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ハートキャッチいずみちゃんファンブログ

名作「ハートキャッチいずみちゃん」を中心とした遠山光先生の作品を扱うブログです。

胸キュン刑事第10回(第14、15話)

時の中に眠る少女
月光は死のテーマ

【あらすじ】
音大生、藤崎明子が自宅マンションで何者かに殺害された。
部屋は目茶苦茶に荒らされているが、持ち去られたのはガラスケースに入った何かだけらしい。このケース、ものすごく目立つところにあるのだが、これが目的ならなんで部屋を荒らしたのか?わざと部屋を荒らして混乱を図ったとも考えられるかもしれないが、無能な音羽署の面々ですら即座に目的がこの中の品だったことに気付いており、全然擬装の呈をなしていない。よくわからない犯人ではある。
両親を3年前に亡くし、多額の資産を受け継いでいた被害者は、骨董品も所持しており、その中でも時価3,000万円は下らないと言われた伝説のオルゴール、「時の中に眠る少女」が、殺人犯に盗まれていた。
伝説のオルゴールと言われるだけあって、誰もその姿形を知る者はいないらしい。
だったら何で3,000万円などという価値がつけられるのだろう…姿形が分からないのに
だったら何で鑑定書があるんだろう…誰も見たことないのに
ともかく件のオルゴール探しを中心に捜査するくるみをはじめとする音羽署の面々。
聞き込みをするも大した情報は得られない。そんなあやふやなことを聞いて回っても、当たり前の反応ともいえるが。
それでもどうにか流れる楽曲がベートーベンの月光だということだけは把握したくるみたち。
捜査本部に戻ったくるみは、不用意にドアを開けた丸山課長に突き飛ばされ、転倒。
丸山課長といっしょにいた中年男性が目のやり場に困ることを告げるので、くるみがその視線を追うと一同の前でパンティを晒すという醜態をおかしていたことが発覚。
くるみは慌てて取り繕いながらも、彼が被害者が通う音大の教授、柳沢牧彦教授と知る。
丸山課長と見比べ、柳沢の紳士然とした振る舞いに少し感心し、握手を交わすくるみ。その時胸キュンが反応したので、柳沢が立ち去った後、課長に怪しい点があったのかと問いただすが、課長の調べではオルゴールのことなど知らないと供述したため、早々に捜査対象から外したらしい。
そんな適当捜査に納得しないくるみは、教授の演奏会のファンだと珍しく堂々と素顔で柳沢の自宅に乗り込む。
驚くほど広大な屋敷に案内され、また客間に陳列された数々の骨董品コレクションに圧倒されるくるみ。
このコレクションの中に目当ての「時の中に眠る少女が」あるかもしれないと考えたくるみ。少々思考が短絡的な気もするが、まずは客間から柳沢を追い出そうと一計を案じ、わざと出された紅茶の入ったカップを落とす。
このカップもアンティークのひとつだったため、狼狽する柳沢。そんな彼を尻目にくるみはその場で濡れたままは気持ち悪いからと服を脱ぎ始め、それを見せられた柳沢は紳士としての態度を崩せず、着替えを取ってくると客間を立ち去る。
痴女のような振る舞いで強引に柳沢を追い払ったくるみは、さっそく物色捜索を開始。オルゴールはいくつもあったが、流れる曲はどれも月光ではない。
もはや「月光の流れるオルゴール=時の中に眠る少女」と論点がずれ始める中、文字盤の蓋がある妙な箱をみつけたくるみ。だが曲が流れないので判断を保留し、続いて眠った少女の小さな人形を見つける。よく調べると人形は機械仕掛けで、ゼンマイを巻いてみると機械は正常に稼動しているが、何も変化は起こらない。
そこで
 時の中に眠る少女
 ↓
 文字盤≒時計っぽい≒時
 ↓
 さっきの文字盤≒時計の文字盤
 ↓
 ハッピィ
と、とっても見事な推理を展開し、文字盤に中央に人形をセットすると、人形の目が開眼し(けっこう怖い)、回転しながら月光を奏でだした。
なんか…大したカラクリにも見えないのだが…3,000万円もするからには、きっと計り知れない価値があるんだろう、多分。
というか、このオルゴールは月光を奏でるオルゴールではあるが、「時の中で眠る少女」という確証は実はない
だって、時(文字盤)の中(中心)で少女が起きてんだもん、これ。
そもそも誰もその姿形を知らないんだから、立証のしようがない。
それでも、やっと月光を見つけたと喜ぶくるみ。だが、それもつかの間。背後には柳沢がいつの間にか戻ってきていた。手には骨董品であるが真剣を持っている。結果オーライだが、一応「時の中で眠る少女」だったようだ。
藤崎明子のように死にたいかと案に殺害を仄めかす柳沢に、くるみがまるであらすじのような説明口調の啖呵を切る。
柳沢は「時の中に眠る少女」は自分が所有するのがふさわしく、その貴重なオルゴールを譲らないことが許せなかったと殺害の動機を語る。
くるみは異常だと柳沢を断罪し、音羽署に連絡しようとするが、結局剣の脅しに怯み、身動きが取れなくなる。相変わらず弱い。合気道三段のくせに。
だが、隙を突いて水差しで柳沢を殴打。逃げ出そうとしたが、あっさり捕らえられ「命だけは助けようと思ったが…」とくるみを壁に叩きつけ、失神させる。
くるみが目覚めると、椅子に縛り付けられていた。そして、目線の先では柳沢が冷蔵庫ほどもある大きな金庫を開けて、中から拳銃を取り出している。
柳沢はにこやかに拳銃を突きつける。身動きが取れないくるみは流石に観念したが、実は拳銃型のライターに過ぎず、柳沢がくるみの反応を見るためにからかっただけだった。
安堵したのもつかの間、今度は部屋に漂う異臭に気付き、それがガスだと察する。
拳銃型ライターを固定し、そのトリガーは紐で結う。反対には「時の中に眠る少女」に巻きつけられていた。
オルゴールが動くと徐々に紐が巻き取られ、トリガーが引かれて充満したガスに引火させるカラクリになっている。
くるみを事故死に見せかけるため、また柳沢が逃亡する時間稼ぎのためにこのような手段にしたらしい。
他人の家で椅子に括りつけて爆死した女性死体(しかも同僚)を事故とは、いくら無能な音羽署の連中も判断しないとは思うが。
殺人まで犯して手に入れた「時の中に眠る少女」、果ては屋敷を易々と手放すあたり、柳沢の覚悟の程が伺える。
高笑いと共に柳沢が去り、くるみはガスが満ちた部屋に取り残された。
まずは括られたロープをなんとかしなければとくるみは考え、柳沢を殴った時に割れた水差しの破片で切断を試みる。
椅子ごとむりやり移動し、何とかロープを切り離したくるみだったが、予想外に時間がかかり、屋敷から逃げ出す余裕などない。
ガスで朦朧とする意識の中、くるみは最後の力を振り絞る。
直後にガスが引火し、屋敷は大爆発。
予想した時間どおりに爆発し、周囲が大騒ぎになったのを見届け、柳沢は悠々と現場を立ち去る。
全っ然逃走時間稼いでないが、事故死を狙ったものなので、彼には些細なことなのだろう。
出国のため、空港に現われた柳沢。
航空券を手に1年程海外で暮らし、帰国したらコンサートでも開こうと余裕綽々だったが、背後からくるみに取り押さえられる。
軽傷を負ってはいるものの、くるみの無事な姿に驚愕する柳沢。
藤沢明子殺害容疑による逮捕を告げられると、往生際の悪い柳沢はとぼけるが「時の中に眠る少女」を突きつけられ、遂に観念する。
なぜ、柳沢の思惑どおりにならなかったのか?
それは、ガス爆発直前に柳沢が開きっぱなしにしていた金庫にくるみが「時の中に眠る少女」と一緒に飛び込み、自身と証拠を守ったからだった。
だが「時の中に眠る少女」は、柳沢が仕掛けた爆発装置の一部に使われていた。
「時の中に眠る少女」が無事なら、爆発はなかったはずである。
屋敷の爆発した状況から、柳沢がセットした状態のままでは、「時の中に眠る少女」もこっぱみじんになっていると考えるのが自然である。
つまり、現状は
くるみ=無事、「少女」=確保、屋敷=爆発である。
一方可能性としては次の可能性が挙げられる。
1.「時の中に眠る少女」のカラクリを無事に解除
くるみ=無事、「少女」=確保、屋敷=無傷

2.くるみの生命確保が第一「時の中に眠る少女」が消失
くるみ=無事、「少女」=消失、屋敷=爆発

3.なんとかカラクリを解除しようと試みるも失敗
くるみ=死亡、「少女」=消失、屋敷=爆発
どれを選んでもかつてないほど話が破綻している。
しかし、読者の想像力パワーでカバーできる余地はある。
きっと
4.「時の中に眠る少女」を確保した後、何かのきっかけで引火すると懸念し、金庫に逃げ込んだ

5.まずはくるみのみで金庫に逃げ込み、消失した「時の中に眠る少女」のレプリカを急ぎ作成し、柳沢にハッタリをかました

のどちらかであろう。
ただ、いずれにしても誰も知らない「時の中に眠る少女」を突きつけられても、柳沢はとぼければよかったはず。
よほどくるみの生還に動揺したのだろう。
落胆する柳沢を引き立てる場面で事件は終幕したのだった。

01-10-1 Blog

【今回の犯人】
柳沢牧彦
露見前
01-10-2 Blog
露見後
01-10-3 Blog
【罪状】
殺人

【レビューという名のツッコミ】
「時の中に眠る少女」。矛盾要素を大量に設定されたこのアイテムが事件的にも、構成的にもこれが全ての元凶です。
実際レビュー記事を書いている途中で、数多くの矛盾に気付いてしまい、どうすればいいんでしょうということで、無理やり仮設を並べ立てました。
まあそれはそれで面白かったんですが。
柳沢の顔芸は作中随一の変形率です。
それにしても彼はくるみの命だけは助けようと考えていたようですが、どんな手段を講じようとしていたんでしょうか。そっちの方が気になるお話でした。
ちなみに、ちょっと調べてみましたが、月光は世に出たのは1800年ごろ。当たり前ですが、オルゴールのために月光をベートーベンが作ったわけではないし、作中のオルゴール(技術的に作れるかどうかは別問題として)が、1900年ごろに登場したディスクタイプとすると、せいぜい100年程度の代物です。それなりに価値はあるでしょうが、どう考えても伝説、幻などと呼ばれるほどの歴史的価値はなさそうです。
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