黒猫マスクの情け無用!!第21回【後編】

こんばんわ、「黒猫マスクの情け無用!!」。今回は舞台形式でお送りします。ナレーションはわたくし、司会の黒猫マスク。そして主演のお二人です。お名前と役柄をお願いいたします。

こ、こんばんわ、原田いずみです。普段は「情け無用!!」のアシスタントですが、今回は本人役です…

こんばんわ。森尾尚美です。今回は男装役で明智菊丸くんを演じます。どこまで脚本を再現できるか分かりませんが、精一杯務めさせていただきます。

では、お待たせいたしました、開幕でーす!!
(ブ~)

…これより舞台「おもち騒動!!あのお供えができるまで」を始めます。出演…原田いずみ、原田いずみ本人、明智菊丸、森尾尚美。ナレーション、脚本、総合演出…黒猫マスク。

年の瀬の温泉宿に宿泊しているいずみ、千春、菊丸の三人は宴会場で途方に暮れていた。菊丸が宴会場から持ち出したお餅を三人が食べたのだが、実は旅館が宴会場に供える鏡餅のひとつだった。餅がないことに気づいた旅館関係者が大騒ぎしているのを知り、なんとか取り繕わなければと思案する三人。千春はとりあえず食べ残したお餅の残骸を隠すため、部屋に引き上げ、残ったのはいずみと菊丸の二人…

もう、なんでこんなトラブルに…

文句を言う前に考えてよ。いずみちゃんだって食べたって意味じゃ共犯なんだよ!!

人のせいにしないでよ!!大体菊丸くんがあのお餅を何の疑問も抱かないまま部屋に持ってきたのが悪いんだからね!!

あ~カチンときちゃうなぁその言い草。

な、何よ!?

確かにお餅を持ち込んだのはぼくだよ、その時点で罪の10のうち、3くらいは認める。だけどさぁ…残りの6は三人で分配しないと…

ぶ、分配!?

ぼくが思うに…僕が1、千春ちゃんが1、いずみちゃんは5くらいかなって思うんだけど…

な、何よ、その割り当て!?

ん~だからさぁ…量に比例して。

(ぎくぅっ!!)なななな、何のこと!?

わかってるでしょ?お餅を食べた量だよ。いずみちゃん、一番がっついてたよね。

そ、そんなこと…

いずみちゃんのそのお腹の中には消化中のおもちがぎっしり…

こ、こらぁ!!お腹を指でつつかないでぇ!!うぷっ…

ね~?お餅を持ち出したぼくの罪はそれなりに重いけど、いずみちゃんだってその責任は軽からずってやつだよ。

う…

ま、とにかくこの場をどう凌ぐか考えて最善を尽くしてくれればいいんだからさ…

そ、そうねぇ…

確実なのは本物のお餅を用意することだけど…

あ、あの大きさを短時間で準備するなんて無理でしょ。千春が隠しに行った、あの残ったお餅を溶かし合わせて形を整えたら…

いやいや、無理でしょ、それじゃせいぜいこのくらいしかならない…
(ぽよん)

こらぁ!!む、胸をつつくなぁ!!

(イメージ)

番頭さんたちはお餅を宴会場に飾るって言ってたから、極論言えば本物じゃなくてもいいんだよね。せめて時間稼ぎができれば…

そ、そうねぇ…そうだ、調理室から白いボウルを借りてきて伏せて置くとか…

そんなの変でしょ。まぁ大きさはともかく、プラスチックの光沢であからさまに不自然だよ。

そ、そうか…

でも白くてドーム状のものって意味ではそれくらいの大きさなんだろうね。あと必要な要素はなんだろうなぁ…

手触り…かなぁ…だって食べることはないにしても、触る可能性はあるかもしれないし…

ああ、そうだね。つきたてのお餅だからほどほどの硬さで、でも弾力も必要だね。

う~ん…

弾力…あの弾力…

どうかしたの?弾力弾力って…

いやぁ、あのほどほどの弾力、なんか覚えがあるんだよね…それもごく身近に…

そうなの?色形はともかく、参考になるかもしれないから思い出してよ。それで代わりになるなら、準備手伝うから…

そうだねぇ…あ!!思い出した。

何?何だったの?

いやぁ、ついさっき触れたこれでした。
(ぶにゅ)

いずみちゃんのおっぱい♥

や、やぁ~ん!!そ、そんなものがお餅になるわけないじゃなぁい!!

いやいや、案外色つやに関しては、結構…
(ガバァ!!)

(イメージ)

あっ…な、何すんのよぉ!!

ほら、この程よい弾力、そして見事な白みと肌理細やかさ…まさにもち肌!!
(ふにふに…)

あぅ…そ、そんな揉まれたら…

ありゃりゃ、先っちょがピンとしちゃって…

んぁ…そ、それは菊丸くんが揉んで引っ張るから…あん…そ、それに…こんなのついてるお餅なんかないよぉ…

いやいや大丈夫だよ、いずみちゃん!!ほら、ぼくのおじいちゃんを騙したじゃないか!!ひとみちゃんと一緒にさ。

(証拠)

あ…あれは、寝てるわたしたちをの胸を使ってあんたが勝手にお供えにしただけでしょお!!

まぁまぁ…とにかく通じるってことは納得できたでしょ?

あ、あれは暗がりだったし…そ、そうだ、大きさ!!あのおもちの大きさは胸での再現は無理よ!!

う、うう~ん…そう言われると…確かに…いやいや待てよ!!

ちょ、ちょっと待ってよ、何、その目つき…ま、まさか!?

いずみちゃん…お、おしりならどうかな?こうやって…屈伸した格好でさぁ…下からにゅんって…その上に使ってない方のお餅を乗せれば…

(イメージ)

ああ~ん!!やっぱりぃ!!そ、そんなことできるわけないでしょ!!

いやいや、無理かどうかは試してみてから結論付けるべきだよ!!

そ、そういう意味じゃなくて…大勢の人の前で、ま、まんぐり返しでおしりを露出して…お餅に成りすますなんて…そんな…ごくっ…

いずみちゃん…何気にエライ単語口にしてるよ?…ぐふ、案外興味あるんじゃない?

そ、そんなわけ…ない…

だって耳まで真っ赤になってるじゃん。

そ、それは…あんたがさっきから胸を揉み続けるから…んんっ…い、いい加減にしなさいよぉ…

そうだね、こんなことしてる場合じゃない。すぐに準備にかからないと…まずは、いずみちゃんの本体を隠す台座が必要だよね…

そ、そういう意味じゃなーい!!わ、わたし、お餅役やるなんて言ってないわよぉ!!

舞台袖に…おおっ?いずみちゃん、これ、どうかな?

人の話聞きなさいよぉ!!…って何これ?天板に穴が開いたテーブル?何に使うんだろ?

…ここ宴会場でしょ?きっと余興に呼ばれたマジシャンが使う小道具だよ。ステッキやトランプもあるし…

…な、なるほど。

よし、いずみちゃん、この穴におしりを通すんだ!!穴の大きさもちょうどよさげだ!!テーブルの四方をぐるりと幕で覆えば本体も隠せるでしょ?

だ、だから…わたしはやらないってばぁ!!

…どうしても?

あ、当たり前でしょ!!

いずみちゃんのおしりなら…白くて丸くてボリュームがあってぴったりだと思うんだよね…

…そ、そう言ってくれるのはうれしいけど…

自慢のおしりをさぁ…お披露目する機会なんてそうそうないよぉ~?

ひ、人を露出狂の変態みたいに言うなぁ…そ、そうだ、そっちにだって原因あるんだから、菊丸くんがやりなさいよぉ…

え?ぼく?うんわかった。

え?き、菊丸くんい、いやその…わたしは本気でやれって意味で言ったんじゃ…
(ずるるっ、ずぽぉっ!!)

や、やだぁ!!菊丸くんのおしりなんて見たくないわよぉ!!うぷっ…

どうしたの?

な、なんか異臭が…も、もぉ!!少なくとも菊丸くんのおしりがおもちに適さないのだけはわかったからぁ、そ、それしまってよぉ!!

まったく…自分はおしりを出さないくせに、人が出すと文句言うんだから…

お、おしりを使ってごまかすって前提やめてよ!!

でもぼくのおしりより、いずみちゃんの方が適してるのだけは確かっぽいでしょ?

そ、それは…

まだ渋るの?しかたないなぁ…じゃあ最後の手段…ぼくもいずみちゃんもおしりを使わずに済む方法をとるか…

そ、そんなのがあるなら早く言ってよぉ!!で、どうするの?

簡単だよ、千春ちゃんに頼むの。

…え?

千春ちゃんならぼくの頼みを聞き入れてくれそうじゃない?結構素直だしさ。

い、いやあの…

そろそろ帰ってくるんじゃないかな?千春ちゃーん!!

ちちち、千春を巻き込んじゃダメでしょ!!そもそも千春は菊丸くんみたいにお餅を持ち出したりしてないし…

だって、いずみちゃんみたいに餅をかっ食らったりしてないしねぇ…それじゃどうすんのよ?

…が…

ん~?

わっわたしが責任取りますぅ!!

なるほど!!さすがいずみちゃん!!これで事態は無事解決だぁ!!こうなったら善は急げだ!!じゃあいずみちゃん、さっそく準備にかかるよ!!

…や、やっぱりなんか納得いかなぁい!!

ささ、いずみちゃん、おしりをこの板の穴から出して!!

~!!
(にゅん♥)

おお~これだよ!!このボリューム!!これを待ってたんだ!!

あん…

いずみちゃん、気を緩めちゃダメ!!股も緩んで見えちゃってるよ!!ほらっ!!

(イメージ)

や、やだぁ!!どこに指つっこんでんのよぉ!!(きゅっ)

おほっ指が締めつけられてる…そうそう、あ、あまり力んでも強張って形も崩れるからダメだよ…

ああ~ん、む、難しいよぉ…

いずみちゃん、じゃあ上のお餅乗せるからね。

う、うん…

よっと…後ろの穴はこれでこっちは自然と隠れるから、これでよし…完成!!

(原作より完成図)

う、後ろの穴って…ああ~ん!!そっち…み、見えてたのぉ!?

まぁまぁ隠れたからいいじゃない。

は、恥ずかしい…

こらこら、お餅が赤らんできてるよ!!紅餅はいらないいらない!!

だ、だってぇ…

これから大勢の人に見られるんだから、これくらいでコーフンしちゃダメ!!

だ、だれが興奮なんか(平常心、平常心…)…

よもや女子高生が台座の下から露出したおしりだなんて誰も思わないんだから♥

こ、こらぁ!!頑張って平常心保とうとしてるんだから、あ、煽らないでぇ!!はぁはぁ…
(パッカーン💛)

わ~!!いずみちゃん、緩んでくぱぁって開いてるぅ!!気を緩めちゃだめだって!!落ち着いてってばぁ!!

わぁ~ん!!こ、このシチュエーションで興奮するなってほうが…無理よぉ!!

千春が合流するまでにこの「ちょっとした」騒動があったのは、二人きりの秘密なのだった。

黒猫マスク
正体不明の覆面女子プロレスラー。今回は舞台監督兼脚本家も務めたマルチな才能の人なので、出番はほとんどなし。本人曰く「プロレスってのはブック(試合を演出する筋書)があるから、この程度の本は簡単に書ける」とのこと。
内容の再現度については、いずみ曰く「なぜ二人きりのやり取りを黒猫さんが把握できたのかわからないが、再現はほぼ完璧だった」とのこと。当事者の菊丸に充分な取材をした結果なのだろう。多分。

原田いずみ
現役女子高生17歳。深層心理では露出願望強し。実は菊丸が穴から露出した際は、つまりモロにアレを見てしまっていたりする。もちろん顔を手で覆いながら指の隙間からガン見してました。

森尾尚美
今回は明智菊丸を演じる森尾尚美に徹していただきました。だから、菊丸が脱いでもそれは尚美が脱ぐことになり、読者的にはウハウハな状況でもあったりする。でもさすがにいずみの紹介文に書いた穴からナニを露出したくだりは物理的に無理なので、黒猫によって書き直され変更されている。いずみが語った「ほぼ完璧な再現」のわずかに再現できてないところはその辺。
公式データ
第16話 主役は菊丸だ!!
単行本収録
講談社版 第3巻第1話
フランス書院版 第3集(ジャストミート)第4話
英知出版版 第1集(ハート編)第1話
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