春爛漫・創作ストーリー
団子より花!?

まったくぅ…菊丸くんたら、いつ戻ってくるのよぉ!!
文句を言いながらいずみは誰もいない教室でひとり掃除をしている。
クラスメイトはみな下校。菊丸と掃除当番となっていたが、それでもこの掃除さえ終われば、いつもよりはずっと早く帰れる。

(せっかくのお花見日和だっていうのに…)
春の暖かい日差しと窓の外で咲き乱れる桜がいずみの鬱屈した気分をわずかながら和らげていた。
教室のすべての机は前に寄せられていて、後ろに大きなスペースができている。

もう…知らないっ
いずみは一つ椅子を引き寄せると、その空間の中央で窓側を向いて陣取った。続いて自分のカバンから取り出したのは三色団子だった。

せっかく今日調理実習で作ったのにぃ…
食べさせたい相手が戻ってこないことへの腹立ちと自身の空腹を紛らわすため、その団子を一本、二本と頬張り、三本目に差し掛かった時、表情がトロンとしてきた。

ん…
団子を手にしたままいずみの動きが徐々に鈍り始めた…

いずみちゃーん、ごめんごめん遅くなって…桂木先生のお説教が長引いちゃってさぁ…
いずみが待ち焦がれていた菊丸が教室にようやく戻ってきた。教室の中央にイスが一脚、いずみは菊丸に背を向けて座ったまま反応しない。

いずみちゃ…
いずみの側に回り込み、声をかけかけて菊丸は言葉を飲み込んだ。

…
そこに夕日を浴びていずみが寝入っている。
開け放たれた窓から舞い込んだ桜の花びらも加わり、幻想的な光景になっていた。
いずみは背もたれに体を預けて心地よさそうに寝息を立てている。

(まさか寝たふりじゃないよな…)
警戒した菊丸が顔を覗き込むがいずみは寝息以外、反応を示さない。口元からの垂涎を見つけ、菊丸はいずみが本当に熟睡していると確信した。
さらに右手に握られたままの団子と数本の串を見つけ、睡魔に襲われた原因を察した。

(ははぁ…空腹が満たされたのもあるんだな…)
菊丸はいずみの純白のブラウスが新緑色のミニスカートの裾から出ているのに気づいた。掃除するうちに少し衣服が乱れたらしい

(ということは…)
いずみの正面に屈み込むと下からそっとボタンをはずし始めた。やがて首下の一つを残し外し終わると、裾に入ってないブラウスはあっさり左右に開き、いずみの肌を露出させた。
菊丸にとっては幸いなことに、いずみにとっては不幸なことにいずみのブラはフロントホックだった。


(ラッキー♪)
右手で軽く触れただけでホックは外れ、たわわなおっぱいが露わになった。

絶景絶景!!桜の季節にいずみちゃんのおっぱいさくらんぼ!!

外気に不意に触れたせいか、乳首は硬く締まっている。
菊丸はいずみの寝顔を窺いながら、そっと両乳首を指に挟んだ。

んあ…
いずみが甘い喘ぎを漏らす。だが起きる気配はない。
花びらの舞う空間に現れたいずみの乳首は、確かにさくらんぼと呼んでも違和感のないものだった。

(ぐふふ~いずみちゃんったらいい声💛)
いずみが軽いのけぞりと悶えを繰り返すうち、やがて少しずついずみの体勢に変化が現れた。

(んんっ!?)
いずみはイスに腰かけたまま、足を左右に広げ始めた。

(こ、こりはぁ…?)
短いスカートが太ももの動きにつられて大きく裾を広げる。

おほほぉ!!これは…さすがいずみちゃん!!パンティも春色ですぞ!!

奥から現れたのは、桜のレースが施されたパンティだった。淡いピンクのそのパンティはいずみのおしりを包み隠し、そのおしりの白さ故にピンクがより映えるという相乗効果を生んでいた。

いやいや、これは素敵なお花見大会!!しかし、これはパンティというよりもはや着物と言っていいほど渋い柄!!
緻密に織り成されたパンティを菊丸は存分に堪能する。ふと彼は、パンティが腰に続くにつれ、生地の色合いが微妙に変化していることに気が付いた。

むむ、さらにこれは…
パンティの淡いピンクは徐々に白んでいき、次いで僅かに緑がかっている。

ひょっとして…
菊丸はスカートをつまむと軽く持ち上げた。そして予想どおり、パンティは紐パンだった。

やったぁ!!これは大チャンス!!いずみちゃんの…いずみちゃんの…大切な部分でお花見できちゃうかも!?
つまみ上げたスカートをそっと元に戻し、続けて菊丸はそっと両手をスカートの中に突っ込むといずみの腰で結わえられているパンティの紐をつまんだ。
そろそろと引っ張ると、紐はあっさり解け、生地が崩れ、前の部分がスカートの奥からはみ出て垂れ下がる。


はぁはぁ…
菊丸は緊張と興奮を抑えられない。

こ、このスカートをほんの少し広げるか、めくり上げるだけでいずみちゃんお花見が…
だがそれゆえに慎重になり、また楽しみは最後まで残しておきたい…そう考えた菊丸はできることから着手した。
まずブラを元に戻し、次いでブラウスもボタンを留め直した。こうすることで万一いずみが目覚めてもすぐに菊丸のイタズラが発覚しないようにしなければならない。
次に菊丸は戦利品を求めた。スカートからはみ出ている解けた紐パン…
もし、菊丸の悪事がばれても、場合によってはこのパンティを手中に収めておくことで人質のような扱いが可能になる。
菊丸の両手がそっといずみの太ももに添えられた。こうすることで足を閉じられないようストッパーの役目をさせる。
両手が使えないので、垂れ下がったパンティを口に咥える…

スカートはギリギリの部分でいずみの股間を覆い隠している。今すぐにでもめくり上げたい衝動を菊丸は抑える。

(これまでの経験上…がっついて目標に向かっても大抵失敗するからね…)
咥えたパンティを少しずつ引くと生地がピンと張ってきた。
菊丸は上目遣いでその伸びた生地の直線が描く角度を計算する。
(パンティは一気に手繰り寄せて抜き取る…でも、解けたとはいえ、いずみちゃんのおしりの下にパンティが残ってる以上おしりとパンティの接地面が擦れるのは避けられない…ならばできるだけその衝撃を軽くしないといずみちゃんが起きちゃう…)
首を上下に動かし、一番いずみへの負荷が軽そうな角度を定めた菊丸は、意を決してパンティを引く力を強め、間合いをとりだした。

ふぁん…ふぃい…ふぃひ…むん!!
一気にパンティを手繰り寄せると、シュルンという軽い衣擦れの音とともにパンティが菊丸の口に残った。


(やったぁ!!)

だ…だめぇ…菊丸くぅん…
だがその喜びもつかの間、いずみが反応したため菊丸は一気に身構えた。

(ぐっ…し、失敗かぁ!?)

そんな…そろばん…クセになっちゃうよぉっ…あ💛ああ💛

僅かにだが、いずみは自ら腰を前後に動かし悶えている…

(…ど、どうやら寝ぼけただけみたい…)

ん…
やがていずみは再び眠り込んだらしく、腰の動きも静まりなって寝息をまた立て始めた。

こ、これで残る障壁はスカートのみ…あの奥に…いずみちゃんの無垢なる花びらが…
菊丸は足を左右に広げたいずみの正面に再び跪いた。緊張の面持ちでスカートの裾をつまむ…いずみは何の抵抗も示さない。狸寝入りでなく、本当に熟睡しているようなので、起きる気遣いはない。外に人の気配もない。

(い、いざ…いずみちゃんの花園を…)
スカートをゆっくりもちあげる…一糸まとわぬいずみの股間が徐々に姿を見せ始める。上目遣いで菊丸はその光景を逃すまいと一点を凝視する。
やがてスカートはいずみの太ももから完全に離れた。女子高生いずみの穢れなき姿…だが菊丸は予想と異なる状況に思わず声を漏らした。

あ、あれぇ!?
菊丸が予想したいずみの花園が見えない。正確にはいずみがではなく、菊丸の目に映るものすべてが暗い。

あ…し、しまったぁ!!時間をかけすぎた…!!
菊丸が花見の下準備に夢中になってるうち、日暮れを迎えてしまい、部屋が漆黒に包まれたのだった。
暗がりの奥でいずみの何かがピクピクと蠢いているのが感じ取れるが、それがどんなものなのか、うかがい知ることはできない。

くくぅ…しかし電気を点けたら眩しさでいずみちゃんが目覚めかねないし…
その時菊丸は窓の外に浮かんだ月に気づいた。

(そうだ、月明かりで夜桜見物といこう!!)
スカートは捲れた状態でいずみを丸出しにしたまま、窓に駆け寄る。
半開きの窓とカーテンを目いっぱい広げると、外から月明かりと共に桜の花びらがさらに舞い込んだ。
いずみを振り返ると程よい月明かりがいずみの全身を照らしてる。
窓に立つ菊丸からは数メートル離れているので、まったくその詳細がわからないが、丸出しとなってるいずみの「夜桜」もはっきりその姿を見せている。

い、いずみちゃぁん!!
思わず感嘆の声をあげながらいずみに向かって一歩踏み出したとき、いずみが伸びをしているのが飛び込んできた。

うう~ん…
これまでの寝ぼけ声とはことなるしっかりしたいずみのいつもの声だった。
両手両足を伸ばしたので、自然と「夜桜」も姿を潜める。

(ま、まずい、ホントに目覚めたぁ!!)
目覚めたいずみが焦点の定まらない視点に最初に飛び込んだのは小柄な人影らしきものだった。

ん…?
だが、開け放った窓から入った風がカーテンを大きく波立たせ、一瞬いずみの視界を遮った。カーテンが元に戻るとその影は消えていた。

誰かいたような気がするんだけど…あ、いけなぁい!!もう夜じゃない!!
慌てて立ち上がると部屋の明かりを点ける。部屋は桜の花びらが散乱していた。

ああ~ん、もう…こんなに散らかって…

いずみちゃん、どうしたの?
一瞬のカーテンの死角を利用して窓から脱出した菊丸が素知らぬ顔で戻ってきた。

あ…菊丸くん、遅い!!

ご、ごめんごめん…

ちょっと手伝って!!この舞い込んだ花びらを急いで片づけたいから!!

あ…うん…
様子を窺う限りいずみは菊丸にイタズラされたのはもちろん、今もノーパンだということに気づいてないらしい。
結局その場は黙々と散らかった教室を片付けに入った。
集めた花びらの前でちりとりをしゃがんで構える菊丸。
いずみがその正面に立ち、花びらの小山を掃いてちりとりに押し込んでいく。
ふと菊丸が目線を挙げると、よそ風にスカートがたなびいている。


(う…うほぉ!?あと、少しなのに…)

んん?
菊丸の目線に気づいたいずみ。

こら、菊丸くん…まーた人のスカートの中覗こうとして…

え…ああ…うん…
あまりいずみを怒らせてノーパンに気づかれてもまずいと思った菊丸は、弁解することもなく頭を掻いてごまかす。
それがかえっていずみに憐みの感情を抱かせたらしい。

(まったく…毎度毎度ここまでかけるエッチな情熱を他に向けたらいいのに…そうだ、ちょっとからかってやろうかしら…)
いずみは箒を置いて菊丸の前に仁王立ちになった。

まったく…そんなに見たいなら見せてあげるわよ。

え…?
予想外の申し出に菊丸の方が狼狽した。

そこまでいじましいことしなくても、いいわよ、パンティくらい…どうせ布地なんだから。今日はお花見日和でしょ?今日はそれにふさわしいパンティを履いてきてるんだから…

あ…いや…そのパンティは今ぼくのポケット…
菊丸が口ごもってる間にいずみは自らスカートの裾を掴んだ。

い…いい?ほらっ!!
(バッ)


…!!
突然広がった光景に菊丸の目が一点に注がれた。
いずみが大切に守ってきた一片の花びら。それは神々しいほど美しく、しかもいずみ自らがそれを披露している。


い…いずみちゃん!!すばらしい!!ピ、ピンク色の最高の花びらだよ!!

えへへ…このパンティの花、実は桜模様なの…紐が草色ってのもちょっとおしゃれなのよね。
パンティの花びらを褒められたと思ったいずみだったが、ふと違和感を覚えた。

…ん?
股間が妙に涼しい。そよ風が開いた股間のど真ん中を撫でて吹き抜けている。

…え?
その感触に気づいたいずみは顔面が蒼白となった。スカートを手放し、その上から触って確認する。

な、ない…パンティが…なぁい!!どういうことなのぉ!?

あ…あはは…

菊丸!!さてはあんた…
しばらくして…月明かりの学校から二人が出てきた。

もう…信じられない!!何てことしてくれたのよ、バカァ!!
いずみは涙目になりながら下校している。

だ、だけどいずみちゃんが自分から見せたんじゃないか…
菊丸は頭頂部に大きなコブを作っていた。

う、うるさい!!大体あんたが寝てるわたしからパンティを抜き取ったりしなければ…
菊丸に仕組まれたとはいえ、自ら女の大切な部分を露出したことに自己嫌悪に陥るいずみ。

だいたいいずみちゃんが教室でお団子食べて寝てたりするから…
ふといずみの動きが止まったので菊丸は鉄拳制裁がくるのかと思わず身構える。

そうだ菊丸くん、はいこれ。
いずみは手つかずの三色団子を差し出した。

ちゃんと残しといたわよ、あんたの分。

あ、ありがとう…でもいずみちゃん、お腹すいてきたんじゃないの?

や、やあねぇ…人を食いしん坊みたいに…(ぐぐぅ~)
いずみの腹の虫が唸り声を上げた。

…

…やっぱりいいよ、いずみちゃん…
赤面したいずみに団子を返す菊丸。

だ、だけどせっかく作ったんだからさぁ…

あ、じゃあ…ぼくの団子をもらってほしいんだ。

は?菊丸くんもお団子なんか持ってるの?
意味が分からずきょとんとするいずみ。

うん、肉団子。

に、肉団子ォ!?いったいどういうこと?

ぼくは男だから「団子より花」、いずみちゃんは女の子だから「花より団子」だよねぇ…
菊丸がにやけながら団子をぱくつく。

…あ!!
いずみはようやく菊丸の言わんとしたことを察した。

き、菊丸くんのバカ!!エッチィ!!

はい、じゃあこれ。あらためてどうぞ。肉団子がいやならさ…
三色団子の一本をいずみに差し出した。

もう…バカ…(嫌とは言ってないんだけどな…)
ヤケクソな表情でいずみは団子を口に運ぶ。月明かりに照らされたその仕草は妙に官能的だと菊丸は思った。

まったくぅ…菊丸くんたら、いつ戻ってくるのよぉ!!
文句を言いながらいずみは誰もいない教室でひとり掃除をしている。
クラスメイトはみな下校。菊丸と掃除当番となっていたが、それでもこの掃除さえ終われば、いつもよりはずっと早く帰れる。

(せっかくのお花見日和だっていうのに…)
春の暖かい日差しと窓の外で咲き乱れる桜がいずみの鬱屈した気分をわずかながら和らげていた。
教室のすべての机は前に寄せられていて、後ろに大きなスペースができている。

もう…知らないっ
いずみは一つ椅子を引き寄せると、その空間の中央で窓側を向いて陣取った。続いて自分のカバンから取り出したのは三色団子だった。

せっかく今日調理実習で作ったのにぃ…
食べさせたい相手が戻ってこないことへの腹立ちと自身の空腹を紛らわすため、その団子を一本、二本と頬張り、三本目に差し掛かった時、表情がトロンとしてきた。

ん…
団子を手にしたままいずみの動きが徐々に鈍り始めた…

いずみちゃーん、ごめんごめん遅くなって…桂木先生のお説教が長引いちゃってさぁ…
いずみが待ち焦がれていた菊丸が教室にようやく戻ってきた。教室の中央にイスが一脚、いずみは菊丸に背を向けて座ったまま反応しない。

いずみちゃ…
いずみの側に回り込み、声をかけかけて菊丸は言葉を飲み込んだ。

…
そこに夕日を浴びていずみが寝入っている。
開け放たれた窓から舞い込んだ桜の花びらも加わり、幻想的な光景になっていた。
いずみは背もたれに体を預けて心地よさそうに寝息を立てている。

(まさか寝たふりじゃないよな…)
警戒した菊丸が顔を覗き込むがいずみは寝息以外、反応を示さない。口元からの垂涎を見つけ、菊丸はいずみが本当に熟睡していると確信した。
さらに右手に握られたままの団子と数本の串を見つけ、睡魔に襲われた原因を察した。

(ははぁ…空腹が満たされたのもあるんだな…)
菊丸はいずみの純白のブラウスが新緑色のミニスカートの裾から出ているのに気づいた。掃除するうちに少し衣服が乱れたらしい

(ということは…)
いずみの正面に屈み込むと下からそっとボタンをはずし始めた。やがて首下の一つを残し外し終わると、裾に入ってないブラウスはあっさり左右に開き、いずみの肌を露出させた。
菊丸にとっては幸いなことに、いずみにとっては不幸なことにいずみのブラはフロントホックだった。


(ラッキー♪)
右手で軽く触れただけでホックは外れ、たわわなおっぱいが露わになった。

絶景絶景!!桜の季節にいずみちゃんのおっぱいさくらんぼ!!

外気に不意に触れたせいか、乳首は硬く締まっている。
菊丸はいずみの寝顔を窺いながら、そっと両乳首を指に挟んだ。

んあ…
いずみが甘い喘ぎを漏らす。だが起きる気配はない。
花びらの舞う空間に現れたいずみの乳首は、確かにさくらんぼと呼んでも違和感のないものだった。

(ぐふふ~いずみちゃんったらいい声💛)
いずみが軽いのけぞりと悶えを繰り返すうち、やがて少しずついずみの体勢に変化が現れた。

(んんっ!?)
いずみはイスに腰かけたまま、足を左右に広げ始めた。

(こ、こりはぁ…?)
短いスカートが太ももの動きにつられて大きく裾を広げる。

おほほぉ!!これは…さすがいずみちゃん!!パンティも春色ですぞ!!

奥から現れたのは、桜のレースが施されたパンティだった。淡いピンクのそのパンティはいずみのおしりを包み隠し、そのおしりの白さ故にピンクがより映えるという相乗効果を生んでいた。

いやいや、これは素敵なお花見大会!!しかし、これはパンティというよりもはや着物と言っていいほど渋い柄!!
緻密に織り成されたパンティを菊丸は存分に堪能する。ふと彼は、パンティが腰に続くにつれ、生地の色合いが微妙に変化していることに気が付いた。

むむ、さらにこれは…
パンティの淡いピンクは徐々に白んでいき、次いで僅かに緑がかっている。

ひょっとして…
菊丸はスカートをつまむと軽く持ち上げた。そして予想どおり、パンティは紐パンだった。

やったぁ!!これは大チャンス!!いずみちゃんの…いずみちゃんの…大切な部分でお花見できちゃうかも!?
つまみ上げたスカートをそっと元に戻し、続けて菊丸はそっと両手をスカートの中に突っ込むといずみの腰で結わえられているパンティの紐をつまんだ。
そろそろと引っ張ると、紐はあっさり解け、生地が崩れ、前の部分がスカートの奥からはみ出て垂れ下がる。


はぁはぁ…
菊丸は緊張と興奮を抑えられない。

こ、このスカートをほんの少し広げるか、めくり上げるだけでいずみちゃんお花見が…
だがそれゆえに慎重になり、また楽しみは最後まで残しておきたい…そう考えた菊丸はできることから着手した。
まずブラを元に戻し、次いでブラウスもボタンを留め直した。こうすることで万一いずみが目覚めてもすぐに菊丸のイタズラが発覚しないようにしなければならない。
次に菊丸は戦利品を求めた。スカートからはみ出ている解けた紐パン…
もし、菊丸の悪事がばれても、場合によってはこのパンティを手中に収めておくことで人質のような扱いが可能になる。
菊丸の両手がそっといずみの太ももに添えられた。こうすることで足を閉じられないようストッパーの役目をさせる。
両手が使えないので、垂れ下がったパンティを口に咥える…

スカートはギリギリの部分でいずみの股間を覆い隠している。今すぐにでもめくり上げたい衝動を菊丸は抑える。

(これまでの経験上…がっついて目標に向かっても大抵失敗するからね…)
咥えたパンティを少しずつ引くと生地がピンと張ってきた。
菊丸は上目遣いでその伸びた生地の直線が描く角度を計算する。
(パンティは一気に手繰り寄せて抜き取る…でも、解けたとはいえ、いずみちゃんのおしりの下にパンティが残ってる以上おしりとパンティの接地面が擦れるのは避けられない…ならばできるだけその衝撃を軽くしないといずみちゃんが起きちゃう…)
首を上下に動かし、一番いずみへの負荷が軽そうな角度を定めた菊丸は、意を決してパンティを引く力を強め、間合いをとりだした。

ふぁん…ふぃい…ふぃひ…むん!!
一気にパンティを手繰り寄せると、シュルンという軽い衣擦れの音とともにパンティが菊丸の口に残った。


(やったぁ!!)

だ…だめぇ…菊丸くぅん…
だがその喜びもつかの間、いずみが反応したため菊丸は一気に身構えた。

(ぐっ…し、失敗かぁ!?)

そんな…そろばん…クセになっちゃうよぉっ…あ💛ああ💛

僅かにだが、いずみは自ら腰を前後に動かし悶えている…

(…ど、どうやら寝ぼけただけみたい…)

ん…
やがていずみは再び眠り込んだらしく、腰の動きも静まりなって寝息をまた立て始めた。

こ、これで残る障壁はスカートのみ…あの奥に…いずみちゃんの無垢なる花びらが…
菊丸は足を左右に広げたいずみの正面に再び跪いた。緊張の面持ちでスカートの裾をつまむ…いずみは何の抵抗も示さない。狸寝入りでなく、本当に熟睡しているようなので、起きる気遣いはない。外に人の気配もない。

(い、いざ…いずみちゃんの花園を…)
スカートをゆっくりもちあげる…一糸まとわぬいずみの股間が徐々に姿を見せ始める。上目遣いで菊丸はその光景を逃すまいと一点を凝視する。
やがてスカートはいずみの太ももから完全に離れた。女子高生いずみの穢れなき姿…だが菊丸は予想と異なる状況に思わず声を漏らした。

あ、あれぇ!?
菊丸が予想したいずみの花園が見えない。正確にはいずみがではなく、菊丸の目に映るものすべてが暗い。

あ…し、しまったぁ!!時間をかけすぎた…!!
菊丸が花見の下準備に夢中になってるうち、日暮れを迎えてしまい、部屋が漆黒に包まれたのだった。
暗がりの奥でいずみの何かがピクピクと蠢いているのが感じ取れるが、それがどんなものなのか、うかがい知ることはできない。

くくぅ…しかし電気を点けたら眩しさでいずみちゃんが目覚めかねないし…
その時菊丸は窓の外に浮かんだ月に気づいた。

(そうだ、月明かりで夜桜見物といこう!!)
スカートは捲れた状態でいずみを丸出しにしたまま、窓に駆け寄る。
半開きの窓とカーテンを目いっぱい広げると、外から月明かりと共に桜の花びらがさらに舞い込んだ。
いずみを振り返ると程よい月明かりがいずみの全身を照らしてる。
窓に立つ菊丸からは数メートル離れているので、まったくその詳細がわからないが、丸出しとなってるいずみの「夜桜」もはっきりその姿を見せている。

い、いずみちゃぁん!!
思わず感嘆の声をあげながらいずみに向かって一歩踏み出したとき、いずみが伸びをしているのが飛び込んできた。

うう~ん…
これまでの寝ぼけ声とはことなるしっかりしたいずみのいつもの声だった。
両手両足を伸ばしたので、自然と「夜桜」も姿を潜める。

(ま、まずい、ホントに目覚めたぁ!!)
目覚めたいずみが焦点の定まらない視点に最初に飛び込んだのは小柄な人影らしきものだった。

ん…?
だが、開け放った窓から入った風がカーテンを大きく波立たせ、一瞬いずみの視界を遮った。カーテンが元に戻るとその影は消えていた。

誰かいたような気がするんだけど…あ、いけなぁい!!もう夜じゃない!!
慌てて立ち上がると部屋の明かりを点ける。部屋は桜の花びらが散乱していた。

ああ~ん、もう…こんなに散らかって…

いずみちゃん、どうしたの?
一瞬のカーテンの死角を利用して窓から脱出した菊丸が素知らぬ顔で戻ってきた。

あ…菊丸くん、遅い!!

ご、ごめんごめん…

ちょっと手伝って!!この舞い込んだ花びらを急いで片づけたいから!!

あ…うん…
様子を窺う限りいずみは菊丸にイタズラされたのはもちろん、今もノーパンだということに気づいてないらしい。
結局その場は黙々と散らかった教室を片付けに入った。
集めた花びらの前でちりとりをしゃがんで構える菊丸。
いずみがその正面に立ち、花びらの小山を掃いてちりとりに押し込んでいく。
ふと菊丸が目線を挙げると、よそ風にスカートがたなびいている。


(う…うほぉ!?あと、少しなのに…)

んん?
菊丸の目線に気づいたいずみ。

こら、菊丸くん…まーた人のスカートの中覗こうとして…

え…ああ…うん…
あまりいずみを怒らせてノーパンに気づかれてもまずいと思った菊丸は、弁解することもなく頭を掻いてごまかす。
それがかえっていずみに憐みの感情を抱かせたらしい。

(まったく…毎度毎度ここまでかけるエッチな情熱を他に向けたらいいのに…そうだ、ちょっとからかってやろうかしら…)
いずみは箒を置いて菊丸の前に仁王立ちになった。

まったく…そんなに見たいなら見せてあげるわよ。

え…?
予想外の申し出に菊丸の方が狼狽した。

そこまでいじましいことしなくても、いいわよ、パンティくらい…どうせ布地なんだから。今日はお花見日和でしょ?今日はそれにふさわしいパンティを履いてきてるんだから…

あ…いや…そのパンティは今ぼくのポケット…
菊丸が口ごもってる間にいずみは自らスカートの裾を掴んだ。

い…いい?ほらっ!!
(バッ)


…!!
突然広がった光景に菊丸の目が一点に注がれた。
いずみが大切に守ってきた一片の花びら。それは神々しいほど美しく、しかもいずみ自らがそれを披露している。


い…いずみちゃん!!すばらしい!!ピ、ピンク色の最高の花びらだよ!!

えへへ…このパンティの花、実は桜模様なの…紐が草色ってのもちょっとおしゃれなのよね。
パンティの花びらを褒められたと思ったいずみだったが、ふと違和感を覚えた。

…ん?
股間が妙に涼しい。そよ風が開いた股間のど真ん中を撫でて吹き抜けている。

…え?
その感触に気づいたいずみは顔面が蒼白となった。スカートを手放し、その上から触って確認する。

な、ない…パンティが…なぁい!!どういうことなのぉ!?

あ…あはは…

菊丸!!さてはあんた…
しばらくして…月明かりの学校から二人が出てきた。

もう…信じられない!!何てことしてくれたのよ、バカァ!!
いずみは涙目になりながら下校している。

だ、だけどいずみちゃんが自分から見せたんじゃないか…
菊丸は頭頂部に大きなコブを作っていた。

う、うるさい!!大体あんたが寝てるわたしからパンティを抜き取ったりしなければ…
菊丸に仕組まれたとはいえ、自ら女の大切な部分を露出したことに自己嫌悪に陥るいずみ。

だいたいいずみちゃんが教室でお団子食べて寝てたりするから…
ふといずみの動きが止まったので菊丸は鉄拳制裁がくるのかと思わず身構える。

そうだ菊丸くん、はいこれ。
いずみは手つかずの三色団子を差し出した。

ちゃんと残しといたわよ、あんたの分。

あ、ありがとう…でもいずみちゃん、お腹すいてきたんじゃないの?

や、やあねぇ…人を食いしん坊みたいに…(ぐぐぅ~)
いずみの腹の虫が唸り声を上げた。

…

…やっぱりいいよ、いずみちゃん…
赤面したいずみに団子を返す菊丸。

だ、だけどせっかく作ったんだからさぁ…

あ、じゃあ…ぼくの団子をもらってほしいんだ。

は?菊丸くんもお団子なんか持ってるの?
意味が分からずきょとんとするいずみ。

うん、肉団子。

に、肉団子ォ!?いったいどういうこと?

ぼくは男だから「団子より花」、いずみちゃんは女の子だから「花より団子」だよねぇ…
菊丸がにやけながら団子をぱくつく。

…あ!!
いずみはようやく菊丸の言わんとしたことを察した。

き、菊丸くんのバカ!!エッチィ!!

はい、じゃあこれ。あらためてどうぞ。肉団子がいやならさ…
三色団子の一本をいずみに差し出した。

もう…バカ…(嫌とは言ってないんだけどな…)
ヤケクソな表情でいずみは団子を口に運ぶ。月明かりに照らされたその仕草は妙に官能的だと菊丸は思った。
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黒猫マスクの情け無用!!特別編 創作ストーリー大反省会

どうも、黒猫マスクの情け無用!!出張版!!司会の黒猫マスクです!!

アシスタントの原田いずみです。今日は特別編ということで、先日お披露目した創作ストーリーの大反省会です!!

今回はいずみちゃんが日を指定したけど…そもそもなんで今日なの?

やだなぁ…今日は『鏡開き』ですもん。

あ…なるほどねぇ…いずみちゃんがお供えもちだっただけにね…なるほど。

で、反省会って何するんです?

まぁ、総括というか補足というか…要はただの裏話、福袋処分みたいなもんで。

はぁ…福袋処分ねぇ…バーゲンのバーゲンって感じですねぇ…

結果的に三分割したとはいえ、こんな長編にするつもりはなかったんだよ。思いついたのが12月のはじめ。

へぇ…

そもそもやりたかったのは第三夜だけだったんだよね。なんだかんだ理由つけて、いずみちゃんのおしりお供えもち再来って展開を描いてみたかったんだ。

ほぉ…

当初のオチは、そのお供えもちバトルの末、最後に「くぱぁ」しちゃって「初日の出だぁ!!」ってことでオトす話だったんだよ。

…く、「くぱぁ」ですか…つ、つまり見せオチだったんですね?

でも、初日の出って単語を使うなら、これもお正月ネタだしまだ広がりようあるなって思い直して…

それで第二夜の「初日の出攻防戦」が生まれたんですね?順番が逆だったんだ…ということは第一夜の「福笑い勝負」は?

うん、では第一夜の話題が出たところで、個別に具体的に振り返りましょうか。
【第一夜・菊丸特製の福笑い!?】

実は第一夜は前座です。

ぜ、前座ぁ!?

常々分析してるでしょ「ハートキャッチワールドは大体二つの場面で構成されてるって」その前半部分だったんだよ。ところが後半の展開が二つできちゃったんで、無理に使う必要はなくなった…でも捨てるには惜しいから無理やり独立させたんだ。いずみちゃんも直後の出張版のオンエアで指摘したとおり、妙に扱いが軽いのはそのせいなんだ。

なるほど…

まぁそうなると敢えて激しい展開は避け、第一夜はおっぱい巡る展開のみに専念し、それ以外はお話の全体像をお伝えする序章のように扱えたから、それはそれでよかったけどね。

菊丸くんが実は病気だったり、わたしの服装のガードが固めだとか…ですね?

あとは続きの話に繋げるため、いずみちゃんの縛って自由を奪う理由づけかな…それと、なんだかんだでいずみちゃんは、菊丸くんが気になって仕方ないところとか…

そ、そんなの本人に言わないでくださいよ!!調子に乗るから!!

はいはい…
【第二夜・昼下がりの初日の出!?】

「初日の出」という単語一つから独立させたネタですが、いずみちゃんの菊丸化はちょっとおもしろかったな~ただいずみちゃんが菊丸くんを剥いていく展開となると…中々難しい…理由分かる?

う~ん…な、なんでしょう?

いつもと真逆ってことは「いずみちゃん着衣のまま」「菊丸くんどんどん露わに」…てわけで…

あ~そりゃこのブログにお越しになる最大分母のお客様にはおもしろくないですね。わたし個人はそれでも全然オッケーなんですが。

一周回っておもしろいかもしれないけどね。だからいずみちゃんはある程度身を犠牲にして、菊丸くんを誘惑しなきゃならなくなる…そうなるとさらに話がこじれやすくなって、難しいけど作り手としてはおもしろい。

わ、わたしは必ず体を張らないといけないんですね?確かに菊丸くんが率先して脱いで…なんて展開はないですからね。

そういうこと。ただ、度が過ぎるのも痴女化しちゃうから、さじ加減が難しい。どこかの影武者アイドルやシスターみたいになってみたい?

(ぶんぶんぶん!!)

でしょ?オチはパンティがハラリと落ちてご開帳でも良かったんだけど、せっかくお互いがお互いの大切な部分を巡って天丼コント状態になったので、相討ちで決着させました。

体調の悪い菊丸くんが使ってた氷嚢で、パンティ透かすって伏線がえげつないですよね。

あれは実は付け足しです「初日の出」完璧には拝ませない、でもほぼ丸見えな状態にしたいなと思ってたんだけど、「危機一髪忍者修行」のこのシーンからヒントを得ました。あ、これだ。


ちょ、ちょっとわざわざカット用意しなくていいですってば!!

完璧には見えない代わりにはみ出させたりとか…こうするとかえってやらしいってシチュエーションが伝わってればうれしいです。

それにしても…わ、わたしだって原作でご開帳しちゃったんだから、菊丸くんのだってもっとこう露骨に…

何か言った?

いえ、何も!!
【第三夜・いずみ特製ドッキンおもち!!】

さてさて、きっかけはこれがやりたかっただけなんだよね。いずみちゃんのおしりでお供えもち再来。

前回オンエアでもそう言ってましたよね。だったらこれだけやればよかったじゃないですか。

それじゃだめだよ。場面は簡単に作れても、曲がりなりにもストーリーなんだから、そこに至る過程を作りこみたかったんだ。なんだかんだで一番難産だったんだよ、これ。

どう難産だったんです?

まず、いずみちゃんを「おもち化」する必然性。いずみちゃんがおしりを露出しておもちに化けることにいずみちゃんをどう巻き込むか。そのきっかけとそのものと、いずみちゃんに「おもち止む無し」と思わせるだけの事件が必要だったんだ。

原作では「おもちを食べちゃったから」でしたけど、本文では「迷惑をかけてしまったお年寄り夫婦に、お詫びがてらお正月気分を演出したい」ということになってますね。

そう、そして、披露する相手は菊丸くんではなく「事情を知らない第三者」にしたかったんだ。

まぁ確かに対象がご夫婦ですから、確かに第三者ですね。

もう一つ重要なのは「おもちの正体に気づかない」こと。例えば極端に視力が弱いまたはボケてる、あるいは幼い…など冷静な判断力が低い人にしたかったんだ。

「見立てプレイ」の基本ですね。原作でもほとんどの相手が今黒猫さんが挙げた条件を満たしますね。でもそれなら竹丸くんじゃだめなんですか?小学生だけど幼いのカテゴリで…

うん、その名残はオチに残してます。

ああ…気づかずにわたしを食べようとしてましたし、記念撮影までしましたもんね…ってあの写真処分してくださいよ!!

本人に言ってよ…本筋に戻すけど、ただ竹丸…あいや、竹丸くんだとちょっと次がネックになるんだ。

次?

「おもち化」にあたり、必要な小道具の用意…これが難しい。

小道具?ああ…おしり露出用の穴開きテーブルですね?

そう!!これが必須アイテムのくせに穴の開いたテーブルなんて、日常まったく使い道がないから、どう登場させるか悩みどころだったんだよ。

な、なるほど…

ということでまずこのアイテムの課題を解決、次にターゲットを絞って、もっともらしい事件を起こす…こうして色々要素を掛け合わせて出来上がったんだよ。

ふ~ん…んん!?

どうかした?

ということは、没ネタもあるんですか?

あるよ~ただ場面が繋がらなかったり、キャラに無理があったり、あとあまりに話が冗長になったりしたからカットしたものがあります。

も、もしかしてそれが冒頭の「福袋処分」ですか?

そゆこと、没ネタだから状況説明だけになったりするものもあるけど…まぁ出がらしだと思って。では反省会含め「黒猫マスクの情け無用!!」出張版は終了です!!また機会がありましたらごきげん…

ちょ、ちょっと待って!!

な、何?

またこういう場って設けてくれるんですか?その…創作ストーリー…

気が向いたらね(あと需要も)。お正月は非日常のアイテムが非常に多いから使い甲斐があるんだ。他の月だとこうはいかないかな…とにかくこのオンエア上では、時間ないからまたすり合わせましょ?

はいっ💛

では、ここで我々本家「黒猫マスクの情け無用!!」組の出番は終了です。またよろしくねー!!

ありがとうございましたぁ!!
没ネタ集
【老夫婦が実はアグレッシブ①】
冒頭のいずみが部屋を間違うところまでは一緒だったんだけど、慌てたあまり老夫婦の奥の部屋に逃げ込んだいずみ。
原作では結構血気にはやるじいさんだったので嚇怒したじいさんに怯えたいずみは、ドアをロックして籠城したけど、じいさん今にもドアを叩き破って乱入しかねない。
脱出不可能になってしまったいずみを、上の階からカーテンのロープで降りてきた菊丸がその場しのぎでいずみのおしりにカーテンを巻き付けておもちにメークアップ…でもさすがに台座がないと無茶だと思い没にしました。菊丸がじいさん宅に入り込む正当性もあまりないし…
【老夫婦が実はアグレッシブ②】
強盗と間違えたいずみを追いかけ、いずみは明智家に逃げ込み、身を潜めるためにおもちに…
でも明智家でそんなことする意味がないからやっぱり没。
ちなみに①②とも最終脱出手段は「菊丸扮する獅子舞に紛れて…」でした。菊丸のお獅子はその名残りです。
【おもちで潜入捜査!!】
菊丸が竹丸のお年玉を使い込んでるらしいと気に病む竹丸。
義憤に駆られたいずみが「わたしが調べたげる!!」と無人の明智家でおもちに扮したところ、あっさりバレて菊丸の逆襲に…
でも菊丸って金には淡泊だと思ってましたので没にしました。わざわざおもちに化ける理由もないし。
【おもちで潜入捜査!!のさらに元ネタ】
実はお年玉の使い道は美奈子さんを…はい、没。でも本編でちょっとだけばあさんのセリフに…
【老夫婦の外出先】
本文では「初詣」ですが、当初は「老人グループの新年会」でした。オチでたくさんのおじいちゃんの前でもご披露…と考えたのですが、場面が多すぎるなと思って没。でもこれは本文のさらに後日ネタに使えるので、再利用するかも。
【おもちの演出】
①いずみがおしりを露出し、まだ上段のおもちや橙を乗せてない状態
②いずみの純白紐パンを開ききった状態でいずみのおしりドームのトップに斜め状に被せる(◇←真上から見るとこんな感じ)
③菊丸が用意した赤紐パンをやはり開ききった状態で斜め状に被せ(◆←この下に◇がある)、その上に上段おもちと橙をセット
④はみ出てる四隅の紐を編み、紅白組み紐を演出。
おもしろいんだけどイメージが伝わるか自信なかったんでやめました。
【大オチ】
実はこんな大オチがあったんですが、あまりに本文が長くなったので、カットする羽目になりました。もったいないのでおまけエピソードとして最後にご紹介します。
おもち大騒動のあった翌日、菊丸宛てにいずみから速達が届いた。ご丁寧に「年賀」と朱書きしているので、元日を過ぎたとはいえ年賀状は年賀状なのだろうが、特異なのは、はがきではなく、封書だったことだ。

へ、封書で年賀状?
封筒の中身はそれほど厚みはない。首をかしげながら封を切ると、可愛らしい便箋が一枚出てきた。

菊丸くんへ
まさかまた、おしりを露出しておもちに扮しちゃうなんて思ってもみなかったわ。お正月早々あんな恥ずかしい目にあったのは忘れられない思い出になりそうです。もうバカ!!
でも、一応だけど、あのご夫婦の追及から助けてくれたのは、素直にうれしかった。
お礼を言えなかったので、この手紙でお礼します。ありがとう。
そうそう、今度の11日は鏡開き。よかったらうちに来てください。
わたしの特製おもち料理をたっぷりごちそうしてあげちゃうんだから💛
原田いずみ

こ、これどう解釈したらいいんだぁ!?
手紙の真意を推し量りかね、煩悶する菊丸。

(単純に鏡餅を振る舞って食欲を満たしてくれるのか、それとも…?)
下手に実力行使しようものなら、絶交されてしまうかもしれない…
そして迎えた新学期…
教室では、いずみの顔色を窺いながらため息をつく菊丸がいた。

(うふ、悩んでる悩んでる…💛もうちょっと苦しみなさい、ふーんだ!!)
そんな菊丸を眺めてニヤつくのが、いずみのせめてもの仕返しなのだった。
おしまい
新春特別企画創作ストーリーⅢ
いずみ特製ドッキンおもち!!
明智家の菊丸の部屋で、いずみと菊丸が失神している。

う…うう~ん…
先に起き上ったのはいずみだった。

あ、あれ?わたし…いったい…なんで倒れて…?
体を動かそうとすると、自由が利かない。よく見ると、後ろ手に縛られている。


あ…そ、そうだ…わたし…菊丸くんに…は、『初日の出』見られかけて…咄嗟にパンティで菊丸くんの目鼻を塞いで…あ、あれ?
そこまでは記憶があるのだが、自分が失神してた理由が思い出せないらしい。

そ、それより、これ…菊丸くんが目覚める前に何とかしなくちゃ…また余計なイタズラされちゃう…!!
机からハサミを見つけ出したいずみは、自力で戒めを切り離し、ようやく自由を得た。
その直後、菊丸も遅れて意識を取り戻した。

う…

あ…起きた…(ほっ…な、なんとか間に合ったぁ~)
起き上った菊丸のジャージの下は、中から何かが突き破ったかのような穴が開いていた。だが今は穴のみでそこには何も窺えない。いずみには死角になっていて、中身はもちろん、穴の存在すら気付かなかった。

(あ…あれ?なんでこんなところに穴が…)え…ええと…な、何してたんだっけ?ぼくら…
菊丸もまた失神前後の記憶がないらしい。

菊丸くんも覚えてないの?わたしたち二人して失神してたみたいなんだけど…

『いずみちゃん初日の出』をしてたのは覚えてるんだけど…パンティからはみ出てた日の出を拝んだとこまでは…

バカっ!!思い出さなくていいわよそこは!!

ねぇ、続きは?

だめっ!!パンティに触れない約束だったでしょ!!パンティがあんたの顔に触れたのは、忘れてるとは言わせないわよ!!

ちっ、忘れてなかったかぁ…いいじゃん、あんなのいずみちゃんが約束の穴を突いて、罠をしかけたようなもんじゃん。

ダメ!!絶対!!
いずみが捨て身の覚悟で脱いだ紐パンを投げつけて決着させたことは菊丸も記憶しているらしい。

ちぇ…
菊丸が照れ隠しに頭を掻いている合間に、これ以上いても恥ずかしい体験が増えるばかりだと考えたいずみは、急ぎ乱れた服を直し、コートを抱えて立ち上がった。

じゃあね、わたし帰る!!お大事に!!ふんだ!!

あ…
菊丸の返事も待たず、いずみは外に飛び出した。
一人取り残された菊丸は、頭を掻きながら「続きに取りかかるか…」と腰を上げた。

(でも…なんでわたしったら気絶してたんだろう…)
疑問に思いながら階段を下り、マンションの出口に向かう。階下にはマンションの管理者が設置したと思われる共用の門松が据え付けられていた。

わぁ、頬ずりしたいくらい立派な門松…💛(ん…?あ、あれ?わたしったらなんで門松見て、こんな変なリアクションしてんの?)
意識を回復して以来、いずみはずっと頭の整理がつかないままで敷地の外に出た。
ピゥと冷たい風がいずみを襲う。

さむっ…!!
反射的に身を竦めた瞬間、いずみはあることに気づいた…

え…?
スカートの前後を手で押さえる。スカート、パンストの感触はわかる。だが…

(な…ない…?まさか…や、やっぱり…)パ、パンティ…が…なぁい!!
あまりに慌てた結果、いずみは自分がノーパンのまま明智家を飛び出したことにようやく気付いた。

し、しまったぁ!!パンティ履くの忘れてたぁ!!
慌てて踵を返し、階段を駆け上る。

(とにかく、パンティ取り戻さないと…ノーパンで帰るなんて…たまには悪くな…いやいやいや、それよりも菊丸くんがあのパンティでどんな悪さするかしれたもんじゃないし!!)
混乱に拍車をかけながら、ノックもせず、いずみは玄関の戸を開けた。

動かないで!!今すぐパンテ…ィ…きく…ま?
予想外の光景にいずみは絶句した。
眼下では今まさにでかけようと、玄関で腰をかがめていた老夫婦が、唖然とした顔で仁王立ちしたいずみを見上げていた。

え…ええっ!?
驚いたのは老夫婦も同じだった。

な、何じゃ!?お主…

じいさん、まだあんた、上の若い娘に…

ち、ちがう、よく見んかぃ!!この娘っ子は別人じゃろ!!

じゃ…じゃあ…強盗!?ひぇっおたすけぇ!!
言うが早いか老婆は自分の言葉でいずみを一方的に強盗と誤解し、恐怖で卒倒してしまった。

ち、ちがう!!わたし強盗なんかじゃ…

(そ、そうか考え事しながら階段上ったから…一階分間違えちゃったんだぁ!!)
パニックになりながらも、いずみはこの事態に陥った原因について一つの結論に達した。
老人は卒倒した老婆の介抱にとりかかる。

おい、お嬢ちゃん、話は後だ!!ばあさんを床に運んでやってくれ!!

あ…はい!!
菊丸と同じ間取りのその部屋は、老婆の寝室となっているらしい。明智家とはまるで違う陰鬱な雰囲気を醸し出しているその部屋にいずみと老人は老婆を抱え込んだ。
部屋にはすでに布団が敷かれているが、今敷かれたものではなく万年床らしい。枕元には薬や水差しの乗ったお盆が置かれている。

ありがとうな、お嬢ちゃん…
老婆が寝入ったのを確認すると、老人が力なく微笑んだ。

わたしの方こそ、驚かせてごめんなさい…どうやら階を間違えて入っちゃったみたいで…

おお、じゃああんたは明智さんとこの…兄貴の方の彼女かの?

ええ!?い、いやあの…
いずみが言葉に詰まったちょうどそのとき、チャイムが鳴ったので、老人はいずみの答えを聞かないまま玄関に向かう。

おい、お嬢ちゃん。その彼氏じゃぞい。

き、菊丸くん!?い、いえ、だから彼氏なんかじゃあ…そ、それより、どうしたの、菊丸くん!?

いやあベランダからいずみちゃん見送ろうとしたら全然姿見えないし、あれっ?って思ってたら、下からちょっと騒ぎが聞こえたからさ、気になって来てみたんだ。
これでいずみが明智家と間違えて入ったことだけは証明できた。

(おじいちゃんには、恋人同士って誤解されちゃったままのようだけど…改めて自分から話題にするのもアレだし…ま、まぁ悪い気はしないからいいか…あとはよくお詫びして退散しちゃお…)
無論部屋を間違えた自分が悪いのは重々承知しているのだが、何となく若さがなく、沈鬱なこの部屋から早く出たいのが本音だった。

こりゃあ何とかなるかと思うておったが…やっぱり出かけるのは無理じゃのう…
老人が気落ちしたように呟いた。

そういえば…何かお出かけされるようでしたね…
鉢合わせになったのが玄関だったといずみも思い出した。

この年になると新年の準備なんぞ、手間も…そして金もかけられんでなぁ…
言われてみれば、この家に正月を感じさせるものが一切ないことに気づいた。凧、羽根突きといった子供向けのアイテムはもちろん、注連飾り、破魔矢といった装飾品、おせち料理やお酒の気配もない。

子や孫が来るわけでもないし、ばあさんも見てのとおり伏せがちだから、せめて初詣くらいはと思ってでかけようとしておったんじゃ…

そうだったんですか…本当にごめんなさい…

ああすまんな、つい愚痴っぽくなって…
ふと見るといつの間にか菊丸が消えている…かと思うと今度は何かを抱えて戻ってきた。
自宅からおせち料理を取り分けて持ってきたらしい。脇には一升瓶まで抱えている。

おじいさん!!よかったらこれ…!!

あ…いやこんなにたくさん…そんな…これじゃわしらが催促したみたいで…

いやいや、これじゃ全然足りないくらいです。
本来なら菊丸は全く関係ないのだが、いずみに代わって懸命に詫びている。

(き、菊丸くん…)
めったに見せないその真摯な態度にいずみの胸がキュンとする。

あ…あの…本当にごめんなさい。わたしが言うのもなんですけど、せっかく菊丸くんが持ってきたんだから召し上がってください。

そ、そうかい…すまんの…
遠慮がちではあったが、結局老人は迷うことなく菊丸から料理や酒を受け取った。

さ、いずみちゃん、ぼくらはいったん失礼しよう!!

あ…うん…
菊丸に促されていずみは外に出た。
玄関を閉めたとたん、菊丸は振り返ってこう切り出した。

さ、いずみちゃんは上に戻って準備してて!!ぼくもすぐ戻るから!!

え…?帰っちゃダメなの?

当たり前でしょ、ぼくが言ったじゃない『いったん失礼します』って!!あの老夫婦にお正月の雰囲気だけでもできることはして差し上げないと…

ま、まぁそうだけど…確かにわたしが悪いんだし…でも菊丸くんはどこに行くの?

ぼくは下の自治会事務所の倉庫から獅子舞のグッズを借りてくる。踊り手がいないからって今年は使ってないはずだ。

そ、それはいいけど…わたしは、な、何を準備するの?あ、おせちの追加?

ちがうよ!!おせち以外にも、お正月のお楽しみを提供しなきゃ!!

お、お正月お楽しみ…?

ぼくは獅子舞であの老夫婦を見舞う。いずみちゃんはいずみちゃんにしかできないお正月に関することを準備するんだ!!
菊丸がそう言い残してさっさと下に行ってしまったので、いずみは仕方なく明智家に戻る。
菊丸の部屋に入ったいずみは唖然とした。

な、なにこれ…
そこには半畳敷きくらいの奇妙な手製のテーブルが置かれていた。天板の中央に丸い穴が開いている。
その脇には幔幕のような布切れとたくさんの画鋲が置かれていた。
これらをすべて組み合わせると…

ぐるりと幔幕に囲まれた穴あきテーブルができる…?
呟くいずみに菊丸の「いずみちゃんにしかできないお正月に関することを準備するんだ」の言葉が甦った。

き、菊丸くんたら…ま、まさか…またわたしの…
いずみは無意識におしりを手で押さえていた。
15分後…

いずみちゃん、やっと見つけたよ!!
菊丸が獅子舞の道具一式を台車に乗せて戻ってきた。

…いずみちゃん?あれ?いない?
自室に戻った菊丸は、ある一点に目を奪われた。
いずみの姿はどこにもなく、代わりに幔幕に囲まれたテーブルがあった。
そのテーブルの中央に橙と上下二段のおもちで成す、見事なお供えもちが鎮座していた。

特に下の土台となっているおもちは、中央頂点から下に向けて大きなヒビが入っているが、その貫禄は素晴らしいものがある。

…
時折何か羞恥に耐えるかのように、おもちはプルップルッと震え、艶めかしさを醸し出す。

い、いずみちゃん!?
菊丸がおもちの正体に気づき、抱えていた獅子舞を放り投げて駆け寄ると、それに応えるかのようにおもちがまたプルッと揺れた。

す、すばらしいよいずみちゃん!!、自らおしりをおもちに見立てて、あの老夫婦を喜ばせようというその心意気!!

だ…だってぇ…

ぼくは前から思ってたんだよ、いずみちゃんはおしりがとっても色っぽくて、特にその魅力は、丸みを強調したときに一番発揮されるって…

へ、変な褒め方しないでよぉ…きゃっ!?
菊丸はいずみのおしりを両手で優しく抱きしめた。

千春ちゃんやリンダには絶対できない究極のおしり…ああ、そんないずみちゃんのおしりを正月早々抱きかかえられるなんて…

バ、バカァ…エ、エッチィ!!

うう~ん、しかし…確かにあの老夫婦に提供するお正月ネタとしては最高なんだけど…前回の失敗は教訓にしないとね。

し、失敗?

お年寄りは頑固でこだわりがあるからね『ヒビがはいっとる!!』なんて言われないようにしないと…

あ…!!
ずっぷりと指を突き立てられたのをいずみは思い出した…

※こんなです

今回は、ちゃんと隠していこう!!ちょっと待ってて!!
おもち姿のいずみをそのままに菊丸は台所に行くと、おもち(本物)をレンジで温めて戻ってきた。

この熱さなら多分大丈夫だと思うけど…
指で器用に仮の形を作り、おもちの『ヒビ』にぐいぐいと指で押し付け始めた。

※いずみには一番敏感なツボです

あ…やぁん…
おもちの心地よい温かさと柔らかさ、そして菊丸の程よい指圧がいずみの骨盤にまで届く。
ある程度おもちでヒビが埋まると、今度は指でぐいぐいとおしりの肉におもちの端々を伸ばして接合していく。

んんっ…んふ~ぅ💛
思わず甘い吐息が漏れる。これまでは羞恥に耐えてのだった痙攣が、甘美に浸った喜悦へと表現の意味合いが変わってきた…

よし…できた!!
それは器用な菊丸ならではの見事な技術だった。パテ材代わりのおもちとおしりの接合部分がまるでそんな痕跡がないかのようにきれいに一体化し、本物のおもちになりきっている。

うん、いずみちゃんのおしりは本当に色白だから、全く違和感ないよ!!

…やん…
その賛辞に応えるかのようにおしりがプルッとまた揺れた。

んん!?
その途端、くっつけたおもちはペロリと剥がれ落ちた。

んん~む…水分が足りなかったようだね。こうなるとやっぱり…

(ま、まさか!?)
今度は水をたっぷり含ませた筆を取り出すと菊丸はいずみの窄めたヒビに強引に筆先を押し込んだ。


あっ…やぁん、や、やっぱりぃ!!つ、つめたぁい!!

ガマンして、いずみちゃん!!
菊丸は突っ込んだ筆を上下左右にくねらせた。

あっああん!!ふ、筆の毛先がぁ~💛
温泉宿のときと違い、声を押し殺す必要がないので、いずみは遠慮なく絶叫する。
にちゃり、にちょり、ちゅぽん、にゅるん…
筆が淫靡な音を立てる。

もういいかな?…あ、あれ?

筆を引き抜くと、筆は作業前よりもしっとりと重みを増している気がしたので、菊丸は首を傾げた。
とりあえずその疑問を棚上げし、表情は窺えないが、あきらかにぐったりしている様子のいずみのおしりに菊丸は再び、今度はより丁寧かつ慎重におもちのパテ埋めを施した。

※今回は「寿」のお習字はありません

で、できたの?菊丸くん…

いやいやここからが総仕上げ。

し、仕上げ!?

いずみちゃんのおしりはおもちとして最高の素材!!だけどそれだけじゃだめなんだ!!

…?

いくら最高の肉でも、そのままじゃ生肉のまま!!厳選して加工して、演出してこそ最高の料理に仕上がるんだよ。ぼくに任せて!!
そのころ階下の一室では、例の老夫婦が沈んだ面持ちで過ごしていた。

ばあさんや、せっかく意識が戻ったのはいいが、何か食わんと回復できんぞ。ほれ、せっかくおせちもいただいたことだし…

すいませんねぇ…おじいさん、わたしが卒倒なんてしなけりゃ今頃はのんびり初詣でしたのに…
そんなしみじみ嘆息する夫妻の前に、和装に着替えた菊丸がお獅子を抱えてけたたましく現れた。

あらためまして、あけましておめでと~ございます!!お正月名物、獅子舞でございます!!

おお…!!

お、おじいさん…わたしゃ…獅子舞が見れるなんて思ってもいませんでしたよ。

さらにさらに…移動式鏡もちを持参しました!!ご笑納ください!!
ガラガラと菊丸が押して現れたキャスターには、件のお供え餅が鎮座していた。

※真打登場

こ、これは…!!

な、なんてりっぱなおもちでしょう!!もち肌そのものみたい!!なんまんだぶ、なんまんだぶ…

プルンと丸く…艶やかで官能的ですらあるわい!!
お供えもちがいずみのおしりだなどと思いもせず、しかし二人はまるで正体を知っているかのような賛辞を惜しまない。

(や、やぁ~ん!!この二人…わかって言ってるんじゃないのぉ!?)

もちの色形もみごとじゃが…このわずかに見せる粉の乱反射がまた美しいのぉ…

キラキラしてますねぇ…おじいさん…

(あ…それが菊丸くんが言ってた『演出』ね…)
いずみのおしりには菊丸によって片栗粉がうっすらとしかし満遍なくまぶされていた。それがより本物のおもちらしいリアリティと片栗粉の粒子が見せる乱反射の演出を醸し出していた。

あいにく後日他でも飾りますので、お召し上がりいただくわけにはいきませんが…しばらくは目でご堪能ください!!

おや、そりゃ残念、まぁしかたないのう…

ま、このおもちはお獅子さまへのお供えということで…
獅子のカシラがおしりに軽く噛みついた。

(~!!)
もちろんいずみは動けない。
そのまま菊丸は、獅子舞を演じはじめたが、その後もちょくちょく音曲に合わせてカシラを噛ませた。
こうしていずみを刺激しつつ、かつ老夫婦がおもちに触れないよう、絶妙の距離感を維持しながら、二人を慰問したのだった。

いやぁ、じょうでき、じょうでき!!あの二人もすっかりご機嫌だったし…いずみちゃんもよくがんばったよね~お疲れさん!!ぼくも病み上がりの体には疲れちゃったよ。
ようやく老夫婦の部屋を辞去した二人は、明智家の菊丸の部屋に戻っていた。


もぅ!!あれのどこが舞よ!!おしりに噛みついてばっかりだったじゃない!!

まぁまぁ…いずみちゃんも結構愉しんでたでしょ?最後はおしりがほんのり色づいて紅もちになってたしねぇ…

う、うるさいわね、そんなわけないでしょ!!そ、それより早く外してよぉ!!こ、この体勢…結構きついんだからぁ!!

はいはい…
成り行きでいずみのお供えもちまで堪能し、すっかり満足した菊丸だったが、ふと怪訝な面持ちで訪ねた。

そういえば今更だけど…

な、なに?

いずみちゃん、なんでおしりでおもちに成りすましたの?
不意を突かれる質問を受け、いずみは動揺した。

え…そりゃ…だってぇ!!こんなテーブルが置かれた部屋で、わたしにできるお正月のお手伝いって言われたら…おしりでお供えもちを演じるくらいしかないじゃなぁい!!
幔幕に隠れたまま、いずみはヤケクソ気味に答える。

へ?べつにぼくそんなこと要求してないけど?だいたい部屋にこの特殊テーブルあるなんて言わなかったでしょ?

え…?
おもち…おしりから一気に血の気が引いた。

ぼくはただ、この部屋にあるすごろくや福笑いやコマといった小道具類を持っていけるようにしておいてほしかっただけなんだけど。

そ…そんなぁ!!じゃ、じゃあ、この変なテーブルは何なのよぉ!?

あ、これ?ほら、こんどまた年明けに幼稚園に慰問にいくじゃない?その時の出し物で使う手品用のテーブルだよ。年末体調崩して準備ができてないから、少しでもやっておこうと思って、いずみちゃんが帰った直後に作業し始めたところだったんだよ。

…
一瞬の静寂。
ちゅどーん!!
直後に、テーブルわずかに宙に浮き、直後に落下。同時にテーブルの内部からぶわっと爆風が起き、幔幕が軽く捲れ上がった。

わ、な、なんだぁ!?
どうやらいずみがテーブルの中でおもちの体勢のまま、ずっこけたものらしい。

き、器用にずっこけるねぇ…いずみちゃん…
結局、いずみが覚悟を決めて露出した『おしりお供えもち』は、確認不足による自爆にすぎなかった。

や…やぁ~ん!!そ、そんなぁ~!!わたしの早とちりだったのぉ~!?
ずっこけ爆風の驚きから立ち直った菊丸は、再び目線をおもちに向けて、固まってしまった。

お…おお~!!
(くぱぁ…💛)
感嘆の呻きをもらした。いずみがずっこけた際、そのはずみで股間に貼りつけたおもちが音もなく剥がれ落ちてしまっていた。

剥がれ落ちたおもちの奥から艶やかに光るピンク色の…先刻まで菊丸が『初日の出』と呼んでいた部分が惜しげもなく露わになっていた。

い、いずみちゃんの初日の出…ま、まさかリベンジなるとは!!
パックリ開いた中央部分が、夕日を浴びてキラキラと照り輝く。

※逆光です、逆光…

や、やぁ~ん!!み、見ないでぇ!!だめぇ恥ずかしい!!やだぁ!!板の穴に食い込んで…ふ、太ももが閉じれなぁい!!うっうう~ん!!わぁ~ん!!お、お嫁に行けなぁい!!

いずみちゃん、ゆっくり落ち着いて、リラックスするんだ!!

う、うん…
(くぱぁ…くぱぁ…)
まるでそこが深呼吸しているかのようにパクパクと開閉する。

な、なんて神秘的なんだ、いずみちゃん!!

バ、バカァ!!エッチィ!!覗きこまないでってばぁ!!お、奥まで見えちゃ~う!!
その様子を恍惚の表情で眺めていた菊丸だったが、興奮のあまり、頭に血が上って倒れそうになった。

(う…めまいが…いかん、いかん!!丸見えなのはありがたいけど、これじゃあ刺激が強すぎて、吾作どんや温泉宿の社長みたいに卒倒してしまう!!)

あ、兄ちゃん!!ただいま!!もう起きて大丈夫なの?
不意にドアを開けて現れたのは、菊丸の実弟竹丸だった。

あ、あれ、竹丸?お前だけ帰ってきたの?

うん、父さんたち、訪問先で上がり込んでお酒のご相伴になって酒盛りはじまちゃってさぁ…つまんないから戻ってきちゃった。

そ、そうか…

わ、何これ!?お供えもち!?

い、いやこれは…

珍しいねぇ…アワビが埋め込んであるんだ…

(ち、ちがぁう!!それは…)
菊丸が躊躇った隙に竹丸はおもちを撫でまわしながら菊丸に問うた。無邪気に撫でまわして貼るが、菊丸の血統。無自覚ながらもその手のテクニックはいずみを存分に刺激する。

(あ…そこ…さわっちゃだめぇ!!)

へぇ~つきたてなんだ、柔らかいなぁ💛そういえば兄ちゃん…いずみおねえちゃんは?

え、な、なんでいずみちゃんが来てるって知ってるの?

だって、玄関に女物の靴があったし、部屋におねえちゃんのコートがあったよ。あれ見覚えあるもん。

(ぐっ…す、するどいな)ちょ、ちょっと出かけてるんだよ。

ふ~ん…あ、そうだ、兄ちゃんぼくお腹すいたからこのおもち食べていい?

そ、それは…だめだ!!これは兄ちゃんの大切なおもちなんだ!!例え肉親でも他にはやれん!!

な、なんだよ、けちくさいなぁ…いいじゃないか…
竹丸は強引におもちを取り上げようとしたが、菊丸が先手を打った。

だめだだめだぁ!!このおし…おもちは、ぼくのもんだぁ!!
菊丸の歯がいずみのおしりに噛みついた。お獅子のカシラと違い、鋭い歯が肉に食い込む。

(い…いたぁい!!)
声を立てずにいずみは必死で耐える。
菊丸がおしりから離れると口元からおしりまでヨダレが糸を引いていた。そしてその後には菊丸の歯型がきっちり残っていた。

わ、汚いなぁ…わかったよ、もういいよ。
竹丸が眉を顰めながら諦めた。

そうだ、兄ちゃん記念写真撮ろうよ。

…え?

だって兄ちゃん体調崩して寝込んでただろ?なんでか知らないけど今は和装だし、ちょうどいいじゃん。お正月写真一枚くらい撮っておこうよ。

あ…そ、そぉ?

(ちょ、ちょっとぉ!!)

あ、そのお供えもちの前にそのお獅子と一緒に正座して…そうそう、じゃ撮るよ~
(パシャ)
のちに現像された写真にはお獅子を抱え、正座した和装の菊丸。そしてその隣には見事なおもちが丸出しの状態で写っていた。
だが、そのおもちの幔幕から、一房束ねた髪がはみ出ていたので、竹丸は「なんだこれ…?」と首をかしげるのだった。。
おしまい!!

はーい!!出張版「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクでーす!!

アシスタントの原田いずみです!!

いやぁホント疲れたわぁ…

…ってあれ?なんで黒猫さんがそんなにバテてるんです?わたしはともかく、黒猫さんは本編に関わってないじゃないですか。

そ、そりゃあ巡業の直後にこの出張版のオンエアだからねえ。

な、なるほど…

さて、三が日にかけてお送りした新春特別企画、大反省会はまた日を改めて行います。

あ、そうなんですか?じゃあ今日わざわざオンエアしなくていいじゃないですか。

いやいや、今日はまだ三が日。スタジオに華が欲しくてさ…

あ、つまりわたしってことですかぁ?

…意外と図々しいねいずみちゃん。まぁある意味正解。

ある意味?

よいせっ!!

きゃあ!?


いたた…な、なにするんですかぁ!?

いやぁ本編で見せた大活躍をこっちのスタジオでもと思って…

そ、それってまさか…

こっちでもお供えもちになってもらうよ!!

きゃああ!!やっぱりぃ~!!

さぁさぁ…パンティは膝まで下ろしちゃおうね~


きゃぁん!!

後は例の特製テーブルに据え付けて…完成!!


ああ~ん!!またアイコンがおもちに変えられちゃったぁ!!

さて大反省会の日程だけど…

8日後で!!

な、なんでそんな半端な日?ま、まぁいいけど…じゃあまた大反省会で!!ごきげんよう!!

ご、ごきげんよぉ~

こらこらおもちがしゃべっちゃダメでしょ!!…おしおきっ!!


ああ~ん💛ご、ごめんなさぁい💛
明智家の菊丸の部屋で、いずみと菊丸が失神している。

う…うう~ん…
先に起き上ったのはいずみだった。

あ、あれ?わたし…いったい…なんで倒れて…?
体を動かそうとすると、自由が利かない。よく見ると、後ろ手に縛られている。


あ…そ、そうだ…わたし…菊丸くんに…は、『初日の出』見られかけて…咄嗟にパンティで菊丸くんの目鼻を塞いで…あ、あれ?
そこまでは記憶があるのだが、自分が失神してた理由が思い出せないらしい。

そ、それより、これ…菊丸くんが目覚める前に何とかしなくちゃ…また余計なイタズラされちゃう…!!
机からハサミを見つけ出したいずみは、自力で戒めを切り離し、ようやく自由を得た。
その直後、菊丸も遅れて意識を取り戻した。

う…

あ…起きた…(ほっ…な、なんとか間に合ったぁ~)
起き上った菊丸のジャージの下は、中から何かが突き破ったかのような穴が開いていた。だが今は穴のみでそこには何も窺えない。いずみには死角になっていて、中身はもちろん、穴の存在すら気付かなかった。

(あ…あれ?なんでこんなところに穴が…)え…ええと…な、何してたんだっけ?ぼくら…
菊丸もまた失神前後の記憶がないらしい。

菊丸くんも覚えてないの?わたしたち二人して失神してたみたいなんだけど…

『いずみちゃん初日の出』をしてたのは覚えてるんだけど…パンティからはみ出てた日の出を拝んだとこまでは…

バカっ!!思い出さなくていいわよそこは!!

ねぇ、続きは?

だめっ!!パンティに触れない約束だったでしょ!!パンティがあんたの顔に触れたのは、忘れてるとは言わせないわよ!!

ちっ、忘れてなかったかぁ…いいじゃん、あんなのいずみちゃんが約束の穴を突いて、罠をしかけたようなもんじゃん。

ダメ!!絶対!!
いずみが捨て身の覚悟で脱いだ紐パンを投げつけて決着させたことは菊丸も記憶しているらしい。

ちぇ…
菊丸が照れ隠しに頭を掻いている合間に、これ以上いても恥ずかしい体験が増えるばかりだと考えたいずみは、急ぎ乱れた服を直し、コートを抱えて立ち上がった。

じゃあね、わたし帰る!!お大事に!!ふんだ!!

あ…
菊丸の返事も待たず、いずみは外に飛び出した。
一人取り残された菊丸は、頭を掻きながら「続きに取りかかるか…」と腰を上げた。

(でも…なんでわたしったら気絶してたんだろう…)
疑問に思いながら階段を下り、マンションの出口に向かう。階下にはマンションの管理者が設置したと思われる共用の門松が据え付けられていた。

わぁ、頬ずりしたいくらい立派な門松…💛(ん…?あ、あれ?わたしったらなんで門松見て、こんな変なリアクションしてんの?)
意識を回復して以来、いずみはずっと頭の整理がつかないままで敷地の外に出た。
ピゥと冷たい風がいずみを襲う。

さむっ…!!
反射的に身を竦めた瞬間、いずみはあることに気づいた…

え…?
スカートの前後を手で押さえる。スカート、パンストの感触はわかる。だが…

(な…ない…?まさか…や、やっぱり…)パ、パンティ…が…なぁい!!
あまりに慌てた結果、いずみは自分がノーパンのまま明智家を飛び出したことにようやく気付いた。

し、しまったぁ!!パンティ履くの忘れてたぁ!!
慌てて踵を返し、階段を駆け上る。

(とにかく、パンティ取り戻さないと…ノーパンで帰るなんて…たまには悪くな…いやいやいや、それよりも菊丸くんがあのパンティでどんな悪さするかしれたもんじゃないし!!)
混乱に拍車をかけながら、ノックもせず、いずみは玄関の戸を開けた。

動かないで!!今すぐパンテ…ィ…きく…ま?
予想外の光景にいずみは絶句した。
眼下では今まさにでかけようと、玄関で腰をかがめていた老夫婦が、唖然とした顔で仁王立ちしたいずみを見上げていた。

え…ええっ!?
驚いたのは老夫婦も同じだった。

な、何じゃ!?お主…

じいさん、まだあんた、上の若い娘に…

ち、ちがう、よく見んかぃ!!この娘っ子は別人じゃろ!!

じゃ…じゃあ…強盗!?ひぇっおたすけぇ!!
言うが早いか老婆は自分の言葉でいずみを一方的に強盗と誤解し、恐怖で卒倒してしまった。

ち、ちがう!!わたし強盗なんかじゃ…

(そ、そうか考え事しながら階段上ったから…一階分間違えちゃったんだぁ!!)
パニックになりながらも、いずみはこの事態に陥った原因について一つの結論に達した。
老人は卒倒した老婆の介抱にとりかかる。

おい、お嬢ちゃん、話は後だ!!ばあさんを床に運んでやってくれ!!

あ…はい!!
菊丸と同じ間取りのその部屋は、老婆の寝室となっているらしい。明智家とはまるで違う陰鬱な雰囲気を醸し出しているその部屋にいずみと老人は老婆を抱え込んだ。
部屋にはすでに布団が敷かれているが、今敷かれたものではなく万年床らしい。枕元には薬や水差しの乗ったお盆が置かれている。

ありがとうな、お嬢ちゃん…
老婆が寝入ったのを確認すると、老人が力なく微笑んだ。

わたしの方こそ、驚かせてごめんなさい…どうやら階を間違えて入っちゃったみたいで…

おお、じゃああんたは明智さんとこの…兄貴の方の彼女かの?

ええ!?い、いやあの…
いずみが言葉に詰まったちょうどそのとき、チャイムが鳴ったので、老人はいずみの答えを聞かないまま玄関に向かう。

おい、お嬢ちゃん。その彼氏じゃぞい。

き、菊丸くん!?い、いえ、だから彼氏なんかじゃあ…そ、それより、どうしたの、菊丸くん!?

いやあベランダからいずみちゃん見送ろうとしたら全然姿見えないし、あれっ?って思ってたら、下からちょっと騒ぎが聞こえたからさ、気になって来てみたんだ。
これでいずみが明智家と間違えて入ったことだけは証明できた。

(おじいちゃんには、恋人同士って誤解されちゃったままのようだけど…改めて自分から話題にするのもアレだし…ま、まぁ悪い気はしないからいいか…あとはよくお詫びして退散しちゃお…)
無論部屋を間違えた自分が悪いのは重々承知しているのだが、何となく若さがなく、沈鬱なこの部屋から早く出たいのが本音だった。

こりゃあ何とかなるかと思うておったが…やっぱり出かけるのは無理じゃのう…
老人が気落ちしたように呟いた。

そういえば…何かお出かけされるようでしたね…
鉢合わせになったのが玄関だったといずみも思い出した。

この年になると新年の準備なんぞ、手間も…そして金もかけられんでなぁ…
言われてみれば、この家に正月を感じさせるものが一切ないことに気づいた。凧、羽根突きといった子供向けのアイテムはもちろん、注連飾り、破魔矢といった装飾品、おせち料理やお酒の気配もない。

子や孫が来るわけでもないし、ばあさんも見てのとおり伏せがちだから、せめて初詣くらいはと思ってでかけようとしておったんじゃ…

そうだったんですか…本当にごめんなさい…

ああすまんな、つい愚痴っぽくなって…
ふと見るといつの間にか菊丸が消えている…かと思うと今度は何かを抱えて戻ってきた。
自宅からおせち料理を取り分けて持ってきたらしい。脇には一升瓶まで抱えている。

おじいさん!!よかったらこれ…!!

あ…いやこんなにたくさん…そんな…これじゃわしらが催促したみたいで…

いやいや、これじゃ全然足りないくらいです。
本来なら菊丸は全く関係ないのだが、いずみに代わって懸命に詫びている。

(き、菊丸くん…)
めったに見せないその真摯な態度にいずみの胸がキュンとする。

あ…あの…本当にごめんなさい。わたしが言うのもなんですけど、せっかく菊丸くんが持ってきたんだから召し上がってください。

そ、そうかい…すまんの…
遠慮がちではあったが、結局老人は迷うことなく菊丸から料理や酒を受け取った。

さ、いずみちゃん、ぼくらはいったん失礼しよう!!

あ…うん…
菊丸に促されていずみは外に出た。
玄関を閉めたとたん、菊丸は振り返ってこう切り出した。

さ、いずみちゃんは上に戻って準備してて!!ぼくもすぐ戻るから!!

え…?帰っちゃダメなの?

当たり前でしょ、ぼくが言ったじゃない『いったん失礼します』って!!あの老夫婦にお正月の雰囲気だけでもできることはして差し上げないと…

ま、まぁそうだけど…確かにわたしが悪いんだし…でも菊丸くんはどこに行くの?

ぼくは下の自治会事務所の倉庫から獅子舞のグッズを借りてくる。踊り手がいないからって今年は使ってないはずだ。

そ、それはいいけど…わたしは、な、何を準備するの?あ、おせちの追加?

ちがうよ!!おせち以外にも、お正月のお楽しみを提供しなきゃ!!

お、お正月お楽しみ…?

ぼくは獅子舞であの老夫婦を見舞う。いずみちゃんはいずみちゃんにしかできないお正月に関することを準備するんだ!!
菊丸がそう言い残してさっさと下に行ってしまったので、いずみは仕方なく明智家に戻る。
菊丸の部屋に入ったいずみは唖然とした。

な、なにこれ…
そこには半畳敷きくらいの奇妙な手製のテーブルが置かれていた。天板の中央に丸い穴が開いている。
その脇には幔幕のような布切れとたくさんの画鋲が置かれていた。
これらをすべて組み合わせると…

ぐるりと幔幕に囲まれた穴あきテーブルができる…?
呟くいずみに菊丸の「いずみちゃんにしかできないお正月に関することを準備するんだ」の言葉が甦った。

き、菊丸くんたら…ま、まさか…またわたしの…
いずみは無意識におしりを手で押さえていた。
15分後…

いずみちゃん、やっと見つけたよ!!
菊丸が獅子舞の道具一式を台車に乗せて戻ってきた。

…いずみちゃん?あれ?いない?
自室に戻った菊丸は、ある一点に目を奪われた。
いずみの姿はどこにもなく、代わりに幔幕に囲まれたテーブルがあった。
そのテーブルの中央に橙と上下二段のおもちで成す、見事なお供えもちが鎮座していた。

特に下の土台となっているおもちは、中央頂点から下に向けて大きなヒビが入っているが、その貫禄は素晴らしいものがある。

…
時折何か羞恥に耐えるかのように、おもちはプルップルッと震え、艶めかしさを醸し出す。

い、いずみちゃん!?
菊丸がおもちの正体に気づき、抱えていた獅子舞を放り投げて駆け寄ると、それに応えるかのようにおもちがまたプルッと揺れた。

す、すばらしいよいずみちゃん!!、自らおしりをおもちに見立てて、あの老夫婦を喜ばせようというその心意気!!

だ…だってぇ…

ぼくは前から思ってたんだよ、いずみちゃんはおしりがとっても色っぽくて、特にその魅力は、丸みを強調したときに一番発揮されるって…

へ、変な褒め方しないでよぉ…きゃっ!?
菊丸はいずみのおしりを両手で優しく抱きしめた。

千春ちゃんやリンダには絶対できない究極のおしり…ああ、そんないずみちゃんのおしりを正月早々抱きかかえられるなんて…

バ、バカァ…エ、エッチィ!!

うう~ん、しかし…確かにあの老夫婦に提供するお正月ネタとしては最高なんだけど…前回の失敗は教訓にしないとね。

し、失敗?

お年寄りは頑固でこだわりがあるからね『ヒビがはいっとる!!』なんて言われないようにしないと…

あ…!!
ずっぷりと指を突き立てられたのをいずみは思い出した…

※こんなです

今回は、ちゃんと隠していこう!!ちょっと待ってて!!
おもち姿のいずみをそのままに菊丸は台所に行くと、おもち(本物)をレンジで温めて戻ってきた。

この熱さなら多分大丈夫だと思うけど…
指で器用に仮の形を作り、おもちの『ヒビ』にぐいぐいと指で押し付け始めた。

※いずみには一番敏感なツボです

あ…やぁん…
おもちの心地よい温かさと柔らかさ、そして菊丸の程よい指圧がいずみの骨盤にまで届く。
ある程度おもちでヒビが埋まると、今度は指でぐいぐいとおしりの肉におもちの端々を伸ばして接合していく。

んんっ…んふ~ぅ💛
思わず甘い吐息が漏れる。これまでは羞恥に耐えてのだった痙攣が、甘美に浸った喜悦へと表現の意味合いが変わってきた…

よし…できた!!
それは器用な菊丸ならではの見事な技術だった。パテ材代わりのおもちとおしりの接合部分がまるでそんな痕跡がないかのようにきれいに一体化し、本物のおもちになりきっている。

うん、いずみちゃんのおしりは本当に色白だから、全く違和感ないよ!!

…やん…
その賛辞に応えるかのようにおしりがプルッとまた揺れた。

んん!?
その途端、くっつけたおもちはペロリと剥がれ落ちた。

んん~む…水分が足りなかったようだね。こうなるとやっぱり…

(ま、まさか!?)
今度は水をたっぷり含ませた筆を取り出すと菊丸はいずみの窄めたヒビに強引に筆先を押し込んだ。


あっ…やぁん、や、やっぱりぃ!!つ、つめたぁい!!

ガマンして、いずみちゃん!!
菊丸は突っ込んだ筆を上下左右にくねらせた。

あっああん!!ふ、筆の毛先がぁ~💛
温泉宿のときと違い、声を押し殺す必要がないので、いずみは遠慮なく絶叫する。
にちゃり、にちょり、ちゅぽん、にゅるん…
筆が淫靡な音を立てる。

もういいかな?…あ、あれ?

筆を引き抜くと、筆は作業前よりもしっとりと重みを増している気がしたので、菊丸は首を傾げた。
とりあえずその疑問を棚上げし、表情は窺えないが、あきらかにぐったりしている様子のいずみのおしりに菊丸は再び、今度はより丁寧かつ慎重におもちのパテ埋めを施した。

※今回は「寿」のお習字はありません

で、できたの?菊丸くん…

いやいやここからが総仕上げ。

し、仕上げ!?

いずみちゃんのおしりはおもちとして最高の素材!!だけどそれだけじゃだめなんだ!!

…?

いくら最高の肉でも、そのままじゃ生肉のまま!!厳選して加工して、演出してこそ最高の料理に仕上がるんだよ。ぼくに任せて!!
そのころ階下の一室では、例の老夫婦が沈んだ面持ちで過ごしていた。

ばあさんや、せっかく意識が戻ったのはいいが、何か食わんと回復できんぞ。ほれ、せっかくおせちもいただいたことだし…

すいませんねぇ…おじいさん、わたしが卒倒なんてしなけりゃ今頃はのんびり初詣でしたのに…
そんなしみじみ嘆息する夫妻の前に、和装に着替えた菊丸がお獅子を抱えてけたたましく現れた。

あらためまして、あけましておめでと~ございます!!お正月名物、獅子舞でございます!!

おお…!!

お、おじいさん…わたしゃ…獅子舞が見れるなんて思ってもいませんでしたよ。

さらにさらに…移動式鏡もちを持参しました!!ご笑納ください!!
ガラガラと菊丸が押して現れたキャスターには、件のお供え餅が鎮座していた。

※真打登場

こ、これは…!!

な、なんてりっぱなおもちでしょう!!もち肌そのものみたい!!なんまんだぶ、なんまんだぶ…

プルンと丸く…艶やかで官能的ですらあるわい!!
お供えもちがいずみのおしりだなどと思いもせず、しかし二人はまるで正体を知っているかのような賛辞を惜しまない。

(や、やぁ~ん!!この二人…わかって言ってるんじゃないのぉ!?)

もちの色形もみごとじゃが…このわずかに見せる粉の乱反射がまた美しいのぉ…

キラキラしてますねぇ…おじいさん…

(あ…それが菊丸くんが言ってた『演出』ね…)
いずみのおしりには菊丸によって片栗粉がうっすらとしかし満遍なくまぶされていた。それがより本物のおもちらしいリアリティと片栗粉の粒子が見せる乱反射の演出を醸し出していた。

あいにく後日他でも飾りますので、お召し上がりいただくわけにはいきませんが…しばらくは目でご堪能ください!!

おや、そりゃ残念、まぁしかたないのう…

ま、このおもちはお獅子さまへのお供えということで…
獅子のカシラがおしりに軽く噛みついた。

(~!!)
もちろんいずみは動けない。
そのまま菊丸は、獅子舞を演じはじめたが、その後もちょくちょく音曲に合わせてカシラを噛ませた。
こうしていずみを刺激しつつ、かつ老夫婦がおもちに触れないよう、絶妙の距離感を維持しながら、二人を慰問したのだった。

いやぁ、じょうでき、じょうでき!!あの二人もすっかりご機嫌だったし…いずみちゃんもよくがんばったよね~お疲れさん!!ぼくも病み上がりの体には疲れちゃったよ。
ようやく老夫婦の部屋を辞去した二人は、明智家の菊丸の部屋に戻っていた。


もぅ!!あれのどこが舞よ!!おしりに噛みついてばっかりだったじゃない!!

まぁまぁ…いずみちゃんも結構愉しんでたでしょ?最後はおしりがほんのり色づいて紅もちになってたしねぇ…

う、うるさいわね、そんなわけないでしょ!!そ、それより早く外してよぉ!!こ、この体勢…結構きついんだからぁ!!

はいはい…
成り行きでいずみのお供えもちまで堪能し、すっかり満足した菊丸だったが、ふと怪訝な面持ちで訪ねた。

そういえば今更だけど…

な、なに?

いずみちゃん、なんでおしりでおもちに成りすましたの?
不意を突かれる質問を受け、いずみは動揺した。

え…そりゃ…だってぇ!!こんなテーブルが置かれた部屋で、わたしにできるお正月のお手伝いって言われたら…おしりでお供えもちを演じるくらいしかないじゃなぁい!!
幔幕に隠れたまま、いずみはヤケクソ気味に答える。

へ?べつにぼくそんなこと要求してないけど?だいたい部屋にこの特殊テーブルあるなんて言わなかったでしょ?

え…?
おもち…おしりから一気に血の気が引いた。

ぼくはただ、この部屋にあるすごろくや福笑いやコマといった小道具類を持っていけるようにしておいてほしかっただけなんだけど。

そ…そんなぁ!!じゃ、じゃあ、この変なテーブルは何なのよぉ!?

あ、これ?ほら、こんどまた年明けに幼稚園に慰問にいくじゃない?その時の出し物で使う手品用のテーブルだよ。年末体調崩して準備ができてないから、少しでもやっておこうと思って、いずみちゃんが帰った直後に作業し始めたところだったんだよ。

…
一瞬の静寂。
ちゅどーん!!
直後に、テーブルわずかに宙に浮き、直後に落下。同時にテーブルの内部からぶわっと爆風が起き、幔幕が軽く捲れ上がった。

わ、な、なんだぁ!?
どうやらいずみがテーブルの中でおもちの体勢のまま、ずっこけたものらしい。

き、器用にずっこけるねぇ…いずみちゃん…
結局、いずみが覚悟を決めて露出した『おしりお供えもち』は、確認不足による自爆にすぎなかった。

や…やぁ~ん!!そ、そんなぁ~!!わたしの早とちりだったのぉ~!?
ずっこけ爆風の驚きから立ち直った菊丸は、再び目線をおもちに向けて、固まってしまった。

お…おお~!!
(くぱぁ…💛)
感嘆の呻きをもらした。いずみがずっこけた際、そのはずみで股間に貼りつけたおもちが音もなく剥がれ落ちてしまっていた。

剥がれ落ちたおもちの奥から艶やかに光るピンク色の…先刻まで菊丸が『初日の出』と呼んでいた部分が惜しげもなく露わになっていた。

い、いずみちゃんの初日の出…ま、まさかリベンジなるとは!!
パックリ開いた中央部分が、夕日を浴びてキラキラと照り輝く。

※逆光です、逆光…

や、やぁ~ん!!み、見ないでぇ!!だめぇ恥ずかしい!!やだぁ!!板の穴に食い込んで…ふ、太ももが閉じれなぁい!!うっうう~ん!!わぁ~ん!!お、お嫁に行けなぁい!!

いずみちゃん、ゆっくり落ち着いて、リラックスするんだ!!

う、うん…
(くぱぁ…くぱぁ…)
まるでそこが深呼吸しているかのようにパクパクと開閉する。

な、なんて神秘的なんだ、いずみちゃん!!

バ、バカァ!!エッチィ!!覗きこまないでってばぁ!!お、奥まで見えちゃ~う!!
その様子を恍惚の表情で眺めていた菊丸だったが、興奮のあまり、頭に血が上って倒れそうになった。

(う…めまいが…いかん、いかん!!丸見えなのはありがたいけど、これじゃあ刺激が強すぎて、吾作どんや温泉宿の社長みたいに卒倒してしまう!!)

あ、兄ちゃん!!ただいま!!もう起きて大丈夫なの?
不意にドアを開けて現れたのは、菊丸の実弟竹丸だった。

あ、あれ、竹丸?お前だけ帰ってきたの?

うん、父さんたち、訪問先で上がり込んでお酒のご相伴になって酒盛りはじまちゃってさぁ…つまんないから戻ってきちゃった。

そ、そうか…

わ、何これ!?お供えもち!?

い、いやこれは…

珍しいねぇ…アワビが埋め込んであるんだ…

(ち、ちがぁう!!それは…)
菊丸が躊躇った隙に竹丸はおもちを撫でまわしながら菊丸に問うた。無邪気に撫でまわして貼るが、菊丸の血統。無自覚ながらもその手のテクニックはいずみを存分に刺激する。

(あ…そこ…さわっちゃだめぇ!!)

へぇ~つきたてなんだ、柔らかいなぁ💛そういえば兄ちゃん…いずみおねえちゃんは?

え、な、なんでいずみちゃんが来てるって知ってるの?

だって、玄関に女物の靴があったし、部屋におねえちゃんのコートがあったよ。あれ見覚えあるもん。

(ぐっ…す、するどいな)ちょ、ちょっと出かけてるんだよ。

ふ~ん…あ、そうだ、兄ちゃんぼくお腹すいたからこのおもち食べていい?

そ、それは…だめだ!!これは兄ちゃんの大切なおもちなんだ!!例え肉親でも他にはやれん!!

な、なんだよ、けちくさいなぁ…いいじゃないか…
竹丸は強引におもちを取り上げようとしたが、菊丸が先手を打った。

だめだだめだぁ!!このおし…おもちは、ぼくのもんだぁ!!
菊丸の歯がいずみのおしりに噛みついた。お獅子のカシラと違い、鋭い歯が肉に食い込む。

(い…いたぁい!!)
声を立てずにいずみは必死で耐える。
菊丸がおしりから離れると口元からおしりまでヨダレが糸を引いていた。そしてその後には菊丸の歯型がきっちり残っていた。

わ、汚いなぁ…わかったよ、もういいよ。
竹丸が眉を顰めながら諦めた。

そうだ、兄ちゃん記念写真撮ろうよ。

…え?

だって兄ちゃん体調崩して寝込んでただろ?なんでか知らないけど今は和装だし、ちょうどいいじゃん。お正月写真一枚くらい撮っておこうよ。

あ…そ、そぉ?

(ちょ、ちょっとぉ!!)

あ、そのお供えもちの前にそのお獅子と一緒に正座して…そうそう、じゃ撮るよ~
(パシャ)
のちに現像された写真にはお獅子を抱え、正座した和装の菊丸。そしてその隣には見事なおもちが丸出しの状態で写っていた。
だが、そのおもちの幔幕から、一房束ねた髪がはみ出ていたので、竹丸は「なんだこれ…?」と首をかしげるのだった。。
おしまい!!

はーい!!出張版「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクでーす!!

アシスタントの原田いずみです!!

いやぁホント疲れたわぁ…

…ってあれ?なんで黒猫さんがそんなにバテてるんです?わたしはともかく、黒猫さんは本編に関わってないじゃないですか。

そ、そりゃあ巡業の直後にこの出張版のオンエアだからねえ。

な、なるほど…

さて、三が日にかけてお送りした新春特別企画、大反省会はまた日を改めて行います。

あ、そうなんですか?じゃあ今日わざわざオンエアしなくていいじゃないですか。

いやいや、今日はまだ三が日。スタジオに華が欲しくてさ…

あ、つまりわたしってことですかぁ?

…意外と図々しいねいずみちゃん。まぁある意味正解。

ある意味?

よいせっ!!

きゃあ!?


いたた…な、なにするんですかぁ!?

いやぁ本編で見せた大活躍をこっちのスタジオでもと思って…

そ、それってまさか…

こっちでもお供えもちになってもらうよ!!

きゃああ!!やっぱりぃ~!!

さぁさぁ…パンティは膝まで下ろしちゃおうね~


きゃぁん!!

後は例の特製テーブルに据え付けて…完成!!


ああ~ん!!またアイコンがおもちに変えられちゃったぁ!!

さて大反省会の日程だけど…

8日後で!!

な、なんでそんな半端な日?ま、まぁいいけど…じゃあまた大反省会で!!ごきげんよう!!

ご、ごきげんよぉ~

こらこらおもちがしゃべっちゃダメでしょ!!…おしおきっ!!


ああ~ん💛ご、ごめんなさぁい💛
新春特別企画創作ストーリーⅡ
昼下がりの初日の出!?
ここは菊丸の自室。いずみがベッドの上で奇妙な動きをしている…
服こそ着ているが、後ろ手に縛られたいずみは菊丸にまたがり、時に大胆にかつ妖しげに腰を振る。


んぅ…んんっ…
一方でまたがれている菊丸は、無言で何の反応も示さない。なおも艶めかしく腰をクイクイと動かし、やがてその動きを止め、菊丸の顔面にスカート越しとはいえ、おしりを乗っけた状態で落ち着いた。

や、やっとベッドまで引き上げたぁ…
実は菊丸、新年のあいさつで明智家に来たいずみを縛って弄んでいたのだが、元々悪かった体調を悪化させて倒れこんだのだった。
最初はこの隙に帰ろうとしたいずみだったが、さすがに病人をそのままに放置するわけにもいかず、そもそも帰りたくともこの縛られた状態を何とかしなければ帰るに帰れない。
仕方なく当座の処置として、いずみは失神した菊丸をベッドに引き上げることにした。
引き上げる際、手の自由が利かず、やむなく太ももで菊丸の脇を抱え込んだため、自然と熱を帯びた菊丸の頭部がいずみのスカートの中に突っ込まれる。

(やぁん…あ、熱ぅい…)
どうにかこうにか菊丸を引き上げ、微調整で体をベッドの中央に寄せたのだが、それが冒頭の一見男女の秘め事のごとき光景だったのだった。

あ…やっぱり具合悪かったんだ…
ベッドの壁側に何か倒れている。縛られた手でどうにか引き起こすと、それは氷嚢だった。まだ氷が残っているのか薄っすらと水滴がまとわりついている。
振り返りつつ、どうにか氷嚢を菊丸の額に乗せてやると、菊丸の表情がわずかに緩んだ。冷たさが心地よいらしい。

さて…と…これからどうしよう…
意識を失ったままの菊丸の胸にまたがり、後ろ手に縛られたままいずみは思案する。

と、とにかく…この縛られた手を何とかしないと…
その時、不意にいずみのおしりがムニュンと鷲掴みされた。

きゃあ!?
振り返ると、いつの間にか意識を取り戻した菊丸が、いずみのおしりを撫で愛でている。

や、やだぁ!!菊丸くんのエッチぃ!!
思わず体が反応し、反射的に菊丸の顔をおしりが押しつぶした。

うぷぷっ!!い、いずみちゃん…く、苦しい…
スカートの下で菊丸がもがいている。

もう…いつの間に目覚めてたのよ!?油断も隙もないんだから!!

ついさっきだよ…
実はいずみは全くの無自覚だったが、菊丸をおしりの下に敷いて腰を小さく前後に振っていた。
その微振動が菊丸を揺さぶり起こしたのだった。

いずみちゃん、ベッドに引き上げてくれたんだね。ありがとう、助かったよ。
手でおしりを押し退けながら、菊丸は改めて感謝の言葉を口にした。その妙に素直なところがいずみには憎めない。

ずっと具合悪かったの?なんだか悪かったわね、そんなときに押しかけちゃって…

いやいや、こんな眼福にあずかれたんだから満更でもないよ…

もう…バカね…
おしりをぺちゃぺちゃと触ってはくるが、病人への遠慮もあり、いずみも強い反発は差し控えて、とりあえずそのままで会話に応じる。

年末から具合悪かったの?

30日頃からかな…ずっと熱が引かなくてね…これでも少し楽になった方なんだ。

大変だったのね。わたしったら何も知らずにいきなり訪ねちゃって…ほんとごめん。

いずみちゃんが謝ることじゃないよ。あ~あ…まだ正月らしいことなにもやってないんだよなぁ…

あの福笑いや諸々のボードゲームがあるじゃない。

あれは全部竹丸が使ってたんだよ。あいつがぼくに付き添ってて暇つぶしにね…

ほかにお正月らしいことって…?羽つきとか、コマ回しとか?

まさか、いくらなんでもそんな子供っぽいことはしないよ。お年玉稼ぎとか、年越しイベントの参加とかさ…

まぁしょうがないわね。お年玉は竹丸くんにおすそ分けしてもらいなさい。

まだ雑煮も食べてないし…結局餅つきも…あ、でも今これでできてるかぁ!!

んあ…?
むにむにと今度は遠慮なくおしりを掴まれ、さすがにいずみも抵抗感が出てきた。

も…もう!!病人だからって、いつまでも好き勝手しないでよぉ!!
これまで無自覚に前後に動かしていたおしりがビクンと縦に反応した。一瞬ふわりとスカートが舞い広がり、どすんとまた菊丸をプレスする。

ぐほっ…け、けっこう来るなぁ…

だ、だってぇ…菊丸くんが触るから反射的に…
その時、いずみはようやくこの縛られてる状況を打開しなければならないことを思い出した。

ちょっと、菊丸くんこれいいかげんに…
そう切り出してベッドから降りようとした矢先、菊丸がいずみがすべて発言し終える前に割って入ってきた。

そうだ…お正月にやり損ねたといえば…今年は初日の出見られなかったんだよね…

そんな体調じゃ当たり前でしょ。そもそも今年は関東一円曇ってたから、わたしだって初日の出も何も見えなかったし…
いずみもまた初日の出に関しては、やや残念そうな表情を見せる。

いやいや…今日は午後になったとはいえ、まだ元日。そうだ、まだ間に合うよいずみちゃん!!

はぁ?

よっと!!
不意に菊丸は寝そべったまま、自分にまたがっているいずみの背中をドンとついた。

きゃあ!?
いずみの上半身は突き飛ばされた勢いで前に突っ伏し、菊丸の腹の上にいずみの体が重なった。さらに余った勢いで後ろ手に縛られた手が肩が外れそうなほど背中から後頭部の先へ放物線を描く。

いたたた!!な、何するのよぉ!!
いずみの丸みを帯びた豊かなおしりが腰を折ることでさらに丸まり、菊丸の鼻先に迫る。

いずみちゃんで『初日の出』を拝めばいいんだ!!

ええ!?それってまさか…

いずみちゃんの母なる太陽だよ!!

バカァ!!な、なんであんたにわたしのぉ…そんな大切な部分見せなきゃならないのよぉ!?

お願い、いずみちゃん!!これもぼくへの『お年玉』だと思って!!

なんでもかんでもお正月に結び付けるなぁ!!だ、だいたいあんた、いつの間にそこまで元気になったのよぉ!?

いずみちゃんがおせち食べてる間に飲んだ薬が効いてきたんだね…体力こそ落ちてるけど、頭はすっきりだよ。
いずみにしてみれば、状況は最悪だった。立ち上がろうにも手が使えないいずみは、体を起こすこともできず抵抗もままならない。

や、やだぁ!!
それでも抵抗を試み、肩を支点に起き上ろうとした矢先…いずみは視線の外から何かが動く気配に気づいた。

(ん…?)
倒れたいずみの眼先にあったのは、少し饐えた臭いを放つ菊丸のジャージだった。その中央がこんもりと盛り上がり、芋虫のような何かが僅かではあるが蠢いている。

…
いずみは一瞬抵抗を緩め、その奇妙な代物に目を奪われた。

(こ…これって…)
その隙を菊丸は逃さなかった。いずみのスカートを捲り上げ、ストッキングに覆われたおしりをむき出しにする。

あ…!!
目の前の何かがまたぶるんと反応した。

(や、やだぁ…う、蠢きだしたぁ…)
いずみはある可能性に気づいた。この菊丸の興味深い動きをする体の部位は、自分が菊丸を誘惑すれば、さらに大きく反応するのではないか、と…
菊丸がいずみたちの大切な部分に固執するように、いずみもまた、殿方のその部位に関心が深まっていた。
その目標が今、目の前にある…
ジャージはウェストのゴムがもう少しで菊丸の腹から離れそうなほど突っ張っている。。

(く、工夫次第で…あの奥がさらに覗けるのかな…?)
それならば不本意ではあるが、少しだけ菊丸に餌を与えばもう少し変化が現れるであろう。それをもってこの眼前の光景の移ろいを確認してみたい…
ある意味でいずみの研究心に火が点いた、もっといえばいずみが菊丸化したといえる。

(…そ、そう、これは研究よ!!わたしは高校生という学究の徒。興味を持ったことはしっかり学ばなくちゃ!!)
いずみは必死に自分の考えを正当化し、抵抗をわずかながら弱めた。

ちゃ、ちゃんと約束守れない子に『お年玉』はあげられないわ!!

や、約束!?
妙な切り替えしに菊丸が少し動揺した。いずみはその間に必死に言葉を選ぶ。
多少の餌…すなわちいずみからお色気を提供しなければ、菊丸のジャージの中の蠢きは変わらない。

(だからといって、ま、丸出しなんて、はしたないマネは避けなきゃ…)
要はギリギリまで引き付けて、自分の最後の砦は守り抜きたい…

(そ、そうか、逆に言えば最後の砦が崩れなければ大丈夫!!)
いずみは意を決して条件を突きつけた。

ぜ、絶対パンティは脱がさないで!!これが約束よ!!

そ、そんなぁ!!それじゃ『いずみちゃんで初日の出』が見れないじゃん!!

う、うるさいわね!!現実の元旦が曇りだったから、こっちも雲がかかってると思えばいいのよ!!それが嫌ならわたし、帰る!!

そ、そんなぁ~
いずみが結論付けたギリギリの歩み寄りだった。
失望したかのような様子を見せてはいるが、菊丸もまた逡巡した。目の前にあるストッキングとスカートという鎧に包まれたいずみのおしり。条件付きとはいえ、これを公然と弄べるのはまたとない機会であるのは間違いない。不足するなら付け足す隙を見せれば付け入る創意工夫を最大発揮…まるで会社の社是のような菊丸のモットーが脳裏を掠める。

(…『いずみちゃん初日の出』…拝める可能性がないわけでもなさそうだ…まさしく天候と同じく成り行き次第。まずはリングに上がらないと勝負にならない…よし!!)
もとよりいずみの条件案で、既に負け…怒って帰られたり、おしおきを受ける事態だけは避けられる。まだ具体策は見い出せてないが、展開の可能性に菊丸は賭けることにした。

わ、わかったよ…ぼくがパンティ脱がさなければいいんだね?

う…うん…
首だけ振り返りいずみがコクンと頷いた。振り向き際に羞恥に悶える面持がまた菊丸を刺激する。

いやいやそれなら…ぼくはいずみちゃんのパンティに触れない!!約束しよう!!
ここでただで引かないのが菊丸だった。自分からさらに譲歩してきた。いずみにしてみれば、パンティを脱がさない約束より、パンティに触れない約束の方が有利なのは言うまでもない。

え…?ま、まぁ菊丸くんがそれでいいなら…で、でも約束したからには変更は認めないわよ!!
菊丸が敢えて不利な条件変更を提示したのは、状況に応じて発揮する並外れた観察眼が、いずみのストッキングの左右の腰部分の特徴を見逃さなかったからだった。結局いずみは菊丸の案を受け入れることにした。

(ぐふ、ぼくの勘に間違いなければ…)
だがまずは、公然といずみを引ん剝ける喜びに集中する。

さてさて…え~オホン。大晦日の深夜、除夜の鐘も撞き終えて、今は闇夜が支配する…
菊丸の太く厚みのある掌が太ももからおしりに向けて撫でまわされた。

あっ…
ぞくっとした感覚がいずみに走る。口が波打った形に歪み、笑顔とも困惑ともとれる。

さて明智菊丸が中継しますは、霊峰富士にはおよばないものの、ごく一部の通には聖峰とも崇め奉られている『しりもち山』でございます!!
どうやら菊丸の中である程度ストーリーができているらしい。いずみにというよりは自分に言い聞かせ、それに陶酔しながら話を続ける。いずみのおしりを山にたとえ始める。

ちょ、ちょっと…何勝手に変なお話はじめてるのよ!!大体『しりもち山』って千春が鉄道模型展で露出したおしりにつけてもらった名前じゃない!!

え…『つけてもらった?』

あ…と、とにかくぅ何なのよ、そのお山のストーリー仕立ては!?

うふふ…いずみちゃんのおしりを山に見立て…そしてパンストは夜の闇ってことだよん💛
よくもまぁ、わずかな共通点でそこまで話をつなげられるものだと、いずみは呆れつつも感心した。

(あ…ちょっと変化してきてる…)
ジャージに目を移すと、おしりを撫でまわされ始めたころ、例の膨らみは、これまではたまにピクンと動いていたが、常にモゴモゴと微動する動きに変わった。

さて続き続き…やがて神聖なる朝日が徐々に闇を取り払う…
ゆっくりと少しずつ、しかしそれを確実に菊丸はパンストを下ろし始めた。特にパンティ周りは例の約束もあってか、パンストをやや過剰に引っ張って、生地に触れないよう、丁寧に脱がしていく。
パンストはいずみの膝まで下ろしたところで止められた。手繰り寄せられた黒いパンストが、アコーディオンのように折り重なり、四つん這いの膝でピンと張られている…

あん…は、恥ずかしぃ…
屋内とはいえ、不意に外気に触れたせいか、一瞬いずみのおしり全体がブルッと揺れた。そのおしりはまだスカートに護られている…
やがて『しりもち山』の山際に日輪が映し出される…
どうやらスカートのことは日輪という設定らしい。確かに濃いオレンジのスカートはそう言われればそう見立てられなくもない…

(…ん?ということは…いよいよ…)
いずみの予想どおり、菊丸はスカートの端をつまむと、ストッキング同様に丁寧にひっくり返した。
ふわりと微風が起き、捲れ上がったスカートの奥からいずみの白いおしりが露わになる。もちろんパンティによって大切な部分は隠されたままだが…

あっ…💛
いずみは思わず吐息を漏らす。


ぐふふ…やっぱり~!!
菊丸は自分の読みが当たりほくそ笑んだ。

な、なにがやっぱりなのよ!?
不安に駆られたいずみが我に返って振り返る。スカートがまくれ、突きあがったおしりがゆらゆらと揺れている。身体が突っ張っているせいか、小さなパンティはおしりの割れ目に食い込まんばかりに皺が寄っており、その光景は改めていずみに羞恥の感情を湧きあがらせた。

あ…
同時にいずみは自身の不覚を痛感した。そのパンティは腰で結わえる『紐パン』だったのだ。

(ま、まずい…すっかり忘れてたぁ…今日は紐パンじゃない!!)
ようやく菊丸が「パンティに触れない」などと譲歩する宣言の理由を察したいずみ。

あ…あのぉ…菊丸くん?

だめだよん、いずみちゃん~今さらなかったことになんて…
いずみの心中を見透かしたかのように菊丸が警告する。

わ、わかってたの!?今日わたしが紐パンだって…!!

もちろん、ストッキングの結び目の膨らみで察しがつきましたよ。

ずるぅい!!

いやいや、別に罠を仕掛けたりはしてないんだから、そんなこと言われる筋合いはないでしょ。別に約束を破ったりしてるわけでもないんだからさぁ~
正論を突きつけれられ、いずみは返す言葉もない。
ほらほら、もっとおしりをこっちに寄せて!!
ここまでくると、いずみももはや抗う術はない。せめて菊丸と取り交わした約定が守られるのを祈り、またそれが破棄された時にしか反撃できないといずみはあきらめざるを得なかった。
気持ち程度だがおしりを菊丸に寄せると、おしりは一層丸みを帯び、また小さなパンティからは包み隠しきれないおしりの割れ目が半分飛び出している。

パ、パンティ絶対触らないでよ!!約束だからね!!菊丸くんが言い出したんだから、絶対よ!!

はいはい…
いずみは意を決して身体を折り、菊丸におしりを突き出した。

新年を迎えるに当たり、明智菊丸は初日の出を浴び、心身を清めようと思う次第であります!!あいにく本日は白い雲に覆われたうす曇りですが…
どうやら菊丸は約束は守ろうとしているらしく、パンティには指一本触れてこない。その点だけはいずみも安堵し思わず安堵の息を漏らす。

(ほっ…)
だが次の瞬間、菊丸は両手をおしりの肉に押し当てると、そのままグイッと左右に開いくという、いずみの予想を上回る行為におよんだ。

きゃああ!!な、なにするのよぉ!!

パンティに触れなけりゃいいんでしょ?約束は守ってるよ。おしりに触れちゃいけないなんて約束してないし…

ず、ずるぅい!!そ、そんなに押し広げちゃ…だめ~ぇ!!お、おにく…くぱぁってなっちゃ~う!!
元々パンティの股間の部分は生地がそう太くない。菊丸が器用に指で左右の限界まで手繰ると、白いパンティの縁からピンク色のおにくがわずかながら顔を見せる。

おほ、いい色💛

だ、だめぇ…ひ、広げて…み、見ないでぇ~!!

しかしまぁ…その奥はさすがに見えないかぁ…

あ、当たり前でしょ!!それだけは絶対許さないんだから!!

まぁいいかぁ…いずみちゃんのおしりをこんなド間近なアングルで堪能できるなんて中々ないからねぇ…
ぴちゃぴちゃとおしりを菊丸が満足げにはたく。

や…やぁ~ん!!わたしのおしりはスイカじゃなぁい!!

うんわかってる、これはスイカというよりはおもちだもんね~

そ、そうじゃなくて…え?
いずみの目線が再びジャージに注がれた。先ほどより膨らみが大きくなり、明らかに天井に向かって盛り上がっている。
ジャージのゴムは生地の突っ張りに追いつかないのか、僅かだが菊丸の腹から離れだしている。
太い筒状の肉塊とそれに沿って脈打つ血管がほんの僅かにだが窺えた。

…
いずみが目を奪われた直後、いずみは体の奥底から込み上げてくる感覚に襲われた。

あ…!!
それはいずみを大いに焦らせる事態だった。

(ま…まずぅい!!こ、このままじゃあ…パンティが内側から…そして菊丸くんにばれちゃう!!)
いずみの焦りをよそに、菊丸は菊丸でさらに策を練り、実行に移していた。

よーしそれなら…

ひゃああ!?な、何ぃ!?
突如凍てつくような感覚がいずみを襲った。菊丸が氷嚢の表面に付いた水滴を、パンティの中央に押し付けたのだった。

霧が白い雲を払っていくよ…雲の濃度がどんどん薄れて…
濡れたパンティはいずみの肌にぴったり貼り付き、その影響で奥が不完全ながら透けてきた。

や、やぁ~ん!!パンティ透けて貼りついて…お、おにくの中までみ、見えてる~ぅ!!
自分の置かれた状況を直接視認できずとも、パンティがじっとり貼りついた感触でいずみは、何がどう見えているか察していた。
だが、これはいずみにしてみれば九死に一生を得たような状況だった。安堵を体現しているのか、はみ出たおにくがピルピルと痙攣する。

(た、助かったぁ…こ、これで水滴のせいにできるぅ~)
菊丸は再度いずみのおしりをグイッと押し広げる。パンティの奥の透けたものもそれに釣られてひし形のような形に歪む。

うほほ~これぞ、いずみちゃん初日の出!!母なる太陽!!確かにいただきましたぞ!!開けましておめでとう!!

ああん…でもやっぱり…見ちゃだめぇ!!ってうか…『開けまして』じゃなくて『明けまして』でしょぉ!!
その時暴れたのがまずかったのか、パンティの左型の結び目が解けてしまった。

きゃああ!!
湿気が及ばず摩擦抵抗の少ない結び目は簡単に解け、腰骨から離れていった。
おしりを辛うじて隠しているのは右半分の結び目のみだった。これが解けることをいずみは恐れた。

あ…ああ~ん!!き、菊丸くぅん!!パ…パンティの紐…結んでぇ!!
だが菊丸の反応は冷ややかなものだった。

だめだめ…ぼくはパンティに触れない約束だからね!!
これこそ菊丸の狙い目だった。パンティに触れられない縛りは、パンティが脱げそうになってもいずみを助ける義務を負わなくなる。そしてそんな状況を産み出せると確信していたのは、今日は紐パンらしいと察したためでもあった。

そ、そんなぁ~!!
パンティはいずみのおしりを斜めに突っ切って垂れ下がっている。菊丸がパンティに触れられるなら指でつまんで少しずらすだけで、斜めになったパンティの奥が大公開となる…

ほぼ9割がた透けて丸見えなのに、直視されるのは嫌がるんだねぇ…
いずみもまた自身が抱える矛盾した感情を持て余していた。

(ま、丸見えにする方が恥ずかしいはずなのに…わ、わたしったら、この見え切れないギリギリの感覚を…た、楽しんでるぅ!?)

で…でも…やっぱりだめぇ!!
縛られた両手首で垂れかけたパンティをグイッと掴みあげる。パンティは多少位置を戻したが、引いた勢いで前側の生地が太ももの間から垂れ下がり、菊丸の眼前に迫る。

おおっとぉ!!顔にパンティが触れたら約束違反!!これはいけませんぞ!!回避しなくては!!
顔に迫るパンティを避けようと口を尖らせてふうっと息を吹きかけると、湿気を含んだパンティがやや重々しく舞い上がった。
(ふわっ…)

きゃああ!!やだっ…み、見えちゃう!!
実際に見えてるかどうかは定かでない、ただ菊丸の血走った視線が注がれているのは充分感じていた。
さすがに乾いた時と比べて少々重いのか、パンティはすぐに元に戻り、その都度ジタリとした触感がいずみの股間を包み込む。
(ぴちゃっ…)
すると今度は密着して丸々透けたパンティの奥が見えてしまう。

ああ~ん!!こ、これじゃあどっちもピンチのままじゃない!!
進むも退くもならず、いずみの苦悩は収まらない。

(ああん…これじゃあ…いくらパンティに触らないって約束しても…無意味じゃなぁい…ん?)
ふといずみは、自身の述懐の中に現状打開のヒントがあるような気がした。

あ…そ、そうかぁ!!

どうしたのいずみちゃん?

あ…う、ううん、何でもない!!
いずみは意を決して、小指をそっと結わえが残っている右の紐に引っかけた。
僅かな動作で結び目は簡単に解けた。菊丸はまだその仕草に気づいていない。

1…2…3!!えいっ!!
いずみは掴んでいたパンティを菊丸の顔面めがけて放り投げた。

うぷぁっ!?
べっちゃりと湿ったパンティが菊丸の顔面を覆った。含んだ水気が邪魔をして空気を通さないため、たちまち菊丸は呼吸困難に陥った。

ぶぶぶ…息が…く、苦しい!!
間髪入れずいずみが丸出しのおしりで強烈なヒップアタックを仕掛け、同時に太ももで菊丸の腕を抑え込む。
菊丸の体がブリッジを描いて苦しさを体現している。その頂点はこれでもかというほどジャージの中で怒張していて、今にも突き破らんばかりとなっている。

…!!
いずみのおしりの下で不意に菊丸の体から力が抜けるのがわかった。どうやらとうとう失神したらしい。

た、助かったぁ…
菊丸の顔面におしりを乗せたまま、安堵のため息を漏らすいずみ。
次の瞬間…
(ビリビリッ…バリッ!!)

え…?
そこには隆々たる立派な…小柄な菊丸の体に似つかわしくない巨大な『門松』がそそり立っていた。はち切れたあまり、ついにジャージを突き破ってしまったらしい。
※門松です

…うっ!!
菊丸の『門松』を凝視したいずみだったが、うら若き女子高生には刺激が強すぎたのか、直後にキュンと頭に血が上ってしまい、縛られたままベッドから転げ落ち、失神してしまった。
菊丸もまたいずみのしけったパンティを覆い被されたまま気絶しており、二人はこの間意識と記憶を失ってしまうのだった。

はーい、出張版「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクでーす!!キャラの切り替えが大変でーす!!

アシスタントの原田いずみです!!なんですか?切り替えって…

あ、いやいや、こっちの話…はい、ということで第二夜も無事終了!!

どこが無事ですか、わたしいいように弄ばれてるんですけど!!

第一夜は刺激が足りないって文句言ってたくせに…

だ、だからって何ですか、あのわたしが菊丸化したって扱い!!わ、わたしあんなこと…

考えてない?興味ない?

う…ノ、ノーコメントで…

今回はあんまり露骨には扱ってないけど、そういう興味の部分から、先導しているつもりがかえって菊丸につけ込まれ泥沼化…ってのが面白いかなと思いまして。

菊丸くんが「見たい!!」って願望を露骨に表すのに対し、わたしは「見たいけど、そんなはしたないこと言えない」って立場の違いがありますからね。

その分いずみちゃんの方が明らかに不利なんだよね。ま、結局いずみちゃんもそこまで免疫がなくて失神しちゃうってオチにしましたが…で、いずみちゃん、ガン見してどうだった?

そそそ、それより菊丸くんの側は原作にあった「ギリギリ見せない」を維持しましたね。

見せてオチつけてもいいかなぁとも思ったんだけど、双方痛み分けで終わる方法練ってるうちにこうなっちゃったんだよ。

どうしてそんな展開に?

そりゃあ…さすがに丸出しの男女ってなると収拾つかなくなるし…あとはあらゆる角度から「ギリギリ」、つまり寸止め演出が抽出できるなお思ったし。

ギリギリが他にも?

結局菊丸くんは「パンティには触れない」という約束をギリギリのところで守ってたし、9割透けてるけど一応完全には見せない透けたパンティだとか、いずみちゃんが菊丸くんから解放される手段もギリギリ状況下で生まれたし、パンティがいずみちゃんの体から離れるギリギリで一気にオチに突入するし…

なるほど…そんなもんですかね。

さて、残すは第三夜!!

ま、まだ続くんですね…

もちろんだよ、ではまた明日!!
ここは菊丸の自室。いずみがベッドの上で奇妙な動きをしている…
服こそ着ているが、後ろ手に縛られたいずみは菊丸にまたがり、時に大胆にかつ妖しげに腰を振る。


んぅ…んんっ…
一方でまたがれている菊丸は、無言で何の反応も示さない。なおも艶めかしく腰をクイクイと動かし、やがてその動きを止め、菊丸の顔面にスカート越しとはいえ、おしりを乗っけた状態で落ち着いた。

や、やっとベッドまで引き上げたぁ…
実は菊丸、新年のあいさつで明智家に来たいずみを縛って弄んでいたのだが、元々悪かった体調を悪化させて倒れこんだのだった。
最初はこの隙に帰ろうとしたいずみだったが、さすがに病人をそのままに放置するわけにもいかず、そもそも帰りたくともこの縛られた状態を何とかしなければ帰るに帰れない。
仕方なく当座の処置として、いずみは失神した菊丸をベッドに引き上げることにした。
引き上げる際、手の自由が利かず、やむなく太ももで菊丸の脇を抱え込んだため、自然と熱を帯びた菊丸の頭部がいずみのスカートの中に突っ込まれる。

(やぁん…あ、熱ぅい…)
どうにかこうにか菊丸を引き上げ、微調整で体をベッドの中央に寄せたのだが、それが冒頭の一見男女の秘め事のごとき光景だったのだった。

あ…やっぱり具合悪かったんだ…
ベッドの壁側に何か倒れている。縛られた手でどうにか引き起こすと、それは氷嚢だった。まだ氷が残っているのか薄っすらと水滴がまとわりついている。
振り返りつつ、どうにか氷嚢を菊丸の額に乗せてやると、菊丸の表情がわずかに緩んだ。冷たさが心地よいらしい。

さて…と…これからどうしよう…
意識を失ったままの菊丸の胸にまたがり、後ろ手に縛られたままいずみは思案する。

と、とにかく…この縛られた手を何とかしないと…
その時、不意にいずみのおしりがムニュンと鷲掴みされた。

きゃあ!?
振り返ると、いつの間にか意識を取り戻した菊丸が、いずみのおしりを撫で愛でている。

や、やだぁ!!菊丸くんのエッチぃ!!
思わず体が反応し、反射的に菊丸の顔をおしりが押しつぶした。

うぷぷっ!!い、いずみちゃん…く、苦しい…
スカートの下で菊丸がもがいている。

もう…いつの間に目覚めてたのよ!?油断も隙もないんだから!!

ついさっきだよ…
実はいずみは全くの無自覚だったが、菊丸をおしりの下に敷いて腰を小さく前後に振っていた。
その微振動が菊丸を揺さぶり起こしたのだった。

いずみちゃん、ベッドに引き上げてくれたんだね。ありがとう、助かったよ。
手でおしりを押し退けながら、菊丸は改めて感謝の言葉を口にした。その妙に素直なところがいずみには憎めない。

ずっと具合悪かったの?なんだか悪かったわね、そんなときに押しかけちゃって…

いやいや、こんな眼福にあずかれたんだから満更でもないよ…

もう…バカね…
おしりをぺちゃぺちゃと触ってはくるが、病人への遠慮もあり、いずみも強い反発は差し控えて、とりあえずそのままで会話に応じる。

年末から具合悪かったの?

30日頃からかな…ずっと熱が引かなくてね…これでも少し楽になった方なんだ。

大変だったのね。わたしったら何も知らずにいきなり訪ねちゃって…ほんとごめん。

いずみちゃんが謝ることじゃないよ。あ~あ…まだ正月らしいことなにもやってないんだよなぁ…

あの福笑いや諸々のボードゲームがあるじゃない。

あれは全部竹丸が使ってたんだよ。あいつがぼくに付き添ってて暇つぶしにね…

ほかにお正月らしいことって…?羽つきとか、コマ回しとか?

まさか、いくらなんでもそんな子供っぽいことはしないよ。お年玉稼ぎとか、年越しイベントの参加とかさ…

まぁしょうがないわね。お年玉は竹丸くんにおすそ分けしてもらいなさい。

まだ雑煮も食べてないし…結局餅つきも…あ、でも今これでできてるかぁ!!

んあ…?
むにむにと今度は遠慮なくおしりを掴まれ、さすがにいずみも抵抗感が出てきた。

も…もう!!病人だからって、いつまでも好き勝手しないでよぉ!!
これまで無自覚に前後に動かしていたおしりがビクンと縦に反応した。一瞬ふわりとスカートが舞い広がり、どすんとまた菊丸をプレスする。

ぐほっ…け、けっこう来るなぁ…

だ、だってぇ…菊丸くんが触るから反射的に…
その時、いずみはようやくこの縛られてる状況を打開しなければならないことを思い出した。

ちょっと、菊丸くんこれいいかげんに…
そう切り出してベッドから降りようとした矢先、菊丸がいずみがすべて発言し終える前に割って入ってきた。

そうだ…お正月にやり損ねたといえば…今年は初日の出見られなかったんだよね…

そんな体調じゃ当たり前でしょ。そもそも今年は関東一円曇ってたから、わたしだって初日の出も何も見えなかったし…
いずみもまた初日の出に関しては、やや残念そうな表情を見せる。

いやいや…今日は午後になったとはいえ、まだ元日。そうだ、まだ間に合うよいずみちゃん!!

はぁ?

よっと!!
不意に菊丸は寝そべったまま、自分にまたがっているいずみの背中をドンとついた。

きゃあ!?
いずみの上半身は突き飛ばされた勢いで前に突っ伏し、菊丸の腹の上にいずみの体が重なった。さらに余った勢いで後ろ手に縛られた手が肩が外れそうなほど背中から後頭部の先へ放物線を描く。

いたたた!!な、何するのよぉ!!
いずみの丸みを帯びた豊かなおしりが腰を折ることでさらに丸まり、菊丸の鼻先に迫る。

いずみちゃんで『初日の出』を拝めばいいんだ!!

ええ!?それってまさか…

いずみちゃんの母なる太陽だよ!!

バカァ!!な、なんであんたにわたしのぉ…そんな大切な部分見せなきゃならないのよぉ!?

お願い、いずみちゃん!!これもぼくへの『お年玉』だと思って!!

なんでもかんでもお正月に結び付けるなぁ!!だ、だいたいあんた、いつの間にそこまで元気になったのよぉ!?

いずみちゃんがおせち食べてる間に飲んだ薬が効いてきたんだね…体力こそ落ちてるけど、頭はすっきりだよ。
いずみにしてみれば、状況は最悪だった。立ち上がろうにも手が使えないいずみは、体を起こすこともできず抵抗もままならない。

や、やだぁ!!
それでも抵抗を試み、肩を支点に起き上ろうとした矢先…いずみは視線の外から何かが動く気配に気づいた。

(ん…?)
倒れたいずみの眼先にあったのは、少し饐えた臭いを放つ菊丸のジャージだった。その中央がこんもりと盛り上がり、芋虫のような何かが僅かではあるが蠢いている。

…
いずみは一瞬抵抗を緩め、その奇妙な代物に目を奪われた。

(こ…これって…)
その隙を菊丸は逃さなかった。いずみのスカートを捲り上げ、ストッキングに覆われたおしりをむき出しにする。

あ…!!
目の前の何かがまたぶるんと反応した。

(や、やだぁ…う、蠢きだしたぁ…)
いずみはある可能性に気づいた。この菊丸の興味深い動きをする体の部位は、自分が菊丸を誘惑すれば、さらに大きく反応するのではないか、と…
菊丸がいずみたちの大切な部分に固執するように、いずみもまた、殿方のその部位に関心が深まっていた。
その目標が今、目の前にある…
ジャージはウェストのゴムがもう少しで菊丸の腹から離れそうなほど突っ張っている。。

(く、工夫次第で…あの奥がさらに覗けるのかな…?)
それならば不本意ではあるが、少しだけ菊丸に餌を与えばもう少し変化が現れるであろう。それをもってこの眼前の光景の移ろいを確認してみたい…
ある意味でいずみの研究心に火が点いた、もっといえばいずみが菊丸化したといえる。

(…そ、そう、これは研究よ!!わたしは高校生という学究の徒。興味を持ったことはしっかり学ばなくちゃ!!)
いずみは必死に自分の考えを正当化し、抵抗をわずかながら弱めた。

ちゃ、ちゃんと約束守れない子に『お年玉』はあげられないわ!!

や、約束!?
妙な切り替えしに菊丸が少し動揺した。いずみはその間に必死に言葉を選ぶ。
多少の餌…すなわちいずみからお色気を提供しなければ、菊丸のジャージの中の蠢きは変わらない。

(だからといって、ま、丸出しなんて、はしたないマネは避けなきゃ…)
要はギリギリまで引き付けて、自分の最後の砦は守り抜きたい…

(そ、そうか、逆に言えば最後の砦が崩れなければ大丈夫!!)
いずみは意を決して条件を突きつけた。

ぜ、絶対パンティは脱がさないで!!これが約束よ!!

そ、そんなぁ!!それじゃ『いずみちゃんで初日の出』が見れないじゃん!!

う、うるさいわね!!現実の元旦が曇りだったから、こっちも雲がかかってると思えばいいのよ!!それが嫌ならわたし、帰る!!

そ、そんなぁ~
いずみが結論付けたギリギリの歩み寄りだった。
失望したかのような様子を見せてはいるが、菊丸もまた逡巡した。目の前にあるストッキングとスカートという鎧に包まれたいずみのおしり。条件付きとはいえ、これを公然と弄べるのはまたとない機会であるのは間違いない。不足するなら付け足す隙を見せれば付け入る創意工夫を最大発揮…まるで会社の社是のような菊丸のモットーが脳裏を掠める。

(…『いずみちゃん初日の出』…拝める可能性がないわけでもなさそうだ…まさしく天候と同じく成り行き次第。まずはリングに上がらないと勝負にならない…よし!!)
もとよりいずみの条件案で、既に負け…怒って帰られたり、おしおきを受ける事態だけは避けられる。まだ具体策は見い出せてないが、展開の可能性に菊丸は賭けることにした。

わ、わかったよ…ぼくがパンティ脱がさなければいいんだね?

う…うん…
首だけ振り返りいずみがコクンと頷いた。振り向き際に羞恥に悶える面持がまた菊丸を刺激する。

いやいやそれなら…ぼくはいずみちゃんのパンティに触れない!!約束しよう!!
ここでただで引かないのが菊丸だった。自分からさらに譲歩してきた。いずみにしてみれば、パンティを脱がさない約束より、パンティに触れない約束の方が有利なのは言うまでもない。

え…?ま、まぁ菊丸くんがそれでいいなら…で、でも約束したからには変更は認めないわよ!!
菊丸が敢えて不利な条件変更を提示したのは、状況に応じて発揮する並外れた観察眼が、いずみのストッキングの左右の腰部分の特徴を見逃さなかったからだった。結局いずみは菊丸の案を受け入れることにした。

(ぐふ、ぼくの勘に間違いなければ…)
だがまずは、公然といずみを引ん剝ける喜びに集中する。

さてさて…え~オホン。大晦日の深夜、除夜の鐘も撞き終えて、今は闇夜が支配する…
菊丸の太く厚みのある掌が太ももからおしりに向けて撫でまわされた。

あっ…
ぞくっとした感覚がいずみに走る。口が波打った形に歪み、笑顔とも困惑ともとれる。

さて明智菊丸が中継しますは、霊峰富士にはおよばないものの、ごく一部の通には聖峰とも崇め奉られている『しりもち山』でございます!!
どうやら菊丸の中である程度ストーリーができているらしい。いずみにというよりは自分に言い聞かせ、それに陶酔しながら話を続ける。いずみのおしりを山にたとえ始める。

ちょ、ちょっと…何勝手に変なお話はじめてるのよ!!大体『しりもち山』って千春が鉄道模型展で露出したおしりにつけてもらった名前じゃない!!

え…『つけてもらった?』

あ…と、とにかくぅ何なのよ、そのお山のストーリー仕立ては!?

うふふ…いずみちゃんのおしりを山に見立て…そしてパンストは夜の闇ってことだよん💛
よくもまぁ、わずかな共通点でそこまで話をつなげられるものだと、いずみは呆れつつも感心した。

(あ…ちょっと変化してきてる…)
ジャージに目を移すと、おしりを撫でまわされ始めたころ、例の膨らみは、これまではたまにピクンと動いていたが、常にモゴモゴと微動する動きに変わった。

さて続き続き…やがて神聖なる朝日が徐々に闇を取り払う…
ゆっくりと少しずつ、しかしそれを確実に菊丸はパンストを下ろし始めた。特にパンティ周りは例の約束もあってか、パンストをやや過剰に引っ張って、生地に触れないよう、丁寧に脱がしていく。
パンストはいずみの膝まで下ろしたところで止められた。手繰り寄せられた黒いパンストが、アコーディオンのように折り重なり、四つん這いの膝でピンと張られている…

あん…は、恥ずかしぃ…
屋内とはいえ、不意に外気に触れたせいか、一瞬いずみのおしり全体がブルッと揺れた。そのおしりはまだスカートに護られている…
やがて『しりもち山』の山際に日輪が映し出される…
どうやらスカートのことは日輪という設定らしい。確かに濃いオレンジのスカートはそう言われればそう見立てられなくもない…

(…ん?ということは…いよいよ…)
いずみの予想どおり、菊丸はスカートの端をつまむと、ストッキング同様に丁寧にひっくり返した。
ふわりと微風が起き、捲れ上がったスカートの奥からいずみの白いおしりが露わになる。もちろんパンティによって大切な部分は隠されたままだが…

あっ…💛
いずみは思わず吐息を漏らす。


ぐふふ…やっぱり~!!
菊丸は自分の読みが当たりほくそ笑んだ。

な、なにがやっぱりなのよ!?
不安に駆られたいずみが我に返って振り返る。スカートがまくれ、突きあがったおしりがゆらゆらと揺れている。身体が突っ張っているせいか、小さなパンティはおしりの割れ目に食い込まんばかりに皺が寄っており、その光景は改めていずみに羞恥の感情を湧きあがらせた。

あ…
同時にいずみは自身の不覚を痛感した。そのパンティは腰で結わえる『紐パン』だったのだ。

(ま、まずい…すっかり忘れてたぁ…今日は紐パンじゃない!!)
ようやく菊丸が「パンティに触れない」などと譲歩する宣言の理由を察したいずみ。

あ…あのぉ…菊丸くん?

だめだよん、いずみちゃん~今さらなかったことになんて…
いずみの心中を見透かしたかのように菊丸が警告する。

わ、わかってたの!?今日わたしが紐パンだって…!!

もちろん、ストッキングの結び目の膨らみで察しがつきましたよ。

ずるぅい!!

いやいや、別に罠を仕掛けたりはしてないんだから、そんなこと言われる筋合いはないでしょ。別に約束を破ったりしてるわけでもないんだからさぁ~
正論を突きつけれられ、いずみは返す言葉もない。
ほらほら、もっとおしりをこっちに寄せて!!
ここまでくると、いずみももはや抗う術はない。せめて菊丸と取り交わした約定が守られるのを祈り、またそれが破棄された時にしか反撃できないといずみはあきらめざるを得なかった。
気持ち程度だがおしりを菊丸に寄せると、おしりは一層丸みを帯び、また小さなパンティからは包み隠しきれないおしりの割れ目が半分飛び出している。

パ、パンティ絶対触らないでよ!!約束だからね!!菊丸くんが言い出したんだから、絶対よ!!

はいはい…
いずみは意を決して身体を折り、菊丸におしりを突き出した。

新年を迎えるに当たり、明智菊丸は初日の出を浴び、心身を清めようと思う次第であります!!あいにく本日は白い雲に覆われたうす曇りですが…
どうやら菊丸は約束は守ろうとしているらしく、パンティには指一本触れてこない。その点だけはいずみも安堵し思わず安堵の息を漏らす。

(ほっ…)
だが次の瞬間、菊丸は両手をおしりの肉に押し当てると、そのままグイッと左右に開いくという、いずみの予想を上回る行為におよんだ。

きゃああ!!な、なにするのよぉ!!

パンティに触れなけりゃいいんでしょ?約束は守ってるよ。おしりに触れちゃいけないなんて約束してないし…

ず、ずるぅい!!そ、そんなに押し広げちゃ…だめ~ぇ!!お、おにく…くぱぁってなっちゃ~う!!
元々パンティの股間の部分は生地がそう太くない。菊丸が器用に指で左右の限界まで手繰ると、白いパンティの縁からピンク色のおにくがわずかながら顔を見せる。

おほ、いい色💛

だ、だめぇ…ひ、広げて…み、見ないでぇ~!!

しかしまぁ…その奥はさすがに見えないかぁ…

あ、当たり前でしょ!!それだけは絶対許さないんだから!!

まぁいいかぁ…いずみちゃんのおしりをこんなド間近なアングルで堪能できるなんて中々ないからねぇ…
ぴちゃぴちゃとおしりを菊丸が満足げにはたく。

や…やぁ~ん!!わたしのおしりはスイカじゃなぁい!!

うんわかってる、これはスイカというよりはおもちだもんね~

そ、そうじゃなくて…え?
いずみの目線が再びジャージに注がれた。先ほどより膨らみが大きくなり、明らかに天井に向かって盛り上がっている。
ジャージのゴムは生地の突っ張りに追いつかないのか、僅かだが菊丸の腹から離れだしている。
太い筒状の肉塊とそれに沿って脈打つ血管がほんの僅かにだが窺えた。

…
いずみが目を奪われた直後、いずみは体の奥底から込み上げてくる感覚に襲われた。

あ…!!
それはいずみを大いに焦らせる事態だった。

(ま…まずぅい!!こ、このままじゃあ…パンティが内側から…そして菊丸くんにばれちゃう!!)
いずみの焦りをよそに、菊丸は菊丸でさらに策を練り、実行に移していた。

よーしそれなら…

ひゃああ!?な、何ぃ!?
突如凍てつくような感覚がいずみを襲った。菊丸が氷嚢の表面に付いた水滴を、パンティの中央に押し付けたのだった。

霧が白い雲を払っていくよ…雲の濃度がどんどん薄れて…
濡れたパンティはいずみの肌にぴったり貼り付き、その影響で奥が不完全ながら透けてきた。

や、やぁ~ん!!パンティ透けて貼りついて…お、おにくの中までみ、見えてる~ぅ!!
自分の置かれた状況を直接視認できずとも、パンティがじっとり貼りついた感触でいずみは、何がどう見えているか察していた。
だが、これはいずみにしてみれば九死に一生を得たような状況だった。安堵を体現しているのか、はみ出たおにくがピルピルと痙攣する。

(た、助かったぁ…こ、これで水滴のせいにできるぅ~)
菊丸は再度いずみのおしりをグイッと押し広げる。パンティの奥の透けたものもそれに釣られてひし形のような形に歪む。

うほほ~これぞ、いずみちゃん初日の出!!母なる太陽!!確かにいただきましたぞ!!開けましておめでとう!!

ああん…でもやっぱり…見ちゃだめぇ!!ってうか…『開けまして』じゃなくて『明けまして』でしょぉ!!
その時暴れたのがまずかったのか、パンティの左型の結び目が解けてしまった。

きゃああ!!
湿気が及ばず摩擦抵抗の少ない結び目は簡単に解け、腰骨から離れていった。
おしりを辛うじて隠しているのは右半分の結び目のみだった。これが解けることをいずみは恐れた。

あ…ああ~ん!!き、菊丸くぅん!!パ…パンティの紐…結んでぇ!!
だが菊丸の反応は冷ややかなものだった。

だめだめ…ぼくはパンティに触れない約束だからね!!
これこそ菊丸の狙い目だった。パンティに触れられない縛りは、パンティが脱げそうになってもいずみを助ける義務を負わなくなる。そしてそんな状況を産み出せると確信していたのは、今日は紐パンらしいと察したためでもあった。

そ、そんなぁ~!!
パンティはいずみのおしりを斜めに突っ切って垂れ下がっている。菊丸がパンティに触れられるなら指でつまんで少しずらすだけで、斜めになったパンティの奥が大公開となる…

ほぼ9割がた透けて丸見えなのに、直視されるのは嫌がるんだねぇ…
いずみもまた自身が抱える矛盾した感情を持て余していた。

(ま、丸見えにする方が恥ずかしいはずなのに…わ、わたしったら、この見え切れないギリギリの感覚を…た、楽しんでるぅ!?)

で…でも…やっぱりだめぇ!!
縛られた両手首で垂れかけたパンティをグイッと掴みあげる。パンティは多少位置を戻したが、引いた勢いで前側の生地が太ももの間から垂れ下がり、菊丸の眼前に迫る。

おおっとぉ!!顔にパンティが触れたら約束違反!!これはいけませんぞ!!回避しなくては!!
顔に迫るパンティを避けようと口を尖らせてふうっと息を吹きかけると、湿気を含んだパンティがやや重々しく舞い上がった。
(ふわっ…)

きゃああ!!やだっ…み、見えちゃう!!
実際に見えてるかどうかは定かでない、ただ菊丸の血走った視線が注がれているのは充分感じていた。
さすがに乾いた時と比べて少々重いのか、パンティはすぐに元に戻り、その都度ジタリとした触感がいずみの股間を包み込む。
(ぴちゃっ…)
すると今度は密着して丸々透けたパンティの奥が見えてしまう。

ああ~ん!!こ、これじゃあどっちもピンチのままじゃない!!
進むも退くもならず、いずみの苦悩は収まらない。

(ああん…これじゃあ…いくらパンティに触らないって約束しても…無意味じゃなぁい…ん?)
ふといずみは、自身の述懐の中に現状打開のヒントがあるような気がした。

あ…そ、そうかぁ!!

どうしたのいずみちゃん?

あ…う、ううん、何でもない!!
いずみは意を決して、小指をそっと結わえが残っている右の紐に引っかけた。
僅かな動作で結び目は簡単に解けた。菊丸はまだその仕草に気づいていない。

1…2…3!!えいっ!!
いずみは掴んでいたパンティを菊丸の顔面めがけて放り投げた。

うぷぁっ!?
べっちゃりと湿ったパンティが菊丸の顔面を覆った。含んだ水気が邪魔をして空気を通さないため、たちまち菊丸は呼吸困難に陥った。

ぶぶぶ…息が…く、苦しい!!
間髪入れずいずみが丸出しのおしりで強烈なヒップアタックを仕掛け、同時に太ももで菊丸の腕を抑え込む。
菊丸の体がブリッジを描いて苦しさを体現している。その頂点はこれでもかというほどジャージの中で怒張していて、今にも突き破らんばかりとなっている。

…!!
いずみのおしりの下で不意に菊丸の体から力が抜けるのがわかった。どうやらとうとう失神したらしい。

た、助かったぁ…
菊丸の顔面におしりを乗せたまま、安堵のため息を漏らすいずみ。
次の瞬間…
(ビリビリッ…バリッ!!)

え…?
そこには隆々たる立派な…小柄な菊丸の体に似つかわしくない巨大な『門松』がそそり立っていた。はち切れたあまり、ついにジャージを突き破ってしまったらしい。


…うっ!!
菊丸の『門松』を凝視したいずみだったが、うら若き女子高生には刺激が強すぎたのか、直後にキュンと頭に血が上ってしまい、縛られたままベッドから転げ落ち、失神してしまった。
菊丸もまたいずみのしけったパンティを覆い被されたまま気絶しており、二人はこの間意識と記憶を失ってしまうのだった。

はーい、出張版「黒猫マスクの情け無用!!」司会の黒猫マスクでーす!!キャラの切り替えが大変でーす!!

アシスタントの原田いずみです!!なんですか?切り替えって…

あ、いやいや、こっちの話…はい、ということで第二夜も無事終了!!

どこが無事ですか、わたしいいように弄ばれてるんですけど!!

第一夜は刺激が足りないって文句言ってたくせに…

だ、だからって何ですか、あのわたしが菊丸化したって扱い!!わ、わたしあんなこと…

考えてない?興味ない?

う…ノ、ノーコメントで…

今回はあんまり露骨には扱ってないけど、そういう興味の部分から、先導しているつもりがかえって菊丸につけ込まれ泥沼化…ってのが面白いかなと思いまして。

菊丸くんが「見たい!!」って願望を露骨に表すのに対し、わたしは「見たいけど、そんなはしたないこと言えない」って立場の違いがありますからね。

その分いずみちゃんの方が明らかに不利なんだよね。ま、結局いずみちゃんもそこまで免疫がなくて失神しちゃうってオチにしましたが…で、いずみちゃん、ガン見してどうだった?

そそそ、それより菊丸くんの側は原作にあった「ギリギリ見せない」を維持しましたね。

見せてオチつけてもいいかなぁとも思ったんだけど、双方痛み分けで終わる方法練ってるうちにこうなっちゃったんだよ。

どうしてそんな展開に?

そりゃあ…さすがに丸出しの男女ってなると収拾つかなくなるし…あとはあらゆる角度から「ギリギリ」、つまり寸止め演出が抽出できるなお思ったし。

ギリギリが他にも?

結局菊丸くんは「パンティには触れない」という約束をギリギリのところで守ってたし、9割透けてるけど一応完全には見せない透けたパンティだとか、いずみちゃんが菊丸くんから解放される手段もギリギリ状況下で生まれたし、パンティがいずみちゃんの体から離れるギリギリで一気にオチに突入するし…

なるほど…そんなもんですかね。

さて、残すは第三夜!!

ま、まだ続くんですね…

もちろんだよ、ではまた明日!!
新春特別企画創作ストーリー
菊丸特製の福笑い!?
元旦の午後、いずみはとあるマンションのドアの前に立っていた。
これまで菊丸といずみは、千春やリンダを加えての時も含め、節目節目のたびに一緒に過ごすことが多かった。
予定を組んでいるときは当然だが、いつもなら元日であろうと大晦日であろうと菊丸は強引に参加、もしくは襲撃してくるのが常だった。
だがこの正月は何もない。冬休みに入る前に特に予定はないと聞いていたし、その静けさがかえって不気味で明智家を訪問せずにはいられなくなったのだった。

(べ、別にいいわよね、ちょっとご挨拶して帰るだけ…竹丸くんやご両親だっているだろうし…)
心の中で必死に理由づけを終えると意を決して、いずみはそれでも躊躇いがちに明智と書かれたドアの呼び鈴を押した。

はぁ~い…
ドアが開き、菊丸がぼさぼさ頭にジャージ姿で現れた。

あ、あれ…いずみちゃん!?

あ…あけましておめでとう…ほ、ほらちょっと新年のご挨拶に…ち、近くまで来たから…ついでに…
(こ、後半は余計だったかな?)
余計な嘘を盛ってしまったことを悔いたが、菊丸は全然気付いてないらしい。

おめでとう…へくしっ…ああ、とにかく寒いから中に入って…

あ…きょ、今日はご挨拶だけ…皆さんいらっしゃるんでしょ?元日そうそうお邪魔だろうし…

あ~大丈夫大丈夫、両親は年始回りだし、竹丸もそれにくっついてお年玉稼ぎだよ。

あらあら…しっかりしてるというか…竹丸くんらしいわね…じゃあちょっとだけ…
寒いのは事実なので、いずみは促されるまま菊丸の部屋に入った。コートとマフラーを外し、アーガイル柄のVネックセーター、濃いめのオレンジのスカートと黒いストッキング姿になる。
部屋に据え付けられたコタツに入り、生き返った思いがした。
菊丸が台所から次々とおせちをはじめとするお正月料理を小分けして持ってきた。

あ…菊丸くんお構いなく…わたしすぐ帰るから…

まぁまぁ…せっかく来てくれたんだし…お腹すいてるんでしょ?

え…あ、いや…
まるで待っていたかのように、いずみのお腹がぐ~となった。

~!!

ほらね、遠慮しなくていいんだよ。たくさんあって余ってるんだからさ。

イ…イタダキマス…
リンダのようなぎこちない言葉を発し、顔を真っ赤にしながらいずみは箸をとった。
一度口にものを入れるといずみの食欲は遠慮しない。菊丸自身はほとんど食べずにいずみをニコニコと眺めている。

…どうしたの?

いやぁ…いずみちゃんの食いっぷりって見てて爽快でね…

ご、ごめんなさい!!わたしったら…

いやいや、いいんだよ。それよりお雑煮食べる?おもち好きだったでしょ?

…
耳まで顔を赤らめていずみは無言で頷いたのを見て、菊丸が席を立った。

(ああ~ん、わたしのバカァ!!これじゃあただの食いしん坊じゃなぁい!!)
結局お雑煮もおかわりまでしてしたところでいずみはようやく満腹になった。

げぷっ…もうさすがに無理ぃ…

それにしてもよく食べたよねぇ…

だ、だっておいしいんだもん!!あ~ん…体重計乗るのがこわいよぉ…

でも素晴らしいプロポーション保ってるじゃん。

あ、ありがと…でもこう見えてダイエットには苦労してるのよ。意外とお腹に出やすいの…

へぇ~どれどれ…
いつのまにか背後に回ってた菊丸が、いずみのセーターをたくし上げた。

きゃあ!?
プルンと白いお腹が露わになり、それを菊丸がポンポンとはたく。

なるほどなるほど…ちょーっとだけ今食べた分がせり出してますな…

こらこらぁ!!

あは、ごめんごめん…
勢いで胸まで露出させられるかという予想に反し、菊丸はあっさり手を離すと対面に戻っていった。

(あ、あれ…おとなしいわね…いつもならもっとこう…)
だがそこに、菊丸が不意に過去の恥ずかしい話を引っ張り出してきたので、いずみのかすかな疑問は吹き飛んでしまった。

そういえば、いずみちゃんおもち好きだよね…あの時温泉旅館でぼくがお供えもち持って来ちゃったとき、一番食べたのいずみちゃんだったよね…

や、やだぁ!!せっかく忘れてたのに思い出させないでよ!!

いやぁ…お正月の都度毎年思い出しちゃうんだろうねぇ…いずみちゃんのお供え餅💛

恥ずかしいおもひで💛

へ、変な刷り込みやめてよ!!頭から離れなくなっちゃう!!
ふといずみは菊丸の顔がほんのり赤いのに気づいた。

(あ…そうか…菊丸くんたら、さてはお屠蘇飲んでのからみ酒ね…)
菊丸がお屠蘇で酔っぱらってると思ったいずみは、これ以上絡まれてはたまらないので、話題をそらそうと部屋を見渡すと、部屋の隅にすごろくやトランプなど、遊んでる途中で中断したらしい遊具類が転がっているのに気づいた。

あ、ああいうゲーム懐かしいなぁ…

ああ…竹丸に付き合ってやってたんだよ。

ああ…そうよね、菊丸くんって、なんだかんだでいいお兄ちゃんよね。
いずみには兄弟はいないので、ああいうゲームで遊んだ経験はほとんどない。

遊んでみる?

そうねぇ…どうせならお正月ならでは、な遊びががいいなぁ…

そうだねぇ…じゃあこれは?
菊丸が持ち出したのは福笑いだった。

じゃ、じゃあ…ちょっとやってみようかな。
夕刊紙くらいの大きさの台紙にパーツのない顔面が描かれている。
いずみが目を閉じてパーツを手に取ろうとすると菊丸から待ったがかかった。

ダメダメ、いずみちゃん、目を閉じるだけじゃあ!!

え…?

福笑いの基本は目隠し!!これがないと不正が横行しちゃうんだよ!!

ふ、不正って大げさな…たかだか遊びじゃない…

いやいや、こういうのはルール順守が大事なんだよ…ほら、この福笑いセットにも最初から目隠しが付属してるんだから!!
菊丸が手にしていたのは、黒い鉢巻のようなものだった。菊丸が準備したものかと疑ったが、その隅におもちゃメーカーの名前が刺繍されているのでどうやら本物らしい。

これは福笑い公式大会に準拠した規格の目隠しなんだ!!さぁさぁ!!

ああ~ん、ホントにそんな大会あるのぉ!?
だが仕方なくいずみは目隠しを装着する。目に布を宛がい、鉢巻と同じ要領で後頭部でキュッと締める。

さぁいずみちゃんこれがパーツだよ。
寄り添った菊丸がいずみに福笑いのパーツを手渡す。

(ああん…き、菊丸くん…ち、近ぁい…)
視界のない背後から菊丸の気配が伝わってくる。

ああ…ちがうちがう…それはもうちょっと右…そうそう…
いつのまにか菊丸が手を取り、いずみに密着して誘導しはじめた。温かい手触りがいずみを妙に興奮させる。
滲み出た汗が目隠しにジュンと吸い取られる。

ああ、いずみちゃん、このパーツはもっと奥だから、そのままじゃ届かない。体を乗り出さないと!!
言われるがままいずみは体を乗り出すと自然と四つん這いになった。重力でセーターの裾が垂れ下がる。先ほど菊丸にお腹を出さされたこともあり、少し乱れがちだった服の裾は、地面すれすれまで達していた。服の陰からおへそが少しだけ露出し、外気が当たる。

(ん…)
スカートの丈は短いが、おしりを突き上げる格好になってはいても、その奥は見えてはいないはずだ。
だが、視界を奪われたいずみに菊丸が少し手を伸ばせば、残るいずみの防御アイテムは、黒いストッキングとさらに奥の純白パンティのみと思うと何とも心もとない。

(き、菊丸くんが余計なことしないよう集中しつつ、さっさと終わらせよう…)
そっちに菊丸が食指を動かさないか警戒していたいずみだったが、意識してしまった故に脳裏にはその手の光景ばかりが支配するようになってきた。

(わ、わたし今…菊丸くんの部屋で…目隠しされてぇ…四つん這いになってるぅ…)

いずみちゃんどうしたの?えらく息があがってるけど…風邪ひいたの?
菊丸の問いかけでいずみはハッと我に返った。

ち、ちがう!!大丈夫よ!!こ、この辺かな…?
最後のパーツを置くと、菊丸が目隠しを外してくれた。少し明るい視界を取り戻すのに時間がかかったが、最初に飛び込んできた光景は、いずみが作り上げたみょうちきりんな顔の福笑いだった。

な、なによこれぇ~!!

あははは…
いずみも思わず苦笑する。ふといずみはあることに気づいた。

あれ…でもこの福笑い、よく見たら片目がないじゃない。

ああうん、実は失くしちゃってねぇ…

それじゃちゃんとした顔絶対作れないじゃない。竹丸くんだってつまらないでしょ。

そうなんだけどねぇ…

おせちごちそうになったし、わたしでよかったら協力するわよ。

ほんと?ありがとう。できれば新しい顔を作ってみたいんだよね。

今やった福笑いパーツの模写じゃだめなの?

もうちょっとこう…ひねりが欲しいんだよね…ほら、福笑いの顔って個性的なパーツの方が面白いじゃない?

そ、そうかもね…

あ…そうだ!!
これまでの純朴そうな少年の顔が消え、菊丸の目に怪しい光が宿ってきた。

(き、きたぁ!!)
いずみはほとんど無自覚に心の中でつぶやいていた。

じゃあいずみちゃんも協力してくれるっていうことだし、さっそく作ろうか。
言うが早いか菊丸はいずみのセーターを今度は胸までたくし上げた。

きゃああ!!
不意を喰らったのでいずみは、本当に驚いた。
衣類をブラジャーごと首までずり上げられ、白い素肌にピンクのさくらんぼのような乳首が露わになった。

な、何するのよぉ~!!いたた…あ、足が…
悪いことに足が痺れてすぐに立てないいずみは、じりじりと腰を抜かしたまま後退するしかない。

覚えてるかなあ?いずみちゃんが腹踊りを披露したこと…
またしても菊丸が過去話を引きずり出してきた。

そ、それが何よ!?

あの時の顔のパーツを魚拓…あいや『いずみちゃん拓』で再現して顔を作ろうかと思って💛

え…ええっ!?
いずみの脳裏にまたも恥ずかしい記憶が甦る…

(あ…あの時の腹踊り…わたしは…胸からお腹にかけて菊丸くんに顔を落書きされ…大勢のお客様の前にさらされて…)
いずみの目が徐々に虚ろになり、記憶がどんどん鮮明に甦る。

(茶巾で身動きを封じられたわたしは、結局なすすべもなく…最後は…お、お客様に大股開きでパックリ開いてるとこ…見られ…ちゃ…った…)

死ぬほど恥ずかしいおもひで💛
奇しくもいずみはその瞬間の同じような体位になっていた。
両足を大きく投げ出し、手は後ろに回って体を支えてる。ただあの時と違い、股間はストッキングとパンティに守られ、恥ずかしい大切な部分は見られていなかった。ストッキングの奥に白いパンティが透けて見える。
菊丸はそこを目で楽しみながらも慌ててがっつくことはなく、周到に外堀から埋め始める。

隙あり!!
後ろ手に回っているいずみの両手首を手早く福笑いの目隠しで縛り上げたのだった。

あ…こ、こらぁ!!ほ、解きなさいよぉ!!
胸を露出してることなどすっかり忘れ、いずみは菊丸を怒鳴りつける。

大丈夫、大丈夫すぐ終わるから…まずは右目…
墨を含んだ筆をいずみの左胸に宛がう菊丸。

ひゃあ!?
墨汁とはいえ、冷たい液体がいずみの胸を黒く染め上げる。

はい、いただき!!
画用紙を押し当て剥がすと、いずみのおっぱいの拓が取れた。

ああん、やだぁ!!

続いて…左目!!
同様に右胸の拓もあっさり取られてしまう。

ああん、墨が服に移っちゃうよぉ!!

ごめんね、もう少し待って…鼻を作るところまで…

は、鼻ぁ!?
そういえば腹踊りでは、鼻はただの落書きだった。

い、いったい何で象るつもりなの!?

でへへ…いずみちゃんの体を余すところなく使わないとね…
菊丸の筆が次に狙ったのは、いずみのおへそだった。

ひゃはっ!!やだぁ…くすぐったぁい!!
湿った、そして柔らかな筆の毛先がいずみの心を刺激する。
こうしておへその拓まで取られてしまったいずみ。菊丸は手早く不要な個所を切り取り、目、鼻を独立したパーツに仕上げてしまった。

どう?これ…中々のもんでしょ?
のっぺらぼうの顔の台紙にいずみの左右のおっぱいを基にした両目、中央にはおへそを写し取った鼻が置かれている。

で、でも…これじゃパーツ少なくない?
自分の体が文字どおりオモチャにされているにもかかわらず、いずみは妙に現実的な問題を提起した。

まぁ眉はいずみちゃんの鎖骨で表現してしまえば…

い、いやそれより足りないじゃない…その…口が…
なぜか躊躇いがちに口という言葉が出てくる。自分でもある程度菊丸のこれからの行動を察しているのがわかる。腹立たしいのは、それがいずみにとって僅かながら期待している要素を含んでいることだった。
はたしていずみの予想どおり、菊丸の視線がいずみのある一点に集中する…赤みがかっていた顔が一層紅潮している。

でへへ…お、お口はし、下のお口でぇ!!
菊丸がいずみのストッキングを脱がそうと突進してきたとき、いずみの脳裏では、常識的な理性と破滅願望がせめぎ合っていた。多くの場合前者が勝り、大事には至らずに済んでいる。そしてこのときもいずみの理性がわずかに勝っていた。

バ、バカァ!!
M字開脚していた長い足が、跳ね上がり、的確に菊丸のあごにヒットした。

ぐほっ!?
だが、その角度も力も浅く、ダメージは乏しい。

…?
にも拘わらず、菊丸は一瞬直立不動になった後、崩れ落ちるように膝をつき、やがて仰向けに倒れてしまった。

あれ?
思いがけない展開にいずみは戸惑った。あんな蹴りで菊丸がダウンするはずがない。
縛られたままにじり寄ってみると、菊丸は少しうなされているようだった。ここでいずみはようやく悟った。

そ、そうか、菊丸くんたら、熱を出して寝込んでたんだわ!!
これで菊丸が年末年始にちょっかいを出してこない理由が納得できた。こうなるとさすがに菊丸をこのままにして帰るわけにもいかない。

だ、だけど…この縛られた状態でどうすればいいのよぉ!?
たまらずいずみは絶叫してしまうのだった。

…ふぅ、やっぱりマスク着けるとやっぱ暑いなぁ…

黒猫さん、黒猫さん!!オンエア始まってますよ!!

…あ!!どうも!!「黒猫マスクの情け無用!!」今回は出張版です!!司会の黒猫マスクです!!

アシスタントの原田いずみです!!…というか、何なんですかこれ?

タイトルどおり、新春特別企画だよ。ひさーしぶりの創作ストーリーってことで…

っていうか、前回もお正月ネタでしたよね。

うん、やはりこの時期になるといずみちゃんのお供えを思い出しちゃうんだよね。

こらこらぁ!!それ、さっき本文にもあったフレーズじゃないですか!!あ、もぉ!!そのカットはいいてばぁ!!


いやいや、それをきっかけにネタが膨らんだので、勢いだけで書き上げた代物なんだよ。

あ~そういうことですか…ふぅ~ん…

どうかした?

いやぁ…それにしちゃネタとして薄いなと思いまして…その…わたしのイジられ具合が…

ああ、そりゃそうだよ。だってこれ、まだ前半だもん。

え…?

新春特別企画って言ったでしょ?明日も公開しまーす!!

ええっホントにぃ!?

総反省会はまた改めてということで、ではまた明日!!
元旦の午後、いずみはとあるマンションのドアの前に立っていた。
これまで菊丸といずみは、千春やリンダを加えての時も含め、節目節目のたびに一緒に過ごすことが多かった。
予定を組んでいるときは当然だが、いつもなら元日であろうと大晦日であろうと菊丸は強引に参加、もしくは襲撃してくるのが常だった。
だがこの正月は何もない。冬休みに入る前に特に予定はないと聞いていたし、その静けさがかえって不気味で明智家を訪問せずにはいられなくなったのだった。

(べ、別にいいわよね、ちょっとご挨拶して帰るだけ…竹丸くんやご両親だっているだろうし…)
心の中で必死に理由づけを終えると意を決して、いずみはそれでも躊躇いがちに明智と書かれたドアの呼び鈴を押した。

はぁ~い…
ドアが開き、菊丸がぼさぼさ頭にジャージ姿で現れた。

あ、あれ…いずみちゃん!?

あ…あけましておめでとう…ほ、ほらちょっと新年のご挨拶に…ち、近くまで来たから…ついでに…
(こ、後半は余計だったかな?)
余計な嘘を盛ってしまったことを悔いたが、菊丸は全然気付いてないらしい。

おめでとう…へくしっ…ああ、とにかく寒いから中に入って…

あ…きょ、今日はご挨拶だけ…皆さんいらっしゃるんでしょ?元日そうそうお邪魔だろうし…

あ~大丈夫大丈夫、両親は年始回りだし、竹丸もそれにくっついてお年玉稼ぎだよ。

あらあら…しっかりしてるというか…竹丸くんらしいわね…じゃあちょっとだけ…
寒いのは事実なので、いずみは促されるまま菊丸の部屋に入った。コートとマフラーを外し、アーガイル柄のVネックセーター、濃いめのオレンジのスカートと黒いストッキング姿になる。
部屋に据え付けられたコタツに入り、生き返った思いがした。
菊丸が台所から次々とおせちをはじめとするお正月料理を小分けして持ってきた。

あ…菊丸くんお構いなく…わたしすぐ帰るから…

まぁまぁ…せっかく来てくれたんだし…お腹すいてるんでしょ?

え…あ、いや…
まるで待っていたかのように、いずみのお腹がぐ~となった。

~!!

ほらね、遠慮しなくていいんだよ。たくさんあって余ってるんだからさ。

イ…イタダキマス…
リンダのようなぎこちない言葉を発し、顔を真っ赤にしながらいずみは箸をとった。
一度口にものを入れるといずみの食欲は遠慮しない。菊丸自身はほとんど食べずにいずみをニコニコと眺めている。

…どうしたの?

いやぁ…いずみちゃんの食いっぷりって見てて爽快でね…

ご、ごめんなさい!!わたしったら…

いやいや、いいんだよ。それよりお雑煮食べる?おもち好きだったでしょ?

…
耳まで顔を赤らめていずみは無言で頷いたのを見て、菊丸が席を立った。

(ああ~ん、わたしのバカァ!!これじゃあただの食いしん坊じゃなぁい!!)
結局お雑煮もおかわりまでしてしたところでいずみはようやく満腹になった。

げぷっ…もうさすがに無理ぃ…

それにしてもよく食べたよねぇ…

だ、だっておいしいんだもん!!あ~ん…体重計乗るのがこわいよぉ…

でも素晴らしいプロポーション保ってるじゃん。

あ、ありがと…でもこう見えてダイエットには苦労してるのよ。意外とお腹に出やすいの…

へぇ~どれどれ…
いつのまにか背後に回ってた菊丸が、いずみのセーターをたくし上げた。

きゃあ!?
プルンと白いお腹が露わになり、それを菊丸がポンポンとはたく。

なるほどなるほど…ちょーっとだけ今食べた分がせり出してますな…

こらこらぁ!!

あは、ごめんごめん…
勢いで胸まで露出させられるかという予想に反し、菊丸はあっさり手を離すと対面に戻っていった。

(あ、あれ…おとなしいわね…いつもならもっとこう…)
だがそこに、菊丸が不意に過去の恥ずかしい話を引っ張り出してきたので、いずみのかすかな疑問は吹き飛んでしまった。

そういえば、いずみちゃんおもち好きだよね…あの時温泉旅館でぼくがお供えもち持って来ちゃったとき、一番食べたのいずみちゃんだったよね…

や、やだぁ!!せっかく忘れてたのに思い出させないでよ!!

いやぁ…お正月の都度毎年思い出しちゃうんだろうねぇ…いずみちゃんのお供え餅💛

恥ずかしいおもひで💛

へ、変な刷り込みやめてよ!!頭から離れなくなっちゃう!!
ふといずみは菊丸の顔がほんのり赤いのに気づいた。

(あ…そうか…菊丸くんたら、さてはお屠蘇飲んでのからみ酒ね…)
菊丸がお屠蘇で酔っぱらってると思ったいずみは、これ以上絡まれてはたまらないので、話題をそらそうと部屋を見渡すと、部屋の隅にすごろくやトランプなど、遊んでる途中で中断したらしい遊具類が転がっているのに気づいた。

あ、ああいうゲーム懐かしいなぁ…

ああ…竹丸に付き合ってやってたんだよ。

ああ…そうよね、菊丸くんって、なんだかんだでいいお兄ちゃんよね。
いずみには兄弟はいないので、ああいうゲームで遊んだ経験はほとんどない。

遊んでみる?

そうねぇ…どうせならお正月ならでは、な遊びががいいなぁ…

そうだねぇ…じゃあこれは?
菊丸が持ち出したのは福笑いだった。

じゃ、じゃあ…ちょっとやってみようかな。
夕刊紙くらいの大きさの台紙にパーツのない顔面が描かれている。
いずみが目を閉じてパーツを手に取ろうとすると菊丸から待ったがかかった。

ダメダメ、いずみちゃん、目を閉じるだけじゃあ!!

え…?

福笑いの基本は目隠し!!これがないと不正が横行しちゃうんだよ!!

ふ、不正って大げさな…たかだか遊びじゃない…

いやいや、こういうのはルール順守が大事なんだよ…ほら、この福笑いセットにも最初から目隠しが付属してるんだから!!
菊丸が手にしていたのは、黒い鉢巻のようなものだった。菊丸が準備したものかと疑ったが、その隅におもちゃメーカーの名前が刺繍されているのでどうやら本物らしい。

これは福笑い公式大会に準拠した規格の目隠しなんだ!!さぁさぁ!!

ああ~ん、ホントにそんな大会あるのぉ!?
だが仕方なくいずみは目隠しを装着する。目に布を宛がい、鉢巻と同じ要領で後頭部でキュッと締める。

さぁいずみちゃんこれがパーツだよ。
寄り添った菊丸がいずみに福笑いのパーツを手渡す。

(ああん…き、菊丸くん…ち、近ぁい…)
視界のない背後から菊丸の気配が伝わってくる。

ああ…ちがうちがう…それはもうちょっと右…そうそう…
いつのまにか菊丸が手を取り、いずみに密着して誘導しはじめた。温かい手触りがいずみを妙に興奮させる。
滲み出た汗が目隠しにジュンと吸い取られる。

ああ、いずみちゃん、このパーツはもっと奥だから、そのままじゃ届かない。体を乗り出さないと!!
言われるがままいずみは体を乗り出すと自然と四つん這いになった。重力でセーターの裾が垂れ下がる。先ほど菊丸にお腹を出さされたこともあり、少し乱れがちだった服の裾は、地面すれすれまで達していた。服の陰からおへそが少しだけ露出し、外気が当たる。

(ん…)
スカートの丈は短いが、おしりを突き上げる格好になってはいても、その奥は見えてはいないはずだ。
だが、視界を奪われたいずみに菊丸が少し手を伸ばせば、残るいずみの防御アイテムは、黒いストッキングとさらに奥の純白パンティのみと思うと何とも心もとない。

(き、菊丸くんが余計なことしないよう集中しつつ、さっさと終わらせよう…)
そっちに菊丸が食指を動かさないか警戒していたいずみだったが、意識してしまった故に脳裏にはその手の光景ばかりが支配するようになってきた。

(わ、わたし今…菊丸くんの部屋で…目隠しされてぇ…四つん這いになってるぅ…)

いずみちゃんどうしたの?えらく息があがってるけど…風邪ひいたの?
菊丸の問いかけでいずみはハッと我に返った。

ち、ちがう!!大丈夫よ!!こ、この辺かな…?
最後のパーツを置くと、菊丸が目隠しを外してくれた。少し明るい視界を取り戻すのに時間がかかったが、最初に飛び込んできた光景は、いずみが作り上げたみょうちきりんな顔の福笑いだった。

な、なによこれぇ~!!

あははは…
いずみも思わず苦笑する。ふといずみはあることに気づいた。

あれ…でもこの福笑い、よく見たら片目がないじゃない。

ああうん、実は失くしちゃってねぇ…

それじゃちゃんとした顔絶対作れないじゃない。竹丸くんだってつまらないでしょ。

そうなんだけどねぇ…

おせちごちそうになったし、わたしでよかったら協力するわよ。

ほんと?ありがとう。できれば新しい顔を作ってみたいんだよね。

今やった福笑いパーツの模写じゃだめなの?

もうちょっとこう…ひねりが欲しいんだよね…ほら、福笑いの顔って個性的なパーツの方が面白いじゃない?

そ、そうかもね…

あ…そうだ!!
これまでの純朴そうな少年の顔が消え、菊丸の目に怪しい光が宿ってきた。

(き、きたぁ!!)
いずみはほとんど無自覚に心の中でつぶやいていた。

じゃあいずみちゃんも協力してくれるっていうことだし、さっそく作ろうか。
言うが早いか菊丸はいずみのセーターを今度は胸までたくし上げた。

きゃああ!!
不意を喰らったのでいずみは、本当に驚いた。
衣類をブラジャーごと首までずり上げられ、白い素肌にピンクのさくらんぼのような乳首が露わになった。

な、何するのよぉ~!!いたた…あ、足が…
悪いことに足が痺れてすぐに立てないいずみは、じりじりと腰を抜かしたまま後退するしかない。

覚えてるかなあ?いずみちゃんが腹踊りを披露したこと…
またしても菊丸が過去話を引きずり出してきた。

そ、それが何よ!?

あの時の顔のパーツを魚拓…あいや『いずみちゃん拓』で再現して顔を作ろうかと思って💛

え…ええっ!?
いずみの脳裏にまたも恥ずかしい記憶が甦る…

(あ…あの時の腹踊り…わたしは…胸からお腹にかけて菊丸くんに顔を落書きされ…大勢のお客様の前にさらされて…)
いずみの目が徐々に虚ろになり、記憶がどんどん鮮明に甦る。

(茶巾で身動きを封じられたわたしは、結局なすすべもなく…最後は…お、お客様に大股開きでパックリ開いてるとこ…見られ…ちゃ…った…)

死ぬほど恥ずかしいおもひで💛
奇しくもいずみはその瞬間の同じような体位になっていた。
両足を大きく投げ出し、手は後ろに回って体を支えてる。ただあの時と違い、股間はストッキングとパンティに守られ、恥ずかしい大切な部分は見られていなかった。ストッキングの奥に白いパンティが透けて見える。
菊丸はそこを目で楽しみながらも慌ててがっつくことはなく、周到に外堀から埋め始める。

隙あり!!
後ろ手に回っているいずみの両手首を手早く福笑いの目隠しで縛り上げたのだった。

あ…こ、こらぁ!!ほ、解きなさいよぉ!!
胸を露出してることなどすっかり忘れ、いずみは菊丸を怒鳴りつける。

大丈夫、大丈夫すぐ終わるから…まずは右目…
墨を含んだ筆をいずみの左胸に宛がう菊丸。

ひゃあ!?
墨汁とはいえ、冷たい液体がいずみの胸を黒く染め上げる。

はい、いただき!!
画用紙を押し当て剥がすと、いずみのおっぱいの拓が取れた。

ああん、やだぁ!!

続いて…左目!!
同様に右胸の拓もあっさり取られてしまう。

ああん、墨が服に移っちゃうよぉ!!

ごめんね、もう少し待って…鼻を作るところまで…

は、鼻ぁ!?
そういえば腹踊りでは、鼻はただの落書きだった。

い、いったい何で象るつもりなの!?

でへへ…いずみちゃんの体を余すところなく使わないとね…
菊丸の筆が次に狙ったのは、いずみのおへそだった。

ひゃはっ!!やだぁ…くすぐったぁい!!
湿った、そして柔らかな筆の毛先がいずみの心を刺激する。
こうしておへその拓まで取られてしまったいずみ。菊丸は手早く不要な個所を切り取り、目、鼻を独立したパーツに仕上げてしまった。

どう?これ…中々のもんでしょ?
のっぺらぼうの顔の台紙にいずみの左右のおっぱいを基にした両目、中央にはおへそを写し取った鼻が置かれている。

で、でも…これじゃパーツ少なくない?
自分の体が文字どおりオモチャにされているにもかかわらず、いずみは妙に現実的な問題を提起した。

まぁ眉はいずみちゃんの鎖骨で表現してしまえば…

い、いやそれより足りないじゃない…その…口が…
なぜか躊躇いがちに口という言葉が出てくる。自分でもある程度菊丸のこれからの行動を察しているのがわかる。腹立たしいのは、それがいずみにとって僅かながら期待している要素を含んでいることだった。
はたしていずみの予想どおり、菊丸の視線がいずみのある一点に集中する…赤みがかっていた顔が一層紅潮している。

でへへ…お、お口はし、下のお口でぇ!!
菊丸がいずみのストッキングを脱がそうと突進してきたとき、いずみの脳裏では、常識的な理性と破滅願望がせめぎ合っていた。多くの場合前者が勝り、大事には至らずに済んでいる。そしてこのときもいずみの理性がわずかに勝っていた。

バ、バカァ!!
M字開脚していた長い足が、跳ね上がり、的確に菊丸のあごにヒットした。

ぐほっ!?
だが、その角度も力も浅く、ダメージは乏しい。

…?
にも拘わらず、菊丸は一瞬直立不動になった後、崩れ落ちるように膝をつき、やがて仰向けに倒れてしまった。

あれ?
思いがけない展開にいずみは戸惑った。あんな蹴りで菊丸がダウンするはずがない。
縛られたままにじり寄ってみると、菊丸は少しうなされているようだった。ここでいずみはようやく悟った。

そ、そうか、菊丸くんたら、熱を出して寝込んでたんだわ!!
これで菊丸が年末年始にちょっかいを出してこない理由が納得できた。こうなるとさすがに菊丸をこのままにして帰るわけにもいかない。

だ、だけど…この縛られた状態でどうすればいいのよぉ!?
たまらずいずみは絶叫してしまうのだった。

…ふぅ、やっぱりマスク着けるとやっぱ暑いなぁ…

黒猫さん、黒猫さん!!オンエア始まってますよ!!

…あ!!どうも!!「黒猫マスクの情け無用!!」今回は出張版です!!司会の黒猫マスクです!!

アシスタントの原田いずみです!!…というか、何なんですかこれ?

タイトルどおり、新春特別企画だよ。ひさーしぶりの創作ストーリーってことで…

っていうか、前回もお正月ネタでしたよね。

うん、やはりこの時期になるといずみちゃんのお供えを思い出しちゃうんだよね。

こらこらぁ!!それ、さっき本文にもあったフレーズじゃないですか!!あ、もぉ!!そのカットはいいてばぁ!!


いやいや、それをきっかけにネタが膨らんだので、勢いだけで書き上げた代物なんだよ。

あ~そういうことですか…ふぅ~ん…

どうかした?

いやぁ…それにしちゃネタとして薄いなと思いまして…その…わたしのイジられ具合が…

ああ、そりゃそうだよ。だってこれ、まだ前半だもん。

え…?

新春特別企画って言ったでしょ?明日も公開しまーす!!

ええっホントにぃ!?

総反省会はまた改めてということで、ではまた明日!!