けまして』でしょぉ!!
その時暴れたのがまずかったのか、パンティの左型の結び目が解けてしまった。

きゃああ!!
湿気が及ばず摩擦抵抗の少ない結び目は簡単に解け、腰骨から離れていった。
おしりを辛うじて隠しているのは右半分の結び目のみだった。これが解けることをいずみは恐れた。

あ…ああ~ん!!き、菊丸くぅん!!パ…パンティの紐…結んでぇ!!
だが菊丸の反応は冷ややかなものだった。

だめだめ…ぼくはパンティに触れない約束だからね!!
これこそ菊丸の狙い目だった。パンティに触れられない縛りは、パンティが脱げそうになってもいずみを助ける義務を負わなくなる。そしてそんな状況を産み出せると確信していたのは、今日は紐パンらしいと察したためでもあった。

そ、そんなぁ~!!
パンティはいずみのおしりを斜めに突っ切って垂れ下がっている。菊丸がパンティに触れられるなら指でつまんで少しずらすだけで、斜めになったパンティの奥が大公開となる…

ほぼ9割がた透けて丸見えなのに、直視されるのは嫌がるんだねぇ…
いずみもまた自身が抱える矛盾した感情を持て余していた。

(ま、丸見えにする方が恥ずかしいはずなのに…わ、わたしったら、この見え切れないギリギリの感覚を…た、楽しんでるぅ!?)

で…でも…やっぱりだめぇ!!
縛られた両手首で垂れかけたパンティをグイッと掴みあげる。パンティは多少位置を戻したが、引いた勢いで前側の生地が太ももの間から垂れ下がり、菊丸の眼前に迫る。

おおっとぉ!!顔にパンティが触れたら約束違反!!これはいけませんぞ!!回避しなくては!!
顔に迫るパンティを避けようと口を尖らせてふうっと息を吹きかけると、湿気を含んだパンティがやや重々しく舞い上がった。
(ふわっ…)

きゃああ!!やだっ…み、見えちゃう!!
実際に見えてるかどうかは定かでない、ただ菊丸の血走った視線が注がれているのは充分感じていた。
さすがに乾いた時と比べて少々重いのか、パンティはすぐに元に戻り、その都度ジタリとした触感がいずみの股間を包み込む。
(ぴちゃっ…)
すると今度は密着して丸々透けたパンティの奥が見えてしまう。

ああ~ん!!こ、これじゃあどっちもピンチのままじゃない!!
進むも退くもならず、いずみの苦悩は収まらない。

(ああん…これじゃあ…いくらパンティに触らないって約束しても…無意味じゃなぁい…ん?)
ふといずみは、自身の述懐の中に現状打開のヒントがあるような気がした。

あ…そ、そうかぁ!!

どうしたのいずみちゃん?

あ…う、ううん、何でもない!!
いずみは意を決して、小指をそっと結わえが残っている右の紐に引っかけた。
僅かな動作で結び目は簡単に解けた。菊丸はまだその仕草に気づいていない。

1…2…3!!えいっ!!
いずみは掴んでいたパンティを菊丸の顔面めがけて放り投げた。

うぷぁっ!?
べっちゃりと湿ったパンティが菊丸の顔面を覆った。含んだ水気が邪魔をして空気を通さないため、たちまち菊丸は呼吸困難に陥った。

ぶぶぶ…息が…く、苦しい!!
間髪入れずいずみが丸出しのおしりで強烈なヒップアタックを仕掛け、同時に太ももで菊丸の腕を抑え込む。
菊丸の体がブリッジを描いて苦しさを体現している。その頂点はこれでもかというほどジャージの中で怒張していて、今にも突き破らんばかりとなっている。

…!!
いずみのおしりの下で不意に菊丸の体から力が抜けるのがわかった。どうやらとうとう失神したらしい。

た、助かったぁ…
菊丸の顔面におしりを乗せたまま、安堵のため息を漏らすいずみ。
次の瞬間…
(ビリビリッ…バリッ!!)

え…?
そこには隆々たる立派な…小柄な菊丸の体に似つかわしくない巨大な『門松』がそそり立っていた。はち切れたあまり、ついにジャージを突き破ってしまったらしい。


…うっ!!
菊丸の『門松』を凝視したいずみだったが、うら若き女子高生には刺激が強すぎたのか、直後にキュンと頭に血が上ってしまい、縛られたままベッドから転げ落ち、失神してしまった。
菊丸もまたいずみのしけったパンティを覆い被されたまま気絶しており、二人はこの間意識と記憶を失ってしまうのだった。

はーい、出張版「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクでーす!!キャラの切り替えが大変でーす!!

アシスタントの原田いずみです!!なんですか?切り替えって…

あ、いやいや、こっちの話…はい、ということで第二夜も無事終了!!

どこが無事ですか、わたしいいように弄ばれてるんですけど!!

第一夜は刺激が足りないって文句言ってたくせに…

だ、だからって何ですか、あのわたしが菊丸化したって扱い!!わ、わたしあんなこと…

考えてない?興味ない?

う…ノ、ノーコメントで…

今回はあんまり露骨には扱ってないけど、そういう興味の部分から、先導しているつもりがかえって菊丸につけ込まれ泥沼化…ってのが面白いかなと思いまして。

菊丸くんが「見たい!!」って願望を露骨に表すのに対し、わたしは「見たいけど、そんなはしたないこと言えない」って立場の違いがありますからね。

その分いずみちゃんの方が明らかに不利なんだよね。ま、結局いずみちゃんもそこまで免疫がなくて失神しちゃうってオチにしましたが…で、いずみちゃん、ガン見してどうだった?

そそそ、それより菊丸くんの側は原作にあった「ギリギリ見せない」を維持しましたね。

見せてオチつけてもいいかなぁとも思ったんだけど、双方痛み分けで終わる方法練ってるうちにこうなっちゃったんだよ。

どうしてそんな展開に?

そりゃあ…さすがに丸出しの男女ってなると収拾つかなくなるし…あとはあらゆる角度から「ギリギリ」、つまり寸止め演出が抽出できるなお思ったし。

ギリギリが他にも?

結局菊丸くんは「パンティには触れない」という約束をギリギリのところで守ってたし、9割透けてるけど一応完全には見せない透けたパンティだとか、いずみちゃんが菊丸くんから解放される手段もギリギリ状況下で生まれたし、パンティがいずみちゃんの体から離れるギリギリで一気にオチに突入するし…

なるほど…そんなもんですかね。

さて、残すは第三夜!!

ま、まだ続くんですね…

もちろんだよ、ではまた明日!!
新春特別企画創作ストーリー
菊丸特製の福笑い!?
元旦の午後、いずみはとあるマンションのドアの前に立っていた。
これまで菊丸といずみは、千春やリンダを加えての時も含め、節目節目のたびに一緒に過ごすことが多かった。
予定を組んでいるときは当然だが、いつもなら元日であろうと大晦日であろうと菊丸は強引に参加、もしくは襲撃してくるのが常だった。
だがこの正月は何もない。冬休みに入る前に特に予定はないと聞いていたし、その静けさがかえって不気味で明智家を訪問せずにはいられなくなったのだった。

(べ、別にいいわよね、ちょっとご挨拶して帰るだけ…竹丸くんやご両親だっているだろうし…)
心の中で必死に理由づけを終えると意を決して、いずみはそれでも躊躇いがちに明智と書かれたドアの呼び鈴を押した。

はぁ~い…
ドアが開き、菊丸がぼさぼさ頭にジャージ姿で現れた。

あ、あれ…いずみちゃん!?

あ…あけましておめでとう…ほ、ほらちょっと新年のご挨拶に…ち、近くまで来たから…ついでに…
(こ、後半は余計だったかな?)
余計な嘘を盛ってしまったことを悔いたが、菊丸は全然気付いてないらしい。

おめでとう…へくしっ…ああ、とにかく寒いから中に入って…

あ…きょ、今日はご挨拶だけ…皆さんいらっしゃるんでしょ?元日そうそうお邪魔だろうし…

あ~大丈夫大丈夫、両親は年始回りだし、竹丸もそれにくっついてお年玉稼ぎだよ。

あらあら…しっかりしてるというか…竹丸くんらしいわね…じゃあちょっとだけ…
寒いのは事実なので、いずみは促されるまま菊丸の部屋に入った。コートとマフラーを外し、アーガイル柄のVネックセーター、濃いめのオレンジのスカートと黒いストッキング姿になる。
部屋に据え付けられたコタツに入り、生き返った思いがした。
菊丸が台所から次々とおせちをはじめとするお正月料理を小分けして持ってきた。

あ…菊丸くんお構いなく…わたしすぐ帰るから…

まぁまぁ…せっかく来てくれたんだし…お腹すいてるんでしょ?

え…あ、いや…
まるで待っていたかのように、いずみのお腹がぐ~となった。

~!!

ほらね、遠慮しなくていいんだよ。たくさんあって余ってるんだからさ。

イ…イタダキマス…
リンダのようなぎこちない言葉を発し、顔を真っ赤にしながらいずみは箸をとった。
一度口にものを入れるといずみの食欲は遠慮しない。菊丸自身はほとんど食べずにいずみをニコニコと眺めている。

…どうしたの?

いやぁ…いずみちゃんの食いっぷりって見てて爽快でね…

ご、ごめんなさい!!わたしったら…

いやいや、いいんだよ。それよりお雑煮食べる?おもち好きだったでしょ?

…
耳まで顔を赤らめていずみは無言で頷いたのを見て、菊丸が席を立った。

(ああ~ん、わたしのバカァ!!これじゃあただの食いしん坊じゃなぁい!!)
結局お雑煮もおかわりまでしてしたところでいずみはようやく満腹になった。

げぷっ…もうさすがに無理ぃ…

それにしてもよく食べたよねぇ…

だ、だっておいしいんだもん!!あ~ん…体重計乗るのがこわいよぉ…

でも素晴らしいプロポーション保ってるじゃん。

あ、ありがと…でもこう見えてダイエットには苦労してるのよ。意外とお腹に出やすいの…

へぇ~どれどれ…
いつのまにか背後に回ってた菊丸が、いずみのセーターをたくし上げた。

きゃあ!?
プルンと白いお腹が露わになり、それを菊丸がポンポンとはたく。

なるほどなるほど…ちょーっとだけ今食べた分がせり出してますな…

こらこらぁ!!

あは、ごめんごめん…
勢いで胸まで露出させられるかという予想に反し、菊丸はあっさり手を離すと対面に戻っていった。

(あ、あれ…おとなしいわね…いつもならもっとこう…)
だがそこに、菊丸が不意に過去の恥ずかしい話を引っ張り出してきたので、いずみのかすかな疑問は吹き飛んでしまった。

そういえば、いずみちゃんおもち好きだよね…あの時温泉旅館でぼくがお供えもち持って来ちゃったとき、一番食べたのいずみちゃんだったよね…

や、やだぁ!!せっかく忘れてたのに思い出させないでよ!!

いやぁ…お正月の都度毎年思い出しちゃうんだろうねぇ…いずみちゃんのお供え餅💛

恥ずかしいおもひで💛

へ、変な刷り込みやめてよ!!頭から離れなくなっちゃう!!
ふといずみは菊丸の顔がほんのり赤いのに気づいた。

(あ…そうか…菊丸くんたら、さてはお屠蘇飲んでのからみ酒ね…)
菊丸がお屠蘇で酔っぱらってると思ったいずみは、これ以上絡まれてはたまらないので、話題をそらそうと部屋を見渡すと、部屋の隅にすごろくやトランプなど、遊んでる途中で中断したらしい遊具類が転がっているのに気づいた。

あ、ああいうゲーム懐かしいなぁ…

ああ…竹丸に付き合ってやってたんだよ。

ああ…そうよね、菊丸くんって、なんだかんだでいいお兄ちゃんよね。
いずみには兄弟はいないので、ああいうゲームで遊んだ経験はほとんどない。

遊んでみる?

そうねぇ…どうせならお正月ならでは、な遊びががいいなぁ…

そうだねぇ…じゃあこれは?
菊丸が持ち出したのは福笑いだった。

じゃ、じゃあ…ちょっとやってみようかな。
夕刊紙くらいの大きさの台紙にパーツのない顔面が描かれている。
いずみが目を閉じてパーツを手に取ろうとすると菊丸から待ったがかかった。

ダメダメ、いずみちゃん、目を閉じるだけじゃあ!!

え…?

福笑いの基本は目隠し!!これがないと不正が横行しちゃうんだよ!!

ふ、不正って大げさな…たかだか遊びじゃない…

いやいや、こういうのはルール順守が大事なんだよ…ほら、この福笑いセットにも最初から目隠しが付属してるんだから!!
菊丸が手にしていたのは、黒い鉢巻のようなものだった。菊丸が準備したものかと疑ったが、その隅におもちゃメーカーの名前が刺繍されているのでどうやら本物らしい。

これは福笑い公式大会に準拠した規格の目隠しなんだ!!さぁさぁ!!

ああ~ん、ホントにそんな大会あるのぉ!?
だが仕方なくいずみは目隠しを装着する。目に布を宛がい、鉢巻と同じ要領で後頭部でキュッと締める。

さぁいずみちゃんこれがパーツだよ。
寄り添った菊丸がいずみに福笑いのパーツを手渡す。

(ああん…き、菊丸くん…ち、近ぁい…)
視界のない背後から菊丸の気配が伝わってくる。

ああ…ちがうちがう…それはもうちょっと右…そうそう…
いつのまにか菊丸が手を取り、いずみに密着して誘導しはじめた。温かい手触りがいずみを妙に興奮させる。
滲み出た汗が目隠しにジュンと吸い取られる。

ああ、いずみちゃん、このパーツはもっと奥だから、そのままじゃ届かない。体を乗り出さないと!!
言われるがままいずみは体を乗り出すと自然と四つん這いになった。重力でセーターの裾が垂れ下がる。先ほど菊丸にお腹を出さされたこともあり、少し乱れがちだった服の裾は、地面すれすれまで達していた。服の陰からおへそが少しだけ露出し、外気が当たる。

(ん…)
スカートの丈は短いが、おしりを突き上げる格好になってはいても、その奥は見えてはいないはずだ。
だが、視界を奪われたいずみに菊丸が少し手を伸ばせば、残るいずみの防御アイテムは、黒いストッキングとさらに奥の純白パンティのみと思うと何とも心もとない。

(き、菊丸くんが余計なことしないよう集中しつつ、さっさと終わらせよう…)
そっちに菊丸が食指を動かさないか警戒していたいずみだったが、意識してしまった故に脳裏にはその手の光景ばかりが支配するようになってきた。

(わ、わたし今…菊丸くんの部屋で…目隠しされてぇ…四つん這いになってるぅ…)

いずみちゃんどうしたの?えらく息があがってるけど…風邪ひいたの?
菊丸の問いかけでいずみはハッと我に返った。

ち、ちがう!!大丈夫よ!!こ、この辺かな…?
最後のパーツを置くと、菊丸が目隠しを外してくれた。少し明るい視界を取り戻すのに時間がかかったが、最初に飛び込んできた光景は、いずみが作り上げたみょうちきりんな顔の福笑いだった。

な、なによこれぇ~!!

あははは…
いずみも思わず苦笑する。ふといずみはあることに気づいた。

あれ…でもこの福笑い、よく見たら片目がないじゃない。

ああうん、実は失くしちゃってねぇ…

それじゃちゃんとした顔絶対作れないじゃない。竹丸くんだってつまらないでしょ。

そうなんだけどねぇ…

おせちごちそうになったし、わたしでよかったら協力するわよ。

ほんと?ありがとう。できれば新しい顔を作ってみたいんだよね。

今やった福笑いパーツの模写じゃだめなの?

もうちょっとこう…ひねりが欲しいんだよね…ほら、福笑いの顔って個性的なパーツの方が面白いじゃない?

そ、そうかもね…

あ…そうだ!!
これまでの純朴そうな少年の顔が消え、菊丸の目に怪しい光が宿ってきた。

(き、きたぁ!!)
いずみはほとんど無自覚に心の中でつぶやいていた。

じゃあいずみちゃんも協力してくれるっていうことだし、さっそく作ろうか。
言うが早いか菊丸はいずみのセーターを今度は胸までたくし上げた。

きゃああ!!
不意を喰らったのでいずみは、本当に驚いた。
衣類をブラジャーごと首までずり上げられ、白い素肌にピンクのさくらんぼのような乳首が露わになった。

な、何するのよぉ~!!いたた…あ、足が…
悪いことに足が痺れてすぐに立てないいずみは、じりじりと腰を抜かしたまま後退するしかない。

覚えてるかなあ?いずみちゃんが腹踊りを披露したこと…
またしても菊丸が過去話を引きずり出してきた。

そ、それが何よ!?

あの時の顔のパーツを魚拓…あいや『いずみちゃん拓』で再現して顔を作ろうかと思って💛

え…ええっ!?
いずみの脳裏にまたも恥ずかしい記憶が甦る…

(あ…あの時の腹踊り…わたしは…胸からお腹にかけて菊丸くんに顔を落書きされ…大勢のお客様の前にさらされて…)
いずみの目が徐々に虚ろになり、記憶がどんどん鮮明に甦る。

(茶巾で身動きを封じられたわたしは、結局なすすべもなく…最後は…お、お客様に大股開きでパックリ開いてるとこ…見られ…ちゃ…った…)

死ぬほど恥ずかしいおもひで💛
奇しくもいずみはその瞬間の同じような体位になっていた。
両足を大きく投げ出し、手は後ろに回って体を支えてる。ただあの時と違い、股間はストッキングとパンティに守られ、恥ずかしい大切な部分は見られていなかった。ストッキングの奥に白いパンティが透けて見える。
菊丸はそこを目で楽しみながらも慌ててがっつくことはなく、周到に外堀から埋め始める。

隙あり!!
後ろ手に回っているいずみの両手首を手早く福笑いの目隠しで縛り上げたのだった。

あ…こ、こらぁ!!ほ、解きなさいよぉ!!
胸を露出してることなどすっかり忘れ、いずみは菊丸を怒鳴りつける。

大丈夫、大丈夫すぐ終わるから…まずは右目…
墨を含んだ筆をいずみの左胸に宛がう菊丸。

ひゃあ!?
墨汁とはいえ、冷たい液体がいずみの胸を黒く染め上げる。

はい、いただき!!
画用紙を押し当て剥がすと、いずみのおっぱいの拓が取れた。

ああん、やだぁ!!

続いて…左目!!
同様に右胸の拓もあっさり取られてしまう。

ああん、墨が服に移っちゃうよぉ!!

ごめんね、もう少し待って…鼻を作るところまで…

は、鼻ぁ!?
そういえば腹踊りでは、鼻はただの落書きだった。

い、いったい何で象るつもりなの!?

でへへ…いずみちゃんの体を余すところなく使わないとね…
菊丸の筆が次に狙ったのは、いずみのおへそだった。

ひゃはっ!!やだぁ…くすぐったぁい!!
湿った、そして柔らかな筆の毛先がいずみの心を刺激する。
こうしておへその拓まで取られてしまったいずみ。菊丸は手早く不要な個所を切り取り、目、鼻を独立したパーツに仕上げてしまった。

どう?これ…中々のもんでしょ?
のっぺらぼうの顔の台紙にいずみの左右のおっぱいを基にした両目、中央にはおへそを写し取った鼻が置かれている。

で、でも…これじゃパーツ少なくない?
自分の体が文字どおりオモチャにされているにもかかわらず、いずみは妙に現実的な問題を提起した。

まぁ眉はいずみちゃんの鎖骨で表現してしまえば…

い、いやそれより足りないじゃない…その…口が…
なぜか躊躇いがちに口という言葉が出てくる。自分でもある程度菊丸のこれからの行動を察しているのがわかる。腹立たしいのは、それがいずみにとって僅かながら期待している要素を含んでいることだった。
はたしていずみの予想どおり、菊丸の視線がいずみのある一点に集中する…赤みがかっていた顔が一層紅潮している。

でへへ…お、お口はし、下のお口でぇ!!
菊丸がいずみのストッキングを脱がそうと突進してきたとき、いずみの脳裏では、常識的な理性と破滅願望がせめぎ合っていた。多くの場合前者が勝り、大事には至らずに済んでいる。そしてこのときもいずみの理性がわずかに勝っていた。

バ、バカァ!!
M字開脚していた長い足が、跳ね上がり、的確に菊丸のあごにヒットした。

ぐほっ!?
だが、その角度も力も浅く、ダメージは乏しい。

…?
にも拘わらず、菊丸は一瞬直立不動になった後、崩れ落ちるように膝をつき、やがて仰向けに倒れてしまった。

あれ?
思いがけない展開にいずみは戸惑った。あんな蹴りで菊丸がダウンするはずがない。
縛られたままにじり寄ってみると、菊丸は少しうなされているようだった。ここでいずみはようやく悟った。

そ、そうか、菊丸くんたら、熱を出して寝込んでたんだわ!!
これで菊丸が年末年始にちょっかいを出してこない理由が納得できた。こうなるとさすがに菊丸をこのままにして帰るわけにもいかない。

だ、だけど…この縛られた状態でどうすればいいのよぉ!?
たまらずいずみは絶叫してしまうのだった。

…ふぅ、やっぱりマスク着けるとやっぱ暑いなぁ…

黒猫さん、黒猫さん!!オンエア始まってますよ!!

…あ!!どうも!!「黒猫マスクの情け無用!!」今回は出張版です!!司会の黒猫マスクです!!

アシスタントの原田いずみです!!…というか、何なんですかこれ?

タイトルどおり、新春特別企画だよ。ひさーしぶりの創作ストーリーってことで…

っていうか、前回もお正月ネタでしたよね。

うん、やはりこの時期になるといずみちゃんのお供えを思い出しちゃうんだよね。

こらこらぁ!!それ、さっき本文にもあったフレーズじゃないですか!!あ、もぉ!!そのカットはいいてばぁ!!


いやいや、それをきっかけにネタが膨らんだので、勢いだけで書き上げた代物なんだよ。

あ~そういうことですか…ふぅ~ん…

どうかした?

いやぁ…それにしちゃネタとして薄いなと思いまして…その…わたしのイジられ具合が…

ああ、そりゃそうだよ。だってこれ、まだ前半だもん。

え…?

新春特別企画って言ったでしょ?明日も公開しまーす!!

ええっホントにぃ!?

総反省会はまた改めてということで、ではまた明日!!
元旦の午後、いずみはとあるマンションのドアの前に立っていた。
これまで菊丸といずみは、千春やリンダを加えての時も含め、節目節目のたびに一緒に過ごすことが多かった。
予定を組んでいるときは当然だが、いつもなら元日であろうと大晦日であろうと菊丸は強引に参加、もしくは襲撃してくるのが常だった。
だがこの正月は何もない。冬休みに入る前に特に予定はないと聞いていたし、その静けさがかえって不気味で明智家を訪問せずにはいられなくなったのだった。

(べ、別にいいわよね、ちょっとご挨拶して帰るだけ…竹丸くんやご両親だっているだろうし…)
心の中で必死に理由づけを終えると意を決して、いずみはそれでも躊躇いがちに明智と書かれたドアの呼び鈴を押した。

はぁ~い…
ドアが開き、菊丸がぼさぼさ頭にジャージ姿で現れた。

あ、あれ…いずみちゃん!?

あ…あけましておめでとう…ほ、ほらちょっと新年のご挨拶に…ち、近くまで来たから…ついでに…
(こ、後半は余計だったかな?)
余計な嘘を盛ってしまったことを悔いたが、菊丸は全然気付いてないらしい。

おめでとう…へくしっ…ああ、とにかく寒いから中に入って…

あ…きょ、今日はご挨拶だけ…皆さんいらっしゃるんでしょ?元日そうそうお邪魔だろうし…

あ~大丈夫大丈夫、両親は年始回りだし、竹丸もそれにくっついてお年玉稼ぎだよ。

あらあら…しっかりしてるというか…竹丸くんらしいわね…じゃあちょっとだけ…
寒いのは事実なので、いずみは促されるまま菊丸の部屋に入った。コートとマフラーを外し、アーガイル柄のVネックセーター、濃いめのオレンジのスカートと黒いストッキング姿になる。
部屋に据え付けられたコタツに入り、生き返った思いがした。
菊丸が台所から次々とおせちをはじめとするお正月料理を小分けして持ってきた。

あ…菊丸くんお構いなく…わたしすぐ帰るから…

まぁまぁ…せっかく来てくれたんだし…お腹すいてるんでしょ?

え…あ、いや…
まるで待っていたかのように、いずみのお腹がぐ~となった。

~!!

ほらね、遠慮しなくていいんだよ。たくさんあって余ってるんだからさ。

イ…イタダキマス…
リンダのようなぎこちない言葉を発し、顔を真っ赤にしながらいずみは箸をとった。
一度口にものを入れるといずみの食欲は遠慮しない。菊丸自身はほとんど食べずにいずみをニコニコと眺めている。

…どうしたの?

いやぁ…いずみちゃんの食いっぷりって見てて爽快でね…

ご、ごめんなさい!!わたしったら…

いやいや、いいんだよ。それよりお雑煮食べる?おもち好きだったでしょ?

…
耳まで顔を赤らめていずみは無言で頷いたのを見て、菊丸が席を立った。

(ああ~ん、わたしのバカァ!!これじゃあただの食いしん坊じゃなぁい!!)
結局お雑煮もおかわりまでしてしたところでいずみはようやく満腹になった。

げぷっ…もうさすがに無理ぃ…

それにしてもよく食べたよねぇ…

だ、だっておいしいんだもん!!あ~ん…体重計乗るのがこわいよぉ…

でも素晴らしいプロポーション保ってるじゃん。

あ、ありがと…でもこう見えてダイエットには苦労してるのよ。意外とお腹に出やすいの…

へぇ~どれどれ…
いつのまにか背後に回ってた菊丸が、いずみのセーターをたくし上げた。

きゃあ!?
プルンと白いお腹が露わになり、それを菊丸がポンポンとはたく。

なるほどなるほど…ちょーっとだけ今食べた分がせり出してますな…

こらこらぁ!!

あは、ごめんごめん…
勢いで胸まで露出させられるかという予想に反し、菊丸はあっさり手を離すと対面に戻っていった。

(あ、あれ…おとなしいわね…いつもならもっとこう…)
だがそこに、菊丸が不意に過去の恥ずかしい話を引っ張り出してきたので、いずみのかすかな疑問は吹き飛んでしまった。

そういえば、いずみちゃんおもち好きだよね…あの時温泉旅館でぼくがお供えもち持って来ちゃったとき、一番食べたのいずみちゃんだったよね…

や、やだぁ!!せっかく忘れてたのに思い出させないでよ!!

いやぁ…お正月の都度毎年思い出しちゃうんだろうねぇ…いずみちゃんのお供え餅💛

恥ずかしいおもひで💛

へ、変な刷り込みやめてよ!!頭から離れなくなっちゃう!!
ふといずみは菊丸の顔がほんのり赤いのに気づいた。

(あ…そうか…菊丸くんたら、さてはお屠蘇飲んでのからみ酒ね…)
菊丸がお屠蘇で酔っぱらってると思ったいずみは、これ以上絡まれてはたまらないので、話題をそらそうと部屋を見渡すと、部屋の隅にすごろくやトランプなど、遊んでる途中で中断したらしい遊具類が転がっているのに気づいた。

あ、ああいうゲーム懐かしいなぁ…

ああ…竹丸に付き合ってやってたんだよ。

ああ…そうよね、菊丸くんって、なんだかんだでいいお兄ちゃんよね。
いずみには兄弟はいないので、ああいうゲームで遊んだ経験はほとんどない。

遊んでみる?

そうねぇ…どうせならお正月ならでは、な遊びががいいなぁ…

そうだねぇ…じゃあこれは?
菊丸が持ち出したのは福笑いだった。

じゃ、じゃあ…ちょっとやってみようかな。
夕刊紙くらいの大きさの台紙にパーツのない顔面が描かれている。
いずみが目を閉じてパーツを手に取ろうとすると菊丸から待ったがかかった。

ダメダメ、いずみちゃん、目を閉じるだけじゃあ!!

え…?

福笑いの基本は目隠し!!これがないと不正が横行しちゃうんだよ!!

ふ、不正って大げさな…たかだか遊びじゃない…

いやいや、こういうのはルール順守が大事なんだよ…ほら、この福笑いセットにも最初から目隠しが付属してるんだから!!
菊丸が手にしていたのは、黒い鉢巻のようなものだった。菊丸が準備したものかと疑ったが、その隅におもちゃメーカーの名前が刺繍されているのでどうやら本物らしい。

これは福笑い公式大会に準拠した規格の目隠しなんだ!!さぁさぁ!!

ああ~ん、ホントにそんな大会あるのぉ!?
だが仕方なくいずみは目隠しを装着する。目に布を宛がい、鉢巻と同じ要領で後頭部でキュッと締める。

さぁいずみちゃんこれがパーツだよ。
寄り添った菊丸がいずみに福笑いのパーツを手渡す。

(ああん…き、菊丸くん…ち、近ぁい…)
視界のない背後から菊丸の気配が伝わってくる。

ああ…ちがうちがう…それはもうちょっと右…そうそう…
いつのまにか菊丸が手を取り、いずみに密着して誘導しはじめた。温かい手触りがいずみを妙に興奮させる。
滲み出た汗が目隠しにジュンと吸い取られる。

ああ、いずみちゃん、このパーツはもっと奥だから、そのままじゃ届かない。体を乗り出さないと!!
言われるがままいずみは体を乗り出すと自然と四つん這いになった。重力でセーターの裾が垂れ下がる。先ほど菊丸にお腹を出さされたこともあり、少し乱れがちだった服の裾は、地面すれすれまで達していた。服の陰からおへそが少しだけ露出し、外気が当たる。

(ん…)
スカートの丈は短いが、おしりを突き上げる格好になってはいても、その奥は見えてはいないはずだ。
だが、視界を奪われたいずみに菊丸が少し手を伸ばせば、残るいずみの防御アイテムは、黒いストッキングとさらに奥の純白パンティのみと思うと何とも心もとない。

(き、菊丸くんが余計なことしないよう集中しつつ、さっさと終わらせよう…)
そっちに菊丸が食指を動かさないか警戒していたいずみだったが、意識してしまった故に脳裏にはその手の光景ばかりが支配するようになってきた。

(わ、わたし今…菊丸くんの部屋で…目隠しされてぇ…四つん這いになってるぅ…)

いずみちゃんどうしたの?えらく息があがってるけど…風邪ひいたの?
菊丸の問いかけでいずみはハッと我に返った。

ち、ちがう!!大丈夫よ!!こ、この辺かな…?
最後のパーツを置くと、菊丸が目隠しを外してくれた。少し明るい視界を取り戻すのに時間がかかったが、最初に飛び込んできた光景は、いずみが作り上げたみょうちきりんな顔の福笑いだった。

な、なによこれぇ~!!

あははは…
いずみも思わず苦笑する。ふといずみはあることに気づいた。

あれ…でもこの福笑い、よく見たら片目がないじゃない。

ああうん、実は失くしちゃってねぇ…

それじゃちゃんとした顔絶対作れないじゃない。竹丸くんだってつまらないでしょ。

そうなんだけどねぇ…

おせちごちそうになったし、わたしでよかったら協力するわよ。

ほんと?ありがとう。できれば新しい顔を作ってみたいんだよね。

今やった福笑いパーツの模写じゃだめなの?

もうちょっとこう…ひねりが欲しいんだよね…ほら、福笑いの顔って個性的なパーツの方が面白いじゃない?

そ、そうかもね…

あ…そうだ!!
これまでの純朴そうな少年の顔が消え、菊丸の目に怪しい光が宿ってきた。

(き、きたぁ!!)
いずみはほとんど無自覚に心の中でつぶやいていた。

じゃあいずみちゃんも協力してくれるっていうことだし、さっそく作ろうか。
言うが早いか菊丸はいずみのセーターを今度は胸までたくし上げた。

きゃああ!!
不意を喰らったのでいずみは、本当に驚いた。
衣類をブラジャーごと首までずり上げられ、白い素肌にピンクのさくらんぼのような乳首が露わになった。

な、何するのよぉ~!!いたた…あ、足が…
悪いことに足が痺れてすぐに立てないいずみは、じりじりと腰を抜かしたまま後退するしかない。

覚えてるかなあ?いずみちゃんが腹踊りを披露したこと…
またしても菊丸が過去話を引きずり出してきた。

そ、それが何よ!?

あの時の顔のパーツを魚拓…あいや『いずみちゃん拓』で再現して顔を作ろうかと思って💛

え…ええっ!?
いずみの脳裏にまたも恥ずかしい記憶が甦る…

(あ…あの時の腹踊り…わたしは…胸からお腹にかけて菊丸くんに顔を落書きされ…大勢のお客様の前にさらされて…)
いずみの目が徐々に虚ろになり、記憶がどんどん鮮明に甦る。

(茶巾で身動きを封じられたわたしは、結局なすすべもなく…最後は…お、お客様に大股開きでパックリ開いてるとこ…見られ…ちゃ…った…)

死ぬほど恥ずかしいおもひで💛
奇しくもいずみはその瞬間の同じような体位になっていた。
両足を大きく投げ出し、手は後ろに回って体を支えてる。ただあの時と違い、股間はストッキングとパンティに守られ、恥ずかしい大切な部分は見られていなかった。ストッキングの奥に白いパンティが透けて見える。
菊丸はそこを目で楽しみながらも慌ててがっつくことはなく、周到に外堀から埋め始める。

隙あり!!
後ろ手に回っているいずみの両手首を手早く福笑いの目隠しで縛り上げたのだった。

あ…こ、こらぁ!!ほ、解きなさいよぉ!!
胸を露出してることなどすっかり忘れ、いずみは菊丸を怒鳴りつける。

大丈夫、大丈夫すぐ終わるから…まずは右目…
墨を含んだ筆をいずみの左胸に宛がう菊丸。

ひゃあ!?
墨汁とはいえ、冷たい液体がいずみの胸を黒く染め上げる。

はい、いただき!!
画用紙を押し当て剥がすと、いずみのおっぱいの拓が取れた。

ああん、やだぁ!!

続いて…左目!!
同様に右胸の拓もあっさり取られてしまう。

ああん、墨が服に移っちゃうよぉ!!

ごめんね、もう少し待って…鼻を作るところまで…

は、鼻ぁ!?
そういえば腹踊りでは、鼻はただの落書きだった。

い、いったい何で象るつもりなの!?

でへへ…いずみちゃんの体を余すところなく使わないとね…
菊丸の筆が次に狙ったのは、いずみのおへそだった。

ひゃはっ!!やだぁ…くすぐったぁい!!
湿った、そして柔らかな筆の毛先がいずみの心を刺激する。
こうしておへその拓まで取られてしまったいずみ。菊丸は手早く不要な個所を切り取り、目、鼻を独立したパーツに仕上げてしまった。

どう?これ…中々のもんでしょ?
のっぺらぼうの顔の台紙にいずみの左右のおっぱいを基にした両目、中央にはおへそを写し取った鼻が置かれている。

で、でも…これじゃパーツ少なくない?
自分の体が文字どおりオモチャにされているにもかかわらず、いずみは妙に現実的な問題を提起した。

まぁ眉はいずみちゃんの鎖骨で表現してしまえば…

い、いやそれより足りないじゃない…その…口が…
なぜか躊躇いがちに口という言葉が出てくる。自分でもある程度菊丸のこれからの行動を察しているのがわかる。腹立たしいのは、それがいずみにとって僅かながら期待している要素を含んでいることだった。
はたしていずみの予想どおり、菊丸の視線がいずみのある一点に集中する…赤みがかっていた顔が一層紅潮している。

でへへ…お、お口はし、下のお口でぇ!!
菊丸がいずみのストッキングを脱がそうと突進してきたとき、いずみの脳裏では、常識的な理性と破滅願望がせめぎ合っていた。多くの場合前者が勝り、大事には至らずに済んでいる。そしてこのときもいずみの理性がわずかに勝っていた。

バ、バカァ!!
M字開脚していた長い足が、跳ね上がり、的確に菊丸のあごにヒットした。

ぐほっ!?
だが、その角度も力も浅く、ダメージは乏しい。

…?
にも拘わらず、菊丸は一瞬直立不動になった後、崩れ落ちるように膝をつき、やがて仰向けに倒れてしまった。

あれ?
思いがけない展開にいずみは戸惑った。あんな蹴りで菊丸がダウンするはずがない。
縛られたままにじり寄ってみると、菊丸は少しうなされているようだった。ここでいずみはようやく悟った。

そ、そうか、菊丸くんたら、熱を出して寝込んでたんだわ!!
これで菊丸が年末年始にちょっかいを出してこない理由が納得できた。こうなるとさすがに菊丸をこのままにして帰るわけにもいかない。

だ、だけど…この縛られた状態でどうすればいいのよぉ!?
たまらずいずみは絶叫してしまうのだった。

…ふぅ、やっぱりマスク着けるとやっぱ暑いなぁ…

黒猫さん、黒猫さん!!オンエア始まってますよ!!

…あ!!どうも!!「黒猫マスクの情け無用!!」今回は出張版です!!司会の黒猫マスクです!!

アシスタントの原田いずみです!!…というか、何なんですかこれ?

タイトルどおり、新春特別企画だよ。ひさーしぶりの創作ストーリーってことで…

っていうか、前回もお正月ネタでしたよね。

うん、やはりこの時期になるといずみちゃんのお供えを思い出しちゃうんだよね。

こらこらぁ!!それ、さっき本文にもあったフレーズじゃないですか!!あ、もぉ!!そのカットはいいてばぁ!!


いやいや、それをきっかけにネタが膨らんだので、勢いだけで書き上げた代物なんだよ。

あ~そういうことですか…ふぅ~ん…

どうかした?

いやぁ…それにしちゃネタとして薄いなと思いまして…その…わたしのイジられ具合が…

ああ、そりゃそうだよ。だってこれ、まだ前半だもん。

え…?

新春特別企画って言ったでしょ?明日も公開しまーす!!

ええっホントにぃ!?

総反省会はまた改めてということで、ではまた明日!!
黒猫マスクの情け無用!!第22回

どーもー!!「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクです。いずみちゃんは今日は諸事情あって後から参加します。ということでいきなりですが、ゲストのご紹介です。こんばんわ。

どうも、早坂理恵です

理恵ちゃんご登場ということで、今回のエピは「寝室ドロボー」なんです。理恵ちゃんのご職業はロッジあらしというか…文字どおりドロボーです。

身も蓋もない紹介だなぁ…何かゲストをもてなす雰囲気ゼロですね。

ゲストというよりは今回はアシスタント代理をお願いします。

え?だって遅れるとはいえいずみさん来るんでしょ?

来るとは言ってないですよ。参加です。

…?

今日は検証を兼ねて、リミックス再現しまーす。

再現ってことは…まさか…寝込みを襲うの!?

ピンポーン!!いずみちゃんは今、別室で熟睡中です。

なんでまた…睡眠薬でも飲ませたの?

そんな犯罪じみたことする訳ないでしょ。背後からバックブリーカーかまして脳震盪起こさせたの。

おいおいおい!!

一応スパーリングという名目でリングにあげての行為なので合法ですよ。

仮にも女子プロレスラーが素人の女子高生に技かけたら犯罪でしょ!?

犯罪者にンなこたぁ言われたかねぇなぁ~

…(なんで急に江戸っ子口調?)これからオンエアだっつうのにそんな危ない技かけちゃダメでしょ。

いやいや、逆に必要なんだよ。

…?

ほれ、今日の寝室ドロボーは、いずみちゃんたちに夜這いをしかける話だからね。是非ともいずみちゃんには、再現度を高める意味でも、熟睡した状態で参加いただきたかったんだ。

あ~まぁそりゃそうですけど…

お茶に睡眠薬入れたけど飲みゃしなかったから、しかたなく強硬手段に訴えたわけで…

結局薬盛っとるんかーい!!

…理恵ちゃん返しがうまいねぇ、その技術、いずみちゃんに匹敵するよ。

そ、そぉ?

さてでは、いずみちゃんが寝ている部屋に参りましょうか…(ガチャ…)おほ、いずみちゃん、熟睡してますねぇ…

…

(イメージ)

厳密には失神でしょ。

(無視)千春ちゃんがいないから、必然的にターゲットはいずみちゃんに限定されてますからね。

はいはい…で、ここでどうやってリミックス再現するの?

結局原作では、菊丸くんも理恵ちゃんも目的が未遂に終わったわけでしょ?

目的?

つまり理恵ちゃんは金目のものを盗み出す…菊丸くんはいずみちゃんたちに夜這いをしかけるということで手を組みましたよね。

まぁそうね…って改めて思うに、菊丸くんって本当にどこまでも下衆ぃなぁ!!

ま、その是非はともかく…実際に二人が目的を達成できたらというIFネタです。

うう~ん…な、なんだろうこの罪悪感…

犯罪者にんなこたぁ言われたかぁねぇなぁ~

だ・か・ら、なんで急に江戸っ子口調になるんですかっての!!

さて、いきなりですが、ここで問題です。

な、何よ!?

この部屋は、原作場面の部屋にあったものを再現して配置しています。

ほうほう…

この中で一番価値があるものを選んでください!!

ふふん…わたしの鑑定眼を知らないわね?ふむふむ、これは当時も持ち出そうとした置時計ね。これも確かに高値が付きそうだけど…あえて、こっち!!壁の絵画!!

ぶぶ~

ええっ!?違うのぉ!?

本気で自信満々だったんだね…そんなわけないでしょ。よく考えてよ。原作の場面ってロッジ部屋で置かれてるもののほとんどはその備品だよ?そんな高値のもの客室に置くわけないじゃない。

ぬぅ…ち、ちなみにその絵画の値段は?

5,000円。有名な風景画の模写でしかもロッジのご主人の手すさびの代物だよ。

う、うぐ…

もっと補足すると、こっちの時計は3,000円。

え…ほ、ほんとにぃ!?

だから備品にそこまで高価なもん、置かないっつぅに…ちょっと引くなぁ…どう見てもこれ、量産品でしょ。

じゃ、じゃあいったい何が高価なのよ!?

これ。

え…そ、それは…?

(イメージ)

うん、いずみちゃんのパンティ。旅行カバンの中にありました。

そ、そんなもん価値なんかあるわけないでしょ!?

あるんだなぁ…それが…

うう~ん…

理恵ちゃん、このパンティどうかな?

ど、どうかなって…別に何の変哲もないパンティじゃない。

理恵ちゃんなら、これにいくら値段をつける?

うう~ん…素材は安っぽくないし、きれいに使ってるけど、新品って感じじゃないわね。古着とも違うし…ま、100円ってっとこかしら。

甘い!!そうだなぁ…これなら10,000円は下らないかな。

な、なんでぇ!?これってただの着古しのパンティじゃない!!ゴムもちょっとダルダルしてるし…

着古してるから、価値があるんだよ。現役女子高生の生パンティだよ。まぁ価値を高める努力は当然必要だけどね。

ど、努力?

こうやってパンティにいずみちゃんの写真を添えるんだよ。

な、なるほど、こうするとこの子が使いましたってなるのね…

わかってきたね。

う~む、こうしてみると…案外この手の骨董品も価値が高まるってことかぁ…

骨董品…ねぇ…まぁそれでもいいけど…

ん~でも待って、黒猫さん。そのやり方じゃ付加価値づくりに欠点があるわよ。

というと?

だってこれじゃいずみちゃんが履いていたパンティだって立証できてないじゃない。

お、そのとおり!!痛いとこ突くね!!

わかってるんなら、どう対処するんですか?

(ぱちり)

こらこら、いずみちゃんの寝顔なんか撮ってないで…

いやいや、これが理恵ちゃんへの回答だよ。

?

こうやって全身の寝姿を撮影したらどうなると思う?

どうなるって…ああっ!!い、いずみちゃんが、パンティ姿で写ってるぅ!!

そう、それをこうして生脱がせ…
(ずるりん💛)

(イメージ)

んぁ…

ほら、脱げたてホカホカ…写真もバッチリだから、ちゃんといずみちゃんとパンティがリンクしたよ。

な、なるほど…これは立派な証明写真ですね。

(パシャパシャ…)

あれ?黒猫さん、何してるんですか?

ん?せっかくだから、脱がせた「跡地」も記録しておこうと思って…


どうするんです、そんなの。ダメですよ。そんなもん流通させたら…

やだなぁ、流通なんかさせないよ。記念にとっておくに決まってるでしょ。自分だけの記念品だよ。

うう~ん、そ、それならいいのかなぁ…あ!!

こんどはどうしたの?

わ、わたしすごいこと思いついちゃった!!いずみちゃんとパンティの写真を撮ることで価値がつくなら、次々に新品のパンティを履かせて、撮影して、脱がせちゃえば効率よくお金になりません!?

おお、その発想はなかった!!うう~ん、確かにそれをやったら番組の制作費がだいぶ助かるなぁ…

…黒猫さんって意外と私利私欲ないんですね。

金銭的な部分はね~いずみちゃんで弄べさえすればいいんだ。

…ね、今度わたしがパンティたくさん用意しますから、またいずみちゃんを「落として」ひと稼ぎしましょうよ。

…ま、まぁそれでもいいけど…理恵ちゃんは本当にがめついねぇ…そんなに稼いでどうするの?

美術商になりたいんです。

び、美術商!?

表向きですけどね。もちろん本業であるドロボーの心意気も忘れずに、裏は名品のみ付け狙う怪盗…なんてのを目指してます。

…い、いやしかしその根本的に見る目が腐ってたら(ごにょごにょ)…

あ、そうだ、いずみちゃんってほかに何か価値のありそうな私物持ってないのかなぁ?

あ、こらこらあんまり勝手にいじらないほうが…

あ!!見てください!!カバンの中にほら、こんな大きなパールのネックレス!!

(イメージ)

げ!!そ、それパールはパールだけど…主旨というか用途が違う気が…

どういうこと?

えーといやまぁ…宝飾品としての価値はない気がするよぉ…別の価値がありそうだから、マニアには売れるだろうけど。しかしまぁ、いずみちゃんそっちの趣味もアリなんだ、ふぅん…

確かに趣味はあまり良くないわねぇ…高校生でこんなギラギラしたパールなんて…

いや、だからそういう「趣味」の意味じゃないんだけど…理恵ちゃんってさぁ…

何?

ドロボーとしての技量は備えてるけど、鑑定眼ないねぇ…

それを言うなぁ!!

ぐ~(ごろん)

(イメージ)

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。というか、今回は覆面強盗でもおかしくないか。いずみへの夜這いには関心が強いが、相変わらず金銭にはとても淡泊。ただし、いずみのカバンチェックには大興奮。いろいろといずみをコントロールするネタを入手できてご満悦。

原田いずみ
今回は終始寝姿でお届けとなった、現役女子高生の17歳。知らぬ間に黒猫に大量の弱みを握られたという設定ありきで作ったため、露出自体は結構控えめ。でもカバンチェックは自重せず。というかしてもらえず。そしていずみ自身も自重してない。

早坂理恵
ドロボー。ロッジの備品の時計を盗もうとするなど鑑定眼のなさは実は原作においてもいかんなく表現されている。猫を称するドロボー三姉妹のまんががあったが時期的にはそれと被っているからだろうか、レオタード姿で「仕事」している。いずみにツッコミ気質の性格が少し似ているので、今回実質何もしないいずみの代役は充分務まった。
公式データ
第28話 寝室ドロボー
単行本収録
講談社版 第4巻第6話
フランス書院版 第2集(タッチダウン)第2話
英知出版版 第1集(ハート編)第28話
本ブログ紹介 こちら
黒猫マスクの情け無用!!増刊3号

こんにちわ、原田いずみです!!「黒猫マスクの情け無用!!増刊号」でーす!!

やぁ、いずみちゃん、たまにはメインで仕切るのも楽しいでしょ?普段は司会、今日はアシスタントの黒猫マスクです。

あ、そういえば…前回の増刊号に黒猫さんはいなかったんですよね。ホントに大変だったんですよ、あの「総わたし」状態は!?

面白いかと思って。

そんな乱暴な…

まぁ増刊号は、メタ発言を通り越してなんでもありな状態を楽しんでいただこうと思ってます。とはいえ、あの大人数はちょっとキツ過ぎたので少し絞り込みはかけようかな。

メタとかいう次元を飛び越しちゃってる気がするけどなぁ…じゃあそろそろはじめましょうか、進捗状況。

あ、そうだったね。よいしょっと…
第1回 過激な運動会!!
第2回 ピチピチ度勝負!!
第3回 興奮の家庭教師
第4回 スリル満点・スイカゲーム
第5回 病院で大はしゃぎ!!
第6回 滝修行と人間岩
第7回 キャンプは最高!?
第8回 おもち騒動!!
第9回 ボディーでゴルフゲーム
第10回 3人だけの避難訓練!?
第11回 人質、大脱出!!
第12回 車は急に止まらない!!
第13回 人間、魚すくい!!
第14回 赤ん坊はおこってるぞ!!
第15回 あかちゃん、できちゃった!!
第16回 刺激的な祭の夜!!
第17回 ㊙鉄道模型作戦
第18回 デートでじらせ菊丸のハート
第19回 危機一髪、忍者修行!!
第20回 強盗犯をやっつけろ!!
第21回 主役は菊丸だ!!
第22回 ●●●●●●
第23回 ●●●●●●●●●●
第24回 ●●●●●●●●
第25回 ●●●●●●●
第26回 ●●●●●●●●●●●●
第27回 ●●●●●●●●●
第28回 ●●●●●●●●●
第29回 ●●●●●●●●
第30回 ●●●●●●●●●●
第31回 ●●●●●●●●●●●●●
第32回 ●●●●●●●●●●●●
第33回 ●●●●●●●●●●●
第34回 ●●●●●●●●●●●●●
第35回 ●●●●●●●●
第36回 ●●●●●●●●●●●●●●●
第37回 ●●●●●●●●●●●
第38回 ●●●●●●●●●●●
第39回 ●●●●●●●
第40回 ●●●●●●●●●●●
第41回 ●●●●●●●●●●●
第42回 ●●●●●●●●●●●●
第43回 ●●●●●●●●●●●●●●
第44回 ●●●●●●●●
第45回 ●●●●●●●●●
第46回 ●●●●●●●●●●●
第47回 ●●●●●●●●●●●●
第48回 ●●●●●●●●●●●●●●●●●
第49回 ●●●●●●●●
第50回 ●●●●●●●●●
第51回 ●●●●●●●●
第52回 ●●●●●●●
第53回 ●●●●●●●●●●
第54回 ●●●●●●●●●●
第55回 ●●●●●●●●●●
第56回 ●●●●●●●●●●●●
第57回 ●●●●●●●●●●●

ずいぶん進みましたね。もう講談社版でもうエピが出てない巻はないんじゃないかな?

いや、9巻がまだだね。あとは…英知出版版もか…

どちらも収録エピソードが2、3話しかないから必然的にヒットしにくいってのもあるんでしょうね。こうしてみると、意外と後半の濃い目のエピソード消化が多いですね。

うん、結構困った事態になるかもしんない。

困った事態?

つまりいい話を使い切ってしまって終盤グダグダになるおそれがあるってこと。

あ、それってフランス書院版の流れと同じ、ぐだぐだになるってこと!?

それを言っちゃダメ!!まぁそこまで極端な状況にはならないんでしょうけど…

テンションが↓↓↑↓↓↑~って並びにはなるかもしれませんね。

まぁそれでも連載してて気づいたんだけど…それはこっちの腕の見せ所だと思うんだよね。

つまり、リミックスだから、同じ素材で過激に盛り上げるってことですよね。

そうそう数ページのシーン、場合によっちゃ一コマだけで引っ張りまくったエピもあったよね。

見せ切れてるかどうかは別問題ですけどね。

…キツイなぁいずみちゃん。

わたしも体を張る以上、きっちり使い切ってほしいです。

ま、これからも頑張りますよ。モチベーション高めながら…

そ、そうだモチベーションと言えば…あ、あのっ!!ひとつ確認というか、お願いがあるんですけど…

何?

菊丸くんっていつゲスト出演するんですか?

…

黒猫さん?

……なんで?

なんですか、その長い間。だ、だってぇ…これまで一度も登場してないじゃないですか。事実上の主役なのに。

無理に会う必要もないんじゃない?それにほら、わたくし黒猫マスクが菊丸くんの代理でほぼ再現もできてるわけだし…

そ、それはそうですけど…そういうわけにもいかないんじゃないですか…?

う~ん、だけどほらぁ遠いところからお招きするからねぇ…お金かかるし…

そ、それならわたしのギャラから出しますから…ダメですか?

ま、何とかしましょ、菊丸くんを呼べばいいのね?

は、はい!!ありがとうございます!!

まずは増刊号で呼ぶし、それもすぐ次のってわけにはいかないけど大丈夫?

そ、それでもいいです!!あ、でも…写真持ってきてとかVTR出演とか、そんなのはダメですよ。ちゃんとスタジオにご招待してください。

わかった(…ちっ先手打たれた)、じゃあ待っててね。

原田いずみ
増刊号ではMCを務める現役女子高生17歳。黒猫マスクは肉体的な相性の良さは菊丸に匹敵するものの、精神的には満たされていないらしい。だからといって黒猫が不満なわけではなく、むしろ黒猫に強引に押し切られる日々にすっかり慣れてしまっている。
結局、菊丸と黒猫の差は付き合いの古さから来ているものらしく、要は時間がたてば心の専有率は黒猫がいつかは逆転するのかも。しかしなぜ黒猫と菊丸に近しい印象や感覚を持つのかには考えが至っていない。

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。増刊号ではアシスト役。その正体は…トップシークレットらしいが、本文にある黒猫の長ーい沈黙である程度補完してくださいませ。
菊丸といずみが対面することをなぜか強く渋っていて、いずみにはそれが少し不満。
今回その対面を約束させられてしまったので、どう取り組むか模索中。でもある程度段取りはついたらしい…
黒猫マスクの情け無用!!第21回【後編】

こんばんわ、「黒猫マスクの情け無用!!」。今回は舞台形式でお送りします。ナレーションはわたくし、司会の黒猫マスク。そして主演のお二人です。お名前と役柄をお願いいたします。

こ、こんばんわ、原田いずみです。普段は「情け無用!!」のアシスタントですが、今回は本人役です…

こんばんわ。森尾尚美です。今回は男装役で明智菊丸くんを演じます。どこまで脚本を再現できるか分かりませんが、精一杯務めさせていただきます。

では、お待たせいたしました、開幕でーす!!
(ブ~)

…これより舞台「おもち騒動!!あのお供えができるまで」を始めます。出演…原田いずみ、原田いずみ本人、明智菊丸、森尾尚美。ナレーション、脚本、総合演出…黒猫マスク。

年の瀬の温泉宿に宿泊しているいずみ、千春、菊丸の三人は宴会場で途方に暮れていた。菊丸が宴会場から持ち出したお餅を三人が食べたのだが、実は旅館が宴会場に供える鏡餅のひとつだった。餅がないことに気づいた旅館関係者が大騒ぎしているのを知り、なんとか取り繕わなければと思案する三人。千春はとりあえず食べ残したお餅の残骸を隠すため、部屋に引き上げ、残ったのはいずみと菊丸の二人…

もう、なんでこんなトラブルに…

文句を言う前に考えてよ。いずみちゃんだって食べたって意味じゃ共犯なんだよ!!

人のせいにしないでよ!!大体菊丸くんがあのお餅を何の疑問も抱かないまま部屋に持ってきたのが悪いんだからね!!

あ~カチンときちゃうなぁその言い草。

な、何よ!?

確かにお餅を持ち込んだのはぼくだよ、その時点で罪の10のうち、3くらいは認める。だけどさぁ…残りの6は三人で分配しないと…

ぶ、分配!?

ぼくが思うに…僕が1、千春ちゃんが1、いずみちゃんは5くらいかなって思うんだけど…

な、何よ、その割り当て!?

ん~だからさぁ…量に比例して。

(ぎくぅっ!!)なななな、何のこと!?

わかってるでしょ?お餅を食べた量だよ。いずみちゃん、一番がっついてたよね。

そ、そんなこと…

いずみちゃんのそのお腹の中には消化中のおもちがぎっしり…

こ、こらぁ!!お腹を指でつつかないでぇ!!うぷっ…

ね~?お餅を持ち出したぼくの罪はそれなりに重いけど、いずみちゃんだってその責任は軽からずってやつだよ。

う…

ま、とにかくこの場をどう凌ぐか考えて最善を尽くしてくれればいいんだからさ…

そ、そうねぇ…

確実なのは本物のお餅を用意することだけど…

あ、あの大きさを短時間で準備するなんて無理でしょ。千春が隠しに行った、あの残ったお餅を溶かし合わせて形を整えたら…

いやいや、無理でしょ、それじゃせいぜいこのくらいしかならない…
(ぽよん)

こらぁ!!む、胸をつつくなぁ!!

(イメージ)

番頭さんたちはお餅を宴会場に飾るって言ってたから、極論言えば本物じゃなくてもいいんだよね。せめて時間稼ぎができれば…

そ、そうねぇ…そうだ、調理室から白いボウルを借りてきて伏せて置くとか…

そんなの変でしょ。まぁ大きさはともかく、プラスチックの光沢であからさまに不自然だよ。

そ、そうか…

でも白くてドーム状のものって意味ではそれくらいの大きさなんだろうね。あと必要な要素はなんだろうなぁ…

手触り…かなぁ…だって食べることはないにしても、触る可能性はあるかもしれないし…

ああ、そうだね。つきたてのお餅だからほどほどの硬さで、でも弾力も必要だね。

う~ん…

弾力…あの弾力…

どうかしたの?弾力弾力って…

いやぁ、あのほどほどの弾力、なんか覚えがあるんだよね…それもごく身近に…

そうなの?色形はともかく、参考になるかもしれないから思い出してよ。それで代わりになるなら、準備手伝うから…

そうだねぇ…あ!!思い出した。

何?何だったの?

いやぁ、ついさっき触れたこれでした。
(ぶにゅ)

いずみちゃんのおっぱい♥

や、やぁ~ん!!そ、そんなものがお餅になるわけないじゃなぁい!!

いやいや、案外色つやに関しては、結構…
(ガバァ!!)

(イメージ)

あっ…な、何すんのよぉ!!

ほら、この程よい弾力、そして見事な白みと肌理細やかさ…まさにもち肌!!
(ふにふに…)

あぅ…そ、そんな揉まれたら…

ありゃりゃ、先っちょがピンとしちゃって…

んぁ…そ、それは菊丸くんが揉んで引っ張るから…あん…そ、それに…こんなのついてるお餅なんかないよぉ…

いやいや大丈夫だよ、いずみちゃん!!ほら、ぼくのおじいちゃんを騙したじゃないか!!ひとみちゃんと一緒にさ。

(証拠)

あ…あれは、寝てるわたしたちをの胸を使ってあんたが勝手にお供えにしただけでしょお!!

まぁまぁ…とにかく通じるってことは納得できたでしょ?

あ、あれは暗がりだったし…そ、そうだ、大きさ!!あのおもちの大きさは胸での再現は無理よ!!

う、うう~ん…そう言われると…確かに…いやいや待てよ!!

ちょ、ちょっと待ってよ、何、その目つき…ま、まさか!?

いずみちゃん…お、おしりならどうかな?こうやって…屈伸した格好でさぁ…下からにゅんって…その上に使ってない方のお餅を乗せれば…

(イメージ)

ああ~ん!!やっぱりぃ!!そ、そんなことできるわけないでしょ!!

いやいや、無理かどうかは試してみてから結論付けるべきだよ!!

そ、そういう意味じゃなくて…大勢の人の前で、ま、まんぐり返しでおしりを露出して…お餅に成りすますなんて…そんな…ごくっ…

いずみちゃん…何気にエライ単語口にしてるよ?…ぐふ、案外興味あるんじゃない?

そ、そんなわけ…ない…

だって耳まで真っ赤になってるじゃん。

そ、それは…あんたがさっきから胸を揉み続けるから…んんっ…い、いい加減にしなさいよぉ…

そうだね、こんなことしてる場合じゃない。すぐに準備にかからないと…まずは、いずみちゃんの本体を隠す台座が必要だよね…

そ、そういう意味じゃなーい!!わ、わたし、お餅役やるなんて言ってないわよぉ!!

舞台袖に…おおっ?いずみちゃん、これ、どうかな?

人の話聞きなさいよぉ!!…って何これ?天板に穴が開いたテーブル?何に使うんだろ?

…ここ宴会場でしょ?きっと余興に呼ばれたマジシャンが使う小道具だよ。ステッキやトランプもあるし…

…な、なるほど。

よし、いずみちゃん、この穴におしりを通すんだ!!穴の大きさもちょうどよさげだ!!テーブルの四方をぐるりと幕で覆えば本体も隠せるでしょ?

だ、だから…わたしはやらないってばぁ!!

…どうしても?

あ、当たり前でしょ!!

いずみちゃんのおしりなら…白くて丸くてボリュームがあってぴったりだと思うんだよね…

…そ、そう言ってくれるのはうれしいけど…

自慢のおしりをさぁ…お披露目する機会なんてそうそうないよぉ~?

ひ、人を露出狂の変態みたいに言うなぁ…そ、そうだ、そっちにだって原因あるんだから、菊丸くんがやりなさいよぉ…

え?ぼく?うんわかった。

え?き、菊丸くんい、いやその…わたしは本気でやれって意味で言ったんじゃ…
(ずるるっ、ずぽぉっ!!)

や、やだぁ!!菊丸くんのおしりなんて見たくないわよぉ!!うぷっ…

どうしたの?

な、なんか異臭が…も、もぉ!!少なくとも菊丸くんのおしりがおもちに適さないのだけはわかったからぁ、そ、それしまってよぉ!!

まったく…自分はおしりを出さないくせに、人が出すと文句言うんだから…

お、おしりを使ってごまかすって前提やめてよ!!

でもぼくのおしりより、いずみちゃんの方が適してるのだけは確かっぽいでしょ?

そ、それは…

まだ渋るの?しかたないなぁ…じゃあ最後の手段…ぼくもいずみちゃんもおしりを使わずに済む方法をとるか…

そ、そんなのがあるなら早く言ってよぉ!!で、どうするの?

簡単だよ、千春ちゃんに頼むの。

…え?

千春ちゃんならぼくの頼みを聞き入れてくれそうじゃない?結構素直だしさ。

い、いやあの…

そろそろ帰ってくるんじゃないかな?千春ちゃーん!!

ちちち、千春を巻き込んじゃダメでしょ!!そもそも千春は菊丸くんみたいにお餅を持ち出したりしてないし…

だって、いずみちゃんみたいに餅をかっ食らったりしてないしねぇ…それじゃどうすんのよ?

…が…

ん~?

わっわたしが責任取りますぅ!!

なるほど!!さすがいずみちゃん!!これで事態は無事解決だぁ!!こうなったら善は急げだ!!じゃあいずみちゃん、さっそく準備にかかるよ!!

…や、やっぱりなんか納得いかなぁい!!

ささ、いずみちゃん、おしりをこの板の穴から出して!!

~!!
(にゅん♥)

おお~これだよ!!このボリューム!!これを待ってたんだ!!

あん…

いずみちゃん、気を緩めちゃダメ!!股も緩んで見えちゃってるよ!!ほらっ!!

(イメージ)

や、やだぁ!!どこに指つっこんでんのよぉ!!(きゅっ)

おほっ指が締めつけられてる…そうそう、あ、あまり力んでも強張って形も崩れるからダメだよ…

ああ~ん、む、難しいよぉ…

いずみちゃん、じゃあ上のお餅乗せるからね。

う、うん…

よっと…後ろの穴はこれでこっちは自然と隠れるから、これでよし…完成!!

(原作より完成図)

う、後ろの穴って…ああ~ん!!そっち…み、見えてたのぉ!?

まぁまぁ隠れたからいいじゃない。

は、恥ずかしい…

こらこら、お餅が赤らんできてるよ!!紅餅はいらないいらない!!

だ、だってぇ…

これから大勢の人に見られるんだから、これくらいでコーフンしちゃダメ!!

だ、だれが興奮なんか(平常心、平常心…)…

よもや女子高生が台座の下から露出したおしりだなんて誰も思わないんだから♥

こ、こらぁ!!頑張って平常心保とうとしてるんだから、あ、煽らないでぇ!!はぁはぁ…
(パッカーン💛)

わ~!!いずみちゃん、緩んでくぱぁって開いてるぅ!!気を緩めちゃだめだって!!落ち着いてってばぁ!!

わぁ~ん!!こ、このシチュエーションで興奮するなってほうが…無理よぉ!!

千春が合流するまでにこの「ちょっとした」騒動があったのは、二人きりの秘密なのだった。

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。今回は舞台監督兼脚本家も務めたマルチな才能の人なので、出番はほとんどなし。本人曰く「プロレスってのはブック(試合を演出する筋書)があるから、この程度の本は簡単に書ける」とのこと。
内容の再現度については、いずみ曰く「なぜ二人きりのやり取りを黒猫さんが把握できたのかわからないが、再現はほぼ完璧だった」とのこと。当事者の菊丸に充分な取材をした結果なのだろう。多分。

原田いずみ
現役女子高生17歳。深層心理では露出願望強し。実は菊丸が穴から露出した際は、つまりモロにアレを見てしまっていたりする。もちろん顔を手で覆いながら指の隙間からガン見してました。

森尾尚美
今回は明智菊丸を演じる森尾尚美に徹していただきました。だから、菊丸が脱いでもそれは尚美が脱ぐことになり、読者的にはウハウハな状況でもあったりする。でもさすがにいずみの紹介文に書いた穴からナニを露出したくだりは物理的に無理なので、黒猫によって書き直され変更されている。いずみが語った「ほぼ完璧な再現」のわずかに再現できてないところはその辺。
公式データ
第16話 主役は菊丸だ!!
単行本収録
講談社版 第3巻第1話
フランス書院版 第3集(ジャストミート)第4話
英知出版版 第1集(ハート編)第1話
本ブログ紹介 こちら
黒猫マスクの情け無用!!第21回

こんばんわ、「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクです。

アシスタントの原田いずみです!!今夜のお話は「主役は菊丸だ!!」です…でもその肝心の主役の菊丸くんがいないですけどねぇ…

正統派ヒロインはいるじゃん。

え?えへへ…

何を勘違いしてんの?いずみちゃんじゃないよ、今日のゲスト!!

え…?そ、そうなんですか…ちょっとがっかり…

いずみちゃんもヒロインだけどさ、いずみちゃんにつく枕詞は「正統」じゃなくて、「ヨゴレ」とか「裏」でしょ。

こらこらぁ!!それはこの番組の作品紹介が…

いやぁ、原作だってかなりのもんだよ。

うぐぅ…

あのぉ…そろそろ出番だって聞いたんですけど…

ああ、ごめんごめん、その「純・正統派ヒロイン」森尾尚美さんです。いいですねぇ、その奥ゆかしげな登場の仕方!!ホラいずみちゃん、お茶!!

なんかこのぞんざいな扱い、デジャブな感じがするなぁ…

前半のゲストの中では貴重かつ惜しい存在だから、丁重になるのは当たり前でしょ?

貴重?惜しい?

演劇部部長という味付けはあっても、当然日常はコスプレ色は薄いし、ひとみちゃんと違い、遠隔地に住んでるわけでもないから、使い勝手がいいわけ。

確かに…演劇部であるから、コスプレや、外征といった展開も容易でしょうしね。あ、舞台に焦点を絞れば、原作お得意の密室性も確保しやすいなぁ…

学年の違いからくる情報不足や、劇の代役など突発イベントに巻き込まれる設定も可能だったし、準レギュラーは充分狙えるポジションだったんだ。

な、なんか微妙な褒められ方だけど…喜んでいいのかな?わたし…

そう、あとこの常識的な切り替えし!!それに過剰にむちむちバインバインしていない、地味さ加減も絶妙!!

こらこらぁ!!絶対褒めてないでしょ、それ!!

やだなぁ…褒めてますって。そんな尚美さんといずみちゃんが演劇部の発表の手伝いを菊丸くんに依頼してきたのが今回のお話ですね。いずみちゃん、あらすじ!!

あ…はい、その菊丸くんへの依頼は実は照明係。主役の代役と思っていた菊丸くんは、ふて腐れながらも演者である尚美さんやわたしに余計なイタズラをして舞台を台無しにしてしまうという展開です。

かなり端折りまくってるけど、まぁそんなところだね。前半のお話だからそこまで過激ではないんだけど、ただ濃くする余地はいろいろあって、実際いずみちゃんはパンティが脱げかけるといったかなり美味しい場面もあったりしたよね。

まさか奈落から菊丸くんがあんなことしてるなんて思いもしませんでしたよ。
(原作より)


舞台装置が菊丸くんに心強い味方になるわけだね。この辺も使い勝手がいいと思うんだけどな…本当にもったいない…

な、なんか自分でも惜しいポジションだったんだなって思えてきました…

そうだなぁ…じゃあせっかくだから、その設定活かしてみようか?

え?

「ハートキャッチいずみちゃん」を二人で再現してみようよ。いずみちゃんは当然本人、菊丸くんを尚美さんがってことで。

ええっ!?

そ、それはつまりわたしは男役ってことですか?う、う~ん…

や、やるわけないでしょ、尚美さんも困ってるじゃないですか!!

…アリね。

え…ええ~!?

いずみさん、女優にとって男役を務めるってことは、芸域を広げられると思うの。なんていうか…ヅカっぽいじゃない?

…ヅカ…ですか?「外の人」が菊丸くんでぇ!?でもでも…そう、台本!!台本がクズじゃ尚美さんの演技だって光りませんよ!!

いずみちゃん、何か刺々しいなぁ…とりあえず用意はしてるんですけどね、こんな台本どぉ?

え…ちょ、ちょっと、黒猫さん、これ…だ、だめですよぉ!!

…

テーマは歪な信頼関係とでもしようか、菊丸くんが得意の口八丁でいずみちゃんを丸め込んじゃうやりとりを二人芝居で再現するんだ!!

…面白いわ。いいじゃないですか、これ!!

ちょ、ちょっと尚美さん!?

いずみさんに潜むどM気質を菊丸くんが炙り出し…しかもわたしが演じることで女同士での絡みとなる…倒錯愛に満ちたシナリオだわ!!

じゃ、次回を使って晴れ舞台としゃれこみましょう!!

あ~ん!!二人ともわたしの立場ちっとも考慮してないじゃなぁい!!

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。手練手管でいずみを辱める天才で、その目的のためにはいずみを小道具としてしか見ておらず、ある意味演出家向きの性格といえる。まーたニ分割にしちゃった。すいません。でもメリハリつけたいので…ご理解を。

原田いずみ
黒猫マスクのオモチャと化している、華はあっても、身と蓋はない、現役女子高生17歳。原作の菊丸にせよ、本レビューの黒猫マスクにせよ、強引かつ劣悪な扱いを受けてもその場から逃れないのはやはり持って生まれた性(さが)のような気がする。
そういえば原作のカットにあった紐パンティ半脱がせの場面、あの後いずみはオチまでこの件に言及してないのだが、気づかないまま半脱げ状態で演じきったのだろうか?

森尾尚美
いずみたちの1年先輩。本文にあるとおり、とかく裏設定に使いやすい要素が多いため、わずか2回で退場してしまったのが非常にもったいない気がするお姉さん。作中のキャラクターとしてはスレンダーなのも珍しい。惜しい。実に惜しい。
公式データ
第16話 主役は菊丸だ!!
単行本収録
講談社版 第3巻第1話
フランス書院版 第3集(ジャストミート)第4話
英知出版版 第1集(ハート編)第1話
本ブログ紹介 こちら
黒猫マスクの情け無用!!第20回後編

こんばんわ!!黒猫マスクの情け無用!!アシスタントの原田いずみで…

こらこらぁ!!いずみちゃん、違う違う!!今回は「強盗犯をやっつけろ!」のガチリミックスを通しで演じる企画なんだから、なりきってくれないと!!

あ、そうか、ご、ごめんなさい。…ってあれぇ!?

どうしたの?いずみちゃん。

き、菊丸くん!?

え?…あ!!ち、ちがうちがう!!黒猫マスク、黒猫マスク!!

だ、だって…その外見…

ほら、リミックス再現なんだから、黒猫マスクじゃ何かとやりにくいでしょ?いずみちゃんだってほら…

あ、そういえばこれは…後期のわたしだ。っていうか、なんでパンティなんか被ってるんです!?

うう~ん、これはマスクをかぶったままマシンに入ってしまったから、マスクが組み替えられた名残りなんだろうね。

そ、そうなんですか…?あとそのパンティ、わたしのお気に入りにそっくりなんですけど…

気のせい気のせい…黒猫マスクの素顔がこれってわけでは断じてないからね。断じて、そこんとこよろしく。大事なことなので2回言いました。

2回も言わなくても理解しましたよ。黒猫さんと菊丸くんが別人のわけないじゃないですか。やだなぁ~これまでのオンエアを実は全部菊丸くんとこなしてたなんて想像したら、恥ずかしくてお嫁にいけなくなっちゃう…

はは…

どうかしましたか?

いや、なんでも…まぁシナリオ再現マシーンの本領発揮ってとこだね。今回は、黒猫マスク演じる菊丸くんのバーチャル世界をご堪能ください。

しれっとものすごい科学力じゃないですか。

というわけで、今日は菊丸くんになりきります。くどいようだけど別にマスク着け忘れたなんてことではないから、よろしくね。

はぁ…

じゃあ、テイク2スタート!!

も、もう…どうなっても知りませんよ…この日、週番で早朝登校したわたしたちだったんですが、職員室に入ったとき…事件はその時…起こったんです!!

わ、わぁ!!なんだあれ…

ド、ドロボー!!ドロボーが校長先生に刃物を…

ええい、静かにしろー!!オレは金庫破りだぁ!!おい、お前!!

ひゃい。

お前は人質として残れ!!

わぁぁ…!!

くっしまった!!校長に逃げられた!!

き、きみたち済まない!!いや、わたしは逃げるわけじゃない!!警察を呼ぶためにやむにやまれず脱出したんだ!!

も、ものすごくウソっぽーい!!
(ファンファンファン…)

とりあえず警察を呼んではくれたのは本当みたいだね。

…こうしてわたしたち…人質になってしまったんです!!って、ちょっと待って、これ!!どっかで見聞きした筋書きなんですけど!!

こらこら、ナレーションに私語をまぜちゃだめ!!脚本どおりに!!

も、もう…

いいか、お前ら!!少しでも変なマネしてみろ!!遠慮なくブッスリいくからな!!

は、はい!!

ど、どうしよう黒…あ、いや菊丸くん…

まさかこんなことに巻き込まれるとは…困ったねぇ…

おい、金は!?金はどこにあるんだ!?

…

…

黒猫さん、もとい菊丸くん!!発言してくださいよ!!ていうか、この脚本、こんな場面が「アドリブでがんばれ」になってるぅ!!

だってねぇ…この黒猫が演じる菊丸くんが学校の金のありかなんか知ってるわけないでしょ。一介の生徒なんだし。

そ、そりゃそうですね…でもそれ、わたしもだから!!

だったらおい、見ろ。あのドアの向こうは校長室に続いてるんだが、そこにでかい金庫がある。鍵は見つけたんだが、ダイヤルがわからん。

そ、そんなのわたしだって知りませんよ!!

いいから開けるのを手伝え。そしたら助けてやる!!

そ、そんなぁ…

あ、そーだ!!

どうしたの?菊丸くん…

ほら、よく映画なんかで泥棒がダイヤルに聴診器当てて微妙な音でロックをはずしていくシーンあるじゃん?

だから、わたしはそんなことできな…

いやいや、聞き分けられなくても、感じ取れるでしょ?

は?

ここで!!
(ぼよよ~ん!!)

きゃああ!!な、何するんですかぁ!!

(イメージ)

おっぱいの先っちょセンサーで、ダイヤルの微妙な噛み合わせを探るんだ!!

え…ええ~!?

大丈夫、いずみちゃんならきっとできる!!

で、できてもうれしくなぁい!!

よ、よし、時間もねぇ!!お前、やってみろ、変なことするなよ!!裏切ったらぶっすりいくぞ!!

よし、じゃあ、いずみちゃん!!おっぱいをダイヤルにあてがうんだ!!

も、もう…(むにゅ)

じゃあ始めるよ…ダイヤルを左に…
カリカリカリカリ…

もう…こんなことで…あんっ!!

(イメージ)

よし、ここでこんどは右に…
カリカリカリ…

そ、そんな適当なことしたって…きゃん!!

もっかい左…
カリカリ…

開けられるわけ…うっ!!

さらにまた右だぁ!!

ああん!!

(イメージ)

これでレバーを引くと…どうかな?
(ごとっ)

よしっ!!

ええ~!?ホ、ホントに開いたぁ!!

さすが、いずみちゃん!!おっぱいの先っちょの敏感ぶりはダテじゃない!!

あ~ん!!う、うれしくなぁい!!

よ、よ~し!!金庫を物色するからおとなしくしてろ!!おい、お前らは職員室に残ってるんだぞ!!
(ぴしゃっ!!)

ふーむ、ドロボーが金庫を物色しだしたね。今がチャンスだ。

で、でもどうやって…?

ふっ…いずみちゃん…ここは学校だよ?学び舎にこれは不可欠さ!!

ま、まさか…

そーろーばーんー!!

や、やぁ~ん!!や、やっぱりぃ~!?

ささ、装着していずみちゃん♥

も、もぉ…こ、これで…外に脱出するの?

まさかぁ。

へ?じゃ、じゃあ何のためにそろばんなんか…

やだなぁ、いずみちゃん。今回のサブタイトルは何?

「強盗犯をやっつけろ!」でしょ。やっつけろ…やっつけろ!?ま、まさか…

そう、サブタイトルは忠実に実践しないとね。これからあのドロボーに「いずみちゃん長距離弾道弾」をお見舞いするんだ!!

え…ええ~!?い、いやぁよ!!なんでそんな人間魚雷みたいなまね…

シィッ!!大声出したら感づかれるでしょ!!勝負はドロボーが校長室から出てくる一瞬!!失敗は許されないよ!!

す、素直に今脱出したほうが…

あ、こっちに何か来る気配が…いずみちゃん、スタンバイして!!

ああん、もぉ…こ、こわぁい!!
(ぺたぺたぺた…)

来るぞ…よーしいくよ、いずみちゃん…3、2…
(ぺた…)

1…発射ぁ!!
(ずぁ~!!)

(イメージ)

きゃあああ~!!

ん、な、なんだぁ!?
(どすっ)

うごぉっ!?

あたたた…

いずみちゃん!!やったよ!!強盗が失神してる!!

ほ、ほんとに…?

よしっあとは向こうの廊下へ脱出だぁ!!いずみちゃん、立てる?

う、うん!!
(くいっ)

ん…なに?今の感触…
(びびび…ぶちっ)

ああ!!い、いずみちゃん!!

ん、どうしたの?菊丸くん…あ!!

お、おほ~♥

や、やぁ~ん!!強盗の持ってた包丁にひっかかって…パンティが切れちゃったぁ!!

い、いずみちゃん、丸見えだよ!!

ああ~ん!!縛られてるから…隠せなぁい!!
(だだっ!!)

い、いずみちゃん!?

(き、菊丸くんに見られ続けるくらいなら…このまま外に出ちゃえ!!)

待って、いずみちゃん…外に出たら…

やったぁ!!脱出でき…
(がちゃん!!)

へ…?

立ちなさい!!逮捕します!!

え、ええ~!?婦警さん、わ、わたしは強盗じゃありませぇん!!

知ってます。強盗はあっちで伸びてる男ね。突入部隊の皆さん、確保してください!!

じゃ、じゃあなんで…?
わいせつ物陳列罪よ!!話は署で聞きます!!

そ、そんなぁ!!
----

あ…原作回のアイコンに戻ってる…

シナリオ再現マシーンのスイッチ切ったからね…さーて再現終了…どうだったかな?

ああ~ん!!く、黒猫さんのバカァ!!は、恥ずかしい~!!

…ありゃ、走り去っちゃった…

ちょ、ちょ、ちょっとぉ!!わたし出番、これだけぇ!?

あ…片瀬さんいたんだ…文句言わない。出られただけありがたいと思いなさい。

あれ、というか…なんでスイッチ切ったのに、顔が戻らないの?

う、う~ん…ハリウッド仕込ミノ、特殊メイクデスカラ…

へぇ…

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。今回はシナリオ再現マシーンを使用し、終始明智菊丸役を演じている。いずみへの説明によると、マスクを装着したままマシーンに搭乗してしまったため、外見は「明智菊丸がパンティを被った姿」になってしまったらしい。しかし、片瀬婦警には本人曰く「特殊メイクで菊丸に変装したもの」と矛盾した説明をしている。ふしぎ~


原田いずみ
シナリオ再現マシーンの影響で踏んだり蹴ったりな扱いを受けた現役女子高生17歳。強盗籠城事件の取材班にすっぽんぽんで連行される姿を全国に生中継してしまった。
バーチャル世界のできごとなので、現実世界には影響ないと知り「使い方次第でもっと恥ずかしいことが体現できる」と気づくのはまだ先の話…左がバーチャルモードいずみ、右が原作エピいずみ。ちなみに面倒なのでスイッチオフ時は、前回と同じ顔。
帰宅後に確認すると、バーチャル菊丸が被っていたのと同じデザインのお気に入りパンティは消えてました。

ドロボーさん
学校に忍び込んで脱出しそこなったまぬけな泥棒。サブタイトルは強盗だが、原作中では「ドロボーさん」と呼ばれてたのでこちらに準拠。最優秀バイプレイヤーの「強盗さん」との差別化を図ったってのもある。というか、格が違いすぎる。バーチャル世界のみの登場ですので、スタジオには実在しません。

校長先生
温厚で生徒への責任感も厚く、極めて全うな教育者。人間的には美点でもハートキャッチワールドでは必ずしもそうはいかないのが切ない。まったく悪気はないが、いずみを追い詰めるのに一役買っていただきました。こちらもバーチャル世界のみの登場。

片瀬理香
見てくれのとおり(当時の呼称で)婦人警官。原作では特に見せ場なし。影の薄さが個性なんでしょう。多分。
公式データ
第6話 強盗犯をやっつけろ!
単行本収録
講談社版 第1巻第6話
フランス書院版 未収録
英知出版版 第1集(ハート編)第6話
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黒猫マスクの情け無用!!第20回

やぁ!!「黒猫マスクの情け無用!!」黒猫マスクだよ!!

…何で某ネズミみたいな口調なんですか?アシスタントの原田いずみです。

いや、何となく…でも、あの口調ってイラっとくるよね~まぁそんなことはさておき、今回は「強盗犯をやっつけろ!」いずみちゃんの大好きな縛りもあるよ!!

…だ、誰が縛りプレイ好きですかぁ!!

誰もプレイとは言ってないよ。

う、うるさぁい!!そ、そうだこんな時はあらすじを…当番で早朝に登校したわたしと菊丸くんは、強盗がほかの生徒や校長先生を人質に恫喝してる場面に遭遇します。

あ、ここは名義上は「ドロボー」でいこう。

何でですか?

シチュエーション的には強盗だけど、原作ではずっと「ドロボー」か「おじさん」としか呼んでないんだ。それにいずみちゃんの師匠の「強盗さん」とかぶっちゃうのもいやでしょ?

し、師匠じゃありませんよぉ!!そ、それはともかく…そんなわけで人質にとられたわたしたちが、脱出を試みるってお話です。

はい、ありがとう。内容的にはちょっと詰め込み過ぎな印象はあるかな~ってのが率直な感想かな。

詰め込みすぎ?

うん、「ハートキャッチワールド」の原則「見立て」「場面転換」「密室性」が高いほど完成度も比例して高いってのは以前話したよね?

ああ…そんなことおっしゃってましたね。「見立て」はしょうがないとして、残り2つは要件満たしてませんか?

「見立て」も一応あるにはあるでしょ。婦警さんが登場するんだから。コスプレ的な意味で…まぁ本職なんだけどさ。

あ、そうか…だったらますます黒猫さんの評価がシビアなのが解せないなぁ。序盤の話とはいえ、好条件揃ってるじゃないですか。

要は薄すぎるんだよね。どれもこれも、初期のお話だからお色気要素が少ないのは仕方ないにしても、その他大勢の生徒さんなんか必然性乏しいし、場面転換もちょっと前半後半のバランスが悪い。結局婦警さんが登場したのはほぼ終盤だからね。

ふむ…そういう見方もできますね。

ということで、我々の出番ですよ。リミックスしてしんぜませぅ。過不足を調整しますよ~まずその他大勢の生徒さんは要らないよね。人数は極力絞って濃密な状態がいい。

そうですねぇ…まぁその辺りの調整の必要性はわからないでもないです。

次に、ここをこうして、ああして…よし、脚本できた。では、再現しようか。今日はちょっと趣向を変えて…

なんですか、この機械。

(ぽぺぽぺん♪)これはシナリオ再現マシーン。ここに用意したシナリオをセットすると、そのとおりの場面が体験できるんだ。

なんですか、そのむちゃくちゃ胡散臭い装置…そして身も蓋もないネーミング…

いいじゃない。どうせなら臨場感溢れる再現したいじゃん?どうせメタだらけなんだし、この放送。

こらこらぁ!!

ということでスイッチオン!!ほら、早朝の学校だよ!!いやぁいいねぇ!!懐かしい雰囲気!!

懐かしい?

あ、いや…まぁ大枚はたいて購入した甲斐があったなぁ!!この装置。

はぁ…まぁ確かにすごいんですけど…(どうしてこう、いつもいつも変な方向に予算使うんだろう…)

そして、はい、いずみちゃん脚本。

えーとなになに…ちょ、ちょっと待ってください。これ…「アドリブでがんばれ」ってとこ多いなぁ…というかこのシナリオ…

ちょっと打ち合わせしておこうか、菊丸くん役はこの黒猫が務めます。そして、登場人物はちょっとリストラかました結果、ドロボーさんと校長先生、そして婦警さん。じゃ、いいかな。

いや、だからこれ…

シナリオ再現マシーンスタート!!
(ぽち)

あ、そうそう、臨場感出したいから、マシンのオンモードから先は次回に続きまーす!!

ええ~!!前半のしょぼエピで切り分けやるんですかぁ!?

…身も蓋もないのはいずみちゃんもじゃん。

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。
妙ちきりんな道具を持ち出しましたが、あれは青猫ということで猫つながりと言えなくもない。
途中挟み込んだ効果音は脳内変換にご協力ください。
あまりにもメタい道具を出してしまったが、そこまでせねば、前半エピは扱いにくいということですいませんが、よろしく。
今回は一応前フリなので、短いです。すいません。
あと、原作、イメージとも画像が一切ないです。これもすいません。

原田いずみ
現役女子高生の17歳。黒猫マスクは酷評しているが、本原作は、初期のエピソードにしてはいずみへの縛りがあるので、いずみ的にはお気に入りだったりするとかしないとか。前半のエピソードは拡大解釈と肌の露出を増やすこと、後半のエピソードはより過激にアレンジすることと試行錯誤ながらも、後期のパターンができてきたかのなぁ…
公式データ
第6話 強盗犯をやっつけろ!
単行本収録
講談社版 第1巻第6話
フランス書院版 未収録
英知出版版 第1集(ハート編)第6話
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黒猫マスクの情け無用!!第19回後編

「黒猫マスクの情け無用!!」、司会の黒猫マスクです。伊賀の忍者屋敷からお伝えしてまーす!!3部構成かーい!!と一人ノリツッコミをこなしたところで…ゲストは再度こちら!!

どうも、伊賀野助兵衛じゃ。このお話のネタは大体出尽くしたと思ったんじゃがのう…

はっはっそれだけこのエピソードは業と根が深いんですよ。まぁさすがに今回で最後にしますが。

そんなに深いっけなぁ…?アシスタントの原田いずみです。

それをこれから検証していきます。まずは雰囲気作りから…

ふ、雰囲気…?きゃあ!!な、何するんですかぁ!?いたっ!!いたたっ!!

(原作より)

だってせっかくの忍者屋敷だしぃ、日も暮れて妖しいムード満ちてきてるしぃ…逢魔が時ってやつ?

ふ、雰囲気で縛られるなんてぇ…

まぁ、まんざら不必要ってことでもないんだよ。これからエピソードを検証するお裁きってこと…時代劇つながりで差し詰めわたくしはお奉行様…「遠山の黒さん」ってとこかな~

(ぎくっ!!)お、お裁きって…

あれ、ちょっと赤らんできてるよ。何か変なもの連想したんじゃない?

そ、そんなことないですぅ…

ま、その辺を含めて調べていくんだけどねぇ…早速、お二人に質問なんですが…

ん?何じゃ?

ちょ、ちょっと待ってよ!!なんでわたしは縛られて、おじいちゃんは普通に座ってるんですか?

ええい、控えぃ!!その方、ある重大な嫌疑がかかっておーる!!伊賀野氏は本件の証人に過ぎぬ。なんてね。

おお、黒猫さん、中々の迫力…嬢ちゃん、ここはお白洲と思ってまずはご挨拶せぇ…(ぐいっ)

(原作より)

やあ~ん!!無理にお辞儀したら…おしりが上がっちゃう~!!

(原作より)

で、その質問とは何ですかの?

当日…つまり原作のいずみちゃんの行動…つまりアリバイを確認したいんです。

ア、アリバイ!?

え~とじゃあ具体的に片付けていきましょう…堀を渡り終え、ひとり脱出に成功したいずみちゃんは、助兵衛さんを探しに行くと言って姿を消し、一時間以上戻ってきませんでしたよね。いったい何してたの?

え、そ、それは…

うむ…実は…

助兵衛さん!!しっ!!

ああ、いずみちゃん大丈夫。まだ別の質問が続くけど、どうも最終的に答えはひとつにまとまってくると予感がするから、まとめて回答してくれてもいいよ。

な、何です!?

ということで質問2、前々回の旅行の収支資料…なんであんなの大事に残してたの?

んぐ、そ、それは…

それから最後に質問3、その収支表に書いてあった「忍者屋敷追加料金」が妙に高額なのは何?

あ、あのそれは…ほら、お堀のロープぶち切っちゃったじゃないですか?その弁償で…あぅあぅ…

これこれ黒猫頭巾さん。そこまで追い込まんでも良かろう…

だ、だからおじいちゃんは…

いやいや、お嬢ちゃん、会計に疑惑を持たれてはいかん。黒猫さん。このお嬢ちゃんは別に外人娘さんや少年から代金をピンハネしてたわけではないですぞ?

あ~ん!!おじいさん、ちがぁう!!黒猫さんは金銭の管理に疑惑を抱いてるんじゃなくてぇ…つ、使い道に…

使い道…そう、使い道ね。で、改めて聞くけど忍者屋敷追加料金って何?

うっ…

お、お嬢ちゃん…ワシはお客さんのプライベートをべらべら喋れんが、もう観念して白状した方がいいと思うんじゃが…黒猫頭巾さんはどうもほぼ事実を調べ上げきっとるようじゃぞ。

だっ、だけど…

あくまでシラを切るならこっちにも考えが…実は忍者屋敷の管理事務所よりこのノートを預かってきました。忍者屋敷では利用者の利用状況を集計するためこのノートに記録しているんだよね。

…!!そ、それは…

あの日、レギュラー一行が訪問した日…うん、ここにご予約3名様と書いてある。幸か不幸かあの忍者屋敷はあの日利用客が他にいないから、これが一行なのは間違いない。

そうじゃ、それゆえ早く閉館したくらいじゃ…結果的に皆さんを閉じ込めてしまったことになるがの。

問題はここ…その下に「追加料金1名様」とあるんだよね。

…だ、だからそれはロープの弁償…

いや、それはありえない。ノートには時刻も書かれている…一行入館の30分後だよ。ロープが切れたのは入館して1時間以上後のはずだよ

ぐむぅ…

さて、助兵衛さん、もう義理立てはいいでしょう。楽になりませんか?

わ、わかった…すまん、お嬢ちゃん…実はな黒猫さん、あのお嬢ちゃんとは管理事務所ですぐ合流できたんじゃ。

すぐ?どうしてそう言いきれるんです?

下半身が水で濡れてベチャベチャだったからじゃ。

なるほど…いずみちゃん、水グモで堀を無理やり渡った直後だったからねぇ。

(原作より)

下穿きもべったり肌に貼り付いてスッケスケだったしのぅ…こっちが目のやり場に困ったわい。

(原作より)

あ~ん…お、おじいさん…そんなことバラさないでぇ!!

それはともかく…すぐ合流できたのに、リンダたちを助けに来なかったわけは?

そ、それは…

わ、わたしがすぐに言わなかったからなんです。

どうして?

も、申込み手続きしているうちに…菊丸くんたちのこと忘れちゃって…

ほほぉ、申込み手続きねぇ…

黒猫さん…じ、実は…恥を晒すようじゃが、あの屋敷は経営が厳しくての…集客力アップのために裏コースを設けておるんじゃ。

ほーぉ…そのコースとは?

「囚われくのいち脱出コース」じゃ…これは別棟でやっておる…本来は未成年お断りのコースなんじゃが、単価が高いし、その…目の前の現金の誘惑に我々ものぅ…今まで口をつぐんでおったのは、お嬢ちゃんは17歳というし、そんなの参加させたのが世間にばれたら、屋敷を閉じねば収拾つかなくなると保身が働いたんじゃ…すまん。

なるほど、事情はよく分かりました。でもどうしてあんなに遅れたんです?

他の二人が取り残されとると知っとったら、駆けつけておったわい。その…

おじいちゃん、もういいです…わ、わたしが菊丸くんとリンダのことを故意に言わなかったんです。その…裏コース満喫してからでいいやって考えちゃって…

こちらもお嬢ちゃんを縛り上げてさあコースを…と思った矢先に何かの弾みで「そういえば他の二人は?」と問うて初めて分かった次第なんですわい。

なぁるほどぉ…いずみちゃん、弁明はあるかな?

そ、それは…

ま、今回同席してるのは助兵衛さんだけなんだから、いずみちゃんも吐いて楽になっちゃいなよ~

…だ、だって…せっかくこの忍者屋敷にわざわざ行くなら…体験してみたかったんだもん!!

はーい、完落ちいただきました。さーてもう少し告白してもらうよ~?前から知ってたの?裏コースのことは。

う、噂程度ですけど…

だから、リンダが忍者屋敷に行きたいと言ったときは敢えて首都圏のものではなく、こちらを選んだ。幹事は自分から引き受けたのは、そのためだね。

う、うん…

でも結局申込みだけ済ませた状態で取り残された二人に気づいたから、裏コースの堪能はお預けになっちゃったてわけだ。

は、はい…

本来ならどうやって裏コースを申し込むつもりだったの?

あ、あの実は…屋敷内を見学してる間にわざとはぐれて…

一人で申し込むつもりだったんだ?

い、いえ…その…菊丸くんも一緒に…です…

へ、へぇ…つまりリンダだけ切り捨てる腹積もりだったってことかぁ…主もワルよのぅ…

そのつもりだったのに、成り行きでわたしだけ脱出しちゃって…よく考えたら誰にもナイショで裏コースを楽しめるとしたらチャンスだって思ったんですぅ…あ~ん、ごめんなさぁい!!

よしよし、よく告白してくれました。じゃあそろそろ裁定を…オホン、まず伊賀野助兵衛!!その方、途中まで知らなかったとはいえ、裏コースを最後まで堪能させぬまま打ち切ったのは感心せぬ。従って、払い済みの料金を債務とみなし、ここでその履行を命ずる!!

へ?

そして、原田いずみ。その方、己の欲情のために仲間を見捨て、救出を遅らせるとは不届き至極。よって「囚われくのいち脱出コース」を奉行自ら責め立ててしんぜる!!

え…そ、それって…あの…

な…つまり「囚われくのいち」をこれから体験させろということですか!?そりゃ…料金は受けてますから、構いませぬが…

これで助兵衛さんは、債務がすっきりして得、いずみちゃんは払った分のコースが体験できて得、そしてこの奉行もいずみちゃんをいぢ愛でられて得。三方一両損ならぬ、三方一両得で一件落着じゃ~!!

く、黒猫さん…恐れ入りました…

なんかわし、別に得してない気もするがなぁ…

ではコースはじめましょうか。助兵衛さん、これからどうするんです?

そ、それじゃあ…部屋を移動していただきます。こちらですじゃ。
(がらっ…)

おう…これはこれは…

三角木馬、ロウソク、手枷、足枷、ムチにロープ…部屋にあるものはご自由に使っていただいて結構ですじゃ。

はぅ…ド、ドキドキしてきたよぉ~

さ、いずみちゃん…行こうか…ぐふふふ~障子を閉じるよ💛

は、はい…
(ぴしゃ!!)

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー…いや、ここでは黒猫頭巾。そしてその正体はお奉行である遠山の黒さん。
独自の情報ネットワークと、極端にピーキーな洞察力を以っていずみを徹底的に追い詰めた。
でもお裁きはある意味いずみを救う形で落着。黒さん、名奉行である。黒さんなどといいつつ、やってることは大岡裁きなんだけど。
それに結果的には一番得もしてるんだが。

原田いずみ
現役女子高生花の17歳。菊丸&リンダパートのいずみの行動が前々から気になってたので、彼女のアリバイを崩してみた。
こういうのもミッシングリンクとでもいうのだろうか。いずれにせよ他のどの作品よりその穴埋めがしやすいエピソードであることは確か。敢えてお裁き決着後、どのようなプレイに興じたかは伏せておくので、各自で穴埋めの穴埋めをしてください。

伊賀野助兵衛
まさかの再登場。あえて巻末のおまけイラストからアイコン作成。
いずみを庇いつつ、かつ自身の保身とを天秤にかけつつ切り抜けようと頑張ったが、黒猫頭巾の追及には勝てず最後は陥落。
補足しておくと、裏コースの「囚われくのいち脱出コース」は、原則男女ペアで利用いただき、助兵衛は案内のみでコースの内容には関与しない。それでもひとりの来訪者のため、時折攻め役で仕切るが、あくまでも客商売なので変な気は起きないらしい。枯れてもいるし。
公式データ
第50話 危機一髪、忍者修行!!
単行本収録
講談社版 第8巻第3話
フランス書院版 第1集(スクランブル)第2話
英知出版版 第2集(キャッチ編)第19話
本ブログ紹介 こちら
黒猫マスクの情け無用!!第19回中編

Hi!!黒猫マスクノ情ケムヨー!!リンダ・マッケンジーデース!!今日ハ、何ト、ロケデスヨー!!伊賀ノ忍者屋敷カラ、オ伝エシマース!!

こらぁ!!リンダ!!第一声をゲストが取らないでよ!!わたしが正式アシスタントの原田いずみです!!あ、でも今回は本物のリンダみたいね…ちょっと安心。

はっはっいいじゃない、いずみちゃん。リンダは久々のゲスト出演なんだから。経費で伊賀にまた来れたんだからよしとしようよ。トリを務めますはわたくし、黒猫マスクです。というわけで、今回は舞台となった忍者屋敷からのロケでございます。

ま、まぁ旅費が番組持ちなのはありがたいですけど…あ!!そ、そういえば…リンダ、あなたわたしの部屋を勝手に荒らしてるでしょ!?

どうしたのいずみちゃん。

だ、だってぇ…前回この忍者屋敷見学の旅程が全部詳らかになっちゃったのって、リンダがわたしの部屋から資料持ち出して提供したからでしょ!?

詳細はこちらでーす。

Oh!!ソレハ忍ビノ修行デース!!

あ…あんたねぇ…やっていいことと悪いことが…

大丈夫デスヨ、必要以外ノネタハ、リークシテマセン。

(ぎくっ!!)

何、ということは、他にも収穫あったの!?

エエ…実ハ…引キ出シノ奥…

わー!!さ、さて、今回は…前回からの続き「危機一発、忍者修行!!」ですね。

NO!!イズミ、ソレ、オカシイ。

え?

「危機一髪、忍者修行!!」デショ!?全ク嘆カワシイ…大和ナデシコ失格ネ!!

うぐ…だだだだって…フランス書院版ではそう書いてあったんだもん…ついそこが記憶に残っちゃって…

ん~一本取られちゃったねぇいずみちゃん…リンダに完全に主導権握られちゃったねぇ…

大体、着替エテスラナイジャナイ。

だ、だってぇそれは現地に着いたばかりだし…

マァ、忍者装束ハ、今回要リマセンケドネ。

まぁそうだね

え?な、何で?

イズミニハ、ワタシガ体験シタ忍者修行ヲシテモライマース!!Master.黒猫、用意ハOK?

はいはい、こちらに用意してますよ…はい「ワラジパンティ」あ、いや正確には「ワラジパンティ・R」!!Rには「リミックス」と「R18」の意味を込めてまーす!!

ちょ、ちょっとぉ!!いきなりそっちなんですかぁ!?縄抜け修行はぁ!?楽し…あ、いや、モノには順番ってもんが…っていうか何よそのRって!!

何気にすごいこと口走ってない?まぁリンダのシーンのリミックスなんだから今はこのプレイを満喫してよ。

ま、満喫って…べ、別にわたしはそんなの履きたくは…

ほらほら、さっさと着替える。

え…でも…このパンティはさすがに…ちょっと抵抗が…

Hey、Master.黒猫、イズミハ恥ズカシガッテルヨーデスネ。

そうみたい。

ココハ踏ン切リヲツケサセルノガ、武士ノ情ケネ!!
(どん!!)

きゃあ!?
(どぼーん!!)

も、もぉ~!!パンティまでずぶ濡れになっちゃったぁ!!リンダのバカァ!!

(イメージ)

うほほ~水に濡れた純白パンティ…しかも生地が薄手…が肌にぴっちり張り付いてるから…

きゃ、きゃぁん!!丸透けじゃないですかぁ!!

(原作より)

ササ、諦メテ、コレヲ履クデース!!

ああ~ん!!結局これを身に着けるのね…

(原作より)

おほ、どう?いずみちゃん。

ど、どうって言われても…あうっ…

どうしたの?

ワラがこすれて…へ、変な気持ちになっちゃう…あふぅん…

ぐふふ、ただ原作どおりのワラジパンティを履かせるだけじゃ芸がない。「R」に込めた意味は伊達じゃないよ。

え?

実は、ワラは細かいケバを大量に作って、さらにワラジ部分は僅かにだけど前後にずれやすい構造にしてるんだよ!!リミックスならでは!!

ええっ、ど、道理でさっきからこすれると思ったら…
(ちくちく)

あん…ケ、ケバと…
(しょりしょりっ)

ワ、ワラジの蠢きが…刺激されちゃう~!!

うんうん、それこそリンダが悟りきれなかった「無我の境地」!!

ウヌゥ…悔シイデース。悟リタカッタデース。

ああっ…ああっ…

うほ、イイ顔してるねぇ…さて、いずみちゃんが悶えてる間にようやく原作の振り返りですが、手違いから忍者屋敷に閉じ込められた一行は、堀に渡されたロープを伝って脱出を試みます。

原作ノイズミハ、「水グモ」デ脱出済ミデシタネ。

リンダのシーン再現だから、そうなるね。平行に張られた二本のロープに体を乗せ、這っていくことになります。さ、いずみちゃん!!再現再現!!早くしないと日が暮れちゃうよ!!

も、もう…よっと…
(ずっずっ…)

うふふ、いずみちゃん、ここでの原作を実況してくれるかな?

え…ええっ…こんな状態でぇ!?に、両岸に張られた二本のロープに体を預けてワラジパンティ一丁で大股開きになってるこんな状況でぇ!?

アシスタントの大事な仕事!!というか、いいねぇ、その具体的中継!!

コレモ忍者修行ネ!!

何でも忍者修行に結びつけるなぁ!!…え、えーと菊丸くんにロープの角度を落とされて、リンダの体はスタート地点まで引き戻されます…

それから?

…そ、それは…

ちゃんと言わないと、ほれほれ…

わ、わかりましたよぉ!!戻ってきたところを間髪いれず、菊丸くんの舌が舐め上げましたぁ!!

どこを?

ああん!!そ、そんなの言えません!!

ここでしょ!!
(ぺろーん!!)

(原作より)

きゃああ!!ワ、ワラジ越しに黒猫さんのザラついた舌の感触がぁ!!

ほれほれ~い!!
(ぺろぺろ~ん!!)

あ…だめぇ!!そんな連続攻撃しないでぇ!!

だったらさっさと逃げないと…敵はどこから襲ってくるかわからないよ!!

だ、だってぇ…ち、力が入らないよぉ…

う~ん、その辺がリンダとはちょっと違うよね~

ナンデスカ?

ん?つまりいずみちゃんはドエ…

黒猫さん、ち、違いますよぉ!!

ドエ?

リ、リンダは知らなくていいのよ!!
(ずずっ)

おお、ようやく自力で向こう岸に渡ろうとし始めたね。ほとんど進めてないけど。

だ、だってぇ…ワラジはこすれるし…黒猫さんに嘗め回されるしぃ…ホ、ホントに力が…

こりゃわざわざロープを伝って追いかけるまでもないな。この黒猫マスクの短い足でも…よっと!!

え…

ワラジロックオン、完了!!

だ、だめぇ!!
(ぐちゅぐちゅ…)

うわ、ワラジが、べっちょりしてる…気持ち悪いなぁ…

そ、それは黒猫さんの舐めたのと、堀に落とされたときの水のせいですぅ!!

それだけ?

あ、当たり前でしょ!!

ふぅ~ん…ま、いいや、いずみちゃん上手く渡れないみたいだから、一旦こっちに戻してあげるね。よいしょっと…

ちょ、ちょっと、黒猫さん!!ワラジに足をかけて引っ張ったりしたら…
(ぐぐぐ…)

Oh!!イズミト、ワラジノ間ニ隙間ガ…何カビラビラシタモノガ、見エマース!!

(原作より)

うふふ、リンダ、言ったでしょこのワラジはリミックス仕様だって。

ハ、ハイ…ソレガ?

実はねぇ…細い縄のように見える腰周り部分だけど…実はアレ、ゴム紐なんだよね。

ソウナンデスカ?

ええっ!?ゴ、ゴム製!?ちょ、ちょっと待って…ということは…

もう少し引っ張ると、ほれ。
(びろーん!!)

Oh!!隙間ドコロジャナク、完全ニ離レチャイマシタ!!丸見エデース!!

や、やぁ~ん!!

そしてワラジを解放すると…
(ひゅんっ…ぱちーん!!)

ああ~ん、いたぁい♥も、もっと大切に扱ってよぉ!!

リンダもやってみて、足指で挟む力を鍛えるのも忍者の修行だよ!!

OK!!ナルホド…コレハイイ運動デスネ…中々難シイデース!!
(くいっ、ぱちーん!!くいっ、ぱちーん!!)

ああん♥た、助けてぇ!!

いずみちゃんも敵の攻撃から逃げ切ってこそ修行だよ!!

そ、そうは言っても…ま、ますます力が入らないのにぃ…ぐっ…
(ずずず…)

うふ、いずみちゃん何とか頑張って逃げようと試みてますねぇ…

はぁはぁ…あん…

ソノ割ニハ、余リ進ンデナイミタイダケド…ア!!ロープガ…
(じりじり…ぶちんっ!!)

ロープが切れたぁ!!

きゃああ!!
(ぶら~ん!!)

(原作より)

おお、原作どおりの展開!!

た、た、助けてぇ!!

これは大変!!リンダ、急いで!!

ド、ドウスルデスカ?

こんなこともあろうかと、ボートを用意しておいたんだ!!すぐにいずみちゃんの股間の真下に回りこむんだ!!

な、なんでそんなピンポイントな移動なんですかぁ!!ていうか、ボートあるならこんなシチュエーションいらないじゃない!!

げへへへ…救助するために決まってるじゃないかぁ!!

そ、そんな風にはみえなーい!!

さ、そうこうしてるうちにボートを真下に移動させたよ!!さぁ、いずみちゃん飛び降りて!!

ああ~ん!!こわぁい!!む、無理ぃ!!

ア~ア…イズミハ、高イトコ苦手ダカラ…

そこで公式設定きますか!!しょうがないなぁ…じゃあ心を鬼にして…
(つまみっ)

え…く、黒猫さん、何やってるんですか?
(ぴ~)

(原作より)

ワラジのほつれを摘んでひっぱってるんだよ~ん!!

ちょ、ちょっとぉ!!そんなことしたらワラジがほどけて…ま、また…み、見えちゃ~う!!

ほれほれ、さっさと飛び降りないと見えちゃうよ~ん。まぁでもいいじゃん、さっきからちょいちょい見せてるんだし。

そ、そーゆー問題じゃ…なぁい!!お、乙女の最後の一線なんだからぁ…
(ぴっ)

(イメージ)

や、やぁ~ん!!ワ、ワラが全部解けて…み、見えてるぅ!!

Oh…イズミ、ワタシコンナニ間近デ見タノ初メテデース!!重力ニ引カレテ「クパァ」ッテナッテマース!!東洋ノ神秘ネ!!

バ、バカァ!!だ、だめぇ!!お、奥を覗かないでぇ!!

(イメージ)
(ぶつっ!!)

あ…残ったロープも切れた。
(どすっ!!)

きゃんっいたぁい!!

Oh!!ナイスキャッチ!!ウマイ所ニ落チマシタヨ、Master.黒猫!!

無事でよかったねぇ、いずみちゃん。

ち、ちっともよくなぁい!!わーん!!じっくりたっぷり見られちゃったぁ!!

アレ…ソウイエバコノ切レタロープ、忠実ニ原作ヲ再現シタンデスカ?

そうだけど…どうかした?

ン~トイウコトハ…原作デハ、ワタシト菊丸ノ重ミデ切レタノニ、イズミヒトリノ体重ガ上回ッテルコト?

あ、そうか…つまり重さとして「菊丸くん+リンダ < いずみちゃん」かもしれないってことかぁ!!こりゃ気づかなかった!!

わぁ~ん!!ご丁寧に計算式まで作って言わないでぇ!!

マダマダ続キマース!!

正体不明の覆面女子プロレスラー。
「ワラジパンティR」の開発者。
いずみの大切な部分を隠しながらも、「動きに合わせて前後に微移動するため擦れやすい」「ワラを毛羽立たせているので擦れやすい」「腰周りの細縄のようなものはゴムひもなので伸縮性に優れ隙間もたっぷり確保」「ほつれを引くと簡単に露わに」などの超鬼畜仕様。

原田いずみ
最近肉付きが気になりだした、現役女子高生17歳。
今回黒猫マスクが用意したワラジパンティは、実のところ自宅で再現を試みていたがうまくいかず諦めていた代物だったりするので、内心喜色満面なのは、ナイショだったりする。
「R」の鬼畜仕様は想定外だったが、それはそれでご満悦だとか。
大切な部分を他人の目から守りきることは彼女なりの「乙女の一線」らしい。つまり「黒猫」では毎回敗北感に打ちのめされてることになる。

リンダ・マッケンジー
原田家に居候するカリフォルニアギャル。前回のは偽物だったが、今回は本物。相変わらず超がつくほどテキストが書きにくい。
千春は天然でいずみに追い込みをかける方向でキャラ付けが確立したが、リンダは「日本文化再現」といった大義名分の旗印と「居候」という設定を更に掘り下げて「忍者修行と称していずみのプライベート情報を駄々漏れさせる」方向付けをしてみた。意外と使える。
でもテキストが書きにくい。通常表記じゃイマイチ雰囲気でないしなぁ…痛し痒し。
本文においていずみを堀に突き落した時に公式設定の馬鹿力は存分に発揮されており、後でいずみの背中に赤々と手形が残ってしまった。
公式データ
第50話 危機一髪、忍者修行!!
単行本収録
講談社版 第8巻第3話
フランス書院版 第1集(スクランブル)第2話
英知出版版 第2集(キャッチ編)第19話
本ブログ紹介 こちら
黒猫マスクの情け無用!!第19回

ハーイ!!「黒猫マスクの情け無用!!」リンダ・マッケンジーと司会の…

司会の黒猫マスクでーす!!ゲストにタイトルコールしてもらいました。どうかな?いずみちゃん。今回は「危機一髪、忍者修行!!」です。

ど、どうかなって言われても…今日のゲストがリンダということしか…あれ?

どうしたですか、いずみ。

リンダ随分日本語上手になったじゃない。

そう?

以前は見づらくて、そして文章に起こすのがめんどくさくてしょうがないカタカナ語喋りだったじゃない。

はっはっ、そうですか?

それに…テキストカラーが変…

ようやく気づいたみたいですよ。

ふむっ!!まだまだ修行が足らんのぅ!!それっ!!
(BOMB!!)

きゃあ!?

ふぉふぉふぉ…伊賀野助兵衛参上!!伊賀忍法変わり身の術じゃ。

に、忍者屋敷のおじいちゃんがリンダに変装してたの!?

中々の技術に驚いたでしょ?

変装どころか、身長もスタイルも丸っきり別人じゃないですか!!

ハリウッド仕込みの特殊メイクじゃ。

いやいやいや、そーゆー問題じゃないから!!っていうか、ハリウッドメイクなんですか!?

良いところは何でも取り込むのが忍びの定め…

もっともらしく言うなぁ!!

ずいぶん突っかかるねぇ。

当たり前です!!異性が異性に変装するなんて反則でしょ!!男の娘とかならまだしも…おっさんがヒロインやレギュラー女性キャラに化けるなんて!!

ご指摘ごもっとも、やっぱりそういう反応になるのぅ。黒猫頭巾どん。

…へ?

いやぁ、助兵衛さんが変装技術を持ってるのを知って、実験してみようと思ったんだ。

じ、実験?

リンダに変装していたのを知ったいずみちゃんが見せる反応は、やっぱりそういうもんだよねぇというのを再確認しておきたくて。

さ、再確認?わたし変装するキャラなんか出会ったことないですよ?

うん、「ハートキャッチ」ではなくて、作品変わるけど、「胸キュン刑事」でこれと同レベルの変装をやってくれたのがいてね…「怪人ローク」。

ああ、そういえば…これですね。くるみさんにロークが変装するんですよね。あとロークの手下たちも。

うん、作中屈指のカオス回です。おっさんたちがヒロインに化け、しかも女同士の絡みまで…読まされる方としてはキッツいよね。

ですね。あれはひどかったなぁ…つまり、今の変装は、わたしのリアクションを確認したかったってわけですね?

ま、そういうこと。

おーい、つかみはこれくらいにして本題に入りましょうかい。

ああ、そうだ随分引っ張ってしまいましたが、そろそろ本筋に戻りましょうよ。作品紹介すらまだでしたね。

ああ、いいんだよ。どーせ前後編構成に分割するつもりだったし。

分割前提ですか!!と、とにかくあらすじを紹介するとリンダの希望で忍者屋敷を見学することになり、わざわざ伊賀に出向くことになったお話でした。

あの~ちょっとええかいの?

なんですか?

東京の高校生が伊賀まで行くのは結構大変だったんじゃないのかぇ?日程はともかく、旅費的に。

あ、そう言えばそうだね。言い出しっぺはリンダでも、幹事として旅程や旅費の会計、各種手配をしたのはいずみちゃんだったよね?

(ぎく!!)な、なんで黒猫さんがそのこと知ってるんですか?

ん?今日は参加してないけど、リンダへの事前聞き取りの中で出てきたんだよ。うん。ほら資料もここに…

!!な、なんでそんなものまで…

リンダがいずみちゃんの部屋から持ち出してくれたんだよ。ほら、同居人じゃん、彼女。

リンダったら~!!

まぁまぁ…「重要書類をこっそり持ち出すのも忍者修行みたいなもん」って説得したら快く引き受けてくれたよ。

それ、忍者としては正しいけど、人間としておかしいでしょ~!?

リンダ言ってたよ…ええと助兵衛さん…これのセリフをお願いします。

心得た…ていっ!!
(BOMB!!)

えーと…「いずみったら、なぜかこの書類一式を机の鍵付きの引き出し…それも厳重に封をして隠してましたぁ!!」
(BOMB!!)

…とな。

こら!!いちいちリンダに変装して言わなくていいです!!てかさっきから何ですか、その変な擬音!!

HAHAHA…ふむ?これはその時の旅費の決算資料じゃな。おやぁ?

どうしました、ご老人。

いやいや…これは変じゃぞ。収支は最終的には帳尻があっとるが、外人娘(リンダ)さんと少年(菊丸)が負担した旅費では全然足らんぞ。

え?あ、ホントだ。ああ、そう言えば…元々日光に行くはずだったんですよ。確か。

ふむ…日光にも忍者テーマパークはあるから、さっき話した東京から伊賀に行く手間暇と比較すれば、そっちの方が自然じゃの。

そういえば、日光から伊賀に変更しても、菊丸くんとリンダは旅費はほとんど変わらなかったなあ…

な、なんで黒猫さん、そこまで詳しいんですか!?

ああ、リンダからの聞き取り情報だよ、うん。

ああ、わかった!!こりゃ、このお嬢ちゃんが負担額を増しとるんじゃ!!

あ、ホントだ…いずみちゃん、どうしてそこまで…?

え、い、いえだからそれは…ほ、ほら、リンダのために思い出作りに協力しようと…

それにしても、いずみちゃんの自腹額が大きいなぁ…日光コースも元々宿泊を見込んでたから、旅程自体はそこまで大きく変わってないんですよね。増えるとしても交通費くらいなのにどうしてだ?

お、お願い、もうその辺で…本編紹介に…

あ~!!そうじゃわしの忍者屋敷の利用料じゃ!!

利用料?…ホントだ。なんでこんなに高いんですか?

実は当忍者屋敷はコースに応じて料金が異なるんじゃ!!

ええっ!?は、初めて知りましたよ。そんなの。

い、いやだから…それは…

よくよく考えてみぃ。部屋の一室を借り切って15分も縄抜けタイムがあるなんておかしいじゃろ。

あ!!そ、そういえば…

普通に屋敷を見学する分にはそこらへんのテーマパークと料金は変わらん。この時は「囚われくノ一、脱出体験コース」だったんじゃ。

そ、そうだったんですか!?

縛りプレイが好評でな…だから嬢ちゃんたちの忍者コスはお色気を強調した特製なんじゃ。

そういえば…変ですもんね。男は普通の忍者装束なのに、女の子の衣装だけ生足ニョッキリでほぼ全て露出してるし。


(原作より)

まぁそういうわけで、ちょっとお高めのコースなんじゃ。

ああ~つまり、いずみちゃんが行きたかったコースにちゃっかり変更したってことですね。

あ~ん…とうとうバレたぁ!!

何分倒錯的な部分が多いコースだけに本来は未成年はお断りでの…どこで知ったんだかこのお嬢ちゃんにせがまれて…まぁわしらの忍者屋敷も運営が厳しいんでな、ついつい…

う~ん、元々忍者屋敷に行きたいとせがんだのはリンダだったのに、それを己の縛られ願望に転用するとは…いずみちゃん、お主も中々の悪よのぅ~

だ、だってぇ…原作で前回縛られたあの余韻が…はっ!!し、しまったぁ!!また余計なことを…

なるほどねぇ…いやいや、正直が一番だよ。

わぁ~ん!!

じゃ、いずみちゃんのヒミツも暴けたっていうところでキリもいいことだし、本編解説は次回で。

結局全然本編に触れとらんのう…やれやれ…

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。でも助兵衛からは黒猫頭巾と呼ばれてる。まぁどっちでも同じ意味だし黒猫仮面よりかはすわりがいいかも。
原作の変な旅程から話を掘り下げてみてたら、いつの間にかテキストがいっぱいになってしまった。いずみが幹事という裏設定を足すだけで、話がもう膨らむ膨らむ。このように想像の余地が多分にある話は非常に書き込みやすいなぁ。

原田いずみ
現役女子高生17歳。自爆体質ここで本領発揮。
肝心の本編にほとんど触れないまま、しかしいずみをちくちくといぢ愛でるという珍しい展開。コスプレ色の強い作品としては掲載順ではこれが最後。

伊賀野助兵衛
名前が不憫な忍者屋敷の管理人。「忍者教室の…」と名乗ってるが具体的な役職は不明。多分雇われで本当の忍者ではない気がする。いや、忍者の末裔だけど、食うために忍者アトラクションで身分を隠して忍者に扮してるのかも(何かそんな設定のゲームキャラいたな)。
忍者の頭領っぽいけど、温故知新というか、節操のない一面があり、変装はハリウッド仕込み。しかも所々アメコミ調だったりする。
ちなみに増刊2号で登場した謎の覆面いずみ(?)には全く関与していない。
公式データ
第50話 危機一髪、忍者修行!!
単行本収録
講談社版 第8巻第3話
フランス書院版 第1集(スクランブル)第2話
英知出版版 第2集(キャッチ編)第19話
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黒猫マスクの情け無用!!第18回

…「黒猫マスクの情け無用!!」、司会の黒猫マスクです。

こんばんわ、アシスタントの原田いずみです!!…黒猫さんどうしたんですか?ちょっとご機嫌斜め?

…い、いや、そんなことないけど…

そうかなぁ…何となくピリピリしてる気がするんですけど…

い、いやあ、ほら試合が近いからね…

そ、そうですかぁ?そんな雰囲気ではないような気がするんだけどなぁ…

逆にいずみちゃんはテンション高くない?

え…べ、別にそんなことないですよぉ…

へっ、どうだか…

何か感じ悪いなぁ、今日の黒猫さん。

…今回は…割と初期のお話だね。

あ~わかったぁ!!

な、何!?

黒猫さんが不機嫌な理由ですよ。大方初期のお話だから色気が足りないとか何とかケチつけようってんでしょ?

…

大丈夫ですよぉ、リミックスリミックス!!加工ひとつで展開丸変わり!!何とでもなりますって!!

それ、いずみちゃんが言うべきセリフじゃないでしょ!!

今回のお話は…ああ「デートでじらせ菊丸のハート」ですねぇ…こりゃ確かに扱いにくいかもなぁ…

だから自分で…

はは、やっといつものノリに戻ってくれましたね。

そ、そうかな?悪いね気遣いさせて…ま、気を取り直して…とりあえずご紹介しましょう。本日のゲスト!!

ども、米沢です。

こんばんわ、米沢くん。

やぁいずみちゃん。

…ふ~ん…お互い反応が薄いね。というか随分親しげじゃん。

だって学校で毎日のように顔を会わせますからね。世間話くらいはしますし。

へーぇ…元彼と世間話ねぇ…

も、も、元彼じゃないですよぉ!!

じゃあ今彼!?

もっと違いますってばぁ!!

うぐっ!!

あ、何か米沢氏に突き刺さったみたい。

と、とにかく!!あらすじ見てくださいよ、米沢くんからラブレターもらって、一回デートしただけ!!

ぐはぁ!!

あ、えぐってるえぐってる…

交際には到ってないですもん、こんなのカウントしちゃだめ!!

げはっ、ぐごはぁ!!

あーあ…傷口に塩塗りこんでとどめ刺しちゃった…どうも二人には温度差があるみたいだねぇ…

え…ええっ!!米沢くん、どうしたの!?抜け殻状態になってるぅ!?

はっはっ…米沢くん、キミも色々辛いねぇ…

お、恐れ入ります…

ん~?黒猫さん、機嫌が劇的に回復してません?

いやいや、いずみちゃんと米沢くんが健全な間柄と分かって安堵しましたよ。うん、やっぱり不純異性交遊はいかんです、はい。

いつの時代のどこの学校の指導教員ですか…岩沢先生みたいなセリフ…

と、ところで…キミがアルバイトしてるって聞いてすごく興味あるんだ。DJやってんだって?

そ、そうね…正確にはアシスタントだけど…この番組で黒猫さんと一緒に原作の振り返りを毎回してるの。

へぇ…今までの内容知らないんだけど、もったいないことしたなぁ…

知られてたら、いずみちゃんはこんな平常心で会えないと思うよ。

は?

こ、こら、黒猫さん!!余計なこと言わない!!

しかしまぁ…振り返るに米沢クン、キミ男前で紳士的な振る舞いの割には、女心が分かってないねぇ…

す、すいません…デートにまでこぎつけたのはいずみちゃんが初めてで…

よーし、それなら今日は特別に「黒猫マスクの女心講座!!」

お、押忍!!お願いします!!

おっ、目が本気だね~それじゃさっそくだけど、当日はどんなコースを廻ったのかな?

ええと…バイクに乗ってツーリング、休憩を兼ねて公園で問題集を解いて、映画館…でもそこでいずみちゃんとはぐれちゃって…

ふむ、では三場面ということだね。

ま、まぁそうなりますね…

ではひとつずつダメ出ししていこう!!

お、押忍!!

まず、いずみちゃんに限れば…バイクにエスコートする様がスマートじゃない!!

な、なんで、わたし限定!?

あ、あの…具体的には?

いきなり連れ出すんじゃなくて、まずはバイクの事前知識を満たしてあげないと…

と言いますと?

うむ、言うが易し、行うは難しだ!!いずみちゃん、そこに用意したバイクに乗ってごらん。運転席側だよ。

ええっ!?でもわたしバイクの免許なんて…

別に運転するわけじゃないよ。イロハを教えるだけ。

はぁ…よいしょっ…こ、こうですか?

そしてエンジンをかける!!
(ドドドドドド…)

(イメージ)

わ、エンジンの駆動が体に伝わってくるぅ…

よーしじゃあアクセルを空ぶかししてみよう!!
(グォングォン…)

あん…す、すごい…振動…

ど、どうしたの?いずみちゃん…ぼーっとしちゃって…具合悪い?

あ、う、ううん…(よ、米沢くんにばれたら大変…)

というわけでまずバイクにエスコートするなら、自分の車体をしっかり満喫させてあげるんだ!!

な、なるほど…

ただし、いずみちゃん限定ね。

はい(書き書き…)。

や、やだ…米沢くんたらメモなんかとらなくても…

いずみちゃんもタンデムするなら、ちゃんと工夫しないとダメだよ。

く、工夫?

ミニスカはいいけど、ちょっとタイト気味なのはいただけないなぁ…裾がはためきやすいものにしないと…スカートの中に風が来ないよ。

(イメージ)

きゃあ!!

いずみちゃんはメモ取らなくていいのかい?

い、いりません!!

うーん、勉強熱心だね米沢クンは…

ありがとうございます。

さて、原作ならここで公園なんだけど…ま、ちょっと順番変えて映画館から先に攻略しましょう。リミックスだしね♥

はぁ…

ということで、映画館で映画鑑賞!!スタジオも雰囲気出すために照明落としますね。
(フッ…)

米沢くんは、女子大生㊙絵日記なんてポルノの上映予告を見て、なぜか上四方がためを連想してるよね。

(原作より)

いやぁ、はっはっはっ…恐れ入ります。

その過程が全く理解できん。後から入れ替わった菊丸くんは、暗がりを利用して太ももタッチという暴挙に出てるというのに…

す、すいません…女の子をどう扱えばいいかわからなくて…

映画に夢中にさせておいて、その隙を突くんだよ。こんな感じで。

え…きゃあ!!パ、パンティがいつの間にか…

(イメージ)

ん~もちもちしたこの触感…

こ、こらぁ!!黒猫さん!!、そ、そんなとこ触っちゃだめぇ!!

んふふ~暗がりだからどこ触ってるのかわからないもん、具体的に言ってよ~

そ、そんなの言えませぇん!!

いずみちゃん、黒猫さんは暗がりでどこを触ってるかわかってないみたいだから、ここははっきり言った方がいいと思うんだ。

そ、そうじゃなくて…も、もう…米沢くんたらどこまでど天然なのよぉ~!?

さてさて、じゃあ映画鑑賞と参りましょうかね。タイトルは…「黒猫印の㊙女子高生堕天の日々!!」



(1時間後)

…

…(赤面)

いやぁはっはっ!!いい映画だったねぇ。「黒猫印の㊙女子高生堕天の日々!!」

す、すごい…あ、あんな女子高生実在するんですか?

するよ。ドキュメンタリー映画だからね。監督、脚本、編集はわたし黒猫マスクです。

な、なんて大胆な女の子なんだ…同性としてどう思う?いずみちゃん…

(ひそひそ…)こらっ!!黒猫さん!!あ、あれ…映像では顔にモザイクかかってたけど…アレ全部わたしじゃないですか!!あんな恥ずかしいカットばかりまとめて…

でも米沢はわかってないみたいだよ。カミングアウトしてみる?

で、で、できるわけないでしょ!?

さてさて、順番こそ入れ替わったけど、公園でラストシーンです。あちらのベンチに移動してね。

…それにしても、何でわざわざ順番入れ替えたんですか?

そりゃ映画見終えてからのほうが手間が省けるからね。

手間?

映画館でもうパンティ下ろしたでしょ?ほら、現物はここに…

あ…(さわさわ)…そ、そういえば…わ、忘れてたぁ!!やぁん、か、返してくださいよぉ!!わ、わたしノーパンじゃないですかぁ!!

どうしたの?いずみちゃん。

なななな、何でもないよ!!

じゃあベンチに座って…あとはお二人のフリートークで。

(あ…や、やぁ~ん…ベ、ベンチの板目のボコボコが…おしりに伝わるぅ!!)

どうしたの?顔赤いけど…具合悪い?

う、ううん…

しかしまぁあの映画には本当にびっくりしたよねぇ…

そ、そうね…

いずみちゃんはどう思う?映画の女の子、黒猫さんは実在するって言ってたけど…

ど、どうかなぁ…

いずみちゃんに少し似てる気もしたけど…

(ぎっくぅっ!!)

いや、別人だよね、髪型も違うし…

(あ、そ、そうか!!米沢くんはわたしが髪型を変える前のキャラだから、後期のわたしをしらないんだ!!だったら、何とか乗り切れるかも!?)そ、そうね…アレハワタシジャナイデスヨ…

な、何か片言になってるけど…そりゃそうだよね。うん、よかった、いずみちゃんじゃなくて…

よ、米沢くんはあの映像の子をどう思う…?

そ、そりゃ体はすごくきれいだと思ったけど…ぼくは女の子いじめる趣味はないし…

そう…でもね、米沢くん…人には趣味嗜好が色々あるのよ。

え…?い、いやだからぼくには女の子を弄る趣味は…

そうじゃなくて…彼女が望んでるかもしれないでしょ?

まさかぁ…

縄が食い込むあの感触、人前でおしりを晒す羞恥心、無心で腰を振る開放感…

い、いずみちゃん?

そっちの道に目覚めたらもう引き返せないのよ…

ま、まさか…あの映像…

ややや、やだなぁ!!わたしじゃないわよぉ~

そ、そうだよね、うん…そうだ…

(パン!!)はーい、フリートークはここまで!!どうかな?米沢くん。勉強なんて味気ないトークではなく、女の子をリードするには、時にこれくらい大胆にならなきゃいかんよ。

(はっ!!)

お、押忍!!あ、ありがとうございました!!早速実践します!!

よし、まずはそこら辺の通行人から試してみ給え。行きずりの他人を強引に口説ければ、免許皆伝だ!!

押忍!!

まずは格闘家としての心得を活かし、「野試合」で存分に暴れてみるといい。

押忍!!

そして格闘家として相応しい称号「千人斬り」を目指すんだ!!

せ、千人斬り…なんてすばらしい称号だ…押忍!!がんばります!!

行けぇい!!米沢くん!!キミの未来は明るいぞ!!

はいっ!!失礼します!!

…く、黒猫さん…ありがとうございました…

何が?

…わたしがつい口を滑らせそうになったの止めてくれたでしょ?

さぁね…いやぁ爽やかな好青年だったねぇ、いずみちゃん。

聞き流さないでくださいよぉ…それにしても、米沢くんを「野試合」だの「千人斬り」だのって焚きつけて、何を企んでるんですか?

別に~

あ~わかった!!あんな風に煽っておいて、彼を警察沙汰に巻き込ませようとしてるんだ!!

その辺はまぁ…ご想像にお任せしますよ。あ~千春ちゃんと組み合わせても面白いかもねぇ~天然×天然の凄まじい結果が生じるかもねぇ…

まったくもぅ…それにしても、なんでそんなに黒猫さんたら米沢くんを敵視してんだろ…

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。
妙に米沢を敵視しているが、彼が天然と分かってからは、あしらい方のコツを得たのか、うまくコントロールし、結局は優勢を保っている。なんで敵視してるのかは不明。

原田いずみ
現役女子高生の17歳。原作ではこの時は16歳。ラブレターを菊丸に見せびらかすなど案外デリカシーのない行動に出ている。
初期の初期の話であることからお色気面での見せ場は少ないが、菊丸に太ももを触られて「感じちゃう」は中々の名言。
本音を言えば、米沢のような紳士的な男が無難なのだろうが、物足りなさを感じているのも事実。本命は別にいるらしい。

米沢
いずみたちと同じ学校に通う男子生徒。爽やかな外見、バイク運転もこなす男前キャラに反し、柔道部所属という暑苦しい一面も。
いずみと課題のやりとりをしているから、クラスは不明だが少なくとも同学年の可能性が高い。
そして作中屈指の「変」な人間で独特の価値観をしばしば垣間見せる、不思議な人物。
要は天然系男子。老人だとか、弱視とかいうフィルタを通さない男性の天然はかなり珍しい。
原作の髪型変更前のいずみしか知らないため、本性全開の後期版のいずみは別人と認識している。
この設定は思いつきだけど、色々応用できそうで、面白そうだなぁ…
「野試合」に挑んだ結果は不明だが、良い子は(悪い子も)マネしちゃダメ、絶対。
公式データ
第4話 デートでじらせ菊丸のハート
単行本収録
講談社版 第1巻第4話
フランス書院版 第5集(センセーション)第9話
英知出版版 第1集(ハート編)第4話
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